BLEACH史上最も有能な男が出ます
「起きたまえ、そんなところで行き倒れられても面倒だヨ」
という言葉とともに、後頭部に強い衝撃を感じて跳ね起きた。
「つーッ!痛ってーッ!てめぇ何しやがるッ!」
どうも日本刀の柄頭で叩かれたらしい。痛みが引く気配は無い。
「誰だお前!ってここはどこだ?」
その質問に思い切り顔をしかめられる。
いや、出会い頭に頭叩かれた俺の方がすべき顔だと思うんですけど(素)
「ここは尸魂界、その中でも殊更に治安の悪い更木地区だネ。そして私は君を此処へ送った死神と同じだヨ」
は?
「尸魂界?死神?アンタ見たいな個性的なファッションのやつなんて見たこと無いぞ?【真理】じゃなくてか?」
「【真理】?何だその嫌な響きがする単語は?答えたまえチビ」
ピッキーン
「誰が蟻ん子短小クソチビ野郎だ!ノーセンスファッション野郎にんなこと言われたく「掻き毟れ、疋殺地蔵」…」
体が…動かない!(即堕ち2コマ)
「サテ、ここからは体を動かすのを止めてもらうヨ私の質問に答えるときのみ、口を動かしたまえ」
☆☆☆
「フム…死神に魂葬してもらった訳ではなく、【真理】とかいう君から見れば高次生命体で、世界のあらゆる情報を蓄積できるシステム…と会話した後にいつの間にかここに居たと、これでいいかネ?」
「あぁ、それより体動かせるよ「まだ自由な発言は許可してないヨ」…ッ!」
体の感覚はある…だが自分からの動きたいという情報伝達が上手くいっていない…一体どういう理屈なんだ…チッ
「そして…自分は元錬金術師で…人体錬成…いわゆる死者の蘇生…に挑戦したものの失敗し、結果的にその錬金術師としての力を失ったと…こんな話、私以外なら狂人と断じて捨てるだろうネ」
そう語るクソダサファッションの死神とやらの目は爛々としていた。
「なぁ…ならなんでアンタは「何度言えば分かるのかね?」…」
口ではこういうものの、謎の力によって俺の動きを止めることは無かった…がそのあふれでる狂気と興味に思わず俺は自ら口を閉じた。
「馬鹿なことを言うネ、そんなの私が狂人だからに決まっているからでないか」
ギロリと、自称狂人の目がこっちに向いた。
「それよりもだヨ、君は何回その…「人体錬成」に挑戦したんだネ?」
「一回だ」
「諦めた理由は?」
「【真理】に到達したとき、人体錬成をすることは不可能だと知ったからだ」
その質問に答えたとき、先程まであった「興味」が、明確に「失望」へと変化したのを感じた。
「やはり…君は馬鹿だヨ。腕一つ失ったくらいで、【真理】とやらに無理だと言われたくらいで、そんなんで諦めてしまうなんて学者を名乗る資格は無いヨ。この世に完璧なものなんて無い。答えだって複数ある。たった一つに方法を絞り、それが無理と知れば諦める…学者の在り方としては決して認められない」
何でこんなやつに俺のことを否定されなきゃならないんだ!
「何が…ッ!何がお前に分かるッ!父親も母親も居なくなって、「君の心情は聞いてないヨ。それにもう…家庭問題は解決したんだロ?父親と再開することが出来、弟の体は戻すことができた。もう終わった話ダ」…」
…
「話を逸らすなヨ、感情的になるあたり、君は馬鹿というよりガキの方が正しいネ」
狂人にここまで見透かされるとは…キンブリーとはまた違う、いや、プロセスは違うものの「興味」のレベルが同じくらい狂気染みている…!
先程言ったことは俺の本心ではあるが全てじゃない。母親を蘇らせるという目的から弟の体を取り戻すという目的に変わっただけだ。
だが…母親を蘇らせるということに関しては、確かに俺は諦めている…そのことについてこの狂人は文句を言っているんだろう。
「オヤ、ガキに反応すると思ったけど、そんなことは無かったようだネ」
は?スルーしてたんだから一々蒸し返すなよ(怒)
「私は今、君の学者としての在り方について話をしている。君の持っていた技術や冒険譚、家庭問題なんて然程興味は無いんだヨ」
「君が始めて錬金術とやらを学んだとき、それはどう感じたかネ?母親を生き返らせる為に研究を重ね、技術研鑽し洗練していく過程は君にとってどんなものだったかネ?」
勿論、母親を蘇らせるという目的があったが、弟と一緒に研究していく過程は確かに
「…楽しかった」
「そうかい。
…私は今、『被造死神計画』というのを計画している。要は人を人工的に作る計画だヨ。それを進めようとした折、『それは無理』なんてことを言われたらムキになってしまってネ。今までの無礼、本当にすまないヨ」
そりゃ自分がやろうとしてることをのっけから否定されたら頭にくるかもな。まぁそれを察しろというのも無理な話だけど。
「そこでだ、私に君の人を造るという点での技術、経験、情報、失敗、全て寄越したまえ。私がそれらをお前より有効活用してやる。替わりにお前に研究者としての本分を、姿勢を、誇りを、成功を、そして楽しさを思い出させてやろう。さぁ、この手を取りたまえ」
もう体は動くようになっていた。
いや、それだけじゃない。
自分が無意識のうちに諦めていたものに辿り着けるかもしれない…
そんな、消えた蝋燭に火薬をぶちこむような、そんな熱が体の中を渦巻いていた。
しっかりとその手を掴んだ。
「え?」
その瞬間、
肩に担がれて猛スピードで走り出した。
「ギャアアアァァアァアアッッッッッ!!!!!!!!!」
「うるさいヨ」
「…」
ヤバいヤバい膀胱の筋肉も謎の力で止められてなければとっくに漏らしてるぅぅぅ!
「そういえばお前、名前はなんていうんだネ?」
半ばグロッキーになりながら、なんとか質問に答える。
「元国家錬金術師、エドワード・エルリックだ!」
「まるで西梢局の人間みたいな名前だネ。素性が一々聞かれるのも面倒だ。『
うわぁ…ほぼまんまじゃん…ネーミングセンスねぇ…
いや、それよりも
「アンタは!アンタは何て呼べば良い!?」
「私?私はこれから最も偉大な科学者になり、お前の上司にあたる、『涅マユリ』だヨ」
なんともまぁ自信のあることだ。
「いやはや、豚箱を出てからこんなおもしろそうなガキを見つけるとはネ、中々幸先良いとは思わんかネ?」
「え…?」
その言葉に思わず心の声が漏れる
誰か助けてくれ!
不審な格好をした元犯罪者(もしかして脱走?)なマッドサイエンティストに体の不自由を奪われ誘拐されていまーす!
そんな俺の心の声は誰にも届くことは無かった…
「BLEACH史上最も有能な男」を浦原喜助とかいう胡散臭いやつだと思ったやつは死ゾ
頭を垂れてつくばえ。平伏せよ。(パワハラ並感)
マユリ様がエドの心を動かした言葉は大体口から出任せです。