仮面ライダー剣 サンドリオンウォーリアーズ   作:伊勢村誠三

45 / 56
カウント・ザ・ラウズカード
現在ライダーが使えるカードは?

ブレイド ♠︎A~10、Q、K ⊕A(♦︎A〜9、J、Q)
ハジメ  ♥A〜Q
レンゲル ♣︎A〜7、9〜J ⊕A
覇瞳皇帝 ♥K ♠︎J ♦︎K ♣︎K ⊕A


♥6

1

「うっぷ!ごっふぁああ!」

 

ハジメとぺコリーヌを運び、変身を解除したキャルは激しい頭痛と共に口から血を吐いた。

陛下に『プリンセスナイト』のパワーを植え付けられてからというものの、変身後はいつもこうなる。

身体中がしびれて体の奥が動けなくなるほど激しく痛む。

 

(後、何回?私はあと何回変身できる?)

 

我慢は得意中の得意だ。

少し休めば痛みがあっても動ける。

 

「それより問題はこっちよね。」

 

キャルはジョーカーラウザーが出現したまま気絶してるハジメのカードケースを開き取り出したカードをラウズさせる。

 

<RECOVER ♥9>

 

緑色の光と共にハジメの体力が回復する。

これで目覚めたらぺコリーヌを回復させてブレイドを探そう。

 

「あの程度の獣に負けるとは、

カリスもギャレンも落ちたものだな。」

 

聞き覚えのある低い女の声がした。

顔をあげるとタイガーアンデッド、城光がいた。

 

「アンタ……何でこんなところに?」

 

「いやなに。あれからあの弱いレンゲルはどうなったかと思ってな。」

 

「ッ!」

 

噛みつきそうになって『安い挑発だ』と自分を落ち着かせる。

ここで斬れたら思うつぼだ。

 

「お前はカテゴリーAにこそ支配されていないが、

それはより大きい力にもう既に屈してるからだ。

お前に戦う価値などない。」

 

「価値が無かったら何よ?」

 

「それだけなら好きに暴れればいい。

火の子として降りかかるなら払うだけだ。

だが貴様の在り方は余りにも目障りだ。」

 

「目ざわり?」

 

ああ。とうっすら笑みを浮かべながら城光はいった。

 

「あの魔王に、いや、お前は曲がりなりにも自分を求めてくれる存在の近くに居たいだけだ。

ただ寂しいと泣き喚く赤ん坊と大差ない。

その上八方美人でどっちにもいい顔した挙句選べなくなった意志の弱い雑魚!

それが貴様だ!」

 

「……だったら何よ?」

 

キャルはレンゲルバックルにカテゴリーAをセットして装着する。

 

「だからすべてのアンデッドを一度開放することにした。

そこからバトルファイトを、我らの聖戦を再開し、真の勝者を決める。

ブレイドはそうだな…あのままジョーカーになるなら加えてやってもいい。」

 

それを聞いてキャルの気持ちは決まった。

ポーズを取り、心の限り叫ぶ。

 

「虎の惑星なんてこっちから願い下げよ!変身!」

 

<OPEN UP ♣A>

 

レンゲルに変身したキャルはラウザーにカードをラウズした。

 

<SMOG ♣9>

 

煙幕は浴びせ、足を忍ばせラウザーで突く。

しかしタイガーアンデッドは固有能力の一つの暗視で見破り、ラウザーを掴むとそれごとレンゲルを投げ飛ばした。

 

「ぐはぁ!ああ!」

 

「お前の力はその程度か?

アンデッドの力を借りてるだけでは私は倒せん!」

 

「私は…私は絶対負けない!やぁああ!」

 

気合を入れるとレンゲルラウザーを構えなおしタイガーアンデッドに斬りかかる。

タイガーアンデッドも右腕の鍵爪で対抗した。

 

元々魔法使い、遠距離戦が専門で多対一の戦いが専門のレンゲルではかなり分が悪く、終始劣勢。

ラウザーも弾かれてしまったがそれでも徒手で食い下がる。

 

「負けない!負けない絶対に!

今私なんかより、好きな物に正直な奴が、迷ってる!

許さないわよそんなの!

私みたいに目移りしてんじゃないわよ!

激アマで他者優先で滅私奉公大好きなアンタがそんなんじゃ、私は大手を振って一人になれないのよーー!」

 

レンゲルのパンチがタイガーアンデッドの顔を捉える。

しかしほぼ同時に放たれた鍵爪の切り上げでレンゲルは大きく吹っ飛ばされた。

 

「うぐ!…あ。」

 

起き上がるとタイガーアンデッドが飛びかかろうとしていた。

レンゲルは手元を探る。

そこには幸運にもさっき弾かれたラウザーがあった。

 

「!!」

 

落下地点に切っ先を合わせ、ラウザーを突き上げる。

タイガーアンデッドの勢いとレンゲルの腕力が合わさり、ラウザーはタイガーの腹部を見事に貫いた。

 

「キ……ルヤ。」

 

バックルが開くタイガー。

彼女は弱弱しい声で呟きながらレンゲルに手を伸ばす。

何か仕掛けてくるつもりか?と、ラウザーの刃を首に当てるが構わずタイガーはプロパーブランクをカードホルダーから抜き取り

 

「よく……やった…。」

 

自ら封印され、そこにはアブゾーブタイガーのカードだけが残った。

 

「……まっててブレイド。助けに行くわ。」

 

レンゲルはカードを拾ってグリーンクローバーを呼び出すとそれに乗り込みブレイドを追った。

 

 

 

ランドソルの入り口の門の一つ。

そこではすべての門兵が倒されていた。

人も動物もみなぐったりと動かずに倒れている。

 

その真ん中でこの惨状の下手人、ブレイドは唸り声をあげている。

その姿はさらにジョーカー化が進み左足のつま先から反りあがった突起が突き出て、隆起した筋肉に太もものベルト状の装飾はちぎれて、膝や脛のアーマーもひび割れ隙間から紫色の肌が見えている。

 

「███▅▅▅▃▄▅▅▅▃▃▄▅!!」

 

ブレイドはアンデッドを求めて進んだ。

王宮から気配を感じる。今のブレイドには理性などなかった。

ただアンデッドとの獣のような戦闘を求め続けるマシン。

ジョーカーというバトルファイトの要素としてはお手本のような状態だ。

 

そこに一台の改造バイクが、グリーンクローバーが滑り込む。

レンゲルはバイクを降りるとブレイドに対峙した。

ブレイドは右手にブレイラウザーを、左手にオールオーバーを装備する。

 

「……ブレイド、お前を倒す。

私のジャックフォームを見ろ!」

 

<ABOSORB QUEEN>

 

ラウズアブゾーバーにカテゴリーQをセットし、カテゴリーJをラウズする!

 

<FUJION JACK>

 

金色の像のレリーフが胸部に刻まれ、

両肩に像の牙のような刃の付いた追加装甲オリハルコンタスクが、

両腕には大型の手甲が装着された。

 

勇猛果敢な突撃の重戦士、レンゲルジャックフォームだ!

しかし

 

「う、ううう!」

 

頭を押さえて膝を付くレンゲル。

融合係数が足りないのか、頭が痛くて鎧が重くてしょうがない。

 

(それでも私は!)

 

立ち上がるレンゲル。しかしすぐに足がふらつき

 

(駄目だ…こんなところで、絶対私はブレイドを!)

 

再び踏ん張り顔をあげると

 

「あれ?」

 

身体の重さは消えていた。

それどころか変身は解除されて元の姿に戻っている。

 

「でも、苦しくならない…いったいなんで?」

 

「ここが夢ですらない世界だからだ。」

 

困惑していると、上に会った階段から降りて来たサングラスに黒ずくめの茶髪の男が答えた。

 

「アンタ……どこかで…。」

 

「俺の名前は剣崎一真。

ここは椿ヶ丘。お前達が本来いるべき場所だ。」

 

そう言って剣崎はサングラスを外しながらロータリーの方を指さす。

そこのベンチに如何にも参ったように頭を抱えていたのは

 

(私!?でも耳も尻尾もないし……)

 

「あれがお前のあるべき姿だ。

そしてお前ははここで坂井直人と、お前たちがブレイドと呼んでる存在に出会う。」

 

そう言って剣崎はキャルの後ろを指さす。

そこにはどこかの学校の制服を着たブレイドがいた。

左腕も人間の姿のままで、顔も目も普通だ。

 

「そして日常を過ごす。怪物なんていない。

世界の運命と戦う事も無く他愛ない日常を謳歌しいい意味で何事もない。」

 

キャルは物凄くそれに惹かれた。

それを手に出来たらどれだけ幸せだろうか?

 

(変なゲテモノ食わされることもなく、

アイツらと学校行って、部活とかして、買い食いとか遊園地とか…)

 

それが出来たらどんなに良いだろうか。

 

「……出口はどこ?」

 

「ここはお前の世界だ。

外の世界に行っても弾かれるだけだ。」

 

「でもそれは戦わない理由にならない!

確かに私は裏切り者の汚い野良猫かもしれないけど何の矜持もなく楽な方にホイホイ流されるような恥知らずじゃないから!」

 

剣崎は暫く黙っていたが、一枚のカードを渡すと

 

「それを持って進め。そしたらアストルムに行ける。」

 

「え?行かせてくれるの?」

 

「精々運命に抗え。」

 

キャルは一度だけジッと剣崎とカードを交互に見ると走り去った。

 

「ずいぶん大サービスしたね。

彼の本来の記憶と力を渡すなんてパンクしちゃうんじゃない?」

 

「……模索路晶。」

 

剣崎はうっとうしそうに雪崩掛かってきた模索路を払いのけた。

スーツを正し、サングラスをかけなおす。

 

「どうせお前はアイツに渡すつもりだったんだろ?」

 

「ふふ、まあね。けど彼女の融合係数まで上げるなんてサービスが過ぎない?」

 

「送り返す以上今回は勝って貰わないと困る。」

 

そう言って剣崎は紫色の肌に金色の仮面をもつヘラクレスオオカブトを禍々しくしたような怪人、ブレイド・ジョーカーに変身する。

周囲の景色がトランプのカードに変わって崩れ始めた。

 

「おいおい。嶋さんに残してもらったバックドアもう無いんだよ?」

 

「俺がいる以上放っておいてもこうなるだろう。」

 

「まあね。君とはもう少し話したかったけど、

ここらが限界か。またね、世界を救った英雄さん。」

 

そう言うと模索路はブロックノイズの様に消えてしまった。

 

「ふん、俺は世界を救ってなんかいない。

ただ戦いの第二ラウンドを始めただけだ。」

 

果たして悲しみが終わる場所は未来に本当に有るんだろうか?

柄にもなくそんなことを思いながら剣崎は崩れる世界を後にした。

 

 

「はっ!」

 

キャルは軽い衝撃を肩に感じて目を覚ました。

まさか自分は戦いの前だというのに白昼夢を見ていたのだろうか?

 

(ていうか、ええ!?)

 

ブレイドの振り下ろしたオールオーバーが肩に当たっていた。

しかしオリハルコンタスクの影響か、全くダメージになっていない。

 

(これなら、勝てる!)

 

キャルはラウザーを振り回してブレイドを払った。

ラウザーのカードリーダーがある端に金色の刃、ディアマンエッジが追加される。

 

「接近パワー型って訳ね。面白いじゃない!」

 

「██████▅▅▅▃▄▄▅▅▅!!」

 

黒い絶叫をあげたブレイドが斬りかかって来る。

レンゲルは左手からモーニングスターを生成し、

ブレイドに巻き付ける様に投擲し、拘束したまま引っ張り込んだ。

 

「悪いけど容赦なしで行くわよ!」

 

ラウザーを地面に突き立て、カードをラウズする。

 

<SCREW♣3 RASH♣4>

 

剛腕から放たれるコークスクリューパンチにブレイドはモーニングスター事吹っ飛び壁や家をぶち破りながら転がった。

 

「████▅▅▃▃▄▅▅▅!!」

 

怒りの絶叫をあげながら舞い戻るブレイド。

ブレイラウザーを構え威嚇するように両腕を広げる。

 

「まだまだやる気満々って感じ?

いいわ!どれだけでも付き合ってあげる!」

 

 

 

「体中がいてぇ……」

 

ハジメは自分がまだ生きてることに少し驚きながら起き上がった。

 

「ここは、獣人居住区?」

 

てことは誰か運んでくれたわけだ。

あの状況でそれが出来たのは一人しかいない。

 

「キャルの奴死ぬ気か!」

 

ハジメは横で倒れていたぺコリーヌを背負うと再び山まで走っていき、レッドランバスを回収した。

 

「う……ここは?」

 

「レディ、今からブレイドとキャルを追っかける。

付いてきますか?」

 

ぺコリーヌは一瞬の躊躇もなく頷いた。

ヘルメットを渡すハジメ。後ろに乗ったのを確認するとバイクを出した。

 

(頼むから無事でいてくれよ。)

 

ランドソルの入り口の門が見える。

予想通り縄文の周りでは兵士や住人が倒れていたが

 

(全員死んででない。

もしまだブレイドに人間の心が残ってるなら!)

 

チャンスはある。

か細いが確かに希望を感じたハジメとぺコリーヌは街に入った。




レイ「レイと!」

ヒヨリ「ヒヨリの!」

2人「仮面ライダー図鑑!」

レイ「今回紹介するのはこいつだ!」

<FUSION JACK>

ヒヨリ「本作ではキャルちゃんが変身するの仮面ライダーレンゲルジャックフォームだ!」

レイ「原典では上城睦月が変身したライダーだ。」

ヒヨリ「武器はディアマンエッジが追加されたレンゲルラウザーと鎖付きの鉄球。専用バイクは引き続きグリーンクローバーに乗るよ。」

レイ「両肩に追加された装甲オリハルコンタスクと手甲により攻撃力、防御力が向上しており、召喚士型だった基本フォームから打って変わって接近パワー型のファイティングスタイルだ。」

ヒヨリ「次回もお楽しみに!」
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。