バカとクズと召喚獣   作:スピリタス3世

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この物語はフィクションです。
未成年の飲酒や喫煙は法律で固く禁じられています。
また18歳未満の風俗、雀荘、パチンコ屋などの
入店も法律で固く禁じられています。
更には賭博、アルコールの強要や暴飲、
作中での破廉恥な行為・発言などについても
それらを推奨する意図はありません。
あくまで物語としてお楽しみ下さい。


第五十九問 堕ちた天使

  side 昂哉

 

 俺は小学生から中学生の頃ずっと、運動以外の全てにおいて模範的な優等生だった。

 

友達1「すげ〜、また昂哉が学年1位か!」

昂哉「まあね〜♪」

友達2「真面目だし、人柄もいいし、全てにおいて完璧だな、お前は!」

昂哉「いや、そんな事ないって〜。運動とかダメダメだし〜。」

 

 勉強はもちろん、授業態度や行事に臨む態度、そして人間関係まで。顔も中学生にしては大人びていたからか、かなりモテていた記憶がある。ファンクラブがあったくらいだからね。更には、

 

ファン1・2・3・4「「「「おはよう、昂哉♪」」」」

昂哉「おはよう、皆!」

 

 あまりにもモテすぎて、朝登校するとお出迎えがよくあったくらいだ。バレンタインなんかには大量にチョコをもらったりもした。俺はそれが嬉しくて嬉しくて仕方がなかったので、より模範的で、誰にでも優しい生徒になろうとした。もちろん苦手な運動だって頑張った。まあこれについては、

 

友達3「お前、運動だけはダメだよな〜。」

昂哉「まあね。」

 

 才能が無かったこともあり、あまり上手くはいかなかったけど。

 

 

 

 そんな俺だからか、

 

優子「昂哉お兄ちゃん、今日も一緒に帰ろ♪」

昂哉「いいよ〜、優子!」

優子「そうだ!今度の土曜日さ、アタシの家でゲームしない⁉︎」

昂哉「おっ、面白そうじゃん‼︎いいよいいよ‼︎」

 

 優子が懐いたのも自然な事だったのかもしれない。

 

 

 

 

 ただ運動以外がなんでも出来て、色んな人に人気がある優等生。そんな俺を面白く思わない連中もいた。例えば、

 

千華「アンタってなんかキモいんだけど。」

 

 ビッ千華とか。ただ俺はそんな人にも優しく接した。自分は優等生なのだから、アンチにも優しく対等に接しなければならない、と。そうしていくうちにアンチを減らす事に成功したものの、ビッ千華など一部の人間はそのまま俺を嫌い続けた。でも9割の人間には好かれていた自信があったので、1割の人間に嫌われていても別に何も感じなかった。

 

 

 

 そうして中学3年まで勉強、部活、学校行事などに真面目に取り組んで、良い人間関係を築いてはモテ、それが嬉しくてまた真面目に取り組んで良い人間関係を築く、というサイクルを繰り返してきた。中3の時には2つ下に高天原大門というめちゃくちゃすごい奴が入学したとの事で話題になったものの、俺はその事を気にせず普段通りの生活を続け、普段通りモテていた。ただこの時の俺は何人かから1人の女の子を選べなくて、あえて彼女を作っていなかった。だから、

 

ファン1「昂哉、明日私と一緒に遊んでよ!」

ファン2「え〜、あたしとがいい‼︎」

ファン3「いやいや私と‼︎」

昂哉「まあまあ、皆仲良く遊んであげるから‼︎」

 

 こんな感じで、女の子にも平等に接していた。今思うと、あの時が俺の黄金期だったのかもしれない。そしてその黄金期は、ある事件をきっかけに崩れ去った。

 

 

 

 

 中学3年のある日、

 

金山「雲雀丘、ちょっと職員室に来なさい。」

昂哉「はい、分かりました。」

 

 俺は突然真剣な雰囲気の、少し怒った感じの先生に呼ばれた。教師からも評判の良かった俺は、こんな事態は初めてだった。何か嫌な予感がしていた。だが全く心当たりが無い。

 

 

 

 何かやらかしてしまったのか、と考えをよぎらせながら職員室に着くと、俺は信じられない言葉を先生から聞いた。

 

金山「お前、女の子をレ○プしただろ?」

 

 全く意味が分からなかった。この時俺は付き合ってる女の子などおらず、そういった経験も一切無かった。俺の事を妬んだ誰かが嘘でも言ったのだろう。だから俺は、

 

昂哉「いや、やってません。」

 

 否定した。だが先生はその答えに対して、

 

金山「証拠ならあるんだぞ?」

 

 また意味の分からない事を言い始めた。当然、

 

昂哉「いや、やってませんって!俺はそんな事を一切していません‼︎その証拠もデタラメでしょう‼︎」

 

 俺は反論したが、

 

金山「デタラメじゃないからこうして呼び出されてるんだろうが‼︎」

 

 突っぱねられてしまった。だが冤罪をふっかけられて黙っているわけにはいかない。俺は更に精一杯の反論をした。

 

昂哉「いやいや、デタラメですって‼︎じゃあその証拠を持って来たのは誰なんです⁉︎」

金山「言えるか‼︎目撃者であるソイツに復讐する気なんだろう⁉︎」

昂哉「なんでそうなるんですか⁉︎俺はその人に話が聞きたいだけですよ‼︎証拠を捏造した事について‼︎」

金山「やはり復讐じゃないか‼︎」

昂哉「ちょ、ちょっと待って下さいよ‼︎というか俺がすると思います⁉︎」

金山「先生はしないだろうと思ってたんだがな。でも証拠があるならやったとしか言えないだろ‼︎」

昂哉「だからその証拠は捏造で、俺は強姦なんか……」

金山「もういい。お前はしばらくの間自宅謹慎とする。」

昂哉「そんな………」

 

 ただその反論も虚しく、俺の訴えは通じなかった。今思えば、ここでその証拠を見せて下さい、とでも言えば良かったんだがな。焦ってて頭が回らなかったのが良くなかった。いや、例えそう言ったとしても、俺がやったと見えてしまう完璧な証拠を出されて詰んでたのかもしれないが。

 

 そしてその結果、俺が今まで築き上げてきたものが全て崩れ去った。だがしかし、これだけでは終わらなかった。

 

 

 

 

 自宅謹慎中のある日、俺の家に先生がやって来た。その時両親は仕事で、兄貴たちはそれぞれ高校と大学に通っていたから、家には俺しか居なかった。なので、俺が1人で応答した。

 

昂哉「は〜い。」

金山「おい雲雀丘‼︎」

昂哉「なんです?」

金山「お前、何をした⁉︎」

昂哉「はい?」

 

 意味の分からない質問だった。ただ、ここはありのままを伝えようと思ったので、

 

昂哉「大人しく自宅にこもっていました。」

 

 そう言った。だが、

 

金山「嘘つけ‼︎お前の強姦事件の目撃者がここ数日行方不明なんだぞ⁉︎お前が復讐したんじゃないのか⁉︎」

 

 信じられない答えが返ってきた。

 

昂哉「はぁ⁉︎そんな事しませんよ‼︎というか俺はそもそも目撃者が誰だか知りませんし‼︎」

金山「しらばっくれるのもいい加減にしろ‼︎」

昂哉「しらばっくれてません‼︎というか俺の親なり兄なりに確認すればいいじゃないですか‼︎俺がずっと家にいる事を‼︎」

金山「その確認する人たちが今家にいないから怪しいんだろうが‼︎」

 

 それを言われると正直何も言い返せない。でも俺は何もしていない自分を庇いたくて、必死に弁明した。そのおかげか、目撃者に危害は加えてない事は先生に認められた。

 

 ただこの時思った事があった。俺はその目撃者を知った場合、絶対に復讐する、と。今もこうして必死に自分を庇っている、と。人間は追い詰められた時にこそ本性が出る。結局俺は皆に優しく出来るような性格は持っておらず、すぐに自分のことばかり考えるような、自己中心的な性格である、と。結局俺の本質は優等生なんかじゃなく、ただのクズだった、と。そんな本質が知らぬ間に溢れ出ていたのか、周りの人から俺が強姦をするような人だと陰で思われいたのかもしれない。

 

 そう思った時から、俺は全ての事にやる気がなくなった。自宅謹慎明けも中学に通うフリをして適当に外で遊びながら卒業。その後両親がドイツ勤務になったタイミングで高校に入学したフリをし、3年間ニートのまま過ごしてきた。そうして紛う事なきクズが出来上がった。まあニート中に出会ったギャンブルにだけはハマったけどね。

 

 

 

 

 もちろん文月に入ってからは、人間関係のためにこの過去は隠していた。だがバレるのは時間の問題だとも思ってた。そしてその時が今来た。そして今こうして、

 

モブ1「おいおい、雲雀丘の話、マジかよ……」

モブ2「信じられねえぜ……」

モブ3「だからクズ呼ばわりされてたのか……」

 

 他の生徒たちも皆動揺し始めている。だから、

 

昂哉「うわ〜お、知られちゃった〜♪皆、こんなヤツが学校に居て欲しく無いよね〜♪だから俺、退学します♪」

 

 そう言ってその場を去ることにした。これで合法的にニートになれるのだから良いだろう。そしたら明日からハッピーギャンブルライフだ‼︎

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

優子「やめて昂哉‼︎そんな事言わないで‼︎自分がやったわけでもないのに‼︎」

 

 そんな事を思ってたのに、優子に止められた。

 

昂哉「確かにそうだけどさ〜、それを言える証拠が無くない?」

優子「それは………」

昂哉「それに、俺ってそう思われても仕方ないような性格をしてるじゃん?」

優子「だからそんな事は無いって‼︎皆も騙されないで‼︎アイツらはただ間違った情報を信じてるだけなの‼︎」

 

 優子はなんでここまで俺を庇うのだろう?この事件の事は優子だってあまり知らないはず。そもそも俺がやってないなんて、優子にも言い切れないはずなのだから。

 

昂哉「優子、そう言い切れるだけの根拠が………」

優子「皆、昂哉がそんな事をするような人に思える⁉︎思えないよねえ⁉︎確かに昂哉は問題行動が多いかもしれない。でも人が本当に傷つくような事はしない‼︎皆もそんな姿を見てきたでしょ⁉︎」

 

 いや、そんな事なくね?俺結構好き勝手に生きてきたから、傷ついてる人も結構いるかもよ?そして今のこれは、その時の報いを受けてるだけだと思うのだけど………

 

昂哉「それは嘘……」

優子「嘘じゃない‼︎とにかく昂哉はそんな事はしないから‼︎お願い皆、あの人たちに騙されないで‼︎」

 

 涙ながらに訴えてくれる優子。なんでそこまでしてくれるんだろう………。疑問に思うと同時に、ここまでしてくれる優子に嬉しさのあまり泣けてくる………

 

 そして、優子の演説を聞いたのか、

 

秀吉「ワシも昂哉の幼馴染みで、彼奴らよりもよう昂哉の事を知っておるが、3年生が言っているアレは嘘じゃ‼︎」

美穂「そうです‼︎雲雀丘君は強姦なんてしません‼︎」

トオル「そうだそうだ‼︎」

 

 他の人たちも俺の事を庇ってくれた。

 

ムッツリーニ「………奴は素人童貞‼︎」

 

 いや、そうだけどさ。その言い方はどうなん?

 

工藤「自分の彼女の一挙手一投足に照れて顔真っ赤にしてるような人が、そんな事出来ると思う?」

秀吉「大大大好きな彼女に近づくだけで照れるような男じゃぞ?」

 

 おい。それは違うぞ。2人ともどさくさに紛れて何を言ってるんだ?

 

 

 

 

 そんな事を思ってると、

 

姫路『するはずがないでしょうが、そんな事を、雲雀丘君が‼︎私の友達を侮辱しないで下さい‼︎』

霧島『…そうです‼︎…自分の彼女にすら手を出せない彼が、そんな事出来ません‼︎』

 

 常夏コンビに対して姫路と霧島が俺の事を庇ってキレてくれた。ありがとう、2人とも……………。でも霧島の庇い方は少しアレだけどな。

 

 

 

 そして、そんな友達と優子のおかげで、

 

モブ1「やっぱり違うよな……」

モブ2「まあ流石に強姦はないよね〜。」

モブ3「というか風俗以外の経験が無かったんだ。」

モブ4「意外と可愛いところあるじゃない♪」

 

 他の生徒たちの様子が変わった。マジか………。こんな風に事態が好転するなんて…………。正直想像出来なかった。俺はクズらしくクズみたいな生活を送るものだと思ってたから………

 

優子「ね♪アンタはそう思われるような人じゃなかったって事よ!」

昂哉「そ、そうだったんだ………。ありがとう、皆‼︎」

秀吉「お礼は特に姉上に言うべきじゃな。」

美穂「そうですね。」

昂哉「だね!ありがとう、優子‼︎」

優子「ど、どういたしまして……///」

 

 今日ばかりは、本当に優子が彼女でよかったと心から思えた。そう思えた日だった。

 

優子「それじゃあ、これで優等生に戻る気になれたね♪」

昂哉「いや、それとこれとは………」

優子「拷問フルコース、どうかしら?」

昂哉「遠慮します………」

 

 前言撤回。やっぱり拷問・暴力・折檻の類いはやめて欲しい。そう思えた日だった。




 ということで昂哉の過去が判明しました。彼が優等生から今の性格になった理由が分かったでしょうか?ちなみに金山先生のCV.は竹内良太さんです。

 また、強化合宿の清水の行動なんかは、昂哉にとってのかなり地雷でしたね。恐らく原作通り昂哉が小山たちの襲撃を受けてたら大変な事になってたでしょう。だからああして清水を半奴隷化しました。それでも必要以上にいじめない辺りが昂哉らしいですけどね。

 さて、次回で肝試し対決は終了です。お楽しみに!

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