仮面ライダー剣 サンドリオンウォーリアーズ   作:伊勢村誠三

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カウント・ザ・ラウズカード
現在ライダーが使えるカードは?

ブレイド ♠︎A~10 ⊕A
カリス  ♥A〜Q ♦︎A〜Q
レンゲル ♣︎A〜Q
覇瞳皇帝 ♥K ♠︎J〜K ♦︎K ♣︎K


ワイルドカード
VANITY


1

「すいません誰かいませんかー!

誰でもいいから居ませんかぁーー!!」

 

王宮地下の土牢にて。

囚われの身となったペコリーヌはようやく見つけた入り口と思われる場所に叫び続けていた。

 

先程から地下にも伝わってくる戦闘の音がいい加減気になるのだ。

もし王宮の人々が戦わされているなら一刻も早く止めたいし、もし美食殿の皆が助けに来てくれたのなら一秒でも早く会いたい。

 

『退け退けこの歩くGが!

ゴキ○ェット顔射すっぞオラァ!』

 

<CHOP ♥3 TORNADO ♥6

SPINNING WAVE!>

 

風が逆巻く音と人間大の大きさの何かが叩きつけられる音がした。

 

「スピニングウェーブ…ハジメ君!

ハジメ君なんですか!?」

 

「その声は!コッコロ、ハジメ!突き当たりだ!」

 

『よし来た!レディ!チェックアウトのお時間ですよ!』

 

少し間があって、鍵が外れる音と共にペコリーヌが身を屈めてようやく出られるぐらいの入り口が空いた。

 

「ペコリーヌ様!ご無事でしたか!」

 

「皆!ああ…そんなに経ってない筈なのに

すっごくすっごく嬉しいです!」

 

土牢に入っていたせいで汚れだらけであったが抱きついて来るペコリーヌを拒む事なくブレイドとコッコロは抱き返した。

 

「ブレイド君その足…」

 

「あと2回で、戻れなくなる。」

 

『けどレディはまだまだ戦えます。ほら。』

 

カリスは持って来たカバンを渡した。

中には♦︎のラウズカードにギャレンバックル。

それからここまで来る途中で見つけて来たプリンセスソードとティアラに

 

「これは!ほへと屋さんのたい焼きです!」

 

『残りもんですけど。それ食べてこんなしけたとこにいたせいでなくなったエネルギー付けてください。

この戦いで、終わらせましょう。』

 

ハジメの真剣な声に頷くとペコリーヌはたい焼きを食べてティアラを装備し

 

「準備オッケーです!」

 

「よし、行くぞ!」

 

 

 

 

 

2

当然通路には衛兵のデータを上書きしていたアルビノローチ達が待ち構えていた。

しかし相手にしてる余裕のなかったカリスは一度ジョーカーに変身して

 

「俺に!従え!」

 

緑色のエネルギーを流し込み、ダークローチに変質させるとアルビノローチと戦わせた。

 

<SPIRIT ♥2>

 

「先を急ごう。このまま真っ直ぐだ。」

 

ハジメの先導で覇瞳皇帝の待つ部屋に向かう。

一際大きないかにもそれらしい扉の前に立つ。

一同頷き合うと4人せいので扉を開けた。

 

 

 

3

「たったの四人?他のお友達は?」

 

「お前の手下と遊んでるよ。」

 

陛下の質問に答えながら彼は、ブレイドはゴツゴツした紫色の怪人の左腕でブレイバックルを。

ぺコリーヌはギャレンバックルではなく取り戻したプリンセスソードを、コロ助は愛用の槍を、

ハジメの奴はチェンジマンティスのラウズカードを構える。

 

「余計なおしゃべりは要らなそうね。」

 

陛下は真の神の姿、アルビノジョーカーに変身しながら前に立たれた。

 

「お前の不快な声はなるだけ聞きたくないからな。

断末魔以外は!」

 

ブレイドはブレイバックルを装着。

ハジメもバックル型の器官、ジョーカーラウザーを出現させる。

 

「陛下。ブレイドは私が。」

 

私は陛下の前にバックルにチェンジスパイダーのカードをセットしながら出た腰に装着してポーズは取らずに左手をカバーに添える。

 

「変身……ッ!」

 

<OPEN UP ♣A>

 

スピリチアエレメントを潜って私はレンゲルクロスを纏った。

 

「レンゲル……コッコロ、ハジメ、ぺコリーヌ。

あの狐ババアは任せた。こいつは俺が!」

 

「了解です!」

 

「主人様、御武運を。」

 

「ああ。死ぬなよ、変身!」

 

<CHANGE ♥A>

 

醒弓カリスアローを構えたカリスを先頭に私を横切って3人は陛下に向かって行った。

すぐ背後で3人が陛下の大鎌『デスサイズ』に斬られる音がする。

ブレイドは左腕を右斜めに真っ直ぐ伸ばし、

手首を掌が見えるようにスナップをきかせながら回転させ、

 

「変身!」

 

<TURN UP ♠A>

 

仮面ライダーブレイドに変身した。

ほぼ同時に武器を構えた走り出す。

醒剣ブレイラウザーとレンゲルラウザーが火花を散らして激突した。

 

「キャル!お前は初めからそのつもりだったのか!」

 

「黙れ!」

 

<STAB ♣2>

 

「いいや黙らない!

お前の声を聴くまで俺は黙らない!」

 

<SLASH ♠2>

 

双方の強化されたラウザーがお互いのアーマーを傷つける。

与えたダメージでは私が上のはずなのに先に立ち上がったのはブレイドだ。

 

「美食殿に入って!

文句言いながらも俺たちの冒険に付き合ってくれたのは俺たちを殺すためか!」

 

「ああそうだよ!お前たちを殺すためさ!

今頃気付いた!?」

 

<BEAT ♠3>

 

「いいや!」

 

渾身の右ストレートを顔面に叩き込まれる。

もろに喰らった左側の仮面が崩れた。

痛い。さっきからアイツに喰らう攻撃全部がズキズキと痛い。

 

「ぺコリーヌと話すとき時々苦しそうだったりしてるのを見て!

何かあるとは思ってた!

けど態々そんなことをして危機を知らせるぐらいには!

俺たちは仲間じゃ無かったのか!」

 

「仲間なんかじゃない!」

 

<SCREW ♣︎3 BLIZZERD ♣︎6

BLIZZERD GAIL!>

 

冷気を纏ったコークスクリューをお返しとばかりに繰り出す。

吹っ飛ばされたブレイドはバウンドしながら転がった。

 

「嫌いだ!お前たちが嫌いだ!

ガキの癖に保護者ぶるコロ助が嫌いだ!

飄々としてるくせに傷つきやすいハジメが嫌いだ!

いつも好きな事を好きって素直に言えるぺコリーヌが大嫌いだ!

空っぽの癖に!偽物の劣化コピーの力でいっちょ前にヒーローやってるお前が大嫌いだ!

お前らなんか大っ嫌いだ!死ね!死んじゃえ!」

 

頭で思った事を吐き出す様に絞り出す。

これでいいって、これが最善だって思ってる筈なのにこみ上げる何かが止まらない。

 

「嘘だそんこと!」

 

<MAGNET ♠︎8>

 

磁力の力で無理やり私を引き寄せたブレイドは怒涛の連続斬りを浴びせた。

単純な往復攻撃だけど磁力が強くて抜け出せない。

 

「じゃあなんでお前は泣いてるんだ!」

 

「ーーーッッッ!」

 

片側の視界が血と、そうじゃない液体でよく見えない。

ダメ、ダメ!私はそんな風に思っちゃいけない!

 

「うるさい!うるさいうるさいうるさいうるさい!

私には、私には陛下だけだ!」

 

<ABSORB QUEEN ♣︎Q 

FUSION JACK ♣︎J>

 

腕のアブゾーバーに二枚のカードをラウズ、ジャックフォームに変身した。

ラウズアブソーバーもカテゴリーJのカードも持たないブレイドにはできない強化フォーム。

これで勝つ。もうこれ以上ブレイドを戦わせない。

 

「俺は、運命に勝つ。

たとえこの力が偽物でも、この身体が抜け殻でも!

この魂がただの残響だとしても!

今ここに確かにいる仮面ライダーブレイドを嘘にはしない!」

 

両者三枚のカードをラウズし、最強の必殺技の準備に入る。

互いに、これで決めるつもりだ。

 

<KICK ♠︎5 THUNDER ♠︎6 MACH♠︎9>

 

<RASH ♣︎4 BLIZZERD ♣︎6 POISON ♣︎8>

 

「ああ…あああああああ!!!!!」

 

「ウェーーーーイ!!!!!」

 

<LIGHTNING SONIC!>

 

<BLIZZERD VENOM!>

 

走り込んで来たブレイドに突き立てようとラウザーを突き出そうとした時、ブレイドの姿が消えた。

 

(何処に?……下!?)

 

スライディングで股を潜ったのだ。

振り返ろうとするより先に背中に衝撃を感じる。

 

「うわああああああ!!!」

 

変身が解除されて倒れ込む。

バラバラと♣︎のカードが舞うのが見えた。

 

(まだ、まだよ!まだ変身さえできれば!)

 

バックルを掴みカードにも手を伸ばそうとしたけど、

それより早くブレイドがケルベロスのカードを使った。

 

「・・・ああ、そういえば持ってたわね。

あんたと一緒に倒したんだもんね。」

 

「つい先週の事なのにもう懐かしく思えるよな。

……なあキャル。少なくとも俺は楽しかった。

覚えてるか?俺たちが会った時の事。」

 

ブレイドは仮面を外して倒れた私の横に座った。

目はアンデッドの血と同じ色になって、

顔の血管は変色した血のせいで黒く浮かび上がった酷く気味の悪い顔。

普通の人なら耐えられない。

その筈なのにブレイドは平気で笑っていた。

 

「なんで、笑うのよ?」

 

「話しながら、楽しい事を思い出したから。」

 

「叶わぬ夢を見続けたって虚しいだけよ。

神様なんていないのよ!

いつだって平等なのは不平等だけ!

不幸な奴はとことん不幸で恵まれてる奴は何処までも恵まれてるじゃない!」

 

気づけば私はブレイドのアーマーの首回りを掴んでいた。

泣きながら無駄だと分かっていてもアーマーを外そうと乱暴に引っ張る。

 

「アンタらは恵まれてるべきだった!

なのになんでまた来たのよ!変身したのよ!

アンタは仮面ライダーなんかになるべきじゃなかった!

ただ、ただちょっとした冒険に満足して普通に幸せになって!

それで良いじゃない……。」

 

「キャル……俺も、出来る事ならそうしたい。」

 

「じゃあなんで!!」

 

「その幸せに!……そんな素敵過ぎる当たり前にお前が居ないなんて考えられるかよ。」

 

悲しい事を言うなよ。

そう言う様にふわりとブレイドは私を抱きしめた。

 

「俺は仮面ライダーになって、

ヒーローにはなれたけど俺だけを助けてくれるヒーローは居なかった。

そんな時キングに言われた言葉で不意を突かれて暴走した。

引き戻してくれたのは、お前だ。

お前は俺のヒーローだ。」

 

だからずっとそばにいて欲しい。

俺はキャルのおかげで幸せになりたい。

 

顔をほんの少し赤く染めながら照れ臭そうにブレイドは言った。

 

「は、はぁ!?あ、アンタこんな時に!」

 

「こんな時だから言う!

キャル!一緒に冒険してて仲間として好きだったけど、

お前に心を救われたあの日から!お前の事が大好きだ!

記憶をなくしてから初恋だ!」

 

 

 

 

 

3

そしてお前を俺だけが幸せにしたい。

ブレイドは立ち上がって手を取るとキャルを立たせた。

 

(今すぐ、今すぐOKしてしまいたい。

けど、私は、私なんかが……)

 

「俺はキャルだからそう思えるんだ。」

 

「……バカァ…ずるい。ずる過ぎるわ。

その言葉、嘘だったらぶっ殺す。」

 

ブレイドが笑顔でうなずいた瞬間、

アルビノジョーカーから投擲されたデスサイズが深々とアーマーごとブレイドの心臓と肺を切り裂いた。

 

「??………!???」

 

ガックリと力が抜けたブレイドがのしかかって来る。

嫌だった。分からなかった。分からないけど嫌だった。

今真横にあるブレイドの顔を確認するのが怖い。

 

「は、ははは!はーっはははははははははは!」

 

遠くから陛下の笑い声がする。

今まで、笑い話で済ませるレベルから自殺したくなるレベルまで色々不幸な目に遭って来たが

 

「ないわよ、これ以上は。」

 

ケルベロスのカードを拾い上げ、中から♣︎のカードを取り出す。

バックルにセットして装着し

 

「変身!」

 

<OPEN UP ♣A>

 

「アンタだけは…アンタだけは私がぶっ殺すわよ!」

 

なお高笑いを続けるアルビノジョーカーにレンゲルは身体中から湧き上がる殺意に任せて襲い掛かった。




ペコリーヌ「ペコリーヌと!」

キャル「キャルの!」

2人「ラウズカードアーカイブ!」

ペコリーヌ「今回紹介するのはこちら!」

<VANITY>

キャル「4枚のカテゴリーKから作られる勝者の証
バニティのカードよ!」

ペコリーヌ「仮面ライダーブレイド劇場版に登場したラウズカードです。」

キャル「アルビノジョーカーが使用した4枚のカテゴリーKを融合させて作る特殊なカードで、バトルファイトの勝者に大いなる力を与えるための生贄を封印する力があるわ。」

ペコリーヌ「つまりジョーカーが他の全てのアンデッドの力を持つ理由はカテゴリーKの誰かがバトルファイトの勝者になった場合にバニティカードが作れない事態にならない為です。ヤバいですね!」

キャル「次回もお楽しみに!」
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