カトラが演説台に立つと、観客たちの視線が集まる。
ザワザワ
観客「誰だ? あの娘……?」
ザワザワ
観客「さぁ?」
会場中の注目が集まる中、カトラが話始める。
カトラ「ファラム・オービアス、そして全宇宙の皆さん、よく聞いてください。この戦いには、グランドセレスタギャラクシーの優勝を決めるという他に、もう1つの大きな役割がありました。それは…宇宙の危機を救う事です」
観客「なんだって!?」
ザワつく会場内。カトラが話を続ける。
カトラ「私達の星、キエルに伝わるブラックホールをも消し去る力、"コズミックプラズマ光子砲"。これに、皆さんの戦いから生まれたライフエナジーを流し込むこ事で、空を覆う闇を祓う力を得ました。今ここに、全宇宙は救われるのです!!」
会場中から大歓声が上がる。見に来ていた他の星の代表たちも大喜びしているだろうな……。
神童「ライフエナジー……"命のエネルギー"そうか! 黒岩監督はそのために。剣城は知っていたのか……」
剣城(………………)
昨日、黒ピクシーの正体であるアクロウスが剣城に接触したとき、
アクロウス『私はかつてのファラム・オービアス王。そして、ララヤの父だ』
剣城「ララヤの父……」
アクロウス『この星を救う方法がある』
剣城「なにっ!?」
アクロウス『コズミックプラズマ光子砲で、ブラックホールを消し去る。その為には、宇宙に命を生み出す偉大なるエネルギー"ライフエナジー"が必要なのだ。ララヤの願い、叶えてくれると信じているぞ』
ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー
剣城「……………」
天馬「剣城!! ありがとう、剣城。お前と最高のサッカーができた。楽しかったよ!!」
剣城「ああ。俺もだ! っ、天馬…俺は……「分かっているさ」!」
天馬「お前は、いつだって俺たちの仲間だ!!」
剣城「っ、フッ……」
そして、神童先輩も近寄る。
剣城「神童さん……」
神童「お帰り。剣城」
そして、フィールドが変形し、地下から機械が出てくる。
剣城「始まるぞ」
スタジアムの周囲に、まるで竪琴のような巨大な装置が現れる。
カトラ「ついに、来たのですね。全宇宙に、希望の竪琴を奏でる時が……」
ポトムリ「はい……。これでコズミックプラズマの力を撃ち出し、ブラックホールを消し去る事ができる」
ララヤ「コレが、宇宙を救う力か……」
ミネル「何いうと神々しさでしょう……」
天馬「凄い………」
すると、会場のアナウンスから、笑い声が流れてくる。
オズロック『フフフフハハハハ!! 勝手に使われては困る。それはこの私の物だからね』
するとフィールドに紋章が出現したかと思ったら、そこに11名の人間がワープしてきた。
オズロック「ライフエナジーが集約された宇宙最強の兵器、せっかく充填された巨大なパワーをこんな星を救うために使うなど勿体ないではないか……」
竜太「なんだと!?」
カトラも演説台から身を乗り出しオズロックに問いかける。
カトラ「これはブラックホールを消すために使う約束です!!」
オズロック「約束……? フフフ…」
カトラ「オズロック……アナタは!」
オズロック「お前たちは伝説とされてきたコズミックプラズマを復活させてくれた。そして私はついに手に入れることができた。宇宙をも支配できる禁断の力を!!」
カトラ「っ………くっ!!」
だが、天馬、剣城、神童さん、竜太の4人が前に進む。
天馬「オズロック……お前はサッカーを自分の目的のために使ったのか?」
オズロック「そうさ、サッカーなどどうでも良かった。コズミックプラズマ光子砲さえ完成できれば」
天馬「そんなことのために、サッカーを利用したのか? ……きっと、"サッカーが怒ってる"!!」
オズロック「サッカーが怒るだと? サッカーが好きなあまり人間扱いとは幼稚な奴だ」
竜太「そんな事は分かってるさ。サッカーは人じゃない。だけどサッカーは、サッカーは俺達にとって…かけがえのない物なんだ!」
天馬「心と心をぶつけ合って、自分と向き合えて、出会った人皆を繋いでくれる、そんな大切な友達みたいなものなんだ!!」
天馬・竜太「「サッカーを悪用する奴は許さない!!」」
果南「天馬くん、竜太!!」
龍也「どこに行ってもガルシルドみたいな奴はいるって事か。まぁ今回はスケールが違うけど」
オズロック「もはや意味不明だな。それではサッカーとは何か、確かめようじゃないか。さぁ、キックオフだ!!」
ダクスガン「Everybody! 大変な展開になって来た!! まさに宇宙の存亡を賭けた一戦。ブラックホールの危機迫る中、グランドセレスタギャラクシーの覇者アースイレブンが戦うその相手は!?」
オズロック「フフフ、我らは……"イクサルフリート"!!」
天馬「イクサルフリート……?」
竜太(不気味な奴らだな………ん?)
イシガシ「フッ」
鉄角「あの案内係!! アイツもオレたちを騙してたのか!!」
真名部「大方、案内人として僕たちに接触しながら強さのチェックでもしてたんでしょうね」
瞬木D「抜かりは無いってわけだな」
オズロック「全宇宙に告げる! 我らイクサルフリートを衝き動かすものは、ファラム・オービアスへの滾り立つ憎しみ!怒り!! 私は、奪われたものを奪い返す為にここにいる。それが我々の悲願なのだ!! ただ奪い返すだけではない。お前たちの宇宙全てを奪ってやる!!」
そしてオズロックが指を鳴らすと、得点板が表示される。
オズロック「この試合は全宇宙に絶望を与えるための余興だ。お前たちが希望とするサッカーがお前たちを破壊する!」
九坂「アイツ……どうかしてる!」
伊吹「ああ…!」
オズロック「消えろ、ファラム・ディーテ。目障りだ。」
バルガ「目障りだと!?」
ヒラリ「目障りはどっちかしら? 宇宙を全部奪うだなんて、随分大口を叩いてくれたわね」
オズロック「くだらん。ファラム・オービアスの言葉など耳障りだ。」
ヒラリ「っ!! 何ですって!!」
すると、紫天王のリーダーリュゲルとガンダレスが前に出た。
リュゲル「おい悪党!! 俺たちが本当に怖いのはお前ではない!! アレだ!!」
リュゲルが指さしたのは、
竜太「やっぱりブラックホールだよな……」
ガンダレス「見えるよリュゲル兄ぃ! あそこにブラックホール!「それがどうした?」え?」
オズロック「この星が消えようが残ろうが私にはどうでも良い!!」
するとオズロックの立てた指の先に黒いボールのような物が出現する。
オズロック「消えろ……」
そしてオズロックはそれをファラム・ディーテ目掛けて蹴ると黒い光を放つ。
俺たちが目を開けると、ファラム・ディーテは消え去ってしまった。
竜太「っ!! オズロック、テメェ!!」
剣城「許さん!!」
オズロック「心配しなくとも次はお前たちだ」
ララヤとミネルのいる部屋に、ポトムリとカトラが入ってきた。何とかこの事態を打開する策を練らねばならない。
ミネル「ですがこうなった以上、コズミックプラズマ光子砲は奴らの支配下にあります。ブラックホールが迫る以上、我々に残された道は死を待つか奴らに服従する道しか残されていない……」
ララヤ「っ! そのような道を覆す為の試合じゃ!!」
カトラ「天馬たちを信じましょう。希望の竪琴は、全宇宙の人々を救うために奏でられるべきです。決して、悪の兵器にしてはならない」
オズロック「滅ぼせ何もかも!!」
イクサルフリート『了解!!』
天馬「行くぞ皆!!」
アースイレブン『おう!!』
試合前に、俺は嵐珠に声を掛けた。
嵐珠「アタシが前半出るの?」
竜太「ああ。なんか嫌な予感がするんだ。何も無ければ笑い話で済むし、お前なら安心して任せられる。頼めるか?」
嵐珠「ランジュじゃなきゃできないのね?」
竜太「そうだ。頼む!」
嵐珠「了解よ。出番は無いからそのつもりでね!!」
竜太(だと良いんだが……)
その時、
天馬「黒岩監督!?」
黒岩「敵の狂気に立ち向かうには、それ以上の感情が必要だ。お前たちにはあるか?敵の計り知れない狂気に立ち向かえる感情が…」
天馬「狂気に立ち向かえる感情……」
神童(どういうことだ? 黒岩監督は俺たちに何を伝えようとしているんだ……?)
オズロック「始めるとしようか。我々が抱く憎しみの力を、このフィールドで味わえ!!」
そして両チームフィールドに出る。
フォーメーション
イクサルフリート
GK フォボス
DF デイモス イシガシ エーギル
ボランチ シノーべ ユミル
MF ディオネ タルヴォス
FW ローゲ オズロック デスピナ
アースイレブン
FW 剣城 瞬木
MF 九坂 天馬 嵐珠
ボランチ 神童
DF 森村 皆帆 真名部 鉄角
GK 信介
ダクスガン「イエーイッ!!Welcome to cosmic soccer world!! 全宇宙の命運を賭けた最終決戦、間もなくキックオフだ! この試合は、選手の交代は無制限と通達があった!! 両チーム何度でも選手交代、再出場が認められるぞおっ!!」
って言ってもイクサルフリートは11人ピッタリだから交代は無いけどな。って言うか………、
信介「全員がディフェンス!? もっと攻撃的な布陣で来ると思ったけど……」
座名九郎「この位置取りが、サッカーの戦術上意味があるのかどうか…この試合、荒れるかもしれませんよ」
葵「え?」
座名九郎「感じませんか?イクサルフリートの
天馬(イクサルフリート……強い怒り、殺気を感じる「天馬!」っ!)
神童「力を抜け。普段通りのプレーで行くんだ。」
天馬「っ! はい!!(そうだ。この試合が最後なんだ。キャプテンとして、皆を勝利へ引っ張って行かなくちゃ!!)」
そして、試合開始のホイッスルが鳴った。
ー 続く ー
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