俺たちが好葉を探して動物園に入ると、すぐそこのふれあいコーナーに見知った後ろ姿が・・・
葵:「あ! 好葉ちゃん、良かったぁ・・・」
九坂:「っ!!」
そして九坂と天馬が好葉に近づく。が、
竜太:「おい、やっぱり・・空野の方が女の子同士話しやすいんじゃないか?」
九坂:「あ・・言われてみればそうか」
葵:「っ!! 私はダメ!! 好葉ちゃん、女の子が恐いらしいの・・・・」
天馬:「え? どういうこと・・・・・?」
葵:「分からない。けど、もしかしたら何かトラウマがあるのかも」
話し合いの結果、キャプテンの天馬が行くことになった。
好葉:「サッカーやめても、必ず会いに来るからね・・・「本当に動物が好きなんだね?」っ!! キャプテン・・・」
天馬:「オレも動物好きだよ? ウチに犬がいてさ、サスケって名前なんだけど結構な老犬だからいつもぐで~って寝転がってて・・・けどかわいいんだよな」
好葉:「・・・ウチは違う。 動物は悪口言わないし、かわいいとかかわいくないで人を区別したりしない」
天馬:「好葉・・・・何があったか、話してくれないかな? キャプテンとして、チームメイトのことは知っておきたいんだ。 何か悩みがあるなら力になるよ!!」
好葉:「ウチの顔・・・苛つくんです」
天馬:「え?」
好葉:「お前を見てるとイライラする、イラつかせるお前が悪いんだって・・・前にウチをイジメた子が、そう言ってたんです・・・・」
天馬:「好葉・・・・オレも、チームのみんなも、誰も好葉をそんな目で見てないよ!!」
好葉:「今は良くても・・・またそうなります・・」
森村・・・・そんな過去があったのか・・・・。その時、
九坂:「あ〜っもう!! 見ちゃいられねぇ!!」
そして、九坂が好葉のもとに歩いていった。
九坂:「森村!!」
森村:「っ!! く、九坂くん・・・・」
九坂:「もっと俺たちを信じろよ!! お前、俺に言ってくれたよな? 俺が・・恐がってるって。お前だって同じじゃねぇか・・・思いっきり恐がってるじゃねぇか」
森村:「・・・・だから分かったの。九坂くんはウチと一緒だって」
九坂:「だったら向き合えよ!! 俺だってそうしたんだぜ?!」
森村:「ウチには・・・無理だよ」
九坂:「無理じゃねぇよ!! 森村が言ってくれたから・・・俺・・何も恐く無くなったんだぜ!?」
森村:「ウチは、九坂くんとは違う・・・」
九坂:「クッ、・・・あ〜もう・・イラ付くんだよな、そういうの!!「九坂!!」あっ!!」
森村:「イラつく・・・・やっぱりウチは」
そして、好葉は走っていってしまった。
葵:「好葉ちゃん!! 私、行ってくる!!」
空野も森村を追い掛けて走っていった。
九坂:「くそっ・・・やっちまった・・・」
竜太:「九坂、気持ちは分かるが・・・ありゃアウトだぞ・・・・」
九坂:「ああ・・・・・」
天馬:「言ってしまったものは仕方無いよ。追いかけよう!!」
そして、俺たちも2人を追い掛けた。
〜 その頃 〜
ー ミーティングルーム ー
皆帆:「これはマッハタイガーのこの前の試合だよね?」
真名部:「ええ。そしてこれが、マッハタイガーのこの大会の前の試合映像です」
映像を見ると、明らかに動きが全く違った。
真名部:「あえて似たようなシーンを選んだんですが・・・気づきませんか?」
皆帆:「確かに、キレが全く違う気がする・・・・」
そして真名部くんはタブレットを操作して画面を変える。
真名部:「・・・コレは、マッハタイガーのエースストライカー、タムガンの大会前のデータです。これに、大会が始まってからのデータを重ねると・・・」
皆帆:「!!」
真名部:「シュート力、スピード、パス成功率、全てにおいて、それ以前を遥かに凌駕しています」
皆帆:「まるで別人だ・・・」
そして真名部くんは再び画面を変える。
真名部:「そしてコレが、マッハタイガー全員のデータです」
皆帆:「全員・・・同じ事が起きてる」
真名部:「全員ですか・・・では、もしこれが・・・この大会に出場した全てのチームに同じ事が起こってるとしたら、どう思います?」
そしてまた真名部くんは画面を変える。
真名部:「これはビッグウェイブスの・・・」
真名部:「ファイアードラゴンも・・・」
ボクたちが戦った今までのチームにも、同じ事が起きていた事を指していた。
皆帆:「ボクたち・・・とんでもない事に気づいちゃったのかな・・・・」
真名部:「ええ・・・・」
?:『・・・・・・・・・』
〜 その頃 〜
森村:「やっぱり・・・ウチはイラ付くんだ・・・ ミャ〜オ っ!! ネコちゃん?!」
九坂:「森村!! っておいあれ!!」
見ると、ネコが森村の所へ行こうと車道に飛び出そうとしていた。
森村:「ネコちゃん来ちゃだめ!! 車が!!」
しかし、無情にもネコは来てしまう。
ブッ、ブ〜ッ!!
大きなクラクション音が鳴り、大型トラック画突っ込んできていた。
森村:「ね、ネコちゃん!!」
九坂:「も、森村やめろ!!」
竜太:「森村!!」
葵:「好葉ちゃん!!」
どんどん近づくトラック。好葉はなんとかネコを抱きかかえると・・・
森村:「っ!!」ドンッ!! ダダダダダ!!
竜太:「?!」
好葉は物凄いスピードでダッシュし、安全圏に脱出。ネコも好葉も無事だった。
ミャーオ
森村:「もう、道路に飛び出したらダメだよ・・・?」
九坂:「森村!!」
森村:「っ!! 九坂くん・・皆」
天馬:「何だ今の・・・」
竜太:「ああ・・・凄い動きだったな」
葵:「好葉ちゃん!! ごめんね・・・好葉ちゃんの辛い気持ちを分かってあげられなくて・・・・」
森村:「え? いや、そんな・・・」
葵:「私、約束するよ!! 絶対に好葉ちゃんを裏切らないって!! すぐに信じてなんて言わない。でも、もう少しみんなとサッカーしてみない?」
天馬:「そうだよ!! せっかくここまで来たんだ、一緒に準決勝を戦おう? このままやめてしまったら、好葉は二度とサッカーやらないだろ? オレ、好葉にサッカーを好きになって欲しいんだ!!」
九坂:「ああ!! 俺からも頼む。 さっきのアンタの動き、見ててぶっ飛んだぜ。 あれなら、世界の強豪にも絶対に通用する!!」
数秒、好葉は考え込み、そして・・・・
森村:「はい・・・」
森村は、チームに戻ってきた。
ー グラウンド ー
天馬:「瞬木!!」
瞬木:「うん!! 森村さん!!」
森村:「あっ、あわやややや・・・」ドシャッ
水川:「うまく説得できたみたいね」
葵:「説得なんかしてません・・・・」
森村が土を払って起き上がろうとした所に、
天馬:「好葉!!」
天馬が手を差し伸べ、森村は手を握って立ち上がる。
天馬:「よし!! 再開だ!!」
鉄角:「よっしゃ!! 気合入れるぜ!!」
真名部:「練習で気合を入れすぎると、失速します!!」
鉄角:「何!? この期に及んで出し惜しみをしてどうする!!」
真名部:「出し惜しみじゃありません。本番に備えて力をセーブしてると言ってください」
鉄角:「ああ!?」
なんだかんだ言いながら、チームがいい感じになってきてるな・・・・・。
ー 監督室 ー
?:『彼らの中には、この大会の不可解さに気づき始めてる者がいる。どうなさるおつもりで?』
黒岩:「・・・・・・・・・・」
ー 続く ー