俺たちアースイレブンの案内役を買って出たというラトニークイレブンの一人、バンダが自己紹介をしてくる。今までの相手と違って凄くフレンドリーだな。今のところは……。
シムール「バンダは、外の世界の人たちに興味があるようで、案内役を買って出たのです」
バンダ「ボク、自分の知らない世界の事…何でも知りたいんだ。みんなには変わり者って言われるけどね」
竜太「いや? 好奇心旺盛なのは別に悪い事ではないと思うぞ?」
バンダ「ほんとに!? ありがとう、そう言ってもらえて嬉しいよ! えっとじゃあ皆どこ行く? どこ行くと喜ぶ?」
どこって言われても何があるか知らないしな…ここで代表して天馬が答える。
天馬「バンダ、俺たちはサッカーできるところが良いな!」
バンダ「そっか!! やっぱり地球人もサッカー好きなんだね!!」
するとバンダは驚異的な身体能力でアクロバティックに跳ね回る。凄いな………。
彼方「ラトニークの人ってやっぱり身体能力すごいね……」
竜太「ああ。苦戦は免れないな……」
俺と彼方が小声で話していると天馬が「今はそういう偵察みたいなのは無しにしよう?」というが、気にはなるだろ……。
俺たちはバンダの案内でラトニークの市街地を歩いていく。住民たちは皆友好的で今までの星とはえらい違いだった。
天馬「バンダもサッカー好きなんだね?」
バンダ「うん! だから君たちとの試合楽しみなんだ!!」
瞬木D「……この星の運命が賭かってるのにか?」
天馬「瞬木!!」
バンダ「うん! そんな大事な試合に出られるだけでも凄い事だもん」
瞬木D「「もし負けたら」って思わないのか?」
バンダ「地球人は試合にそんなこと考えるの?」
鉄角「能天気な奴だぜ……」
龍也「いや、むしろこのくらいのほうがメンタル的には自分の力を最大以上に発揮できるかもしれない……」
果南「本当に普通の交流試合だったら良かったのにね……」
しばらく歩くと眼前には一面の花畑が。女子勢は目を奪われ感嘆の声を漏らす。
彼方「うわ~! 綺麗……花に囲まれてお昼寝したい〜」
エマ「スイスにもこんな場所あったけど、そこよりも凄く綺麗だよ!!」
すると九坂と彼方が柵を超えて花畑に入ろうとする。すると、
バンダ「ダメ!!」
バンダは急いで二人を掴んで柵を越えないように連れ戻した。だが、少々強引で二人は尻もちをついた。
九坂「痛って、何すんだよ!!」
彼方「痛たた……」
竜太「彼方!!」
するとバンダは
バンダ「赤いロープの向こうは"マドワシソウ"の土地! 行っちゃだめだ!」
竜太「マドワシソウ?」
天馬「どうしたんだ?」
皆が駆けてくると、バンダは花畑の何も無い空中に石ころを放った。すると空中でまるで透明な何かにぶつかったように弾かれると同時に周りの景色が一変する。すると目の前には、不気味な森が現れ…ツルのような物を構えた巨大な食虫植物のような物が蠢いていた。
彼方「ヒィッ!?」
エマ「な、何アレ?!」
ミア「さ、流石に恐い……」
するとバンダはあの植物について説明してくれる。
バンダ「皆は幻を見てたんだ。マドワシソウは、花畑で動物に幻を見せて捕らえて自分の栄養にする」
皆帆「つまり食べちゃうってことか……」
彼方「じ、じゃあ彼方ちゃんあのまま行ってたら……」
バンダ「マドワシソウのご飯になってたよ?」
彼方「ヒィッ!!」
彼方は顔を青くしてガタガタと震えだした。あまりの恐怖に震えが止まらない。
竜太「すまんバンダ! 助けてくれたのに睨んでしまって!!」
バンダ「皆は知らなかったんだからしょうがないよ。でも、気をつけてね?」
皆は一斉に首を縦に振った。だか、真名部が……
真名部「こんな危険な植物をどうして野放しにしておくんですか?」
九坂「そ、そうだ! 刈り取っちまおうぜ!!」
バンダ「そんなことしたら可愛そうだよ。マドワシソウも生きてるんだからさ?」
九坂「可哀想だぁ?」
バンダ「見てみなよ」
バンダはマドワシソウの根っこ部分を指差す。すると紫色の蕾のような物が見えた。
バンダ「マドワシソウの子供だよ。彼らは子供を育てるために動物の栄養を欲しがるんだ、マドワシソウも生きてるんだ」
九坂「お前たちは……そんなことまで考えて暮らしてるのか?」
バンダ「? 考える……」
九坂「どうしたんだ?」
バンダ「考えるって……何を?」
全員盛大にズッコケた。
ー その頃 ー
ガンダレス「ラトニークに着いたーーっ!! でも人がいないなぁ……」
リュゲル「そうか?」ドンッ
リュゲルに押されたガンダレスは宇宙船から落下。
ガンダレス「んなっ?!」
リュゲル「ガンダレス?」
ガンダレスは赤いロープに絡まって地面に倒れ伏した。
リュゲル「まったく…」
リュゲルはロープを千切る。
リュゲル「安心しろ。ただのロープだ」
ガンダレス「ロープか…あれ? なんかあっちまで続いてるけど」
リュゲル「赤いロープ……? そうか分かった、ガンダレス!コレを巻き取れ。「え?」良いから言う通りにしろ!」
ガンダレス「分かったよ! リュゲル兄ぃ!」
そしてバカ兄弟二人はロープを巻き取りながら柵に沿って進む。
ガンダレス「でも、どうしてこんなことを?」
リュゲル「俺と、俺がチームを組む選手は拳と拳が赤いロープで繋がってる」
ガンダレス「そうなの?」
リュゲル「そうなんだよ。だからコイツを辿っていけば、ラトニークの代表チームに合流できるって訳だ」
ガンダレス「なるほど!やっぱリュゲル兄ぃは凄ぇよな!何でも知ってるもんな!!」
リュゲル「言うなよガンダレス? それ以上何も言うな……」
そしてバカ兄弟はそのままロープを巻き取って進んでいった。
ー 続く ー