仮面ライダー剣 サンドリオンウォーリアーズ   作:伊勢村誠三

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カウント・ザ・ラウズカード
現在ライダーが使えるカードは?

ブレイド  ♠︎A~9、Q
ハジメ   ♥A〜10、Q ♦J、Q
レンゲル  ♣︎A〜7、9、10
ペコリーヌ ♦︎A〜9
覇瞳皇帝  ♥K ♠︎J ♦︎K ♣︎K ⊕A


♣J

窓から差し込む木漏れ日とそよ風が運んできた少し埃っぽい空気がブレイドを目覚めさせた。

 

「こほっこほ!………ここは?」

 

窓の外から丁度ランドソルの城壁が見える。

ここはランドソルのギルド管理委員会が新人向けに貸し出してるギルドハウスだろうか?

因みにあんまり人気は無いらしい。

 

「だから、入れたのか?ん?

俺、昨日自力でここまで来れたか?」

 

少なくとも野外で気を失った筈だ。

こんな雨風をしのげる場所ではない。

自分は誰かに運ばれてきた。

そう気付いたブレイドは周囲の状況を把握することにした。

 

まず自分はリビングのような場所のソファーに寝かされていた。

特に取られた持ち物などはなく、

剣はソファーに立てかける様にバックルもカードもマントもテーブルに置かれていた。

 

(物盗りではない。じゃあ誰だ?)

 

はぐれた仲間の誰かだろうか?

取り合えず自分をここまで運んだものはまだここにいるらしい。

そうでなければ内側から玄関の鍵なんてかけないだろう。

 

(とりあえず、ご挨拶ぐらいしとくか。)

 

ブレイドは装備一式を身にまとうと一応忍び足で二階に上がった。

取り合えず一番奥の部屋から見ていくことにしてドアを開けると

 

「え?…………な、なああ!」

 

「キャル!運んでくれたのはお前だったんd」

 

「いやああああーーー!!」

 

たらいがブレイドの顔面に炸裂する。

痛みに悶えて転がるブレイドを何発も蹴りながらキャルは叫んだ。

 

「人が着替えてる途中にノックもせずに部屋に入るな!

ぶっ殺すぞ!」

 

「ご、ごめん……。」

 

「はぁー!はぁー!……ふう。

肌着きてたから良かったけどこれからはその、気を付けなさい。」

 

「ノック、大切、覚えた。」

 

顔を抑えながらグッとサムズアップするブレイド。

それじゃあしばらく後ろ向いててと言って着替えを続けるキャル。

いつもの衣装に杖とレンゲルバックルをもって準備完了だ。

 

「もういいわ。」

 

「ん。……あ。」

 

「何よ、なんか今更思い出したみたいな顔して。」

 

「キャル、久しぶり。元気だった?」

 

「え?……まあ、ね。

アンタこそもう元気そうでよかったわ。」

 

キャルはなんだかブレイドの目を見たくないなと思いながら曖昧にうなずいた。

 

「キャルの顔が見れたからね。」

 

「な!あ、アンタそんなセリフ良く恥ずかしげもなく言えるわね。」

 

「そうかな?

好きな人に会えて嬉しいのは当たり前だと思うけど?」

 

こいつ本気で言ってるのか?とブレイドの顔を見るが何の含みもない無邪気な笑みしか浮かんでいない。

キャル信奉する覇瞳皇帝がいつも浮かべている笑みとは真逆に見えた。

 

「そ、そんな事女の子に言っていい訳?

コロ助あたりに嫉妬されるわよ?」

 

「ぺコリーヌみたいにべたべたする訳じゃないし平気でしょ。」

 

「いやアイツを基準にするのはおかしいと思うけど?」

 

そんな話をしながら二人は下に降りた。

 

「そう言えばアンタなんで倒れてたの?

怪我って程じゃなかったけどボロボロだったし。」

 

「あー、それはね……」

 

 

 

 

結局ぺコリーヌを見つけられないまま兵士が駆けつけてしまったためブレイドはその場を脱出した。

 

「いたぞ!赤い目の仮面の、手配書の男だ!」

 

そのまま街中で鬼ごっこを繰り広げていたが

 

「私の旦那様に何をするつもりですか?ねえ教えてくださいよ私の旦那様にその槍で何をするつもりなんですかねえねえねえねえねえ!!!!」

 

………背後で人間が破壊される音を聞きながらブレイドは走った。

申し訳無いが自分が行ったところでどうにかなるとは思えない。

むしろ行ったことで悪化する可能性さえあった。

 

なんて心で言い訳しながら走っていると

 

<<OPEN UP ⊕A>>

 

見覚えのある二台のマシン、レッドランバスとブルースペーダーに乗ったラルクとランスに強襲された。

 

「お前ら…かかってこい!」

 

そこからはよく覚えていない。

ただ激しい戦いだったことはしっかりと覚えている。

例えば戦闘中にエリコにベルトを剥がされそうになったり

生身でランスの必殺技を食らった筈のエリコが普通に戦い続けたり、あとエリコが……エリコが………。

 

「ノロワレソウニ、ナッタヨ……。」

 

「その、なんて言うか、頑張ったわね。」

 

こめかみを抑えてうなだれるブレイドにキャルはやさしく肩を叩いた。

 

「それはさておき、アンタこれからどうすんの?

ブルースペイダーも盗られてぺコリーヌ達ともはぐれちゃったのよね?」

 

「ああ………取り合えずランドソルの中に戻りたいけど検問でひっ掛かるだろうし……」

 

難しい問題だ。カリスのフロートのカードやギャレンみたいにジャックフォームみたいに飛行機能が有れば夜のうちの文字通り飛び越えることも出来るがカテゴリーJもラウズアブソーバーもないブレイドには無理だ。

 

「ま、難しく考えすぎても仕方ないわよ。

取り合えずご飯にでもしましょう。

前に、その、虫食わされたレストランが近いから、さ。」

 

「あー、あったなそんなことも。」

 

もう随分と昔のことに感じる。

アンデッド騒ぎばかりが目立つが、それでもバイトの合間に食べ歩きしたり、ぺコリーヌが珍味を食べたいと言い出してダンジョンに潜ったり色々と冒険したものだ。

 

「ここもしばらくきて無かったな。」

 

「ねー、前はゲテモノしか食べなかったからそれ以外も食べたいわ。」

 

幸い空いていてすぐに席に通された。

 

「前回はぺコリーヌに全部決められちゃったから…何にしようかn」

 

メニューに目を通した瞬間、キャルは絶句した。

なにせそのメニューの内容というのが

 

『・プリン定食…………………1500

 ・プリンセット………………1500

 ・プリンアンドプリン………1500

 ・プリンアラモード…………1500

 ・イチゴプリン………………1500

 ・正統派のプリン……………1500

 ・コーヒープリン……………1500』

 

見事なまでにプリン一色だったからだ。

流石に酒類やジュースなんかはその限りではなかったが、それ以外は見事に何かしらプリンと名の付く物が並んでいた。

 

「キャルは決まった?」

 

「いや決まるか!てかこれ見ておかしいと思いなさいよ!

全部プリン!隅から隅までプリン!おかしいでしょ!?」

 

「いやそうは言うけどここカブトムシをおいしく料理して出す店だよ?」

 

「そうだけど!

それを言っちゃったらそうだけど!

それとこれとは別問題でしょ!?」

 

絶対おかしい。普通にプリン定食にチャレンジしようとするブレイドを引っ張って厨房に突入した。

 

「キャルやめとこうよ。

せめて手を洗ってからにしようよ。」

 

「言ってる場合か!絶対このレストランおかしいわよ。

プリンしか提供しない店側も、何の疑問も抱かない客も!」

 

 

 

 

3

「プリンプリンプリン~~

もっとプリンを作るの!

そして世界をプリン色に染め上げるの!」

 

乗り気じゃないブレイドを引きずりながら厨房を覗いてみると、白目を剥いたまま関節のおかしい操り人形みたいになったコックたちが黙々とプリンを作り続ける光景を至極愉快そうに見つめる半透明の浮遊した少女だった。

 

「なぁ!」

 

「浮いてる!?」

 

ここでようやくブレイドも事態の重さを理解してブレイバックルを構える。

 

(どうするキャル?

アレに普通の攻撃が当たると思うか?)

 

(さあ?けどこのまま私たちだけ逃げちゃうってのも……)

 

(駄目に決まってるだろ!ここで会ったのも何かの縁だ。

もし無理やり従わされてるなら助ける。)

 

ブレイドはバックル装着すると立ち上がりポーズを取る。

 

「え?ま、まさかミヤコの事が見えてる!?」

 

「変身!」

 

<TURN UP ♠A>

 

オリハルコンエレメントを潜り抜け仮面ライダーに変身。

ブレイドはラウザーを構ええて

 

「お前が悪霊かなんかってんなら、ここで成仏させてやる!」

 

そう言ってカードを使おうと身構えたときだった。

 

「お!いたいた!見つけたッスよブレイド!」

 

「こんなところで会うとは奇遇ね。」

 

厨房の入り口の方から王宮騎士のトモとマツリが入って来たのだ。

 

「お前ら何で!?」

 

「ギルド管理員会の方から通報があってね。」

 

「それなりに念入りに警報装置を外したようだけど、

詰めが甘かったわね。」

 

2人はバックルを取り出すとカテゴリーAをセット。

 

<<OPEN UP ⊕A>>

 

「「変身!」」

 

ラルクとランスに変身。

ブレイドとキャルに襲い掛かる。

ブレイラウザーがラルクアーマーを切り裂く音でトランス状態になっていたコックたちは正気を取り戻し外に逃げ出した。

 

「ああプリンが!ミヤコのプリンが!」

 

「言ってる場合か!」

 

<THUNDER ♠6>

 

「状況見なさい!サンダーボルト!」

 

二閃の稲妻がラルクトランスを吹っ飛ばす。

プリンを乗せたカートを倒しながら厨房の外に吹っ飛ばされた。

 

「プリンがぁあああああー!!」

 

「こいつ悪霊だろ……」

 

「違いないわね。行きましょ。」

 

「応!」

 

 

 

 

4

レストランの外に飛び出す。

ラルクとランスはラウザーを構えて攻撃してきた。

 

「あのボウガンの奴は私が!」

 

「タチハラさんの仇、頼んだ。」

 

ブレイラウザーとランスらーざーが火花を散らす。

カードは使わず実力だけの勝負だ。

 

「ははっ!さすがは数々のアンデッドを封印してきたブレイドッスね。」

 

「黙れ!だまし討ちでタチハラさんを殺したお前らに言われたって嬉しくない!」

 

「それを言うなら団長の方が先に裏切ったんすけどね!」

 

何度目か分からない火花が散る。

大上段から振り下ろされたブレイラウザーをランスはラウザーの長い持ち手で受ける。

 

「そぁりゃあ!」

 

「う!しまった!」

 

いつの間にか誘導されていたらしく周囲に複数人の魔法使いが待機している。

 

「いやぁあ!」

 

「キャル!」

 

反対側からキャルも蹴飛ばされてきた。

スライディングですべりこみキャッチ!

 

「大丈夫?」

 

「なんとか。でも大ピンチね。」

 

もう既に複合魔法の詠唱が始まり、

 

<MIGHTY ⊕>

 

ラルクもバイザーを構えている。

まさに四面楚歌の万事休す。

 

「仕方ないわね。ブレイド、これ使いなさい。」

 

「え?このカードって…」

 

「良いからやんなさい。」

 

「ああ!」

 

<REMOTE ♣10>

 

「!」

 

素早くラルクは解放されたアンデッドに攻撃するが、

解放されたうちの一体、♠Qのカプリコーンアンデッドは一緒に解放された♠7のトリロバイトアンデッドを盾にして受けると

 

「フォオオオオオオオオオオオオオオオ!!!」

 

音波攻撃で魔法使い達ごとラルクをぶっ飛ばした。

 

「ああー……ブレイドに利用されるってのは気に喰わねぇけど…散々利用してくれたお前らへの怒りの方が断然勝るぜぇ!フォオオオオオーーーー!!!」

 

音波攻撃を再び放ち、反対側の魔法使い達の吹っ飛ばす。

 

「今だ!キャル!」

 

「ええ!ここで決めてやるわ!」

 

トリロバイトにプローパーブランクを投げつけながらブレイドはランスに走る。

その後ろにキャルも続く。

 

「チッ!良いぜ相手になってやる!」

 

<TACKLE ♠4>

 

ブレイドの突進を横に飛んで避けるランス。

背中を見せた所を貫いてやろうとカードをラウズしようとするが

 

「生身の私を舐め過ぎじゃない?」

 

「え?」

 

「アビスバースト!」

 

暗黒の激流をベルトに叩き込まれる。

キャルが飛びのくと余剰エネルギーを放電しながらランスアーマーは爆散した。

 

「やったわ!」

 

「キャル!よく俺の作戦が分かったな。」

 

「作戦でもなかったらあんな動きバレバレな攻撃使わないでしょ?」

 

さっさと封印しちゃいなと顎で指すキャル。

ブレイドは動かなくなって緑色の血を流すマツリにプローパーブランクを投げる。

こいつもアンデッドにデータを上書きした人間、

改造実験体だったらしい。

 

「♠の10。これで下級アンデッドは全滅か。」

 

ブレイドはランスに使われていたチェンジケルベロスを回収し、キャルにリモートのカードを返却してカプリコーンアンデッドの元に赴く。

 

「来たか。さっさと俺も封印しろ。」

 

「え?いいのか?」

 

「その代わりこの戦い、さっさと終わらせろよ?」

 

ブレイドは強く頷くと最後に

「いい彼女ね。大事にしなさいよ。」

とおどけたカプリコーンを封印した。

 

「これで一件落着だな。」

 

「そうね。」

 

ランスが乗って来たらしいブルースペイダーに跨りレストランに戻った。

 

「結局プリン定食は作ってもらえるのかな?」

 

「ええ?アンタそれにチャレンジするつもりだったの?」

 

「おいしそうじゃない?」

 

「美味しいのはミヤコが保証する!

けどお前たちに喰わせてやるプリンは無い!なの!」

 

「「え?」」

 

声をそろえて上を見ると、さっきコックたちを操っていた悪霊が浮いていた。

 

「厨房で戦いを始めてプリンをダメにしたお前たちは罰としてミヤコのプリンになってもらうの!」

 

そう言って悪霊、ミヤコは2人に魔法をかけて宣言通り2人をプリンに変身させてしまった。

 

「な、なあ!?動けない!?本当にプリンにされちゃった!?」

 

「オデノカラダハブルプルダ!」

 

「それじゃあ早速!いっただきまーす!」

 

「いやぁあ!食べないで~~!!」

 

「ま、まて!頼むから待ってくれ!

代わりのプリンなら俺がいくらでも用意する!

だからキャルを食べないでくれ!」

 

その後、タイムスカラベのカードで時間を止めて何とかランドソルに潜入し高級プリンや手作りプリンを献上し、

事なきを得た二人だった。

 

「ぷはー!プリンでおなかいっぱい!

おやすみなさいなの~……ぐう。」

 

「え?はぁ!嘘でしょ待った待って寝ないで!

元の姿に戻して~~!!!」




ペコリーヌ「ペコリーヌと!」

キャル「キャルの!」

2人「ラウズカードアーカイブ!」

ペコリーヌ「今回紹介するのはこちら!」

<TACKLE ♠4>

キャル「♠のカテゴリー4、
タックルボアのカードよ!」

ペコリーヌ「仮面ライダーブレイド1話から登場したラウズカードです。」

キャル「仮面ライダーブレイドのカードで、
ラウザーにラウズして使う事で使用者の突撃力を上げるわ。」

ペコリーヌ「ただ直線状の動きしか出来ないのでよく避けられていましたね。
それは本作でも同じみたいです。やばいですね★」

キャル「次回もお楽しみに!」
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