人類最強の男   作:焼肉定食

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ミリアとメア

「それじゃあ少しこの世界の事情について話すぞ。」

 

あれから夕飯をいただき結局夕飯を説明の時間に費やしたのだが、少し悪いと雫に謝ってからそのままそこで話す

 

「この世界の事情ですか?」

「あぁ。一応ここじゃ教会は届かないからな。まぁ王宮で一応昔はメルドの兄貴の補佐をしていた経験があるんだよ。まぁ軍師やこの世界に来ているからには記憶に入れておいた方がいいだろ?まぁ最初は簡単な座学かな?まずはこの王都。一応教会が国教と呼ばれる」

 

と俺はこの世界についての説明を始める。一応教会から魔人の定義や街の名前など様々なことを伝えた

 

「んまぁこんなもんだ。ここまでは教会と聞いた話とそう違いはないか?」

「はい。」

「え、えぇ。」

「そうか、んじゃ少し進めるぞ。まぁ最近戦争が争いが多発しているっていうことだけど少しだけ違って今は小さな停滞期に入っているんだ」

「停滞期ですか?」

「あぁ今お互いに軽い接触が多いだけなんだよ。争いが多発しているんだったら俺がまず戦場にいないのは変だと思わないか?」

 

するとそういえばと小さく頷く

 

「お互い戦力を貯めている状態なんだよ。だから戦力を解放させる時期が必ず来るんだ。それに劣勢とは言っても俺が基本的に出ればすぐに優勢に変化するからな。」

「?」

「空間魔法のことだよ。神代魔法って言われているうちの一つで教会の保護対象になっている魔法の一つなんだけど」

「まぁ俺は反対に異端者扱いだけどな。未だに火山で迷宮攻略したのは俺たちのパーティー。それも適正があるのは俺だけだったからな。空間魔法は所謂空間移動ができる魔法だけど使用方法は様々で座標と魔力があればこの世界であれば基本的にどこにでもワープできるな。」

「……どこにもですが?」

「一応帰してやりたいのは山々だけど。その、地球っていうところがどこにあるのかさっぱりなんだよ。それに消費魔力がかなり高い。俺って魔力に限っては全ステータスが一万を超えているから多分場所さえわかれば送ってやれるんだけど。」

「「「えっ?」」」

 

すると全員の声が上がる。そういえば言ってなかったか

 

「魔力操作を持っている人間は比較的にステータスが化け物と呼ばれるくらいに高くなりやすいんだ。俺たちのパーティーもその一例だ。まぁ教会が冒険者ギルドに勝てない一つにそれが当たる。俺たちのギルドは差別がないぶん魔力操作を持った人間が集まりやすい。正確に難儀があるやつは基本的に追い出しているがな。俺たちのパーティーはその典型的だろう。アレックスは耐性、魔耐が身体強化を含めたら2万オーバーだしクララも魔力7千オーバーの全属性適正だぞ?」

 

正直化け物が多いのだ。すると疑問に思っている雫が手を上げる

 

「あの、それならなぜ戦争が不利になっているんですか?」

「それなら単純に俺たちが基本的に前線にでてないからだよ。戦争の指示は結構大変で俺が基本的に本陣にいることになる。クララは森人族だから戦争にでれない。アレックスは貴族だから基本的に戦争にでないんだよ。跡取りでもあるしな。だから今すぐ俺に変わる総大将が必要だったんだけど……正直今の勇者には任せられないな。最低部隊長になればいいと思っていたんだけど……部隊長でも正直ダメだ」

 

俺は小さくため息を吐く。

 

「……えっと、どういうことでしょうか?」

「いや、完全に教会に流されているだろ。俺は魔人族が悪いってなんて元々思っていないんだよ。つーか教会は一向に魔人族が何をしたのか話そうとしない。ただ神託のせいで流されているだけ。簡単に流される奴に作戦を任せたら怒りや感情で簡単に打ち取られたり仲間が死ぬ可能性が高くなる。戦士たちの命を預かっている以上あの勇者には預けられない」

 

そう。仲間たちの命を預かっているのだ。だからこそ絶対に殺させるような真似をさせないであろう。

 

「勇者の友達なんだろ。それならちゃんと言っとけ。…自分の理想ばかり追い求めているといつかは自分の大事な奴をなくすってな。」

「……随分わかったような口調ですね。」

 

雫が少し怒ったようにしているが、それでも事実だ。

友達がバカにされるのは誰よりも嫌なのは俺自身が分かっている

でも言っておかなければいけなかった

……事実というよりも自分が体験したことなんだから

 

「わかったつーか……昔の俺そのままなんだよ。今の勇者は。自分に力を持っている分本当に大事なことを見落としていたからな。……俺もバカだったせいで婚約者を亡くしているしな。」

「…えっ?」

 

雫が声を上げる。いや声に出さなかっただけで香織もハジメも俺の方を見る

 

「ほら。ミリアってみんなが言っていただろ?そいつだよ。雫とそっくりな。天職は治療術師でさっきのアレックスと俺との三人パーティーだったんだよ。俺たちとは違ってチートもないただの治療術師だったけど俺たちが調子乗っていた時の俺たちのパーティーのリーダーだった。」

 

いつも叱られていた覚えがある。でもかっこいい姿を見せようとつい難易度の高い依頼を受けていた。そしてそれを成功させたことにより余計に注目を浴びることになったのだ

 

「まぁ俺たちはずっと教会からの嫌がらせを受けていたんだよ。獣人族や森人族をずっと庇っていたからな。それに俺たちの娘と呼べる子供もいたんだアレックスがいない隙をついて、孤児院が襲撃を受けたんだよ。それが兎人族のメアっていうんだ。…まぁ二人とも俺を置いて先に逝っちまったけどな。」

「へ?」

「騎士団が二つあるのは三人は知っているか?一つはメルドの兄貴がいる王国の騎士団。そしてもう一つは聖教騎士団と呼ばれる教会の騎士団だ。聖教騎士団に隙をつかれてギルドハウスが奇襲を受けたんだよ。死者はミリアが逃げなくてずっと回復魔法を魔力が切れるまで打っていたって推測されているな。何故ならば死者は2名。ミリアとメアだけだった。」

「っ!」

「たくさんの家族を残してくれたことと、最期にミリアとは話せたこと。それが唯一の救いだった。メアとは話す暇もなく心臓が止まってしまったからな」

 

そうそれが唯一の救いだったのだ。最後の言葉を聞けたから俺は復讐に走らなかった。

血だらけで痛いの一言も言わずただ優しく俺を抱きしめずっと最後の時を、最後に初めて俺を頼ったのだ。

 

「それが教会と対立している理由ですか?」

「いや。ハジメには言ったけど俺は獣人族や森人族、あと魔人族と共存したいんだよ。争いは絶対になくなるわけではないけど、人種差別ってことだけで2度と大事な家族を失いたくないからな。それにあいつは家族を守ってって言ったんだ。だから教会よりも俺はこいつらを守りたいんだよ。あいつらのぶんまで生きて、みんなの人生を見届けたい。……せめてあいつの最後の願いは俺の人生を全部かけても叶えてやりたいんだよ。……結婚式もあげてやれなかった大馬鹿やろうだけどな」

 

元々バカで理想を追い求めようとして、冒険者で結構無茶をやったって覚えがある。

そうでもしないとミリアに置いていかれるようだと思って色々無茶をした。

そして納得して冒険者になって二年目、ちょうど襲撃を受ける二ヶ月前に花畑で告白した時の返答が

『いつもクローバーは危なっかしいからずっと一緒にいてあげるわ』

少ししょうがないなぁと呆れながらも今まででも見たことがない嬉しそうな笑顔で受け取ってくれたことも覚えている

ミリアとメア一緒にいた時期も今となっては思いがけない大切な宝物だ。

俺にとって今の俺はこの二人がいたからいきていられるほどに

するとストンと何かが顔を溢れる。

だめだ。この話になると涙が止まらなくなる。

 

「……クローバーさん?」

「あぁ。悪い。ちょっと涙腺弱くなっててな。んまぁ何が言いたいのかというと命に勝るものはないってこと。大切な人、好きな人、守りたい人なんでもいい。戦争に出るからには生きて戻ること。人の命の価値は誰にだって平等だ。一度死んだらそれはそこまでただの討ち死でしかない。だから生きるためにはどんなことでも使え。卑怯なこと、汚いこと、たまには逃げることや嘘だってつけ。俺たちのことはどうでもいい。ただ生きることだけ考えろ」

 

俺がそう締めくくる。思えば話していることは無茶苦茶だ。最初はトータスの情勢について話していたはずだったんだけどな

 

「えっと話戻そうか。どこまで話したっけ?」

 

と言いながら少し涙を拭く。

この後何を話したのか覚えてないが、三人がかなり深刻そうになっていたらしい

そして今後、毎日のように俺の家に香織と雫が訪れるようになる

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