竜太の必殺技、[デスファイア]により篠山の化身が破られた万能坂は動揺を隠しきれなかった。「化身に勝てるのは化身だけ」。
それがシードの間では常識であり、当たり前だったのだ。故に彼らは、ただの必殺技で化身や化身技をぶち破る様な常識外れの力を持った者とは、シード養成訓練でも、一度たりとも戦った事は無かった。
光良:「う、嘘だろ!?」
白都:「一体何者なんだ彼奴は!!」
万能坂に広がる動揺。その中でも、キャプテンの磯崎は何とか頭を働かせて考える。
磯崎:(奴を放置したら、間違いなく俺たちは敗ける!!裏切り者を始末したいが……しかたない。後回しだ)
ピィイイイーーーッ!!!
RESTART!!!
万能坂ボールで試合再開。ボールをMFの毒島に戻すと、天馬とキャプテンが二人がかりで止めに入る。
天馬「やらせるかっ!」
毒島「つ――、逆崎!!」パスッ!
毒島はボールを逆サイドの逆崎にパス。逆崎に俺がディフェンスに入る。
竜太:「行かせない!!!」
白都:「かかった!!」
竜太がディフェンスに入った瞬間ニヤリと笑う万能坂。
逆崎:「喰らえ!!!」ドガアァァアアッ!!
逆崎の凶弾が、竜太の腹目掛けて飛ぶ。
エマ・彼方:「「っ! 竜太くん避けて!!!」」
試合には関わらない態度を取っていたエマ先輩と彼方先輩が俺を案じて声を上げる。
――しかし、逆崎は俺が躱せない距離まで十分に引き付けてから蹴っていた。ボールはすごいスピードで俺の腹目掛けて飛んでくる。だが、
竜太:「おっと!!」ドガアアッ!!
俺は飛んできたボールを思い切り上に蹴り上げて軌道を変え、落ちてきた所をトラップする。
逆崎「なにィっ!?」
潮:「くそ!!」
ボールを俺がトラップした一瞬の瞬間を狙い潮がボールをカットしドリブルで上がる。
竜太:「っ、やるな!!」
俺は急いで潮を追いかけるが潮は磯崎にパスを出す。
潮:「磯崎!!!」
ボールが飛んできた磯崎はダイレクトシュートで必殺技を放った。
磯崎:「喰らいやがれ!![バウンド・フレイム]ッ!!」ドンドンドンッ!!!
炎を纏ったボールが左右にジグザクな軌道を描きながら連続でバウンド。ゴールに迫る。
三国:「これ以上点は入れさせない!![バーニング、キャッチ]ィィイイイッ!!!」
ガガアアッ!!!
三国先輩が右手に炎を纏い回転跳躍。炎を纏った燃える右手で、シュートに掴みかかり地面に押さえ付ける。
三国:「ぐうぅぅううううう!!!」
磯崎「ムダだ!!」
ドゴォォオンッ!!
三国「うわぁあぁああっ!!」
しかし磯崎のシュートは三国先輩を吹き飛ばし、ゴールに突き刺さった。
GOOOAL!!!
雷門 3 ー 3 万能坂
三国:「くそっ!! 次は絶対に止めてやる!!」
彼方:「やっぱり……無理なんだよ………」
エマ:「もう、止めて………っ!」
天馬・竜太:「「まだまだぁっ!! 試合はまだ終わってない!!」」
神童:「ああ!絶対に勝つぞ!!」
信介:「僕だって、敗けるもんか!!」
三国「これ以上ゴールを許してたまるか!!」
このゴールで、これまで以上に奮い立つ俺達を見て、先輩たちは――、
彼方・エマ:((っ!!何でそこまで……))
しずく・かすみ「「天馬くん! 竜太くん! 信介くん! キャプテン! 三国さん!! 頑張ってください!!」」
せつ菜・浜野・天城:(((何でそんなにボロボロになってまで………)))
ピィイイイーーーッ!!!
RESTART!!!
雷門ボールで試合再開。しかしキャプテンがボールを奪われ、磯崎が攻め上がる。俺たち以外誰も止めに行こうとしない中、雷門ベンチから、マネージャーの水鳥さんの声が響いた
水鳥:「お前ら何をやってるんだ!!フィフスセクターがどうとか、色々あるのは分かったよ。けど……、それでもアイツらは同じサッカー部の仲間じゃねぇのかよ!!!」
せつ菜:「っ!」
彼方:「仲間………」
先輩たちが、俺たちの方を見る。―――そこには、ボロボロになりながらも必死にボールを追いかけ、"勝つため"に戦う俺たちの姿があった。
水鳥:「今まで一緒になって汗かいて、ボールを追い掛けて、一緒にやってきたんだろ!?その仲間が、必死になって雷門サッカーを守ろうとしてるんだぞ!!なのにお前ら、何にも感じねぇのかよ!!」
先輩たち:『『『っ!!』』』
先輩たちの目が、俺達へと集まっていた。
― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ―
潮:「喰らいやがれ!!」
竜太:「させるかぁっ!![絶・イグナイトスティール]!!」ボオォオオアアアッ!!!
竜太の燃える炎のスライディングでボールを奪い取り、キャプテンにパスを出す。
竜太:「キャプテン!!」
神童:「ドンピシャだ!」
背後から飛んでくるボールに合わせて神童キャプテンがシュート体勢に。
ボールを中心とした円状に音楽の楽譜線が纏わりつく。そして音のパワーがチャージされ、ゴールめがけて蹴飛ばした。
神童「喰らえ!![フォルテシモ]!!」ドガアァァアアアアッ!!
俺のパスをキャプテンがダイレクトシュートで必殺技を放つが、
篠山「無駄だ!! はぁあああっ!!」
篠山の背後に黒いモヤが現れ、中から化身が現れる。
篠山「【機械兵ガレウス】!!」
すると、ガレウスは両肩のシールドアームを前方で合わせて巨大な1枚の盾にする。
篠山:「[― ガーディアンシールド ―]!!」
ガキイィイイインッ!!
シュートは呆気なく弾かれてしまう。
神童「くそっ!」
篠山「こんなシュート何本撃とうと無駄だ!磯崎!!」
ボールは前線の磯崎に。
磯崎:「どけええっ!!」
ボールをトラップした磯崎。ドリブルで攻め上がる。
信介:「どくもんか!!絶対に止めてやる!!」
信介が身体で止めようとするが、かなり小柄な体格の信介はフィジカル任せのラフなタックルに呆気なく吹き飛ばされてしまう。
信介「うわあっ!?」
天馬:「つ――!三国さん!!」
三国:「何としても止めてやる!!」
三国先輩が構える。――すると、
?:「やああ~~っ!!」ズザァアアッ
磯崎:「何!!」
何が起こったと驚く磯崎。ボールを見ると、
天馬:「な、何で.......
日より見を決め込んでいた彼方が相手のシュート中の隙を突き、不意打ちでボールを奪った。
彼方:「ありがとう………。瀬戸さん、皆。お陰でようやく長い悪夢から覚めたよ。彼方ちゃんも戦うよ~!!絶対に勝とう!!」
エマ:「彼方ちゃんだけじゃないよ!!」
神童:「エマ先輩、霧野も」
霧野:「すまない神童、今まで」
歩夢:「フィフスセクターに私たちのサッカーを見せつけて、サッカーを取り戻そう!!」
天馬:「先輩……!!」
先輩たちが次々と目覚め、戦いに身を投じることを決める。先輩達の目には覚悟という名の炎が燃え上がっていた。
彼方:「一年生たちが付けてくれた革命の火、絶対に消させたりしない。勝つよ~!!」
雷門:「おう(はい)!!」
それを見た万能坂は焦り始める。今の勢いを放置したら不味いのは誰の目にも明らかだった。
磯崎:「まだ諦めて無かったのか!!」
彼方:「歩夢ちゃ~ん!」
ボールは彼方先輩から歩夢先輩に渡り、歩夢先輩はドリブルで攻め上がる。
磯崎:「させるかぁっ!!」
磯崎が何とかスライディングでボールを弾く。ボールは未だにサイドラインギリギリで突っ立って動かない果林先輩の方へ。
エマ・彼方:「「果林ちゃん!!」」
歩夢・霧野:「「果林先輩!!」」
三国:「朝香!!」
動かない果林先輩。果林先輩には届かないのか!?
光良:「どうやらお前だけは賢い様だな!! ボールを寄越せぇぇえええっ!!」
しかし、光良がボールを取る寸前で、果林先輩はボールを前線に蹴り飛ばした。それは、俺へのパスだった。
光良「なにっ!?」
果林:「竜太くん!!絶対に決めなさい!!」
果林先輩!!
竜太「はいっ!」
磯崎:「そいつにだけは絶対に撃たせるなぁぁああああっ!!」
次々と襲い掛かる万能坂イレブン。しかし竜太は軽くいなして躱し、あっという間にゴール前だ。
毒島「くそっ!!」
逆崎「なんなんだコイツは!!」
竜太:「遅せぇんだよ!!」ギュンッ!!
俺がシュート体勢に入ると足元に魔方陣が出現。俺は渾身の力で右足を振り抜く。魔方陣から黄金色の剣がゴール目掛けて飛んでいった。
竜太:「絶対に決める!![爆・オーディンソォォオオオドッ]!!」ズギャアァァアアアアン!!!
土壇場で進化した竜太のシュート。相手の背後に黒いモヤが現れれ、相手は化身で対抗しようとするが、
篠山:「【機械兵ガレ……ギュンッ!! は、速っ!?」
バシュゥウウゥウウウンッ!!
シュートは圧倒的なスピードで、相手が化身を出す暇もなくゴールに突き刺さった。
GOOOAL!!!
雷門 4 ー 3 万能坂
―――そして、
ピッ、ピッ、ピィイイイーーーッ!!!
―
ここで試合終了のホイッスル。4ー3で、俺たち雷門が勝ったんだ!!
天馬:「やった!!勝ったぞ!!」
竜太「っ、しゃあっ!!」
彼方「竜太くんナイスシュート!」
天城「よく決めたド!!」
その光景を、万能坂のシードである磯崎、光良、篠山の三人は茫然と見つめていた。
磯崎:「馬鹿な……シードが三人もいる俺たちが、たかだか雷門ごときに………」
――すると、
果林「竜太くん」
竜太:「先輩………」
果林:「やっと分かったわ。あなたたちがやろうとしていた事が」
歩夢・せつ菜:「「今までごめんなさい(スミマセンでした)!!」」
天馬:「そんな!?頭を上げてください!!」
円堂:「よしお前たちに聞くぞ?雷門は今のサッカー界に革命をおこす。それでいいな!!」
雷門:「はい!!」
ついに全員の気持ちが1つになった雷門イレブン。ここからが、本当の始まりだ!!
― 続く ―
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