虹ヶ咲×イナズマイレブンGo ~虹の彼方に~   作:松兄

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第28話:帝王の涙

 "この弱虫ヤロウが"。サイードの一言で、ついに九坂がブチキレた。

 

九坂:「この俺が・・・弱いだと? なら、俺の強さを、その身を持って思い知れぇええっ!!」

 

 九坂がサイードに殴りかかろうとする。が、拳はサイードまで届かなかった。

 届く直前、天馬が九坂の正面から抑えたんだ。

 

天馬:「九坂! これはケンカじゃない!! 仲間と一緒に・・・俺たちと一緒にサッカーするんだ!!」

 

九坂:「やってんだろうが!!」

 

天馬:「やってない!!」

 

 必死に抑える天馬。しかし九坂の力にどんどん引きずられていく。

 

天馬:「サッカーはケンカじゃない!! たとえそれで勝っても、そんなのは本当の強さなんかじゃない!!」

 

九坂:「弱いより強い方が良いに決まってんだろうが!!」

 

天馬:「今のお前のドコが強いんだ!!

 

九坂:「何っ!?」

 

 その天馬の一言で九坂の足が止まった。すると九坂は腕を下ろし、頭が少し冷えた。

 

天馬:「っ、九坂?」

 

九坂:「・・・・力があれば、皆褒めてくれる・・誰も俺の前から、いなくならない・・・」

 

天馬:「九坂・・・・」

 

九坂:「でも・・「九坂ぁあ!!」っ!?」

 

 すると、フィールドに突然数人の不良たちが乱入した。

 

王将:「おぉーーーっとお!! コレは!? 突然フィールドに不良の一団が乱入だぁっ!!」

 

竜太:「何だアイツら!?」

 

 

彼方:「竜太・・・・」

 

 

 会場も騒然となり、シャムシールもイナズマジャパンも動きを止める。

 

王将:「試合が止まってしまったぁ!! コレは前代未聞!! 私の実況人生でも初めてだぁっ!!」

 

 

船木:「あ、あぁあ・・悪夢だ!!」

 

葵:「天馬・・・監督!! 止めないんですか!?」

 

 しかし、黒岩監督は座ったまま微動だにしない。

 

葵:「どうしよう・・水川さん・・・!!」

 

水川:「私達にできることは無いわ・・」

 

葵:「それは・・そうだけど・・・」

 

瞬:「兄ちゃん・・」

 

雄太:「大丈夫だ瞬・・・」

 

?:「っ! ・・・・・・・・・」

 

不良:「ふんっ!」

 

 リーダー格の不良は、ニヤリと笑みを浮かべた。

 

不良:「九坂さんよぉ? 昨日は俺の子分をかわいがってくれたそうじゃねぇか・・・・たっぷり礼をさせて貰うぜ?」

 

九坂:「くっ、」

 

天馬:「何を言ってるんだ!! 九坂は・・・スッ 九坂?」

 

九坂:「すみませんキャプテン・・・俺の問題ッス」

 

不良:「どうしたぁ? かかって来れねぇのか? やっぱり噂通りお前は、弱っちぃ屑ヤロウかぁ?」

 

九坂:「っ!! テメェ今なんつった!?」

 

 九坂が拳を握った。

 

天馬:「九坂ダメだ!!」

 

九坂:「おんどりゃぁあぁあぁあああっ!!」

 

 そして、九坂は不良に拳を振るった。が、その拳を天馬が身を挺して顔で受け止めた。

 

天馬:「ぐあっ!?」

 

九坂:「何っ!?」

 

竜太:「天馬!!」

 

 

三国・霧野:「「天馬!!」」

 

 

カシム:「なんだアイツら? ケンカを始めたぜ?」

 

サイード:「野蛮な奴らだ・・・」

 

 

天馬:「クッ、九坂・・サッカーを・・・今は、俺たちとサッカーをやるんだ!!」

 

九坂:「あそこまで言われて黙ってられるか!!」

 

天馬:「九坂!!」

 

不良:「グダグダ言ってねぇでかかってこいよ!! 弱虫ヤロウが!!」

 

九坂:「俺は弱くなんかない!! 俺は・・・強くなったんだ!!」

 

 

子供九坂:強く無きゃ・・強くならなきゃ!!〜・・

 

九坂:「うぉおぁあぁあああっ!!」

 

 すると九坂の、巻いていたバンダナが飛び、九坂の髪が逆立ち、全身から炎のような怒りのオーラが溢れ出る。

 

 コレを"怒髪天モード"と呼ぶ事にしよう・・・。

 

 話を戻そう。怒髪天モードに入った九坂は怒りでどんどんパワーを増大させ、今にも不良たちに殴りかかりそうだ。

 

不良:「っ、じょ、上等だ!! かかってこいよコラ!!」

 

しかし、天馬が腕を広げて九坂と不良の間に割り込む。

 

天馬:「九坂!! お前の言う強さは、こんなことなのか!?」

 

森村:「あ、あわわわわわ・・・」

 

神童:「くっ、抑えろ・・・」

 

葵:「天馬・・・っ!!」

 

天馬:「本当の強さは、こんなことじゃない!! 自分が恐れている物から、逃げずに向き合える事だ!! それが・・・本当に強い奴なんだ!!」

 

怒髪天九坂:「ぐっ、うぅうぅううう!!」

 

 

森村:『九坂くんは、怖がってるんです。強くならなきゃ、皆が離れて行くって。ウチ、分かるんです・・・』

 

 

怒髪天九坂:「うぅううぅううう・・・・・・」

 

天馬:「恐いものがあっても、逃げずに向き合うんだ!!」

 

?:「リュウちゃん!!」

 

 すると、観客席から1人の女の子が九坂に声を上げた。九坂がそっちに目を向けると・・・

 

怒髪天九坂:「さっ、さとちゃん!?」

 

天馬:(ん?)

 

 

里子:「リュウちゃん、何でそんなに自分を追い込むの・・・?」

 

怒髪天九坂:「うっ、そ・・それは、さとちゃんが弱いヤツを嫌うから!! だから俺は!!」

 

里子:「あのときのリュウちゃんは、弱くなんか無かった!! 「えっ?」 私のために勇気を出していじめっ子に立ち向かってくれたリュウちゃんは、決して弱虫なんかじゃない!! そんなリュウちゃんが好きだった!!」

 

怒髪天九坂:「っ!!!」

 

里子:「でも、あのときの私は、どうしていいのか分からずに逃げ出してしまった・・・だからずっと謝りたかったの!!」

 

怒髪天九坂:「っ、さと、・・・ちゃんっ・・う、ぅうぅうぅぉおおおおーーーんっ!!」

 

 

 すると九坂はこれでもかと言うほどの涙を流して号泣。九坂の心に何年もこびり付いていた黒いものが、浄化されていった。

 

竜太:「九坂・・・」

 

不良:「へっ、泣いてるぜこの弱虫ヤロウ!」

 

 取り巻きの不良共がクスクスと笑う。今となってはお前らに九坂を笑う資格はない!!

 

怒髪天九坂:「・・・・・・・・」

 

不良:「ほら、かかってこいよ!! 弱虫ヤロウ!!」

 

怒髪天九坂:「出ていけ!!

 

 すると九坂は怒髪天のオーラを湧き上がらせて威圧する。すると今度は不良たちのほうがビビりだす。

 

取り巻き:「こ、コイツヤバくないっすか・・・?」

 

不良:「ちっ、付き合いきれるか!! 行くぞ!!」

 

 そして、何事も無く不良たちは退場していった。

 

 そして九坂は怒髪天モードを解除。元の温厚な姿に戻る。

 

天馬:「九坂・・・」

 

 天馬が九坂にバンダナを手渡す。すると九坂はバンダナで涙を拭いて再び締め直した。

 

九坂:「強くなるってこういう事か・・・1ミリくらいは分かったような気がするぜ・・・」

 

天馬:「九坂・・・!!」

 

九坂:「迷惑かけてスミマセンでした、キャプテン・・・さぁ、サッカーやりましょう!!」

 

天馬:「ああ!!」

 

サイード:「友情なんてくだらねぇな・・・」

 

カシム:「あんな奴ら、さっさと片付けようぜ?」

 

サイード:「だな・・・」

 

さぁ、試合再開だ!!

 

 

 

イナズマジャパン 1 ー 3 シャムシール

 

ー 続く ー




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