先ほど、愛さんと侑先輩は、俺の練習パートナーをめぐって勝負し、侑先輩は敗北した。
負けたのがそんなにショックだったのか、先輩は勝負が終わった瞬間逃げた。そのままにする事も出来ずに、俺は侑先輩を追いかけている。
侑:ハァ、ハァ····
竜太:「待ってください先輩!!」ハァハァ
必死に先輩を追いかけていると、先輩は校舎裏で止まり、
竜太:「や···やっと止まってくれた······ハァハァ」
侑:「·····何で追いかけてきてくれるの?」
竜太:「何でって、泣いて走ってったらそりゃあ心配になりますよ····」
侑:「こんな情けない私を、何で心配してくれるの?」
は? 情けない? 何が?
竜太:「な、情けない? 何で? ただ勝負して負けたってだけでしょ?」
侑:「だって····私、今まで《眼》も含めて本気でやって負けたことなんて一度も無かったんだもん·····なのに·····」
竜太:「は? 何それ? 本気の先輩に勝てない俺への嫌味ですか? 「ち、違っ···」何が違うんですか? 「今まで負けたこと無い」? だから負けたのがショック? 当たり前だろうが!! 負ければ悔しいのも、勝負して負ける事があるのも、そんなもん当たり前なんだよ!!」
侑:「っつ!!」
俺は少しばかり、いや、かなりカチンときていた。厳しい様だがハッキリと言ってやる。
竜太:「このくらいでそんなにショックなら、この先どうせやっていけねぇからサッカー部辞めちまえ!!!」
侑:「っ!!」ポロポロ
先輩は大粒の涙をながす。必死に拭うが涙が止まらない。
竜太:「俺は練習に戻ります。辞めるのか、悔しいのをバネにしてリベンジするのかは先輩に任せます。」
そう言って俺はグラウンドに戻ろうとする。
侑:「っつ·······あ····「あ、1つ良いですか?」っ?」
竜太:「俺はまだ、
そして俺はグラウンドに戻り練習を始める。愛さんには不機嫌な顔で文句を言われたが、「今度埋め合わせはする」と機嫌を取り敢えず直してもらいしばらくすると侑先輩が戻って来た。
円堂:「戻ったか高咲」
侑:「監督!! さっきはスミマセンでした!! 練習に参加させてください!!」
うん。なんかふっ切れた顔してる。気持ちの整理、付いたみたいだな。
円堂:「······よし! 良いだろう。全員、次のメニューは走り込みだ。ジャージに着替えて外履きに履き替えて校門前に集まれ。」
そして男子と女子それぞれ更衣室で着替えて靴をスパイクから履き替えて校門前に集まる。
円堂:「よし。では外周を走って一周2分半で戻って来い。戻って来られなかったら連帯責任で全員もう一周な」
皆あからさまに嫌そうな顔をしている。この中で一番足が遅いのは·······チラッ
天城:フイッ
天城先輩が顔を背ける。いや待てよ?天城先輩は足は遅いがスタミナは高い。同じペースで走り続けられれば間に合う。ならばこの中でもっともスタミナが低いのは······チラッ
かすみ:フイッ
皆同じ結論になったらしく一斉にかすみを見る。すると視線から逃れる様に目を背けるかすみ。
円堂:「準備は良いな? 始め!!」
サッカー部:『『『うぉぉおおぉぉおおおおおお!!!』』』ズドドドドドドドドドドドドド!!!
俺たちは一斉に走る。先頭は愛さん、俺、侑先輩。後続に剣城、果林、天馬、キャプテン、エマ、栞子、せつ菜先輩の順で続く。
竜太:「愛さん速ぇえ!!」
侑:「でもっ···こんなペースで····持つの?」ハァハァ
そのまま走り俺は1分49秒でゴール。その他のメンバーも帰って来るが、
円堂:「天城、2分29秒。····かすみ、2分32秒!!」
サッカー部:『『『ゲッ!?』』』
円堂:「もう一周ダッシュ!!」
サッカー部:『『『はいいいいいいいい!!?!?』』』
竜太:「ゼェ ゼェ ハァ ハァ····」
愛:「つ、疲れた·····ハァ ハァ···」
結局あの後かすみと天城先輩が足を引っ張り合計で10周以上は確実に走った。
かすみ:「す·····スミマ···せん······ゼー·· ハー·· ゼー·· ハー····」
天城:「だ、ダド····ウップ····」
三国:「天城!? ここで吐くな!!」
しずく:「かすみさん? これから毎日練習終わりに走り込みしましょうね?」ニコッ
かすみ:「ヒィッ!! かすみん死んじゃいますう!!」
果林:「ッ····ハー ハー 天城くん?」
天城:「ダド?」
果林:「痩せなさい!!」
天城:「ダド!?」
かすみ:「ち、因みに拒否権は····」
サッカー部:『『『あると思うか?』』』
かすみ・天城:「は、はい····分かりました。」
その日は皆疲れ果てて帰った。
― 続く ―
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