〜 神童・伊吹side 〜
長老が皆の元へ俺たちが無事だという連絡を入れるために使いを出してくれたあと、俺たちは長老の屋敷で食事をご馳走になっていた。
なんか揚げた肉団子にブロッコリーみたいな野菜に見えるが…恐らく地球の物とは別物だろう。
ログロス「我らは自然に生かされているのだ。自然に感謝して食そう。さぁ、食べなさい」
神童「・・・・・」
神童先輩が戸惑っていると隣に座っていた者が食べるように促す。
神童「では、いただきます」
そして俺は揚肉団子のような物を食べる。カリッとした外側。中から柔らかい肉と肉汁が……!!
神童「!! 美味しいです!!」
ログロス「うむ…」
伊吹「試合中にバテたくないからな…」
伊吹も恐る恐るだが食べる。すると、
伊吹「っ! 美味い!!」
美味い分かると伊吹はすごい勢いで食べていく。見る見るうちに料理が皿から無くなっていく。
そして料理を完食すると、
「余程気に入ったと見える…」
「地球人にもこの味が分かるか!」
周りにいた人たちは自分の料理を次々と伊吹の皿に投下していく。そんなに食えるのか?
神童「この味、どこか俺たちの星の食べ物を思わせます」
ログロス「ほう、お前たちの星か。どんな星なのか興味がある。聞かせてくれんか?」
神童「俺たちの星地球は、自然が豊かな星です。緑に溢れた陸と、生命を育む海、そして、青い空が広がっています」
「青い空…」
「ほぉ……」
ログロス「地球の空は青いのか!」
神童「はい。地球にも翼を持った生き物がいて、自由に空を飛び回っています。俺たち人間は飛べませんが、空は心を落ち着かせたり、明るい気持ちにさせてくれます」
ログロス「そうか…お前たちも自然と共に生きているのだな「はい」我らもそうだ。大地に吹く風と、語らい、山の生き物たちの歌を聞く。生を受けて以来ずっとそうしてきた。…息子もそうだった。……お前たちを返すにあたり、伝えたいことがある」
神童「っ? 伝えたいこと?」
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
その頃、アースイレブンは……
オバちゃん「今日はチキンだよ!! チキンを食べてチキンにカツ!だよ!!」
要するにチキンカツね。
鉄角「おーっし、食ってやる!!」
九坂「俺たちが勝つ!!」
天馬「・・・・・・」
豪炎寺「天馬、2人が心配なのは分かるが…今は信じて待つしかない」
吹雪「使いの人も無事だし試合には返すって言ってたんでしょ?」
瞬木D「案外、機械の身体に改造されてたりしてな?」
森村「改造……」ゾォッ
絵里「瞬木くん恐いこと言わないでよ!!」ガクブル
ミア「絵里…恐いの駄目なんだ」
桐穂「そうなんだよねぇ…理沙ちゃんも恐いの駄目だし、遺伝なのかもね」
皆帆「でも、改造は無いよ。東の部族は機械否定派の部族だからね」
瞬木D「まぁ、それは無いにしても…なんで帰れないんだろうな?」
天馬「・・・・・・・」
その日の夜、〈フルスの里〉
神童(長老は、俺たちに何を伝えるつもりなんだ? アルベガのため、ひいてはこの星のためになる様な事か? いったいどんな思惑が……「神童」っ!)
伊吹「俺たち、こんなところでのんびりしてる場合じゃ無いぜ?」
神童「今は長老の言うとおりにしよう。きっと何か意図があるんだ」
伊吹「と言っても、いつまでもいられない。試合は明日だ!」
神童「・・・・・・・・」
伊吹「・・・・・・・・っち、しょうがねぇな」
神童「おやすみ・・・・・」
翌朝早朝……
目覚めた伊吹は神童先輩がいないことに気づき外に出る。
伊吹(っ!!)
外に出た伊吹はすぐに神童先輩を見つけた。神童先輩はなぜか空を見上げていた。
伊吹「どうした神童?」
神童「見てみろ!」
見ると、翼を広げ大空を自由自在に飛び回る長老がいた。とても気持ちよさそうに、優雅ささえ感じさせ飛び回っている。
伊吹「あれは…長老?」
神童「ああ…」
そして気が済んだのか地上に着地する。
神童「気がついたら見入っていました。とても神神しい光景でした」
ログロス「求めていたのだ…」
神童「求める?」
ログロス「この翼が空を求め、空が翼を求めていた「それは、本能という事ですか?」左様。本能の赴くままに、風を感じていたのだ。さて、お前達にも風を感じて貰うとするか」
神童「え?」
伊吹「?」
すると屋敷から人々が出てきて俺たちの周りを飛び回ると空を旋回する。
神童「な、何だ!?」
伊吹「何をする気だ!?」
すると二人のガードン人が急降下。神童先輩と伊吹を足で抱えて大空へと舞う。
神童「な、何をするんだ!!」
伊吹「くそ離せ!!」
すると長老たちもあとを追い飛び上がる。俺たちは空を飛び、溶岩の山岳地帯に差し掛かる。
神童「まさか!? この高さから落とすつもりか!?」
伊吹「なっ?! 冗談じゃないぜ!!」
すると二人を抱えたガードン人は急降下。交錯するように飛ぶと、ぶつかる寸前で急上昇。
神童(長老は、何故こんなことを……)
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
スターシップスタジアムが到着し、俺たちは試合に向かう。だが、
葵「神童先輩たち遅いね?」
信介「試合始まっちゃうよ……」
瞬木D「本当に返す気あるのか? 喧嘩してるとはいえ、同じ星の住人だぞ?」
皆帆「でも、返す気が無いならわざわざ言いに来る必要無いよね?」
真名部「いや、僕たちを陥れる罠とも考えられます」
鉄角「おい、疑い出したらキリないぞ!!」
天馬「長老は必ず戻すって言ってるんだ! 信じよう!!」
イシガシ「全員揃わない様ですが…どうなさいますか?」
するとギャラクシーノーツ号の扉が開き、黒岩監督が出てきた。
黒岩「行くぞ! 今日の試合、キーパーは西園、ゲームメイカーはテイラーで行く」
信介・ミア「「っ! ハイ!!」」
所代わり神童・伊吹side。あれからもまだ二人を抱えて飛び回るガードン人たちだが、もうしばらく飛ぶと火山の火口が見えてきた。
神童「火口だと!? まさかあの中へ?!」
伊吹「ははっ、良いねぇ……!」
すると急上昇し、神童先輩と息吹を火口に落とした。
神童・伊吹「「うわぁあぁああぁあああぁああっ?!?!!?!?!?」」
すると、2人の身体から白い光が湧き出てくる。
神童「こんなところで!!」
伊吹「終わってたまるかぁっ!!」
ズドォオオンッ!!
俺たちは、マグマの脇の小さな岩場に、無傷で着地した。
神童・伊吹「「っ!! 今のは……」」
ログロス「精神が極限に達した時、奥底に眠るソウルが呼び覚まされるのだ」
神童「ソウルを覚醒させるための指導と分かっていたら、身の危険は感じられない。だから何も言わなかったんですね」
ログロス「うむ」
伊吹「気に入らねぇな……」
「素直に喜びなされ…」
「凄まじいソウルだったぞ!」
神童「でも、良かったんですか? 俺たちはあなた方にとって敵なのに!」
ログロス「分かっている。息子がもし、お前たちに勝てないのなら、これから先の戦いも勝ち抜くことなどできはせん。私の力すら越えていないという事なのだからな。それに、例え試合の結果がどうあれ…宇宙を救ってくれるのではなかったのか?」
神童「っ!! はい!!」
ログロス「さぁ、二人をスタジアムまで送ろう。今度は、安全飛行でな」
神童「ありがとうございます!!」
伊吹「安全に頼むぜ?」
そして二人は長老たちに再び抱えられ、スタジアムへと飛んで向かった。
ー 続く ー
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