仮面ライダー剣 サンドリオンウォーリアーズ   作:伊勢村誠三

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カウント・ザ・ラウズカード
現在ライダー達が使えるカードは?

ブレイド ♠︎A、2、3、5、6、8、9
カリス  ♥A、2、3、5、6、8、9、10、Q
レンゲル ♣︎A、2、3、4、5、6、7、9、10
ギャレン ♦︎A、2、3、5、6、8、9、J
陛下   ♠︎J ♥K


スート♣
♣︎A


1

アンデッドは人を襲う。

不死身の彼ら、彼女らは食事が必要ないにも関わらず人を食べる。

 

呼吸は発声の為に、水中に入れる様になる為に代謝は必要になる様にこれにもれっきとした理由がある。

 

即ち戦う力を蓄える為だ。

 

「██████!!」

 

アンデッドにとって人間とは自分たちの眷属を虐げる驕った生き物の代表格。

しかもアンデッド的には非常に吸収効率が良い。

充電と復讐を同時に果たせて一石二鳥なのである。

 

「た、たす、助けて誰か!」

 

のっしのっしと背後に迫る異形から逃げながらエルフの少女は走った。

 

何度も期待を込めて振り返るが、右手に大盾をつけた岩の様な異形との距離は全く広がっていない。

寧ろ縮んでいる。

 

(追いつかれる!!)

 

それでも何とか逃げようとするが遂には行き止まりに追い詰められた。

 

「嘘……」

 

「▅▅▅▅▅。」

 

諦めろと言う様に岩の様な異形、トータスアンデッドはジャラリと鉄球を構えてエルフの少女に迫る。

 

「はぁ!」

 

すると誰かがトータスの背後からロングコートをなびかせて飛び出してきた。

振り向き座間にピンポイントで目を蹴り飛ばしトータスを後退させる。

 

「大丈夫か?」

 

「………」

 

エルフの少女、クロエは警戒しながらも頷いた。

目の前の男を観察する。

 

黒いサングラスに軽薄そうな笑みを浮かべた身長175cmほどの若い男だ。

 

「そう警戒しなさんなバッドガール。

あそこの筋肉達磨よか信用できるだろ?」

 

一方でサングラスの男、ハジメもクロエを観察していた。

 

身長は150cmと少しぐらいで、金髪をツインテールにして第一ボタンを外したシャツに緩く結んだネクタイ。

だらしなく羽織った上着に赤のスカート。

超お嬢様学校聖テレサ女学院、通称テレ女の制服だ。

 

(にしちゃあ随分柄が悪いな。)

 

一言で言えばダウナーな感じだ。

声も低めで目つきも悪い。

まあ、目の色アンデッドの血と同じ色の自分が言えた事じゃないが。

 

「ま、とにかく。見ちまったからには放って置けないんでな。サッサと片付けさせて貰う!変身!」

 

<CHANGE ♥A>

 

ハジメはカードをラウズしてカリスに変身した。

飛びかかった所をアッパー気味の打撃で吹っ飛ばされるが、空中で筋肉の隙間目掛けてカリスアローを引き絞り射る!

 

「██████!」

 

流石にダメージを負ったトータスは鉄球を振り回しながら撤退した。

それを見送りカリスはスピリットのカードを使いハジメの姿に戻る。

 

「さーて、バッドガール。

夜遊びは程々にしとけよ?

俺みたいな悪い男やあの手の化け物に絡まれるからな。」

 

そう言ってハジメはシャドーチェイサーを呼ぶとそれに乗って夜の街に消えた。

 

 

 

 

2

「聖テレサ女学院?」

 

「ご存知ありませんか?」

 

ハジメがクロエを助けた翌日。

ブレイドとコッコロは派遣のバイトで弁当屋に送られた先で販売の仕事を与えられていた。

 

「まあ一言で説明しますとランドソル屈指のお嬢様校です。」

 

なんでも資金難になって近年共学化を余儀なくされたらしい。

 

「で?こんな派遣の弁当屋に注文するぐらい緊迫してると。」

 

「はい。」

 

何やら中々に厄介な事情を抱えているらしい。

まあ、そのおかげで食べていける自分達なのだが。

 

「それに、何やら良からぬ噂もあります。」

 

「噂?」

 

「はい。なんでもテレ女の一番古い校舎の地下には、

悪魔と共同研究がなされてる場所が有るそうです。」

 

 

 

 

3

「テレ女か、そういやこの前アンデッドに襲われてたエルフもそこの生徒だったな。」

 

翌日朝、サレンディア救護院にて一同は情報交換をしていた。

 

「じゃあアンデッドを封印できたわけ?」

 

「いんや残念ながらお魚ちゃんみたいに釣れないやつでね。

俺がハッタリでもなんでもなくカリスの力を持ってると知るとサッサと逃げ果せたよ。」

 

「誰が釣れない奴よ誰が。」

 

「お前さんに決まってるだろ?

竿垂らしてたっていつまでも来ないと思って引っ張ってみりゃスイスイ泳いでくる。」

 

「黙れこのカッコつけサングラス!」

 

「うるせえ今時ツンデレ猫耳なんか流行らねえんだよ時代遅れ!」

 

仲良く喧嘩を始めるキャルとハジメ。

 

「こーらー!仲良くしない子にはギューっ!の刑ですよ!」

 

と言ってペコリーヌは背後から2人に抱きついた。

 

「うわ!何すんのよペコリーヌ!?」

 

「ちょちょちょ!レディ当たってる!

(胸が)当たってますから離して!」

 

「(友達に身体を)当ててるんです!」

 

「なあ!!?」

 

「それにこの前の集団幻覚の時にギスギスしたせいで友達成分が足りないから2人から吸引するんです!」

 

「だあー!ほっぺスリスリするな!

人の頭の匂いを嗅ぐな!ぶっ殺すぞ!」

 

「良い匂いはかぐために有るんです!」

 

「知るかそんなこと!」

 

(マズイ……俺、マジでキャパオーバー……)

 

なんて賑やかに騒ぐ3人を見て満足そうに笑うと直ぐに真剣な顔になって

 

「ハジメ、その助けたエルフの子ってどこに居るか分かるか?」

 

「聞いてどうするんだ?会いに行くのか?」

 

「ああ、服を借りようと思って。」

 

「服?ブレイド君女の子の服着るんですか?」

 

「テレ女のある噂について調べたくてね。」

 

 

 

 

4

(噂をすればなんとやら……)

 

その日の夜、キャルは陛下に聖テレサ女学院に呼び出された。

王宮で使ってる身分証代わりの鈴を警備員に見せると素通りさせてくれた。

 

「お、来た来た。」

 

道なりに進んでいると銀髪に白い上着の自分と同い年ぐらいの少女が待っていた。

確か王宮騎士団のメンバーだ。

何回か王宮で見たことがある。

 

「態々陛下がお越しだ。

ついにレンゲルのベルトが私の物になるのかもな。」

 

なんて笑えない冗談を聞き流しながらキャルは銀髪の彼女、トモに続いて旧校舎の隠し階段から地下に入って行く。

 

「陛下、お連れしました。」

 

「下がりなさい。」

 

トモを下がらせると陛下、覇瞳皇帝はキャルに近づき

 

「この、役立たずが!」

 

彼女の顔を容赦なく殴った。

続いて蹴り、髪を掴んでビンタ。

 

「彼らが死んでなかったと知って随分嬉しそうだったじゃない?」

 

「そ、それは…奴らに疑われない為に…」

 

「言い訳はいい!」

 

陛下の両腕から雷撃が放たれる。

それは力になって比喩でも何でもなくキャルの身体中に入り込んで行く。

 

「かはぁ!ーーーーッッッ!!

ーーーーァアあああぁアあああア!!!!」

 

「喜びなさいキャル。

この世界に2つとない力をあげるわ。

あなたの失敗は私の責任でもある。

あなたは私のプリンセスナイトだからね。」

 

「なるほど。だから精々スパイダーが融通きかせてやっと変身出来る程度の融合係数しかないキャルでもあんだけ強かったのか。」

 

コツコツと靴音を鳴らしながら入ってくる人影が居た。

季節関係なく羽織ったロングコートに昼夜関係なくかけているサングラス。

珍しく真剣な口調の彼は

 

「は、ハジメ……」

 

「無理に動くなキャル。

今お前の体はキャパオーバー寸前だ。」

 

ハジメは♥A、CHANGEのカードを構えてジョーカーラウザーを出現させる。

 

「あらあら、まさかここに帰ってくるなんて。

生家が恋しくなったかしら?ジ「黙れネカマ野郎。」……………はぁ?」

 

苦痛に耐えながらキャルは陛下とハジメ双方から発せられる殺意に固まった。

 

(う、動いたら、死ぬ!)

 

目線をこっちに向けるなと願いながら時間が過ぎるのを待った。

 

「仲間がピンチじゃならなきゃこんなとこ来るかよ。」

 

「仲間?あなたに?キャルが?誰かの仲間?

随分冗談が上手くなったわね。

まあ、それはいいとしてどうやってここに?」

 

パチン!と指を鳴らすハジメ。

するとキャルの服の袖から1匹のムカデが出てきてハジメのポケットに入っていった。

 

「あら。もうカードのラウズ無しで封印したアンデッドの眷属を使役できるだなんて。」

 

「誰かさんと違って手札が豊潤なんでね。」

 

カードにも仲間に愛されてるってことかなー!

人気者は辛いね。

と戯けて言うと陛下はさっきまでの余裕ある表情を消してハジメを睨め付ける。

 

「まさか、私に勝とうだなんて思ってないでしょうね?」

 

「お前こそ!俺とお前の絶対値は同じ。

それを支えるアンデッドが9体の俺と上級とはいえどんなに多く見積もっても2、3体のお前!

一対一ならまず負けない。

瀕死のキャルを駆り出しても精々五分五分!」

 

高らかに言い放つハジメ。

それに対して陛下は

 

「……ええ、そうね。

確かに私の手持ちはこの2枚。」

 

ギャレンに命じて奪わせた♠︎Jのカードと、唯一自力で封印した♥Kのカードを見せる。

 

(エボリューションパラドキサ!?

コイツに先に封印されてたか……最悪だ。)

 

「けど仲間なら」

 

ハジメの背後から退出したと思っていたトモに、キャルにレンゲルバックルを届けたマツリ。

 

そしてキャルとハジメの前にキャルにマンティスアンデッドのカードを譲渡したクリスティーナが現れる。

 

「あなたにも負けないぐらい居るわよ?」

 

「クソが!」

 

 

 

 

5

「主様。女の子になってしまわれましたね。」

 

時間を巻き戻しその日の昼。

テレ女の女子制服に袖を通し、引き立たせる程度にメイクをしたブレイドはやや脚が太めだが、喋らなければ女子として十分通用する程度になっていた。

 

「おー!ブレイド君いい!凄くいいじゃん!」

 

「まさかここまで化けるとは…」

 

「私達もお化粧してて途中から楽しくなっちゃったもんね。」

 

うんうんと頷くトゥインクルウィッシュの3人。

 

「けどなんで態々女子の制服なんですか?」

 

「それは近年共学化されたばかりで男性の卒業生がおらず、制服が出回っていなかったからです。」

 

ペコリーヌの疑問に素早く答えるコッコロと、問題ない!と言う様にサムズアップするブレイド。

 

「いやまあ、格好はいいにしてもさ。

声はどうするのよ?流石に裏声じゃ厳しいでしょ?」

 

「そこは私が引っ込み思案の妹という設定で主様の背後にピッタリついて腹話術の要領で喋ります。」

 

そしてコッコロが作ってくれた布マスクを装着してサムズアップするブレイド。

 

「その手の噂なんか一々真に受けてたらキリがない気がするけど?」

 

キャルがいうしかしブレイドは真剣に言った。

 

「今はどんな手掛かりでもいい。

ギャレンが俺の上級アンデッドのカードを狙ったって事は何か目的があるはずだ。」

 

「目的?」

 

「まだ何かはわからない。

けど放っておけば、大変な事になる。」

 

 

 

 

 

6

(放っておいてもなったわよ…大変な、事に…)

 

なんとか立ち上がりながらキャルは心の中で毒付いた。

 

「さあ、あなた達。

そこのなり底ないのアンデッドを処分しなさい。

管理不能の道具を置いておく理由はないわ。」

 

「仰せのままに。」

 

トモはシルバーベースにグリーンのバックル、

ラルクバックルを、マツリはランスバックルを構える。

 

「「変身!」」

 

<<OPEN UP ⊕A>>

 

トモは赤いラインに緑の単眼の仮面を持つランスと同一規格のライダー、ラルクに。

マツリはランスに変身する。

 

「さて、曲がりなりにもカリスと戦うんだ。

4対1とは言え楽しませてくれるんだろうね?変身!」

 

<OPEN UP ⊕A>

 

クリスティーナはグレイブに変身した。

 

「全く、アンフェア極まれりだな。変身!」

 

<CHANGE ♥A>

 

ハジメも対抗してカリスに変身する。

 

「ほらどうしたのキャル。

あなたも早く変身しなさい。

私の邪魔をするカリスを殺しなさい!」

 

キャルの全身に激痛が走る。

この苦痛から逃れたい。

出来ないならサッサと気絶してしまいたい。

そう思うぐらいの痛みだけが、キャルの身体を傷つける事なく走る。

 

(苦痛からにげたいか?

ならばカリスからカードをうばえ。

貴様に流れる『プリンセスナイト』とかいう力をあやつれるのは力だけだぞ?)

 

カテゴリーAからの言葉にキャルはバックルを取り出し、カードをセット。

 

『キャル……』

 

「変……身ッ!」

 

<OPEN UP ♣A>

 

キャルは紫色の禍々しいエネルギーを纏いながらレンゲルに変身した。

 

『仮面舞踏会ってか。

こんな時じゃなきゃ逆紅一点だと喜べたけどねえ?』

 

カリスアローを構えながら『四面楚歌』という四字熟語が頭を過ぎるハジメだった。

 




レイ「レイと!」

ヒヨリ「ヒヨリの!」

2人「仮面ライダー図鑑!」

レイ「今回紹介するのはこいつだ!」

<OPEN UP ♣A>

ヒヨリ「本作ではキャルちゃんが変身するの仮面ライダーレンゲルだ!」

レイ「仮面ライダー剣では上城睦月、桐生豪、剣崎一真が、仮面ライダーディケイドでは黒葉ムツキが、小説ブレイドではサツキ変身したライダーだ。」

ヒヨリ「武器は醒杖レンゲルラウザー。専用バイクはグリーンクローバー。
多彩なカードの能力に頼ったトリッキーな戦いが得意だ!」

レイ「うちのユイとどちらが手数で上かな?」

ヒヨリ「次回もお楽しみに!」
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