仮面ライダー剣 サンドリオンウォーリアーズ   作:伊勢村誠三

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カウント・ザ・ラウズカード
現在ライダーが使えるカードは?

ブレイド ♠︎A~10、Q、K ⊕A
ハジメ  ♥A〜Q
レンゲル ♣︎A〜7、9〜Q
ギャレン ♦︎A〜9、J、Q
覇瞳皇帝 ♥K ♠︎J ♦︎K ♣︎K ⊕A


♥9

 

「なあハジメ。」

 

多くの秘密が明かされたその夜。

ブレイドは一人で夜空を仰いでいたハジメに声をかけた。

 

「段々と、アンデッドになっていくってどんな感じなんだ?」

 

「……俺は最初から人間態を持つ怪人として造られたから一概には言えないが、時々戻れない一線が見えて怖い時はあるな…」

 

ハジメはあまり自身のアンデッドの血と同じ色の目を見られたく無いのかブレイドと目を合わせず空を見上げたまま答えた。

 

「俺は、今日服を脱ぐのに勇気が必要だった。

アンデッドと人間の繋ぎ目を見るのが怖かった。」

 

ブレイドも空を見上げながら言う。

ハジメもそうか、とだけ返した。

そのまましばらく二人はゆっくりと星が動くのを観ていたが

 

「ハジメ、もし俺がアンデッドになったら俺を封印してくれ。」

 

「俺ん時も頼む。」

 

ブレイドは驚いてハジメを見た。

彼は変わらず星を眺めたまま呟く様に言った。

 

「ずっと1人は怖いが、お前らを殺すのはもっと怖い。」

 

そう言ってハジメは寝床に引き返した。

ブレイドもそんなハジメを見送ってから部屋に戻った。

 

 

 

1

翌日から戦闘で負傷した事にしてブレイドは左腕に包帯を巻きつけて、コッコロと共にキャルを探した。

 

「見つかりませんね。」

 

「もしかしたら僕達のこと避けてるのかもね。」

 

恐らく彼女の事だからもう会える訳がないとかそんな風に思っているのだろう。

 

「そんなに気にする必要ないのにな。

僕らはまた美食殿で…うっ!あっ………っ!」

 

「主様?如何なさいました?」

 

「ごめん、ちょっと気分が。」

 

コッコロに気遣われて木陰で休むブレイドを見ながらキャルは胸に痛みを覚えた。

自分がもっと早く変身してブレイドを止めていれば。

自分がブレイドにあんな言葉を投げかけなければ。

自分がさっさと陛下の命令に従って仮面ライダーの力を奪っていれば

 

(全部私だけが、背負っていれば!)

 

ブレイドは仮面ライダーになるべき人間じゃない。

身体の問題だけじゃない。

彼のような人間を死線に立たせるなど間違っている。

 

「アンタはもっと普通に幸せになんなさいよ。

仮面ライダーの力なんか使わなくたって、

アンタならちょっとデリカシー足りないけど、

工事のバイト先とかにも気に入られてるし、

そのままいい職にでもついて、可愛い子捕まえて、

幸せになんなさいよ。」

 

そんな彼を裏切り続けていたことにまた胸が痛む。

そして、また裏切らねばならないことにも。

 

『ブレイドの持つキングのカードとバックルを奪い殺せ。』

 

それがキャルに与えられた最後の指令だった。

出来ない。やりたくない。

 

初めて指令を受けた瞬間にそう思った。

もう美食殿のやつらや皆と戦いたくない。

 

(けどそれは無理。)

 

陛下に逆らうなど持っての他だ。

それだけは()()()()

 

(出来るか、出来ないかの違い。

選ぶ理由は、それだけ。)

 

キャルはレンゲルバックルを構えチェンジスパイダーのカードを取り出すと

 

「ウェ!がぁっ!!……あ、ああ!ウワアァアアア!」

 

ブレイドが急に苦しみだしたのだ。

フラフラと覚束ない足取りで動きながら左腕の包帯を外してチェンジビートルのカードを取り出す。

 

「主様!ダメです!」

 

「ヴゥアア!来い!」

 

ブレイドが叫ぶとコッコロが預かっていたのだろうブレイバックルが1人でに飛び出し、ブレイドの手に収まる。

それを見たブレイドはニッコォーと、表情筋だけを動かした様な笑みを浮かべ

 

「変身!」

 

<TURN UP ♠︎A>

 

仮面ライダーへと変身した。

それわ見たキャルの行動は早かった。

バックルにカードをセットして装着。

一気に駆け出しながら右手で弾く様にカバーを展開!

 

「変身!」

 

<OPEN UP ♣A>

 

レンゲルに変身してラウザーを振り下ろしながら着地した。

 

「ブレイド!アンタは私が止めるわ!」

 

 

 

 

 

2

同じ事はほへと屋でも起きていた。

 

「ぐっ………うぅ、、ッ!」

 

一仕事終えて休憩していたハジメはこめかみを抑えて苦しそうにしていた。

 

「おやや?ハジメンぱいせんなんかすっごくチェルが枯渇してる感じですけど大丈夫ですか?」

 

やや遅れて休憩室に入ってきたチエルが顔を覗き込む。

不健康そうな顔色にグッタリとしていてあまり大丈夫そうじゃない。

 

「ちょっと、偏頭痛が…薬局行って頭痛薬貰ってくる。」

 

「指名手配されてるんですから気を付けてくださいね?」

 

なんとかはにかんで外に出る。

瞬間どっ!!と汗が吹き出しガチガチと歯を鳴らしながらその場に蹲った。

 

「はぁ! はぁ! はぁ! はぁ!」

 

激しい息切れを起こしながら通りに出て両手で体をガッチリと抑えながら進む。

 

「あれは…おーいハジメ!」

 

しばらく聞いていなかった懐かしい声にハジメは足を止めた。

振り返るとそこには想像通りに

 

「レイ…ユイ…。」

 

「ハジメ君!その、大丈夫?凄く具合悪そうだけど…」

 

「医者に診てもらった方がいいんじゃないか?」

 

「…めろ。」

 

何か呟くとハジメは2人と距離を取り、

頭を抱えながら叫んだ。

 

「俺のそばに寄るなぁ!

ああああアぁああアアアアああああああアああああ!!!」

 

<CHANGE ♥A>

 

『ーーーーァァァァァ!!!』

 

出現したラウザーにカードを通してカリスに変身する。

武器こそ構えなかったが敵意を剥き出しにして向かってくる。

 

「うわ!ハジメどうした!?」

 

「ハジメ君!一体何が?」

 

カリスの攻撃を2人は左右に飛んで避ける。

右に飛んだレイな狙いを決めてカリスは飛びかかった。

 

「やぁあ!」

 

しかしカリスとレイの間に入った者がいた。

天楼覇断剣を持ったノウェムだった。

 

「ノウェム!?」

 

「レイ構えろ!

ハジメはアンデッドに心を支配されてる!

もう何言っても無駄だ!倒すしかない。」

 

ハジメはカリスアローを生成し天楼覇断剣に対抗した。

レイも剣を抜き、ユイも杖を構える。

 

『はぁ!ふっ!やぁあ!!』

 

アンデッドに支配されてるにも関わらずカリスの技は冴えていた。

ノウェムにレイをいなしてユイに射撃で反撃する余裕さえ見せている。

 

『は、ははは!はーっはっはっは!』

 

もっと本気を出せ。

と言わんばかりに指で挑発するカリス。

 

「ハジメ…なら容赦せん!」

 

レイの剣戟が激しさを増す。

カリスもそれについて行き、出遅れたノウェムとユイは入る隙が無い。

 

「おいおい流石に想定外だぞ?ん?」

 

ノウェムが愚痴る様にこぼすと反対の通りからレンゲルが投げ飛ばされて来た。

 

「レンゲル!?って事は…」

 

「ウェーイ!ウェイ!ウェーーイ!!」

 

ブレイラウザーを構えたブレイドだった。

彼も暴走しているのか生身で使ってる方の剣も逆手で引き抜くとレンゲルに追撃を仕掛けた。

 

「主様!お願いです!おやめください!

今主様が戦っているのはキャル様です!

判らないのですか!?」

 

ブレイドはしがみ付いてくるコッコロを引き剥がすと再びレンゲルに向かって行った。

 

「あ!居た!お姉ちゃん居たよ!」

 

「弟くん…やっぱりああなってしまったのね。

リノちゃん、ヒヨリちゃん、ペコリーヌちゃん!」

 

「オッケー!」

 

「ごめんね2人とも」

 

「了解です。変身!」

 

<TURN UP ♦︎A>

 

駆けつけたリノ、シズル、ヒヨリ、ペコリーヌも加わりなんとかペコリーヌとノウェムでハジメを。

ヒヨリとシズルでブレイドを捕まえる。

 

「早くトドメを!もう一回倒すしか方法がない!」

 

それぞれ武器を構えるが、戸惑う一同。

ブレイドにカリス。2人とも苦楽を共にした仲間だ。

簡単には無理だ。

 

「どうした早く!」

 

「は、早くって言ったって!」

 

「出来ない!出来ないわよ!」

 

レンゲルがそう叫んだ瞬間、

誰も居なかった筈の屋根から人影が降り立った。

 

「アイツは!」

 

ティターンだった。

戦斧エグザックスを構えてブレイドに斬りかかる!

 

「かかったな!」

 

すると獣様に唸っていたブレイドは流暢に喋りだし、ブレイドを拘束していた2人は逆にティターンを捕まえ、ブレイドが剣戟を浴びせる。

 

「姿を消して仲間を狂わし、私達を分断するのが仕事のお前でも、流石にアンデッドが増えることは看過しないと踏んで正解だったな!」

 

高らかに宣言するブレイドにカリスも演技をやめてノウェム達と加勢する。

 

「え?えぇ?何?どうゆうこと?」

 

「最初から全部芝居だったのか!?」

 

「敵を賜うにはまず帝に頼む!だよ!」

 

『……何ぬかしてんだアイツ?』

 

「多分『敵を騙すにはまず味方から』って言いたいのかしら?」

 

(BGM Rebirth )

 

兎に角まずはティターンだ。

 

「まずは私から!行きますよー!」

 

先陣を切ったのはギャレンだった。

振り下ろされるエグザックスを避けて怒涛のインファイトを仕掛ける。

 

「ブレイド!後でとっちめるからね!」

 

次にレンゲルのラウザーでの連続攻撃。

剣崎による融合係数上昇に伴い、深く一体化したキャルは今までになくよく動けていた。

 

『リノ嬢!ユイ嬢!せーので行くぞ!』

 

次にカリス、リノ、ユイの射撃。

遠距離から伸ばされた触手を弾き、本体にもダメージを与える。

 

「よし皆!俺に続け!」

 

ダメ押しにブレイド、シズル、コッコロ、ヒヨリ、レイ、ノウェムと一撃ずつ与えながら通り過ぎていく。

 

『最後だ!

キャル!ブレイド!カテゴリー6をレディに!』

 

カリスの声に2人はエレメントのカードを投げ渡す。

ギャレンもファイヤのカードを取り出して、受け取った3枚と共にラウズ!

 

<FIRE ♦︎6 BLIZZERD ♣︎6

TORNADO ♥6 THUNDER ♠︎6>

 

「皆のパワー、受け取りました!

行きますよ!全力、全開!」

 

<XTREME SHOT!>

 

火、氷、風、雷。

打ち消し合うことなく高め合わされた高エネルギーがティターンを撃ち抜いた。

 

「██▅▃▄▅▅▅▅▃▃▄▅▅!!!」

 

爆発して火柱をあげる。

腹部のバックルが2つとも開いたのを確認してギャレンとレンゲルはプロパーブランクを投げつけた。

 

「これで、全部!」

 

「♦︎の10ゲット!

後はタチハラさんを取り返すだけです!」

 

2人の手元にカードが戻る。

その瞬間、どこからともかくやって来た暗雲が空を覆った。

 

「空が急に…」

 

「確か天気予報はずっと晴れの筈だけど…」

 

『来たな。』

 

ハジメがボソリと誰に言う訳でもなく呟く。

それとほぼ同じタイミングで雲の中からゆっくりと無数の赤い長方形を捻った様なオブジェクトが降りて来た。

 

「最後のアンデッドを確認。

これにてバトルファイトを終了する。」

 

ブレイドが言う。

その声は真剣そのもので現れる存在を待っているかの様だ。

 

「主様?それは一体どう言った意味ですか?」

 

「僕の言葉じゃない。

破壊者の、あの悪魔の言葉だ。」

 

ブレイドの言葉を肯定する様にゲラゲラゲラと人を見下した様な笑い声がそこら中から聞こえてくる。

 

「破壊者とは『仮想の敵対者という概念』そのもの。

それが望むのはあらゆる対立。

故に破壊者は望み続けるわ。紛い物と本物の対決を。」

 

笑い声に混じって冷ややかな女性の声も聞こえた。

やって来たのは想像通りの銀髪の狐の獣人の女。

 

「私と、最後のアンデッドにすらなり底なったあなた達。

消化試合とは言え、手を抜くつもりはないわ。

変、身!」

 

<OPEN UP ⊕A>

 

グレイブに変身した覇瞳皇帝とブレイド達が睨み合う。

ついに決戦の火蓋が、切り落とされようとしていた。




コッコロ「コッコロと!」

ユイ「ユイの!」

2人「アンデッドサーチャー!」

コッコロ「今回紹介するのはこちら!」

<JOKER>

ユイ「バトルファイトを再開する者、アルビノジョーカーアンデッドです!」

コッコロ「仮面ライダーブレイド劇場版に登場した始祖を持たないアンデッドです。」

ユイ「手先より発する光弾と大鎌のデスサイズが武器で、原作では仮面ライダーブレイドに撃破されました。」

コッコロ「今作では覇瞳皇帝と融合されてアルビノジョーカー固有の人格は消されてしまいましたね。」

ユイ「次回もお楽しみに!」
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