俺たちがラトニークに到着した翌日、ラトニークの人たちと交流してこの星の事少しは分かったかな…。
エマ先輩、虫は怖いけどここの人たちはあまり怖くないって言ってたからまぁ良かったかな。
だが、この時俺たちはこの星の事を…この星の人間の事を何も知らないという事にも気付いていなかった。
早朝、九坂は昨日俺たちが倒したマドワシソウを見に来ていた。
九坂(マドワシソウ……バンダがいなければ、俺は昨日コイツに食われていた。)
九坂は昨日のことを思い返す。竜太と真名部がソウルを覚醒させ、マドワシソウをアッサリと返り討ちにした。
九坂(どうして俺にはソウルを出せないんだ……っ!! やっぱり俺は、皆よりも劣っているのか?)
そして朝ごはんを食べて練習に出かけようとしたら宇宙船の前にはバンダが待っていた。
バンダ「あっ、出てきた!」
天馬「バンダ?」
アースイレブン『合同練習!?』
バンダ「試合は明日だし、君たちもこれから練習するんでしょ? だったら一緒にやろうよ、監督も良いって言ってるし!!」
鉄角「観光案内の次は合同練習か……」
皆帆「ここまで友好的だと逆に何かあるんじゃないかって勘ぐりたくなってしまうね……何も無いんだとしても………」
信介「どうする? 天馬…?」
真名部「良いんじゃないですか? 試合前に敵のプレイスタイルが分かれば対策も立てやすいですし」
瞬木D「とかなんとか言って、本当はソウルを使いたいだけだろ?」
真名部「違いますよ! 僕は純粋にチームの事を考えてですね!?」
瞬木の言葉に焦ったように言い訳する真名部。図星かよ………。瞬木も「ハイハイ…」って完全に分かってるぞ。
皆帆「でも、せっかくソウル出せる様になったんだし、分かるよその気持ち」
真名部「もう皆帆くんまで!!」
皆の中に笑いが生まれる。こんなに気持ちのいい気分は久し振りだな。
バンダ「それじゃあ決まりだね。案内するから付いてきて」
そしてバンダに付いて歩いていくと、ゴンドラの乗り場に出た。のだが、上……
エマ「…………」ガタガタ
すっごいデカいイモムシみたいなのがレールを掴んでその虫にゴンドラが吊るしてある。エマ先輩きつそうだな。
竜太「エマ先輩、上を見ないでください。彼方も苦手だったら見ないほうが良い」
エマ「う、うん………」
彼方「分かった…さすがにこんなに大きいイモムシは彼方ちゃんも無理………」
そして皆でゴンドラに乗り込む。すると虫が動き出し、下りロープに差し掛かるとまるでジェットコースターのようなスピードで移動する。って言うかほぼジェットコースターって言うべきだな。
エマ「キャー! 面白〜い!!」
彼方(出た…エマちゃんのスピード狂……)
バンダ「皆口を閉じてたほうが良いよ?舌を噛むかもしれないから!」
バンダの一声で口を閉じてしばらくこのスピードを堪能する俺たち。そして終点に着くとエマ先輩は……
エマ「は〜、面白かったぁ〜!!」
さっきまでイモムシを恐がっていたのは何のその。スッカリ恐怖心を上書きされていた。
伊吹「鉄角どうした?」
鉄角「お、俺絶叫系苦手なんだ……」
え!? 何か意外………。
真名部:「皆帆くん、かなり叫んでいましたね」
皆帆「それを言うなら真名部くんもね」
そしてそこからもう少し歩くと、ラトニークイレブンの練習場所に到着した。そこではラトニークイレブンが既に練習していた。
「ティス!!」
ティスと呼ばれた選手は追いききれずにトラップミスしてしまう。
「反応が遅いぞ!」
ティス「は、はい!!」
ラトニークイレブンの身体能力はやはり凄まじく、跳躍力、瞬発力、パワーどれをとっても一級品だった。
神童(それにあの正確なボールコントロール。さすがここまで勝ち残ってきただけはあるな)
「ティス! もう一度だ!!」
そして同じメンバーから再びティスと呼ばれたメンバーにパスが飛ぶ。
ティス「今度こそ!!」
そしてティスは今度はしっかりとトラップ。ドリブルに繋げる事ができた。
ティス「やった!!」
「よし! その感じを忘れるなよ……」
するとそのパスを出したバッタの様なラトニーク人はいきなり倒れた。
天馬「えっ!?」
竜太「倒れたぞ?」
バンダ「寿命だよ」
九坂「寿命……って、死んだって事か!?」
バンダ「うん」
バンダの返答に俺たちは絶句する。
伊吹「寿命って……そんな年には見えないが………」
バンダ「そうかもしれないね。彼の寿命は君たちの星の時間で言うと……1ヶ月だから」
九坂「1ヶ月!?」
バンダ「それがこの星では普通なんだ。長い人でも1年、短い人だと1週間で寿命を迎える」
エマ「1週間………?」
彼方「1年で………?」
彼方とエマは凄く暗い顔をする。確かに虫という種族は人間と比べたら恐ろしく短命な種が殆どだ。その虫から進化したラトニーク人もその運命からは逃れられないらしい。
九坂「それが…この星の人間の一生なのか……?」
ミア「ボクがそんな立場だったら……いくら何でも悲しすぎる………」
バンダ「悲しくなんか無いよ?」
彼方「え?」
バンダ「それがこの星では当たり前なんだ。それだけ早く新しい命が生まれて、受け継がれていくだけさ。う〜ん…君たちの星とは時間の流れが違うのかもしれないね」
エマ「そうかもしれないけど!!」
バンダ「それに彼は自分のテクニックをティスに伝えるっていう役目をちゃんと果たして寿命を終えた。僕たちはそうやって次の世代へと確実に技術を伝えていくんだ」
九坂「……………」
竜太「ん? 九坂肩なんかかいてどうした?」
九坂「え? いや………」
バンダ「? ちょっと九坂くん肩を見せてくれる?」
九坂「え? ああ……」
九坂がジャージを脱ぐと、肩の部分が紫色の紋様みたいに変色していた
鉄角「なんだそれ!!」
バンダ「昨日のマドワシソウだよ。恐らくあのとき九坂くんに消化液がかかったんだ」
葵「それって危険なの?」
バンダ「うん。放っておいたら全身に毒が回って動けなくなる」
アースイレブン『ええ!?』
全員が驚く。そんなヤバい液体だったのか………。
バンダ「ああ、でも大丈夫だよ。今から処置すれば問題ないから」
彼方「なんだ、良かった〜」
鉄角「脅かすなよ……」
バンダ「九坂君のことは任せて皆は練習してて?」
天馬「うん、じゃあお願いするよ」
そして九坂の処置をバンダに任せて俺たちはラトニークイレブンとの合同練習を行なった。
ー 続く ー
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