仮面ライダー剣 サンドリオンウォーリアーズ   作:伊勢村誠三

43 / 56
カウント・ザ・ラウズカード
現在ライダーが使えるカードは?

ブレイド ♠︎A~10、Q ⊕A
ハジメ  ♥A〜Q
レンゲル ♣︎A〜7、9〜J ⊕A
ギャレン ♦︎A〜9、J、Q
覇瞳皇帝 ♥K ♠︎J ♦︎K ♣︎K ⊕A


♥4

1

早くもコーカサスはブレイドとヒヨリのコンビネーションアタックに対応して来ていた。

ヒヨリは戦闘スタイルの関係でどうしても軽装、

防具をほぼつけないまま戦わなければならない。

つまりそこに剣撃を放てば

 

<METAL ♠︎7>

 

勝手にブレイドが盾になってくれる訳である。

扱いやすいことこの上ない。

 

「ふふ、頑張っちゃって。

さっきはあのちびっ子が聞いてもないのに話してくれたけど、君はどうなのかな?」

 

「なんの話だ?」

 

訝しむブレイドにコーカサスは全く調子を変えずに答えた。

 

「戦う理由さ。

君ほど戦う理由の無い奴もそう居ないよ。」

 

「俺の、戦う理由?そんなの皆を守る事に」

 

「だったら!君がバトルファイトなんて厄介ごとに首を突っ込まなきゃいいじゃんか。散々危ない目に合わせて巻き込んどいてそれは無いでしょ?」

 

ブレイドの動きが止まる。慌ててヒヨリが下がらせる。

しかしコーカサスも止まると

 

「今までは下級の低能アンデッド共もウヨウヨしてたしその理屈で良かったかもだけどさ、もう残ってるのって僕や♣︎のカテゴリーQぐらいじゃん。

それなら話し合いで済ますって手も有るよね?

何に君が戦うのは極めて簡単な理由さ。」

 

「簡単な、理由?」

 

「君は無意識のうちに何も無い自分に恐怖を抱いていたのさ。

自分は忘れられても『ブレイバックル以外何も無かった』とは思われたくない。

だから敵の筈のアンデッドの力もそれだけ素直に受け入れられるのさ!」

 

雷に打たれた様なショックと共に

『お前みたいな頭すっからかんの何も背負ってない奴に何が分かる!』

と、いつだったかレンゲルに言われた台詞を思い出す。

 

「正直になりな。君はカードが欲しいだけ。

『仮面ライダーブレイド』という確固たるアイデンティティを持ちたいだけ!」

 

一気に間合いを詰めたコーカサスのオールオーバーがブレイバックルを払い外した。

変身が解除され膝を突くブレイド。

 

「今の君なら自分がジョーカーになったって気にしないだろうね。

むしろ泣いて喜ぶかな?」

 

あと一押しだとでも言いたげにクツクツと笑うコーカサス。

何か言おうとしかけた瞬間。

 

「ヒヨリ!」

 

「え?」

 

ヒヨリを庇ったブレイドにしなやかな触手が突き刺さった。

 

「オオ!ア、アアアーー!!ヴェアアアアアアアア!」

 

心臓の辺りを押さえながら苦しみだすブレイド。

駆け寄って来たヒヨリを突き飛ばしコーカサスに向き直る。

 

「まさか、アンデッドポイズン?」

 

コーカサスが怪訝そうに言った瞬間、

何かがコーカサスの顔面に当たった。それは周囲を威嚇する様にしばらく飛んでいたがブレイドの腰に巻きつく。

 

「ブレイバックルが勝手に…不味い、逃げるぞ!」

 

コッコロに付き添われていたノウェムが叫ぶ。

次の瞬間、ブレイドは周囲の音すべてを塗りつぶす様な絶叫と共に仮面ライダーに変身した。

 

 

 

 

2

<DRILL ♥5 TORNADO ♥6

SPINNING ATTACK!>

 

<DROP ♦︎5 FIRE ♦︎6

BURNING SMASH!>

 

カリスとギャレンのキックがそれぞれのスートのボスローチに炸裂する。

悲鳴を上げながら二体は爆散した。

 

「本当に倒せました。

アンデッドじゃないんですね。」

 

『奴が欲しいのは「不死身の軍団」じゃなくて「量産可能な駒」。

もう改造実験体の出番は終わりってことだろう、さ!』

 

<TORNADO ♥6>

 

<FIRE ♦︎6>

 

残った♣︎のボスローチも属性攻撃を与えて撃破する。

思ったよりも足止めされてしまった。

 

「なんでこんなタイミングで出て来たんでしょう?」

 

『性能テストで仮面ライダーと戦わせたかったなら別にブレイドでもいい筈だし、もしそうじゃないなら、足止め?』

 

ハジメが変身解除しながらそう言うと目指していた方向からドス黒い絶叫が聞こえた。

 

「……レディ、今のは…」

 

「行きましょう。皆が危ないです!」

 

いつでも変身出来る様に構えながら走る。

絶叫と破壊音の方に進んで行くと

 

「ヒヨリ嬢!ノウェム嬢!チビ助!無事か!?」

 

「ハジメ!ペコリーヌも、お前ら来るの遅いんだよ!

ナオが、ナオのやつが!」

 

「まさか今の悲鳴って…」

 

ペコリーヌが3人が見ていた方を向く。

そこで繰り広げられていたのは

 

「████⬛️██▅▅▅▅▅■▅▅▅▅███▅■▅▅▅▅▃▃▄▅▅▅▄▅▅▅!!!!?!!??」

 

意味不明な絶叫を繰り返しながらブレイラウザーと、左手から精製したオールオーバーをコーカサスに振るうブレイドの姿だった。

 

「なん、ですかアレ?」

 

「わかりません。突然現れた緑と紫のアンデッドに刺された主様に勝手にブレイバックルが巻き付いて…」

 

「チビ助、レディ、ヒヨリ嬢。

ノウェム嬢連れてさっさと逃げろ。

周辺住人全員もだ。」

 

ハジメはサングラスを外すと、カテゴリーAを構える。

 

「ハジメ君はどうするの?」

 

「俺はあいつを引きつけてなるだけ人のいないとこに行く。

あいつをおとなしくする方法は、まあ、やってから考える。」

 

轟音と共にブレイドのオールオーバーがコーカサスをソリッドシールドごと一刀両断する。

傷口から緑色の光が放たれそれが終わるとコーカサスの姿はプライムベスタに変わっていた。

 

「早く逃げろああなりたいか!?」

 

ハジメの声に撤退する3人。

 

「レディ、貴女も早く」

 

「友達を、見捨てるなんて出来ませんよ。」

 

「……はぁ、貴女という人は。

レッドランバスならテレパシーで呼べる範囲にあるはずです。」

 

2人はこちらに反応を示したブレイドを見据え、ポーズを取り

 

「「変身!」」

 

<TURN UP ♦︎A>

 

<CHANGE ♥A>

 

2人がアンデッドの力を使ったのを感じ取りブレイドは迫って来る。

 

『さあ、地獄の鬼ごっこの始まりだ。』

 

<FLOAT ♥4>

 

「友達とやる始めての鬼ごっこが命がけになっちゃいました。ヤバいですね☆

レッドランバス!」

 

カリスは浮遊し、ギャレンはバイクを飛ばす。

ブレイドはどこまでも追いかけれるぞと言わんばかりに走り続けた。

 

 

 

3

「ふっ!…………はぁ。」

 

何度目にもなる溜息をついてキャルは座り込んだ。

かれこれ偶々見つけた人の来ない池にレンゲルバックルを投げ込むか否か迷いに迷って半日近く経とうとしている。

 

(陛下か、アイツらかなんて、選べる訳ないじゃない。)

 

池に沈む様と思ったレンゲルバックルはいつまでも手の中にあるのにキャルの気持ちはドンドン沈んでいってる。

 

(いっその事全部投げ出して消えるのが正しいのかしら?)

 

なんて思いそうになったその時だ。

 

「▃▃▄▅▅▅██████!!!!!!!」

 

今まで聞いたどんな獣叫びより神経を刺激する叫びと共に人型の何かが降って来た。

 

「がはぁ!か、か、……キャル!?お前なんでこんなとこに?」

 

カリスだった。腹部を押さえながら立ち上がるが、ふらついて倒れる。

余程ダメージを負ってるらしい。

 

「アンタ、大丈夫なの?一体何と戦って!」

 

その答えは後から現れた新たな人形を見てすぐに分かった。

 

「アアアアアアアア!」

 

「ブレイド…なの?」

 

姿形こそよく知る仮面ライダーブレイドだ。

だが原始的恐怖を煽るドス黒い殺意と、赤と緑に明滅を繰り返す複眼が明らかな異常を知らせている。

 

「まさか、そんな…アンタ、ジョーカーになっちゃったの?」

 

「███▅▅▃▄▅▅▅━━━━!!」

 

ブレイドは返事の代わりに殺意を向けた。

オールオーバーとブレイラウザーをキャルに振り下ろす。

 

『クゥッ!』

 

ギリギリで立ち上がったカリスがラウザーで受けるが凄まじい腕力にすぐ膝をつかされた。

 

『キャル!死にたくなかったら、変身しろ!

2人がかりでこいつをどうにかする!』

 

キャルは頷いてバックルとカードを構えるが

 

<FIRE ♦︎6>

 

「そりゃあー!」

 

炎を纏ったレッドランバスに乗ったペコリーヌが駆けつけてしまった。

跳ね飛ばされたブレイドは池の中に消える。

 

「ハジメ君無事ですか?ってキャルちゃんも!

早く逃げてください!ここは危険でーー」

 

言いかけたペコリーヌの姿が消えた。

下手人は1人しかいない。ブレイドだ。

池から飛び出したブレイドは左手でペコリーヌの頭をアイアンクローで捕まえている。

 

『離せ!』

 

キャルを伏せさせ弓を構えるカリスだが

 

<SLASH ♠︎2 THUNDER ♠︎6

LIGHTNING SLASH!>

 

自動でカードがラウザーにラウズされ、放たれた必殺技に呆気なく斬り伏せられ変身を解除された。

 

「な!?嘘でしょハジメ!ハジメしっかりして!」

 

幸い死んではいない様だが、どちらにせよ不味い。

ブレイドの指がギャレンのメットに食い込む。

バキバキと嫌な音を立てながらヒビが入る。

 

それはギャレンだけでなくブレイドもだった。

肩アーマーがヒビ割れ、二の腕に巻かれていたベルト状の飾りが隆起した筋肉に弾き飛ばされる。

変化はそれだけに止まらず革製のアンダースーツを突き破り無数の紫の突起が現れ、左目は完全に緑色に変色してしまった。

 

「██████▅▅▅▃▄▅▅▅▅▃▃▄▅▅▅█████▅▃▄▄!!!!!!!!」

 

ブレイドが左手に力を込める。

メットが砕ける音とペコリーヌの悲鳴が同時に聞こえた。

 

(助けないと!でも…変身、したら私は正体を…

でも変身して助けないとペコリーヌは!)

 

変身しないと。変身したら。

ぐるぐると迫る二択にキャルはバックルを構えたまま動けなかった。




レイ「レイと!」

ヒヨリ「ヒヨリの!」

2人「仮面ライダー図鑑!」

レイ「今回紹介するのはこいつだ!」

<TURN UP ♠︎A>

ヒヨリ「本作オリジナルの仮面ライダーブレイド暴走態だ!」

レイ「ブレイドが謎のアンデッドにアンデッドポイズンを撃ち込まれ暴走変身したライダーだ。
緑の複眼のブレイドの左半身をアンデッドのクリーチャーデザインを担当した故・韮沢氏が描いた剣崎ジョーカーが突き破ってる様な外見をしている。」

ヒヨリ「武器はブレイラウザーと左手から精製する破壊剣オールオーバー。専用バイクはブルースペイダーだけど、バイクを運転するだけの知能が有るかは微妙だね。」

レイ「裏モチーフは小説仮面ライダークウガに登場したクウガ・プロトタイプとキカイダー02に登場したジロー暴走形態。
明滅を繰り返す複眼はクウガと、左半身だけ異様に発達した身体はジローと同じだな。」

ヒヨリ「次回もお楽しみに!」
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。