バカとクズと召喚獣   作:スピリタス3世

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この物語はフィクションです。
未成年の飲酒や喫煙は法律で固く禁じられています。
また18歳未満の風俗、雀荘、パチンコ屋などの
入店も法律で固く禁じられています。
更には賭博、アルコールの強要や暴飲、
作中での破廉恥な行為・発言などについても
それらを推奨する意図はありません。
あくまで物語としてお楽しみ下さい。


第九章  肝試し対決
第五十五問 補習?んなもん行くかよ‼︎


  side 明久

 

 期末試験も終わって七月も残すところあと数日。真夏の風物詩が僕らの周りを彩っていた。僕はこの季節が一年を通して一番好きだ。夏というものは他の季節に比べて何か特別な気がする。うだるような暑さも、耳をつんざく虫の自己主張も、校庭から聞こえてくる野球部の喧騒も、全てがこの特別な季節を楽しむためのスパイスだ。そう、今は夏という心躍る特別な季節。だから………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

明久「……逃げよう、雄二。この魂の牢獄から……」

雄二「……いい事言うじゃねえか、明久。この鉄拳補習フルコースには俺も飽き飽きしていたところだ……」

 

 僕らは鉄人の補習からの脱走を決意した。

 

雄二「……だいたい夏休みなのに授業があるってのが間違いなんだよな。しかも教室には男がほとんどで、勉強どころか息をするのもキツイじゃねえか……」

明久「……オマケに授業をやってるのが鉄人だもんね。冬でも暑苦しいのに、この環境であのビジュアルは拷問に等しいよ……」

 

 試召戦争で潰れた授業分の補習とはいえ本当にキツい……

 

雄二「……よくこんな状況で姫路は真面目にノートを取れるよな。アイツは化け物か?……」

明久「……流石は実力Aクラスの優等生、と言いたいところだけど、身体が弱いのに大丈夫かな?最近は調子が良さそうだけど、やっぱり心配だよ……」

 

 一応風通しの良い柱の陰というベストポジションだから、こまめに水分補給さえすれば問題無いと思うけど……

 

雄二「……その辺は鉄人も気を遣ってるから大丈夫だろ。見てくれはあんなんでも、相手に応じた気配りをするからな……」

明久「……うん。確かに相手をよく見てるよね……」

 

 だから僕らは風通し最悪で日当たり良好、というポジションなんだろう。そしてこのポジションは僕と雄二以外にもう1人いるはずなのだが………

 

雄二「……そういえば昂哉はどうした?……」

明久「……さあ?またサボってんじゃない?……」

雄二「……後で木下にチクろうぜ……」

明久「……だね……」

 

 その人は相変わらず学校を休んでいる。全く、本当に卑怯な男だ。腹いせに木下さんにチクったところで、僕たちは脱走計画を立て始めた。

 

 

 

 

  side 昂哉

 

 夏季補習期間中、俺は………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

昂哉「リーチ‼︎」

 

 麻雀をしていた。クーラーの効いた雀荘で。

 

 それにしても、皆よく補習なんて行くよね〜。エアコンのない部屋で鉄人の補習とか、ただの拷問じゃん‼︎それに、補習は出席日数にカウントされないんだから休み放題なんだよ?授業のレベルも自分に合ってないし、環境も合ってない。そんなの行くわけないよね〜。優等生になれば優子と別れられるという件もあるけど、やっぱりずっと頑張るのは性に合わないからさ〜。だからこうして遊んでるよ!

 

 さてと、一発で持ってきたのは………和了牌(アガリはい)だ‼︎

 

昂哉「ツモ‼︎裏は……乗った‼︎3000,6000の3枚‼︎」

客1・2「「マジかよ!」」

客3「跳満親被りか〜‼︎」

 

 そして麻雀の調子は絶好だ‼︎期末テストが終わってからの合計収支は+3万円‼︎バカ勝ちナウだぜ‼︎

 

 そんな事を思ってると………、

 

傀「フリー、打てますか?」

 

 にんべんに鬼と書く、あの男がやってきた。一瞬俺をチラリと見たことから、きっと俺を狩りに来たのだろう。だったらやる事は………

 

昂哉「すいません、次ラス半*1で!」

 

 撤退だ。前も言った通り勝てない相手には勝負を挑まない。これが俺の主義だからね!

 

 

 

 

 

 そしてその日は無事傀の魔の手から逃れる事が出来た。しかし油断は出来ない。今度はにんべんに悪魔と書いて優子と読む女がやってくるかも知れないからだ。だから俺は変装を覚えた。

 

 まずはサングラスにマスク。これで完全に顔を隠す。そして次に帽子。これで髪を隠す。そして最後にコート。これで身体を隠す。正直めちゃくちゃ暑いが、これで折檻から逃れられるのなら本望だろう。

 

 そんな事を思いながら雀荘を出て街中を歩いていると、

 

男1「ねえそこのキミ、ちょっと俺と遊んでかない?」

女1「結構です。」

 

 男が女をナンパしているのを見かけた。まあ街中ならあるあるだろうね。

 

男2「そこの君、ちょっとうちまで来てくんない?」

女2「嫌です。」

 

 あそこでもナンパか。こっちはちょっと強引だね。

 

 そんな事を思ってると、

 

警察官「そこの君、ちょっと(うち)まで御同行願えますか(来てくんない)?」

 

 俺もナンパされた。

 

昂哉「嫌です。」

警察官「そう言われても私は警察ですからね。貴方の格好が変でしたから、ちょっと話を聞くだけですよ。」

 

 随分強引なナンパだな。しかも自分の職業を自慢するだなんて。それに、俺の服装がこの人には刺さったようだ。

 

昂哉「すいません。用事があるので。」

警察官「それはどんな用事ですか?」

昂哉「行かなければならないところがあるんです。」

 

 自宅だね。

 

警察官「この人物を確保するぞ‼︎」

昂哉「はい⁉︎」

 

 嘘だろ⁉︎強引にうちまで連れ込むナンパは初めてだぜ‼︎

 

 

 

 俺はなんとか警察の誤解を解いて帰宅すると、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

友哉「お帰り、昂ちゃん☆」

力哉・克哉「「待ってたぜ‼︎」」

恵「それで、孫は出来たのかしら⁉︎」

 

 全裸の兄貴たちと、ぶりっ子の親父と、頭のネジが外れているお袋が全員スピリタスを片手に待ち受けていた。

 

昂哉「うわぁ!親父とお袋、いつの間に帰ってきたのさ⁉︎」

友哉「さっきだな。」

恵「サプライズで驚かそうと思ってね。」

 

 そういう事か。それと、自分の気持ちをちゃんと伝えないと‼︎

 

昂哉「なるほどね〜。あっ、ちなみにお酒は今日はいいや。」

恵「何バカな事言ってんの⁉︎アンタをそんな子に育てた覚えは無いわ‼︎」

昂哉「俺疲れてんのに〜。」

 

 これからコイツらと飲むとか地獄だよ〜。お酒は確かに好きだけど、家族での飲み会はやりたくないよね〜。そんな俺を、

 

友哉「なるほど、昂哉は疲れてるのか♪ならとっておきのゲストを用意した‼︎」

 

 親父が気遣ってくれた。ゲスト?誰のことだろう?

 

友哉「ちなみに昂哉が大好きな人だゾ☆」

昂哉「うぉ、マジで⁉︎」

 

 となると秀吉か‼︎やった〜♪それなら飲み会に出る意味があるね♪

 

友哉「入っていいぞ〜!」ガチャ

 

 さあ来い、秀吉‼︎

 

優子「お、お邪魔します‼︎」

 

 だろうと思ったよ。

 

昂哉「おやすみ〜。」

 

 だから俺は一目散に自分の部屋に向かった。

 

力哉「おやすみ、か………」

克哉「なら優子もついてったらどうだ?」

友哉「昂哉の部屋、分かるよな?」

恵「別にゴムはしなくて大丈夫よ〜。」

優子「え、えっと、その……」

 

 お袋は早く孫の顔でも見たいんだろうか?だからといって言動がヤバすぎるけど………

 

 

 

 

 まあ今回の場合、優子はただ呼ばれただけなので、とりあえず部屋に入れた。すぐに追い返すつもりだけどね!そんな事を思っていたが、

 

優子「で、今日は補習をサボってどこに行ってたの?」

 

 部屋に入るや否や、その選択を後悔した。

 

昂哉「出席しなくていいと思ったので、雀荘に行ってました。」

優子「この世に出席しなくていい授業なんて無いわよね?」

昂哉「……………」

優子「とりあえず折檻……って思ったけど、貸しにしといてあげる♪」

昂哉「貸し?」

 

 前清涼祭の時にやったけど、今度は何を企んでるんだ?

 

昂哉「で、何する気なの?」

優子「実は明日、学年対抗肝試しをやる事になってね。」

 

 ほ〜。何それ面白そう!

 

昂哉「おお!んで、どんな感じのイベントなの?」

優子「3年生が驚かす側、2年生が驚かされる側になって戦うの!召喚獣も夏限定お化け仕様になったりして、めっちゃ凄いのよ‼︎」

昂哉「ほぇ〜。」

 

 随分本格的だな。あのばあさんが文月の宣伝のつもりでやったのだろう。まあ楽しそうだからいいけどね〜。

 

昂哉「で、優子は何を頼みたいの?」

優子「えっと、2年生側は2人1組で一緒になって行動するの。」

 

 そう言うことね。

 

昂哉「で、俺とペアになれと?」

優子「うん………///」

 

 まあそのくらいはいいか………いや待てよ?きちんとルールを把握しなければいけないな。もしこのペアで何か他の事もしなければいけない、とかだったら大変だからね。

 

昂哉「で、ルールはどんな感じなの?」

優子「えっとね、こんな感じかな。」

 

 そして優子は学年対抗肝試し大会のルールを教えてくれた。

 

 

 

ーーールールーーー

 

・A・B・C・Dクラスに計4つのチェックポイントを設置する。

 

・二人一組での行動が必須。

一人だけになった場合のチェックポイント通過は認めない。ただし一人になっても失格ではない。

 

・チェックポイントでは各ポイントを守る代表者二名と召喚獣で勝負。

撃破でチェックポイント通過となる。

 

・一組でもチェックポイントを全て通過できれば驚かされる側、通過者を一組も出さなければ驚かす側の勝利とする。

 

・驚かす側の一般生徒は召喚獣でのバトルは認めない。あくまでも驚かすだけとする。

 

・召喚時に必要となる教師は各クラスに一名ずつ配置する。

 

・通過の確認用として驚かされる側はカメラを携帯する。

 

・二人のうちどちらかが悲鳴をあげてしまったら両者ともに失格。

携帯されたカメラからの音声が一定音量を超えたとき、悲鳴とみなす。

 

・学園への設備の手出しを禁止する。

 

・チェックポイントの科目はお互いに2つずつ指定する。

 

 

ーーーーーーーーー

 

 

 なるほど、つまり優子と屋敷の中に入ったらすぐに叫べば、俺たちはそのまま失格になって解放されるわけね。それなら全然いいじゃないか‼︎

 

昂哉「分かった。引き受けるよ!」

優子「ホント⁉︎あ、ありがとう///」

昂哉「ど〜も。」

優子「ちなみにわざと叫ぶのは無しね。」

昂哉「はい………」

 

 どうやら俺の作戦は見抜かれていたようだった………

 

優子「ということで、明日はよろしくね。」

昂哉「ほ〜い。」

優子「それじゃあまたね!」

昂哉「窓から自分の部屋に戻んないの?」

優子「部屋の窓開けてないから無理よ。」

昂哉「なるほどね〜。んじゃ、また!」

優子「は〜い!」

 

 ということで、優子はそのまま帰った。そして入れ違いに、

 

恵「昂哉、優子ちゃんに手を出せって言ったでしょ⁉︎」

 

 キチガイお袋が入って来た。

 

昂哉「嫌なものは嫌なの。」

恵「だったら飲み会に参加しなさい。」

昂哉「少しは俺の人権が欲しいよ‼︎」

恵「親に黙ってニートしてた人に人権があるとでも?」

 

 うぐっ……。それを言われるとキツい………

 

昂哉「分かった、分かったから。だから飲み会に参加するよ。」

恵「そうしてくれると助かるわ。」

 

 そして俺はそのまま飲み会に(おもむ)き、記憶を無くした。

*1
最後のゲーム




 ということで肝試し編、スタートです!本来だったら昂哉のオカルト召喚獣が判明するところでしたが、どう考えても彼は補習に行かない人間だと思ったのでこういう展開になりました。ちなみに昂哉の召喚獣は肝試し中に出てきます。

 さて、次回は肝試し大会当日な訳ですが………昂哉が記憶を飛ばしてます。彼は大丈夫なのでしょうか?それは次回判明します。

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