仮面ライダー剣 サンドリオンウォーリアーズ   作:伊勢村誠三

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カウント・ザ・ラウズカード
現在ライダー達が使えるカードは?

ブレイド ♠︎A、5、6、8
ハジメ  ♥2、10(ワイルド) ♦︎9
レンゲル ♣︎A(以下、8枚所持)


♠︎4

1

小鳥のさえずりに鼻をくすぐる美味しそうなスープの匂い。

かけられた布団はふわふわでちょうど子供ぐらいのサイズの抱き枕は暖かくて抱き心地最高。

しかもアロマでも使ってるのかミントみたいな良い匂いがする。

 

いつまでも微睡んでいたい様な理想的な朝だ。

しかしいつまでも寝てる訳にはいかない。

 

(早く起きないと……と言うか昨日何処かに泊まったっけ?)

 

確か昨日はセンチピードアンデッドと戦って……とそこまで思い出したところで戦闘後気を失ったきりだった事に気付き、ブレイドは飛び起きた。

 

「こ、ここは!?」

 

「う…むにゃ……! 主様!

お目覚めになられたのですね!」

 

抱き枕だと思っていたのは布団に潜り込んでいたコッコロだった。

 

「あ、ああ。おはようコッコロ。

早速で悪いけど…ここは、どこなんだ?」

 

「サレンディア救護院ですよ。

王宮の傘下ギルドの一つで身寄りのない子供たちを支援しています。」

 

コッコロの代わりにドアを開けて入って来たエルフの女性が答えた。

昨日一緒にセンチピードアンデッドと戦ってくれた女性だ。

 

「私は院長のサレンです。昨日は助かりました。」

 

「いや、そんな。

僕の方こそ動けなくなった所を助けて貰って…」

 

ブレイドはサレンに頭を下げながらベッドから出ようとする。

 

「あ、まだダメですよ。

知り合いのお医者さんに調べてもらいましたけど貴方が浴びた毒は致死量一歩手前のセロトニンとヒスタミン系の複合毒だったんですから。

抗体を打つのがあと10分遅ければ死んでいたんですよ?」

 

「ウェ!」

 

それを聞いて素直に一日は大人しくする事にした。

だがただ飯を食わして貰ってただで泊めて貰ってるのだ。

事情ぐらいは話さねばなるまい。

 

「昨日俺たちを襲った怪物はアンデッド。

不死身の怪物で、ある程度ダメージを与えてからこのカードで封印する以外に無力化する方法は無い。」

 

ブレイドはベッドサイドにあったラウズカードを手繰り寄せ、サレンに渡す。

 

「そいつらは一体一体がモチーフになった動植物や虫の始祖で、1万年前に己の眷属の繁栄を懸けて戦い合った。」

 

「それで勝ったのが、人間の始祖ということ?」

 

「ええ。最後に勝ったのは上級アンデッドやカテゴリーAでもない♥の2。

ヒューマンアンデッド。

俺が知る限りエルフや獣人のアンデッドはいなかったな。」

 

カードに目を落とすサレン。

よく見るとカードの絵の部分が少しだが動いている。

 

「きゃあ!こ、これ生きて……」

 

「言ったでしょ?不死身の怪物だって。」

 

だからカードに封印しても意識がある場合も有るし、封印を解かれればまた暴れ始める。

 

そこで説明を切り、今度はブレイバックルを取り出して

 

「だからこいつが必要になる。

このバックルは適性のある人間とカテゴリーAを適切な形で融合させる機械で、それで変身した戦士を仮面ライダーと呼びます。」

 

「主様が変身するのが仮面ライダーブレイド。

アメス様より使わされし世界を救う救世主です。」

 

コッコロがかなり持ち上げながら言う。

サレンは流石に苦笑いしたが、あの恐ろしい怪人を封印したブレイドを思い出し、救世主というのも誇張ではないかな?と思うのだった。

 

「で、その救世主サマがギルドに所属してなくて記憶喪失で歳下の女の子にお世話されっぱなしでホテルにも泊まれないと?」

 

「まあ、はい……」

 

「ふふふっ、なら出世払いでいいからウチに泊まって行きなさい。」

 

「良いんですか?」

 

「困った時はお互い様よ。」

 

そう言ってサレンはバックルとラウズカードを返すと部屋を出て行った。

 

 

 

 

2

「参ったわね……」

 

レンゲルバックルを手に入れた獣人の少女、キャルは困っていた。

要監視対象の仮面ライダーブレイドを見つけたは良いけど、そう簡単に接近出来そうにない。

 

(あのコロ助とかいうガキは付きっきりっぽいし、

あのサレンのとこに転がり込むとか!

私の任務はアイツに接近して監視しつつ隙を見てバックルとカードを奪うことなのに……)

 

どうしたものかと頭を捻っていると

 

「「あ……」」

 

窓を開けたブレイドと目が合ってしまった。

 

(ま、不味い不味い!

監視対象と鉢合わせちゃった!

なにか、なにか上手い言い訳考えないと!)

 

「君は、どうしてそんなところに?」

 

「あ、アンタこそなんで救護院なんかにいるのよ!」

 

「!? 君、俺の事知ってるのか?」

 

「え、そりゃ勿論……」

 

「教えてくれ!俺は、昔何だったんだ?

なんでベルトを使えるんだ?

アンデッドやバトルファイトってなんなんだ!?」

 

「そ、そんなの私が知りたいわよ!」

 

肩を掴んで思い切り揺さぶってくるブレイドを跳ね除け叫ぶキャル。

 

(わ、私何言ってるの!

それじゃあ遠回しにさっき言った事は嘘ですって言ってる様なものじゃない!)

 

すぐに後悔して頭を抱えるキャル。

するとコッコロがヒョコっと窓からコッコロが顔を覗かせ

 

「つまりあなたは……」

 

(終わった……)

 

「仮面ライダーである事を隠していた過去の主様を知っているという事ですね!」

 

(ええぇ………)

 

 

 

 

 

3

(上手く騙せてる証拠ではあるけど…監視対象に招かれてお茶出された……)

 

しかも懇切丁寧にバックルやアンデッド、ラウズカードについて説明されて、図らずもレンゲルの力を把握する結果になった。

 

「粗茶ですが、って、その言い方だとサレンさんに悪いか。兎に角飲んで。」

 

「え、ええ。」

 

テーブル越しにブレイドとサシになるキャル。

すぐ脇にお盆を持ったキャルが控えているが、

真正面から見られてるってのはかなり不味い。

 

(もし嘘だってバレたら一気に怪しく……

なんとか話しながら考えないと。

上手く話を合わせて乗り切らないと!)

 

「それで、早速話なんだけど…君は、昔の僕を知ってるのか?」

 

「え、ええ勿論!な、なんてたって私とアンタは名前で呼び合うぐらいには仲よかったんだから!」

 

そう言うとブレイドはいきなりシュン……となり

 

「そうだったんだ…僕は君の顔を見ても何も思い出さなかったのに……」

 

「い、いえ気にしないでよ!

また友達って事で!私はキャル。」

 

「……キャルはいい奴だな。

俺は今はブレイドって呼ばれてる。」

 

「そう。じゃあ私も今はブレイドって呼ぶわ。」

 

ここからが正念場だと思った。

ここで変な設定とか出したら後々話を合わせるのが非常にめんどくさい。

 

(なんとかシンプルかつ私が覚えていられて矛盾の無い話をでっち上げないと!)

 

「それで、昔の僕ってどんな奴だったんだ?」

 

「いきなりめんどくさい質問ね!

……まあそうね、悪い奴じゃなかったわよ。」

 

「そっか。家族とかは?」

 

「うーん………さあ?

あんまり自分の事は話さなかった、わよ?」

 

「謎が深まってしまいましたね。

もしかしてキャル様もあまり主様に詳しくないのですか?」

 

黙ってろコロ助!

と言いそうになるのをグッと堪える。

ここで悪い印象を持たれては台無しだ。

 

「でも!愛想良くて、ちょっと抜けてるけど物覚えも良くて……あと好かれる奴だったわよ!」

 

「主様は記憶を失って無い時でも立派な方だったのですね。」

 

「ああ、ちょっと安心。

それで、キャルはアンデッドやラウズカードとか知らなかったのか?」

 

「さっき知って驚いたわよ。

まあ、前から急に仕事抜けたりしてたし、今思えばその頃から仮面ライダーだったのかしら?」

 

神妙な顔で頷くブレイド。

そろそろ納得しただろうし話を切り上げようとした時だった。

 

「ブレイド君!コッコロちゃん!

オイッスーー!!」

 

本日2人目の珍客がやって来た。

 

(げっ!さ、最悪だわ…暗殺対象に接触されるなんて!)

 

「あ、ペコリーヌ。」

 

「ペコリーヌ様、おはようございます。

昨日ぶりですね。」

 

「はい!渾名ペコリーヌちゃん昨日ぶりです!」

 

(しかもめっちゃ仲良さそう!)

 

最近悪い事続きだ。

そろそろ一回厄払いでもした方がいいかもしれない。

 

「ん? そっちの子は初めましてですね!

私はコッコロちゃんにつけて貰った渾名ペコリーヌちゃんです!」

 

「ペコリーヌ様、こちらはキャル様。

主様が記憶をなくす以前からのお知り合いです。」

 

そうなんですか?

と嬉しそうに笑うペコリーヌ。

 

「ブレイド君今日はお友達と縁のあるいい日ですね。

実はさっきブレイド君のお友達って言う人からプレゼントを預かったんです。」

 

「プレゼント?」

 

「このカードです。」

 

そう言ってペコリーヌが取り出したのはラウズカードだった。

♦︎の9番、ジェミニゼブラのカードだ。

 

「ラウズカード!?これ、誰から?」

 

「シジョウ・ハジメ君って人からです。」

 

シジョウ、四条?

まさか昨日ラウズカードを横取りした四条ハジメの事か?

 

「いや、おかしい…なんでアイツがラウズカードを?」

 

昨日ハジメがラウズカードを奪ったのは自分1人ではアンデッドを封印出来ないからでは?

と推測していたが、違うのだろうか?

 

(アイツは、♥のカードを欲しがってた。

て事は、アイツがライダーに変身出来るとすれば!まさか!)

 

急にブレイドを頭を砕く様な頭痛が襲った。

痛みの濁流と共に何かの一場面がチカチカと不明瞭にフラッシュバックする。

 

「オレァクサマヲムッコロス!」

 

こんな事彼に言われたのはいつだ?

 

「本当に強いのは……強いのは!

人の想いだ!」

 

こんな事彼が言う様になったのはいつだ?

 

「早くしろ!人間を守るのが、お前の仕事じゃなかったのか!!」

 

こんなふうに発破かけてくれたのはいつだった?

 

「主様?どうなさいました?主様?」

 

「アンタ大丈夫?顔真っ青よ?」

 

「ブレイド君?」

 

「黙れ…黙れ騒ぐな!

そんな、そんなはず無い!アイツが、アイツが始なわけが!アァアアアアアーーー!!」

 

グルン!と視界が真っ黒に変わる。

頭の奥に消えていく痛みを感じながらブレイドは意識を手放した。




ペコリーヌ「ペコリーヌと!」

キャル「キャルの!」

2人「ラウズカードアーカイブ!」

ペコリーヌ「今回紹介するのはこちら!」

<CHANGE ♠︎A>

キャル「♠︎のカテゴリーA、
チェンジビートルのカードよ!」

ペコリーヌ「仮面ライダーブレイド1〜49話と劇場版、仮面ライダーディケイド8、9、30、31話
仮面ライダージオウ29、30話に登場したラウズカードです。」

キャル「仮面ライダーブレイドのカードで、
ブレイバックルにセットして使う事で使用者を仮面ライダーブレイドに変身させるわ!」

ペコリーヌ「平成ライダー初の青の基本フォームに1号をリスペクトした真っ赤な複眼。
銀に輝く♠︎の鎧!カッコ良すぎてヤバいですね!」

キャル「次回もお楽しみに!」
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