これは合宿前、栞子が転校してくる前のお話。
ある日の昼休み、俺たちは剣城以外のサッカー部一年で中庭で談笑していた。するとかすみが気になる事を言ってきた。
かすみ:「ねぇ? あのウワサ知ってる?」
天馬:「ウワサ?」
ウワサと聞いても俺は思い当たる事が無い。なんだろう?
かすみ:「じゃあ聞くけど·····部活の時
竜太:「俺は·····無いな」
天馬:「俺も無い」
信介:「僕も無い」
かすみ:「だから雷門でウワサになってるの!! かすみんたちもせつ菜先輩は普通科って言ってたから普通科2年の教室をぜ~んぶ覗いたのに、せつ菜先輩なんかどこにも居なかったんですよ·····?」
は? いくらなんでもそれはおかしい。校内で誰も見たことが無いなんて、
しずく:「それで今はウワサに尾ひれが付いて、座敷わらしだとか、正体は先生とか色々な説が飛び交っている状態です」
竜太:「ハァ? んな訳ねぇだろ·····バカかそいつ?」
璃奈:「そもそも、本当にこの学校の生徒なのかな?」
確かに。考えたくは無いがこの状況ではそれが一番有力な説だろう。でも、せつ菜先輩からは本当にサッカーが大好きなのが伝わってくるし、何度も雷門の勝利に貢献している。他校のスパイでは無いと思うがそうなると生徒の誰も見たことが無い事の説明が付かない。
?:「皆さん? そろそろ授業が始まりますよ? 教室に戻ってください」
声のした方を見ると、ロングの黒髪に眼鏡の女の子が立っていた。リボンの色はピンク。つまり二年生か·····と言うか今の声って·······
璃奈:「あっ、生徒会長······」
?:「はい。生徒会長の
しずく:「えっ!? 何で私たちの事を!!」
奈々:「生徒会長たるもの当然で···「はぁ、そう言うことか」? 何がです?」
竜太:「全く、何してるんですか? ······
奈々・1年:「『 !? 』」
俺の言葉を聞いた天馬たちは生徒会長の髪の色・長さを確認し身長を確かめる。そして声色を思いだし、一方生徒会長は冷や汗をダラダラと流している。
天馬:「あーーー!! 言われて見れば!! せつ菜先輩!?」
奈々:「·······ハァ、竜太くんには敵いませんね」
奈々:「はい。私が優木せつ菜です」
そう言うと生徒会長は眼鏡を外し、何時も髪をピンで止めている様に手で押さえて見せた。
かすみ:「ああーーーっ!!! せつ菜先パ ムグッ!?」
竜太:「声がデケェよバカすみん!!!」
しずく:「ちょっと! 竜太さん!?」
竜太:「ただサッカー部に居るだけなのに正体を隠さなきゃいけなかったってことは、何か理由があるんでしょ?」
せつ菜:「竜太くんにはお見通しですね。·····だって、」
1年:『だって?』
せつ菜:「正体不明の正義の味方みたいで、カッコいいじゃないですか!!」目キラキラ
竜太:「皆さーーーーん!! ここに優木せつ菜が居ますよーーーー?」
せつ菜:「ちょっ!? 止めてください!!」
竜太:「うるせぇ!! きっと何か深い事情があるんだと思ったらなんだその小学生見たいな理由!? このやるせない気持ちをどうしてくれるんじゃああああああああ!!!「ムグーッ! ムグーッ!」」
しずく:「竜太さん! かすみさんが!!! 「あっ、忘れてた パッ」」
かすみ:「プハー!ハー····、し、死ぬかと思った·····」
竜太:「わ、悪い」
かすみ:「もーーーー!! ひどいですう!!」
するとせつ菜先輩が口を開き、
せつ菜:「それでその····皆さん、出来ればこの事は秘密にしていただけると····」
しずく:「分かりました。「しずく(子)!?」それでこの事を知ってるのは私たちの他には?」
せつ菜:「居ません。歩夢さんや三国さん、キャプテンの神童くんですら知りません。」
竜太:「なんで気付かないのあの人たち? ·····バカなの?」
信介:「竜太先輩に対して言い過ぎ」
いやだってさぁ、そう言いたくなる気持ち分かるでしょ?
せつ菜:「それにしても、1年以上一緒にやってきた三国さんや歩夢さんたちにバレないのに、2ヶ月ちょっとしかやってない竜太くんにバレるとは思いませんでした。」
竜太:「観察力には自信があるんで。って言うか「声」聞きゃ一発なのに···」
信介:「竜太の《
竜太:「そういうこと」
そしてせつ菜先輩は眼鏡をかけ直して髪を戻して生徒会長モードに戻り、
奈々:「それじゃあ皆さん、早く教室に戻って下さいね?」
1年:「はーい!!」
竜太:「戻るか」
天馬:「そうだね」
かすみ:「にっひっひ、せつ菜先輩の弱みを握れましたよ~」
しずく・璃奈:「「最低」」
かすみ:「ちょっと!?」
そして各自教室に戻り、午後の授業が始まった
― 完 ―
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