バカとクズと召喚獣   作:スピリタス3世

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この物語はフィクションです。
未成年の飲酒や喫煙は法律で固く禁じられています。
また18歳未満の風俗、雀荘、パチンコ屋などの
入店も法律で固く禁じられています。
更には賭博、アルコールの強要や暴飲、
作中での破廉恥な行為・発言などについても
それらを推奨する意図はありません。
あくまで物語としてお楽しみ下さい。


第二十三問 地獄を見せてやる!

  side ムッツリーニ

 

 変なお客さんは来ないで欲しいと思ってたところに………

 

昂哉「すいませ〜ん!4人で!」

須川「しっかし、今日は暑いな〜。」

赤田爺「喉が渇いちまったわい。」

横溝「だな。」

 

 昂哉達が来た。というか何故奴らが今ここに⁉︎約束の時間は午後1時のはずでは⁉︎

 

昂哉「店員さん?」

横溝「どうかしましたか?」

赤田爺「気分が悪いなら儂が背中をさすろうか?」

須川「おいおい、早速ナンパかよ。この節操なしめ‼︎」

横溝「お前はさすられる側だろ?」

昂哉「店員さん、この人の事は無視して下さいね!」

 

 ん?

 

須川「そういやさっき女子に見られたんだが、俺の顔に何かついてるか?」

昂哉「いや、特に何も。」

横溝「いつも通り普通に不細工だが。」

赤田爺「お嬢ちゃん、見るならそんな不細工のより儂の方を!」

須川「というか俺が不細工とか冗談キツいぜ!」

横溝「いや、混じりっ気なしの本音だぞ?」

昂哉「トイレで鏡見てきたら?」

赤田爺「ついでに現実もな。」

 

 まさかコイツら、俺の正体に気付いてないのか?

 

ムッツリーニ(裏声)「……お席に案内します。」

昂哉「ありがとう!」

須川「それにしてもこの子めっちゃ可愛いな!」

横溝「俺のタイプだぜ!」

赤田爺「まあ御主らじゃ無理じゃろうな。」

須川・横溝「「何だと⁉︎」」

昂哉「まあまあ!」

 

 気付いてないみたい。良かった………。だが何故この時間にコイツらがいるんだ?今は午前11時半、約束の時間まではまだ1時間半もあるぞ?

 

須川「いや〜、それにしてもじっちゃん、ナイスな提案だったな。」

横溝「年取っても脳は衰えないんだな。」

赤田爺「まあな。」

昂哉「まさかムッツリーニに黙って先乗りするとはね〜。」

 

 何だと⁉︎

 

赤田爺「だってチケットは4人用じゃろ?」

昂哉「だったら相手も4人組が多いってのは道理だよね〜。」

須川「こっちが5人で行ったら一人あぶれちまう。」

横溝「争いを避けるためにもアイツは切り捨てなくちゃな。」

昂哉「別に俺はあぶれてもいいんだけどね〜。」

須川「そうは言うがな、雲雀丘。お前と土屋どっちを連れて行くって言ったら、まずお前だろ。」

赤田爺「なんせ御主と彼奴じゃと、御主の方がコミュ力が高いからのぅ。」

昂哉「まあそれはそうだね〜。」

横溝「それにアイツは日頃の行動がな〜。」

須川「いつもすぐに女子のスカートの中を盗撮しようとするからな〜。」

昂哉「確かに、そんな変態がいたらナンパの成功率は下がりそうだよね〜。」

赤田爺「切り捨てて正解じゃな。」

 

 なるほど、そういう事か…………。正体がバレないよう穏便に済ませる気だったが、仕方ない…………

 

 

 

地獄を見せてやる‼︎

 

 

 

昂哉「さて、何食べる〜?」

赤田爺「冷たい飲み物か食べ物がいいのぅ。」

須川「外暑いからな。」

横溝「すみません、注文いいですか?」

ムッツリーニ(裏声)「……はい、お伺いします。」

 

 まずはこれでいくか。

 

ムッツリーニ(裏声)「……お客様は?」

昂哉「俺は『新緑の恵み』で!」

ムッツリーニ(裏声)「……そちらのお客様は?」

赤田爺「儂も同じので。」

ムッツリーニ(裏声)「……かしこまりました。」

須川「えっと………」

ムッツリーニ(裏声)「……そちらの童貞のお客様は?」

須川「何か俺だけ聞き方おかしくない⁉︎」

 

 別に合ってんだからいいだろ。

 

須川「俺は童貞じゃないぞ!」

ムッツリーニ(裏声)「……きゃっ♪」

昂哉「座ってろ、童貞‼︎」

横溝「お姉さんに絡むな、童貞‼︎」

赤田爺「そう見える御主が悪いんじゃよ、童貞‼︎」

ムッツリーニ(裏声)「……失礼しました。……そうとしか見えなかったもので……」

須川「謝ってるようで失礼の上乗せだな、これ。」

横溝「事実なんだから仕方ないだろ。」

赤田爺「儂にもそうとしか見えんからのぅ。」

ムッツリーニ(裏声)「……それでは改めまして、」

 

 まあ須川のためにも言い直してあげるか!

 

ムッツリーニ(裏声)「……そちらの一生童貞のお客様は?」

須川「未来は分かんないだろ⁉︎」

横溝「座ってろ、永世名誉童貞‼︎」

赤田爺「事実じゃから仕方ないじゃろ。」

昂哉「来世に期待したら〜?」

赤田爺「とにかくさっさと注文するのじゃ。」

横溝「時間が勿体ないだろ。」

須川「………じゃあ俺も同じやつで。」

ムッツリーニ(裏声)「……かしこまりました。」

 

 さて、次のやつをやるか。

 

ムッツリーニ(裏声)「……それではご注文を繰り返します。」

横溝「あれ、俺………」

ムッツリーニ(裏声)「……チェリーパイを3つで。」

昂哉・赤田爺「「それは須川(コイツ)だけだ(じゃ)‼︎」」

須川「俺も頼んでねえよ‼︎」

 

 まあここはちょっと謝っておくか。

 

ムッツリーニ(裏声)「……ごめんなさい、軽い冗談です。」

横溝「軽い?」

須川「心の底まで傷ついたんだが……」

昂哉「なんだ、軽い冗談ですか!」

赤田爺「お茶目じゃのぅ。」

ムッツリーニ(裏声)「……本当にすいません。」

 

 さて、お詫びという程で次の作戦に移るか!

 

ムッツリーニ(裏声)「……よろしければコーヒー牛乳は如何でしょうか?」

昂哉「あ、それいいですね!」

須川「涼しそうだしな!」

赤田爺「悪くないのじゃ。」

横溝「じゃあナンパの景気付けに飲んどこうぜ!」

須川「そうすっか!」

赤田爺「儂もそれで!」

昂哉「俺も合わせるわ〜!」

ムッツリーニ(裏声)「……ありがとうございます。……それでは少々お待ち下さい。」

 

 そう言って俺は厨房へと向かった。

 

 

 

 

 

 

 厨房で必要な物を取り揃えた後、俺は奴らの元に戻った。

 

ムッツリーニ(裏声)「……お待たせしました。」

須川「お、きたきた。」

赤田爺「美味そうじゃの。」

昂哉「じゃあいただきますか!」

横溝「俺の分が無いんだけど?」

ムッツリーニ(裏声)「……皆さん、召し上がる前に、メニュー表に書いてある『食前の祈り』を、このコーヒー牛乳に捧げたいと思います。」

昂哉「OK!」

赤田爺「よろしくな。」

横溝「俺の分……」

ムッツリーニ(裏声)「…… 食ハ命ノ息吹。飲物ハ命ノ解放。飯ハ飯トシテ、其ノ命ヨ、永遠ノ眠ニ帰セ。……ラートム。」

昂哉・赤田爺・須川「「「ラートム。」」」

横溝「俺の分………」

 

 そして3人は俺特製のコーヒー牛乳を飲んだ。そして………

 

昂哉・赤田爺・須川「「「ブフォ‼︎」」」

 

 吹いた。

 

赤田爺「お嬢ちゃん、一体何を仕込んだのじゃ⁉︎」

ムッツリーニ(裏声)「……コーヒーをベースに墨汁で色付けをしてみました。」

須川「どうしてそんな物を混ぜた⁉︎」

昂哉「コーヒーは元々色ついてますよね⁉︎」

赤田爺「普通は牛乳じゃろ‼︎」

ムッツリーニ(裏声)「……牧場風味ならぬ墨汁風味です。」

須川「そんな風味があってたまるか‼︎」

横溝「良かった、俺飲まなくて………」

 

 さて、ここからが本番だ。真の地獄を見せてやる。

 

ムッツリーニ(裏声)「……本当に申し訳ありません。」

須川「本当にな。」

ムッツリーニ(裏声)「……お詫びに私の連絡先でもお教えしましょうか?」

赤田爺・須川・横溝「「「きた‼︎」」」

昂哉「おお〜!皆おめでとう!」

ムッツリーニ(裏声)「……今スマホが無いのでお借りしてもよろしいでしょうか?……連絡先を打ち込みますので。」

赤田爺「いいぞい‼︎ほれ、儂のじゃ‼︎」

横溝「抜け駆けしたら殺すぞ。

須川「後で俺たちにも教えろよ。

 

 さて、作戦開始だ。

 

ムッツリーニ(裏声)「……あっ……」

横溝「ん?」

須川「どうかしましたか?」

ムッツリーニ(裏声)「……操作を間違えてしまいました……」

昂哉「あるあるですね〜。」

赤田爺「儂も歳じゃからよくあるわい。」

須川「人の携帯だもんね。」

横溝「仕方ないよな。」

赤田爺「IDでも打ち間違えたのかい?」

ムッツリーニ(裏声)「……いえ、手が滑って……」

赤田爺「手が滑って?」

 

 そして俺はじっちゃんに携帯の画面を見せた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーータイムラインーーーーー

 

赤田爺

 

 シスターカフェでナンパ中♪

 この娘超可愛いのじゃ!

 

 (シスター香美と赤田爺のツーショット写真付き)

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

ムッツリーニ(裏声)「……タイムラインにこのような文章を投稿してしまいました♪」

赤田爺「おい‼︎手の滑り方おかしいじゃろ‼︎」

ムッツリーニ(裏声)「……すいません、私機械に疎くって……」

須川「それは仕方ないですね!」

昂哉「なぁに、気にする事ではありません!」

横溝「女がいるのにナンパするあのジジイが悪いのです!」

赤田爺「女がいるとかバラすなや、御主ら‼︎」ポンポン

 

 そしてじっちゃんの肩を叩いたのは………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

赤田爺彼女1・2・3・4「「「「ねえ、これどういうこと?」」」」

赤田爺「あっ………」

 

 赤田爺の彼女達であった。何人かいるのを知ってたからタイムラインに投稿したのさ!

 

赤田爺彼女1・2・3・4「「「「死ね。」」」」ドゴォ‼︎

赤田爺「グファ………」バタン

ムッツリーニ(裏声)「……ラートム。」

昂哉・須川・横溝「「「ラートム。」」」

 

 4人の彼女に一斉にパンチを放たれてくたばったじっちゃんに対して、俺はシスターとして祈りを捧げた。

 

 

 

 

 

 しかしまだこれで終わりではない。次の作戦を実行するか。

 

ムッツリーニ(裏声)「……そういえばお客様。」

昂哉「はい、なんです?」

須川「すいません、コイツも彼女いますよ!」

横溝「話すのをやめてとっとと突き出しましょう‼︎」

昂哉「いや、俺別にナンパする気ないし。」

 

 そこは木下のためにしっかりしてるんだ。感心。まあそれはそれとして、俺を変態呼ばわりした罰は受けてもらおう。

 

ムッツリーニ(裏声)「……お客様って麻雀されますよね?」

昂哉「おっ!よくご存知で!もしや雀荘で会ったこととかあります?」

ムッツリーニ(裏声)「……う〜んと、少し見かけたくらいです。……でもその時ものすごく勝ってて話題になってたので、もしかしたら強い方なのかと思ったのですが……」

昂哉「いやいや、そんな事はないよ‼︎ただの運さ!」

ムッツリーニ(裏声)「……そうなのですか?……ちなみにこの間の火曜日の昼って、『振点(フリテン)(雀荘の名前)』に居ませんでした?」

昂哉「あっ!いましたよ!しかもその日めっちゃ勝ちました‼︎」

ムッツリーニ(裏声)「……なるほど!」

 

 さあ、ショータイムの始まりだ‼︎その内容とは………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ムッツリーニ(裏声)「……だそうですよ、シスター優子!」

優子「貴重なお話を聞かせてくださり、誠にありがとうございます。」

昂哉「えっ⁉︎」

 

 木下にシメてもらう!

 

優子「さて、不良生徒には教えを説かなければいけません。」

横溝「そうですね!」

須川「平日の昼間に学校サボって雀荘行く奴が悪いんです!」

ムッツリーニ(裏声)「……ですね!」

昂哉「いやいやいやいや、そ〜ゆ〜の困るんですけど⁉︎」

優子「それでは皆さん、『祈り』を。」

昂哉「ちょっと‼︎なんか短縮されてない⁉︎」

優子「炎ハ○ノ息吹。黒煙ハ○ノ解放。」

昂哉「ちょっとちょっと‼︎本家丸コピはマズイって‼︎」

優子「灰ハ灰ト○テ、其ノ○ヨ、永遠ノ炎○帰セ。」ドゴォ‼︎

昂哉「グファ………」バタン

 

 木下のパンチが見事昂哉のみぞおちにクリーンヒットした。もちろん昂哉は倒れたよ。

 

優子「ラートム。」

ムッツリーニ(裏声)・須川・横溝「「「ラートム。」」」

 

 ということで、昂哉を見事討伐する事が出来た。

 

 

 

 

 でもまだだ。

 

ムッツリーニ(裏声)「……すいません///」ぎゅっ

須川「えっ……///」

横溝「はぁ?」

 

 俺は須川の手を握り、こう言った。

 

ムッツリーニ(裏声)「……あの、ご迷惑でなければ///」

須川「ど、どうしたんですか///」

ムッツリーニ(裏声)「……会って欲しい人がいるんです///」

須川「えっ///」

横溝「なっ⁉︎」

ムッツリーニ(裏声)「……ダメ……ですか?///」

須川「ご両親ですか……気が早いとは思いますが、貴女の為に、会いましょう‼︎」

横溝「クソォォォォォォォ‼︎」

 

 そうして俺は須川の手を握って…………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ムッツリーニ(裏声)「……こちらの方です。」

警備員1・2「「通報、ありがとうございます。」」

須川「えっ?」

 

 警備員に突き出した。

 

ムッツリーニ(裏声)「……あの男が、『お前を放さない‼︎』と体を触ってきて……」

警備員1「なるほど‼︎」

警備員2「さあ、こっちに来い‼︎」

須川「放せ!これは誤解だ‼︎」

横溝「いえ、確かに見ました。」

赤田爺「間違いなく痴漢じゃ………」

昂哉「だね………」

須川「俺が痴漢ならあのジジイとあのオッサンも痴漢だ‼︎」

昂哉・赤田爺「「何(じゃと)⁉︎」」

ムッツリーニ(裏声)「……ついでにあの人も連れてって下さい。」

横溝「ついで⁉︎」

警備員1「お前ら、こっちに来い‼︎」

 

 ふぅ………。これで悪は滅びた………。さて、そろそろお昼時だし、休憩でも………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 って俺のベールが落ちてる?

 

昂哉「警備員さん。」

警備員2「何かね?」

昂哉「コイツは女装してシスターに紛れ込んでた変態です。連れて行くべきでしょう。」

 

 俺のベールを落とした犯人は昂哉だった。

 

ムッツリーニ「………は?」

警備員2「分かった、そうしよう。」

 

 こうして俺は昂哉達と一緒に女子大のキャンパスの外に追放された。




 ということで、ムッツリーニvs昂哉・赤田爺・須川・横溝でした。そして全員まとめて追放されましたね。彼らはこの後どうするのでしょうか?それは次回のお楽しみに!

 あと、本編にはあまり関係ありませんが、昂哉のCV.を宮野真守→石田彰に変更しました。こっちの方が合うかな、って思ったので。

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