未成年の飲酒や喫煙は法律で固く禁じられています。
また18歳未満の風俗、雀荘、パチンコ屋などの
入店も法律で固く禁じられています。
更には賭博、アルコールの強要や暴飲、
作中での破廉恥な行為・発言などについても
それらを推奨する意図はありません。
あくまで物語としてお楽しみ下さい。
第六十九問 闇鍋会を回避せよ‼︎
side 昂哉
赤紙という物をご存知だろうか。太平洋戦争の時に日本軍は一般人を徴兵する際に赤い紙を用いた。その事から転じて、何かの戦いや困難の場に集まる命令の書かれた紙を受け取る事を、赤紙を受け取る、と言うようになった。そして時代は進み、今は手紙などではなくメール、あるいはLINEでやりとりをする事が多くなった。だが言葉として赤紙は残っている。そして今日俺は……………
姫路(LINE)『皆さん、来週の土曜日は空いてますか?一緒に闇鍋会をやりたいのですが………』
赤紙を受け取った。
闇鍋………それは皆が持ち寄った具材を何も考えずに一つの鍋に入れて楽しむ料理である。ニンジンやしいたけなどの一般的な鍋の具材だけでなく、ショートケーキやチョコレートなどの一般的に鍋に入れるような具材では無いものも持ち寄る事が多い。一般的な闇鍋ならば、良くて美味しい、大概はクソマズいだけで済むのだが…………今回はそうでは無い。何故ならこのLINEを送ったのが姫路瑞希だからである。言いかえるならば、姫路瑞希が参加する闇鍋だからである。
姫路瑞希は笑顔で人間を胃袋から殺す暗殺者である。その威力は並大抵のゲテモノでは到底叶わず、あの鉄人ですら即座に気絶して無力となってしまう。恐らく塩酸や濃硫酸並の危険な物質を用いているのだろう。そして今回は闇鍋。つまり塩酸やら硝酸やらの危険物質が
だから俺はこのイベントを絶対に回避しなければならない。普通だったらただ単に断ればいいのだが、そうはいかない。何故なら俺には敵が存在しているからだ。そして姫路が居るLINEグループとは別の、俺と敵だけで構成されたLINEグループに、敵からのメッセージが投下された。
雄二(LINE)『お前ら、逝く準備は出来てるか?』
明久(LINE)『ばっちりだよ!』
ムッツリーニ(LINE)『………既に遺書を作成済み。』
秀吉(LINE)『ワシもきちんと首を洗って待っておるぞ。』
そう、コイツらが俺の
さてと、ではまず断る理由を考えなければならない。一番手っ取り早いのは、
昂哉(LINE・送信前)『ごめん、その日は予定があるから無理……』
だ。もちろん予定なんて無い。だから戦地に赴く
秀吉「お主、闇鍋会の日に予定は入れてはならんぞい。」
と忠告しに来るかもしれない。だからこの作戦はダメだ。
次は当日になって逃げる方法だ。基本的に逃亡は家が奴らに割れてる以上、不可能である。だがここで俺はあるものを利用する。それは………青少年健全育成条例だ。これは未成年の深夜外出を禁ずるものだ。そして奴らは未成年で俺は成人。つまり深夜のうちに家から出てしまえば、仮に待ち伏せしていた奴らに捕まったとしても法に訴える事が出来るのだ。
しかし家から脱出できても逃げきれなければ意味が無い。俺は体力面ではかなり劣るため、追いかけっこになったらまず勝てないだろう。そこで日中を含めた逃亡先を予め決めなければならない。普通の隠れ場所ではムッツリーニの盗撮カメラでバレて追いかけられるだろう。だとすると隠れ場所は……………雀荘かパチンコ屋しか無い。これらの場所は法律で18歳未満の入店が禁じられている。そして奴らは16・17歳で俺は20歳。つまり法律の壁を利用して隠れ場所を作り出す事が出来るのだ。風俗もあるにはあるが昼は絶対営業していない。またパチンコ屋は一般的な開店時間の8:00代まで奴らと追いかけっこをしなければならない。だからこっそり24時間開けることのできる雀荘がベストだろう。
ただ雀荘も無理矢理場を繋がないと厳しい。何故ならば卓が立たないとその時点で閉店してしまい、立て篭れなくなるからだ。メンバー*1にお願いするか?いや、流石にそれはマズいだろう。私利私欲のために店を開けさせるのは、最悪出禁に繋がりかねない。そんな事を思っていると、
秀吉(LINE)『あれ、昂哉はまだLINEを見とらんのかのぅ?』
雄二(LINE)『だろうな。いくらなんでも反応が遅すぎる。』
奴らからのLINEが飛んできた。悪いな。通知で見てるんだよ!既読を絶対につけないためにな‼︎そうする事で時間が稼げるのだ。ただこの時間稼ぎも長くは持たない。早く断る理由を考えねば………
すると、俺はある考えが浮かんだ。たとえそれが後出しだったとしても、
校外模試はどうだろうか?それなら優先させていい理由になる………いや待てよ?それだと俺が参加して姫路が参加しない理由が分からないか。姫路はそういうのの動向には詳しい。そして俺と姫路の学力はかなり近い。つまり俺が受ける模試は姫路のものとほぼ一致するはず。そうなると、俺が受けて姫路が受けない模試を作り出す事は不可能に近いだろう。
だったら麻雀プロ試験とか麻雀の大会はどうだろうか?いや、それらは1週間前に予約してひょっこりと参加出来る代物じゃない。他の大会系や試験系も無理だろう。なら一体何を理由にすれば…………
秀吉「姉上、昂哉が今何してるか知らんかのぅ?」
優子「部屋にいるくらいしか知らないわ。」
秀吉「なるほど。なら話が早いのじゃ‼︎」
マズい‼︎タイムリミットが近づいている‼︎窓越しに見える優子の部屋から地獄みたいな言葉が聞こえてきた‼︎うかうかしてられない‼︎早く、早く理由を思いつかないと‼︎もしかしたら優子の部屋から秀吉が飛び越えて……………ん、待てよ?優子…………?優子……………
ってそうだ、これしかない‼︎誰に殺されるかが変わるが、姫路飯で殺されるよりはマシだ‼︎それに、この理由ならば奴らを納得させられる‼︎闇鍋会に行かない充分な理由になる‼︎さあ俺よ、口から言葉を発したまえ‼︎自分の命のために‼︎
昂哉「優子〜、来週の三連休*2に
そう、優子とのデート作戦だ。何故だか知らんが奴らは俺と優子をくっつけたがっている。だからこれを言ってしまえば、奴らは俺に手出し出来まい‼︎そう思い、俺は窓を開けて向かいの部屋に住む優子に叫んだ。
優子「えっ⁉︎///」
秀吉「昂哉よ、そうかそうか。」
優子「えっと、アタシとでいいの?///」
昂哉「もちろん!日頃のお礼もしたいしね!」
ちなみにこれは本音である。最近弁当を毎日作ってくれたり、俺の名誉を挽回させようと頑張ってくれたりするのは正直嬉しいからだ。昔は散々悪魔悪魔って呼んでたけど、今は小悪魔くらいになっている。
優子「わ、分かった///」
秀吉「う〜む、それならば仕方ないのぅ。」
優子「えっ、何が?」
秀吉「いや、なんでもないのじゃ。」
優子はどうやら闇鍋会をまだ知らなかったようだ。ならば都合がいい‼︎先に俺との約束が入ってしまったのなら、姫路の誘いも断りやすいだろう‼︎
昂哉「んじゃ、後で行きたいとこ教えてね〜‼︎」
優子「う、うん///」
ということで、俺はなんとか命の危機を回避する事が出来た。後はLINEで連絡しなければ‼︎まずは島田や姫路が居る方のグループLINEに………
昂哉(LINE)『ごめん姫路!その日俺と優子は2人でどっか行くから行けないわ‼︎』
姫路(LINE)『なるほど、それなら仕方ないですね!』
島田(LINE)『ようやく素直になれたのね!』
雄二(LINE)『お前が言うな。』
島田(LINE)『はぁ⁉︎坂本は何を言ってんの⁉︎』
連絡を入れた。あと雄二の言う通り、島田がそれ言うなよ。
さて、次は敵だらけのLINEグループだが、
秀吉(LINE)『昂哉はその日姉上とデートするから来れないそうじゃ。』
明久(LINE)『マジか〜!殺したいほど羨ましいけど、しょうがないね〜。』
ムッツリーニ(LINE)『………殺したいほど羨ましいけど、それなら仕方ない。』
雄二(LINE)『後でおすそ分けしといてやるか。』
既に秀吉が報告してた上に、奴らは姫路たちとのグループLINEにも居るため、改めて連絡する必要は無くなった。というか雄二、あんなゲテモノを貯めておいて俺におすそ分けすんな。まあ一応返信しとくか〜。
昂哉(LINE)『三連休全部居ないから、おすそ分けは意味ないよ〜♪』
雄二(LINE)『翔子の家にある最新の保存設備があってだな……』
昂哉(LINE)『そんなに霧島の家に住みたいの?』
明久・ムッツリーニ(LINE)『『草。』』
雄二(LINE)『はぁ⁉︎なわけないだろ⁉︎』
秀吉(LINE)『お主も人のこと言えんと思うのじゃが……』
秀吉の言う通りだよね。雄二だって霧島の事満更でもないのに。いっそ俺みたいに2人きりのデートでもやれば良いのに、しないのは何故だろう?もしかしてバカなのかな?
それはともかく、優子とのデート………というか2泊3日の旅行が決まったわけだ。命の危機の回避とはいえ、やるからにはしっかり楽しませないとな‼︎まずは行きたいところでも聞くか〜。
昂哉「んで優子、どっか行きたいとこある?」
優子「えっとぉ〜、函館♪」
向かいに見える優子の顔は、どう考えても冗談を言って楽しませようとしてる顔だ。ならここは俺もこう返すか!
昂哉「よし分かった‼︎んじゃ宿と新幹線とっとくわ〜。」
優子「い、いや、ちょっと待って⁉︎冗談だから、冗談‼︎そもそもアタシそこまでお金持ってないし!」
昂哉「んなもん俺が奢るよ〜♪」
優子「いやいやいやいや‼︎流石に金額がとんでもない事になるよ‼︎」
昂哉「俺の弁当を半年間ずっと作ってきたんでしょ?食費もそっち持ちで!ならこれくらい余裕よ‼︎」
優子「えっと…………」
昂哉「あれ、もしかして函館は嫌?なら違うところにするけど……」
ちなみに優子はこの間函館山の夜景の写真を嬉しそうに見せてきた。どう考えても嫌なはずはあるまい‼︎
優子「いや、そういうわけじゃないよ‼︎」
だろうな‼︎
昂哉「なら決まり‼︎行くぜ函館‼︎」
優子「お、オー‼︎」
ということで赤紙による徴兵を回避するために、優子と函館旅行をする事になりました‼︎これで姫路の魔の手から逃れられ、生きて再来週を迎えられます‼︎やったね‼︎
ということで、第十一章の幕開けです‼︎最初は闇鍋………を避ける話でした。8・9巻の内容じゃなくない⁉︎と思う方もいるとは思いますが、闇鍋の話をやらないと明久と姫路が同棲する流れに持っていけないので入れました。
さて、次回は8巻に………入らず函館旅行に行きます。8・9巻の明久と姫路絡みの話をカットする代わりに入れました。函館のどこに行くかは次回のお楽しみに‼︎
最後に、評価・感想をお願いします。