現在ライダー達が使えるカードは?
ブレイド ♠︎A、5、6、8、9 ♦︎9
ハジメ ♥2、3、6、8、9、10
レンゲル ♣︎A、2、6 (以下3枚所持)
1
ランドソル中央にそびえ立つ王宮。
その中の最も重要な最深部。
狐の特徴を持つ妖艶な獣人が王座に座り、目の前に跪く騎士の言葉を待っていた。
「ジュン、申せ。」
「は! 昨晩、ついにスタッグビートルアンデッドを封印しました。」
思いの外、ガッチガチの鎧の中から発せられた声は女性であった。
その女騎士の手には♦︎のA、チェンジスタッグのカードが握られている。
「では遂に五体全てのカテゴリーAが封印された訳だな?」
「はい。陛下の為の兵は着実に揃っています。
王宮騎士団内から♠︎、♥のスートに適合する者の選別も順調です。」
「後は絆されかけてるキャルね。」
そう言って獣人の女帝は玉座の横のテーブルからブレイバックルと同一規格のバックルを取り、騎士のもとに行く。
「あなたに任務を与えるわ。
キャルにこの毒を注射しなさい。」
バックルの他に銀色のインジェクターも渡す。
「この毒にはあえて不完全にしか封印してないスパイダーアンデッドを活性化させる効果、簡単に言えばキャルをスパイダーアンデッドの操り人形にする効果があるわ。」
ま、最もあなたがここで変身出来なきゃ降りてもらう事になるけど。
とクツクツと笑う女帝。
笑い事では無い。
オリハルコンエレメントに弾かれるという事は四肢のどれかを失うぐらい覚悟しなければならない。
つまり最悪騎士としての生命を捨てる事になるのだ。
「騎士として、最期に言い残す事はあるかしら?」
「自慢のライダーの誕生です。」
女騎士、ジュンはバックルにカテゴリーAをセット。
腰に装着し、左手をゆっくり握る様にかまえ、
「変身!」
<TURN UP ♦︎A>
青いオリハルコンエレメントを潜り抜けたジュンの身体は赤い革のスーツにギャレンアーマー。
腰に醒銃ギャレンラウザーを携えた緑の複眼の戦士の名前は
「おめでとう。
今日からあなたが仮面ライダーギャレンよ。」
2
「お疲れ様でしたー!」
同僚たちに声をかけてブレイドはレストランのバイトを終え、工事現場のバイトに向かう。
ここの所アンデッドの活動もおとなしい為、
ブレイド達美食殿はバイト、バイトな毎日だった。
きっかけは一月前のモスアンデッドとの戦いでトゥインクルウィッシュのギルドハウスが焼けてしまった事に由来する。
サレンディア救護院に住む所の無くなった3人を連れて来たは良いが、救護院もそんなに余裕があるわけじゃ無い。
だったら自分とコッコロが世話になってる分ぐらいは、と働きに出た訳だ。
しかし前途はかなり多難だった。
「ブレイド君文字読めないの!?」
まず書類を作ろうにも字がわからない。
識字率97%を下回った事のないランドソルでだ。
幸いブレイドは物覚えがよく、コッコロとユイの褒めて伸ばす方針が合っていたのも手伝いわりと直ぐ解決した。
しかし問題は致命的な知識不足と羞恥心の方だった。
例としては、自販機のコイン投入口に折り畳んだお札をねじ込もうとする。
風呂の入り方がわからない、火を消せと言われてアルコール類をかけようとするなど一歩間違えれば大惨事になりかねない物から
トイレの男女訳の意味を理解してない、女性の裸を見ても動じない、また女性に裸を見られても動じないなど別ベクトルの問題が有るものまで様々。
こちらもコッコロとユイの尽力でどうにかなったが、1人で外を歩ける様になるまで半月かかった。
だがその甲斐有ってブレイドは美食殿1番の稼ぎ頭になっていた。
さっきも言ったが物覚えのいいブレイドに先輩労働者も色々教えてくれて身入りも良くなった。
最初は痩せていた身体も肉体労働やトゥインクルウィッシュのヒヨリやレイとの手合わせなどで徐々に筋肉がついて来て、最近はそれを確かめるのが密かな楽しみになっていたりする。
「昼はユイのバイト先にでも行こうかな?」
そう思って通りを進んでいると見慣れた猫耳が人混みの中に見えた。
「どうしよう……カードは盗られちゃうしペコリーヌはどこで何してるか分かんないし……」
「おーいキャル!」
「いひゃあ!ぶ、ブレイド!
アンタ今の独り言聞いてないわよね!?
聞いてたらぶっ殺すわよ!」
「ウェ!ナ、マリモ聞いてない!」
「ならいいわ。で、どうしたのよ?」
「お昼まだ?なら一緒にユイのバイト先に食べ行かない?」
「バイト?あー、そう言えばアンタら路銀のやりくりが大変って言ってたわね。」
「ふん。戦う戦わない以前にその有り様とは。
仮面ライダーブレイドも落ちたものだな。」
いつの間にか2人の間に1人の女が立っていた。
ノースリーブの虎柄のシャツに同じくノースリーブの上着と動きやすそうな格好。
メッシュの入った首元まで伸びたカッコイイ系の美人は
「タイガーアンデッド!」
「え!?でもこの人」
人間じゃない。と言いかけてキャルは最後に戦った四条ハジメを思い出した。
奴は人間からアンデッドに変身していた。
つまり逆も有りなのでは?
思わず飛び退きブレイドはブレイバックルを、
キャルは杖を構える。
だが、次の瞬間にはブレイバックルと杖は弧を描いて宙を舞い女の手に収まった。
目の前の女ぬ素早いキックで蹴り上げられたのだ。
「弱いな。目で追うことも出来ないとは。」
期待外れだと言わんばかりにブレイバックルと杖を投げて返す女。
「………なんのつもりだ?」
「少し話に来た。場所を変えるぞ。」
3
タイガーアンデッドの女について行った先は奇しくもユイのバイト先のレストランだった。
「いらっしゃいませってブレイド君にキャルちゃん!
いらっしゃいその人は?」
「化身体アンデッドだ。
周りに人いない席に。」
ユイに耳打ちして入り口から一番遠い角の4人席にしてもらう。
「何を頼む?」
「ミートパスタ。」
「んー、サバ味噌定食。」
「そうか。店員!
ミートパスタにサバ味噌定食におにぎりセットを。」
注文を終えるとジーッと睨み合うタイガーアンデッドとブレイド、キャル。
「それで、お前の目的はなんだ?」
「お前じゃない。私の名前は
この姿でいる時はそう呼べ。」
城光ことタイガーアンデッドは切り込む様に言った。
「お前たちランドソルの仮面ライダーはあまりにも弱い。
束になってようやく上級アンデッドの下の下に勝てるレベルだ。」
それはブレイドも自覚していることだった。
バックル抜きの強さなら自分は精々コッコロよか強い程度。
ペコリーヌをカテゴリーKとしたら
キャル、ユイ、レイがカテゴリーQ
自分とヒヨリがカテゴリーJ
コッコロがカテゴリーAと言った塩梅だろう。
因みに同じカテゴリーJでもブレイドの方が弱い。
変身すればキャルよりやや強いぐらいにはなれるがアンデッドの力を借りてるだけ。
本当の自分の実力とは言い難い。
「だからなんだ?
もう少し強くなってもらわないと歯応えも無いってか?」
「少し前の私ならそう言っただろうが、
今は違う。
今回のバトルファイトは聖戦などではない。
始めからアンデッドは揃っていない。」
アンデッドが揃っていない?
始めに4スート52体解放されていなかったのならブレイドが持っていた♠︎A、5、6がそうなのかもしれないが、欠けてるアンデッドなど居ないはずだ。
「アンデッドは全部で52体じゃないの?
アンタらトランプやタロットと同じよね?」
「ああ。だからこそ誤解しているぞ。
アンデッドは全部で54体。ジョーカーを含む。」
「……そのジョーカーが足りてないのか?」
「アルビノジョーカーはいるが通常のジョーカーは欠けている…いや、いるにはいるがアンデッドと認められていない。」
アルビノに通常?
それに認められていないアンデッド?
益々わけが分からない。
「分からないって顔だな。
まあ仕方ない。私だって確信を持ったのは最近だ。」
「確信ってなんのだよ?」
それは、と城光が言いかけた所で店の扉が勢い良く開かれた。
「ブレイド君!あ、それにキャルちゃんも!
急いで下さい、アンデッド出現です!」
ペコリーヌだった店の奥にブレイドとキャル見つけると大声で捲し立てて外に出る。
ブレイドは剣とバックルを引っ掴むと外に飛び出した。
4
ペコリーヌが援軍を呼びに行ってくれた。
なら自分は彼女が戻るまでになんとしてもこの怪物を足止めしなければならない。
グリーンの身体に黒い革のベルトでプレートアーマーを貼り付けた様な鋭利な突起の怪人、蜥蜴の始祖リザードアンデッドだ。
一見仮面と分かりにくい鱗の様な模様にオレンジの目の奥には戦意が爛々と輝いている。
「この!」
「▅▅▅▅▅▅━━━!」
レイの剣とリザードアンデッドの刃が火花を散らす。
どちらも突破型のアタッカーとあってその力はよく似ていた。
ただスタミナにおいてはリザードアンデッドのが勝る様で
「ぐっ!」
「██▅▃▄▄▅▅▅▅。▅▅▅▅▅▅▃▃▄▅▅▅!!」
太腿に食らったのを皮切りに一閃、二閃。
レイの身体に真っ赤な切り傷が増えていく。
腱などの急所はなんとか避けているが、潰されるのは時間の問題だ。
「██▃▄!」
ついに無防備になったレイに刃が振り下ろされる!
「レイーーーー!!」
<TURN UP ♠︎A>
寸前でオリハルコンエレメントに弾かれた。
まだ復帰できてないところにブレイラウザーが振り下ろされる!
「レイちゃん!大丈夫ですか?」
「この程度かすり傷だ。」
3人でリザードアンデッドに対峙する。
流石に不利と思ったのか逃げようとするが
「やぁ!」
背後から現れたレンゲルに退路を塞がれた。
「もう1人の仮面ライダー!?」
「はい。レンゲルちゃんっていうんです。」
レンゲルはゆっくりとラウザーを構え直すと、今までとは見違える様な速さでペコリーヌに接近してラウザーで切り上げた!
「ウェ!?」
「何!?」
「!!?」
その場にいたレンゲル以外の全員が驚いた。
構わずペコリーヌに追撃を加えるレンゲル。
「れ、レンゲルちゃん一体どうしちゃったんですか!?」
「黙れ………わ、私は最強のライダー…
必ず、お前を、お前を……あああああああ!!」
獣の様な絶叫を上げながら無茶苦茶にラウザーを振るうレンゲル。
ソードで受けるペコリーヌだが、戦意が無いせいか押され気味だ。
「仕方ない。まさか初戦でこんな使い方をするとは思わなかったけど!」
<GEMINI ♦︎9>
唯一所持する♠︎以外のカード、ジェミニゼブラを使い、分身したブレイドは片方をその場に残して逃げ出したリザードアンデッドを追いかけた。
5
「コロッケー!コロッケ揚げたてですよー!」
商店街の一角にてコッコロは売り声を上げていた。
サレンのお使いで買い物に行っていた先に気に入られて雇って貰ったのだ。
「お、美味そう。チビ助、1つくれ。」
「はい、50……! し、四条ハジメ!」
「ようブレイドんとこのチビ助。
客として来てやったぜ。」
お代を置きながらコッコロの手からコロッケを受け取るハジメ。
「な、なぜ貴方が……」
「俺も生きてりゃ腹も減るし喉も渇く。
だったら美味いもん食いたいのは当然だろ?」
ハフハフと揚げたてのコロッケを頬張りながらなんでも無い様に言うハジメ。
コッコロは警戒を解けずにいた。
「ま、ここ最近はアンデッドも大人しいし、俺も暇ってわけ………ッ!」
もう一口コロッケを頬張った所で急に真面目な顔になるハジメ。
次の瞬間通りの真ん中を無人走行するホンダXR BAJAに似た青いバイクが駆け抜けて行った。
「ふふふ、いい。それでいいぞブレイド。
お前はどうしようもないぐらい近付いてきてる。
必ずワイルドカリスと同じ次元に達するだろう。」
ハジメはコロッケを食べ終え自身のバイクに跨ると無人バイクが来たのとは逆方向に走り去った。
6
リザードアンデッドは思いの外すばしっこかった。
追いつかねばと思うのと裏腹に敵との距離はどんどん遠ざかっていく。
(もっと早く、速く!)
ラウザーを引き抜きMACHのカードを使おうとした時だった。
背後から排気音を轟かせやってくるバイクが一台。
「ブルースペイダー!」
初めて見るはずなのに不思議と懐かしく感じるそのバイクにブレイドは飛び乗った。
バイク備え付けのラウザーにカードをラウズする。
<MACH ♠︎9>
極限までスピードを高めたマッハスペイダーで距離を詰め、体当たりを喰らわす!
「ジャアアァ!」
地面に転がり、立ち上がった所を新たなカードをラウズ!
「トドメだ!」
<THUNDER ♠︎6>
必殺のサンダースペイダーがリザードアンデッドを跳ね飛ばし、落ちた先で火柱を上げる。
プロパーブランクを投げ、無事アンデッドを封印し戻ってきたプライムベスタを仕舞うとブレイドはブルースペイダーを急がせた。
コッコロ「コッコロと!」
ユイ「ユイの!」
2人「アンデッドサーチャー!」
コッコロ「今回紹介するのはこちら!」
<SLASH ♠︎2>
ユイ「♠︎のカテゴリー2、
リザードアンデッドです!」
コッコロ「仮面ライダーブレイド41話、劇場版、
仮面ライダーディケイド1話、30話に登場した蜥蜴のアンデッドです。」
ユイ「両腕部の鋭利な刃と発達した脚力が武器で、原作ではモノリスや仮面ライダーブレイドに封印されました。」
コッコロ「今作では主様の巧みなライディングによるライダーグライドを受け、戦闘不能にされたところを封印されましたね。」
ユイ「次回もお楽しみに!」