未成年の飲酒や喫煙は法律で固く禁じられています。
また18歳未満の風俗、雀荘、パチンコ屋などの
入店も法律で固く禁じられています。
更には賭博、アルコールの強要や暴飲、
作中での破廉恥な行為・発言などについても
それらを推奨する意図はありません。
あくまで物語としてお楽しみ下さい。
side 昂哉
俺たちは、
優子「青函連絡船記念館・摩周丸⁉︎」
函館駅の近くにある、青函連絡船記念館にやってきた。それは記念館というか、まんま海に浮かぶ船だった。一応ちやんと陸から入れるようにはなってるけど。
昂哉「昔青函連絡船として活躍してたんだって〜。今はこうして記念館というか博物館としてあるっぽい。」
優子「博物館というか博物船ね、これじゃあ………」
昂哉「確かに!」
それにしても、前に使ってた船を丸々展示用に使うって大胆な発想だよね〜。函館市か青森市の職員かは分からないけど、考えた人はすごいと思うよ!
早速俺たちは船の中に入ると、予想通りの反応が聞こえてきた。
優子「すごい、ここが操舵室か〜‼︎色んな機械がいっぱいあるよ………ってあっちは通信室になってる‼︎モールス信号の表があるわ‼︎これにもフーリエ変換とかが生かされてたりして………」
何を隠そう、コイツはリケジョ*1なのである。特に工学部の機械や電気系に興味があるらしく、船や飛行機などの中を見ると子供の時みたくはしゃぐのである。もちろんコミケとかで同人誌買い漁ってる時も同じような反応をしているが。
昂哉「こっちには座席があるみたいだね。」
優子「ホントだ〜!この座席にも理系の知識がたっぷりあるんだよね〜。例えば人間工学かな?摩擦や弾力などを数値化して………」じゅるり
そして、優子は好きなものを目の前にすると、こうしてたまによだれも出すのである。子供か。
昂哉「優子、よだれ出てるよ♪」
優子「へっ………?///」
昂哉「ほら、ハンカチあげるから拭きな〜。」
優子「あ、ありがとう………///」
まあちょっとは大人になったからこうやって恥ずかしがっちゃうんですけどね。こういう時は、普段の仕返しをするのが面白い‼︎
昂哉「………」パシャ
優子「ちょ、ちょっと昂哉⁉︎なんでアタシを撮ったの⁉︎」
昂哉「だって高校生にもなってよだれ垂らしてる奴がいたら、広めたくなるじゃん!」
優子「恥ずかしいから消して!」
昂哉「や〜だ〜♪」
優子「甲板から突き落としていい?」
昂哉「消した、消したから許して!」
優子「許そう。」
ホント、おっかねえ女だ。でも最近はそのおっかなさも陰を潜めている。俺がちゃんと真面目に(当初比)過ごしてるからね!まあ嵐の前の静けさかもしれないけど。
俺たちは船内を見終わった後、甲板に向かう事にした。その途中、
優子「操縦室で男が2人、何も起きないはずがなく………」
昂哉「何も起きなかったら職務怠慢だよね。船を動かさないといけないんだから。」
優子「そういうことじゃな〜い‼︎」
優子が持ち前の腐女子妄想力を発揮してたのが面白かった。コイツ、どんなとこでも妄想してるよね。この前は新幹線で偶然隣に座った男同士が親睦を深めていく様子をあれこれと妄想してたし。なんというか、流石だ!
甲板に出ると、海から見える函館の街並みという、変わった景色が見られた。
優子「なんか新鮮よね。普通は街から海を望むのに。」
昂哉「漁師になった気分だよね。」
優子「いっそこのままこれを動かして青森まで行っちゃう?」
昂哉「それなら優子は操縦士と機関士と通信士とシェフをお願い!」
優子「アンタは何すんの?」
昂哉「甲板で
優子「そしたらマグロが集まってきて転覆させにくるかもよ?有名な大間は津軽海峡の対岸にあるし。」
昂哉「怖………。だったら大人しく寝ようっと!」
優子「何も手伝わないんかい!」
まあいずれ優子や秀吉たちと自分たちだけで船を借りて旅をしてみたいよね〜。自分たちだけの楽しい海の空間。なんかオシャレだと思いません?
こうして博物館ならぬ博物船での楽しい時間は幕を閉じた。そしてそのまま俺たちはすぐそこにある、
優子「函館朝市だ!」
昂哉「今は昼だけどね。」
優子「風情を乱すことを言うな!」
函館朝市へとやってきた。
優子「それにしても、本当にお店がいっぱいあるね〜。」
昂哉「どれがいいか迷っちゃうよ〜。」
優子「ならいっそ全部食べちゃうとか!」
昂哉「那須の動物園でバイキング食べ過ぎて動けなくなったのだ〜れだ?」
優子「昂哉!」
昂哉「自分のことを棚に上げるな。」
優子「へへっ、ごめん♪」
昂哉「許そう。」
沢山の魚屋さんを目の前にテンションが上がりまくる優子。さっきの船といい、コイツのこういう姿を見れただけで函館まで来た甲斐があるよね。どっかの誰かさん達が姫路産闇鍋の後遺症で死んでる中、港町の新鮮な魚をたらふく食べる。控えめに言って最高だぜ!
side 明久
昨日の姫路さんが作った闇鍋がまだ胃の中で
side 昂哉
あまりにも朝市には沢山の店があったので、俺たちはどこで昼を食べるか迷っていた。
優子「それにしても、どこのお店でお昼食べる?」
昂哉「そうだな〜。それじゃあ適当にルーレットで決めるか!」
優子「ルーレット?そんなの持ってるの?」
昂哉「スマホのアプリさ!」
優子「なるほど!」
ということで、俺はスマホに入っているルーレットアプリを起動させた。ちなみにこれは学校サボって遊びに行く時によく使ってるよ。1が出たら駅前の雀荘、2は川の近くの雀荘、3は駅前のパチンコ屋、4は昼に開いてる居酒屋、5は高尾山や横浜などの近郊旅行、みたいにね。
優子「ちなみに昂哉はこれを何に使ってるの?」
昂哉「学校の帰りにどこ寄るか迷った時とか。」
優子「なるほどね〜。」
マジで危ねえ………危うく死にかけた…………というか心読むなし。全く、可愛いんだか怖いんだか分かんないよ!
ルーレットの結果、俺たちは海鮮丼専門店山奥屋*3に入った。海鮮丼専門店のくせに名前が山奥とかいうのが謎だったが、どうやら店長の苗字が山奥だそうだ。それなら仕方あるまい。
そんな事を考えてると、俺は優子に話しかけられた。
優子「昂哉、何食べる?」
昂哉「う〜んそうだな〜、この『全部のせ』ってヤツかな〜?」
この店で提供している全種類の魚を全部シャリの上に乗っけたものだ。
優子「おお………結構量多そうだけど、食べ切れるの?これ普通の海鮮丼の2人前はあるって書いてあるけど………」
昂哉「なら優子と分担して食べるとか?」
優子「ぶ、分担………⁉︎えっと、それは………その………///」
昂哉「俺が魚を食べるから、優子はご飯をお願い!」
優子「はるばる函館に来てご飯だけを食べさせる気?」
昂哉「まさかお前………ご飯を
優子「えっ⁉︎い、いや、そういうわけじゃないけど………」
昂哉「ならば食らいつけ‼︎日本が誇る銀世界に‼︎」
優子「すいませ〜ん、『日替わり海鮮丼』を2つお願いしま〜す!」
山奥(店員)「はいよ!」
昂哉「勝手に頼むな!」
どうやら俺にメニューを決める権利は無いらしい………
ただ『日替わり海鮮丼』というメニューは迷える観光客にとって、かなりの画期的なものだった。これを食べればある程度の種類の魚を食べることが出来る。しかも『全部のせ』に比べると量も良心的。
優子「何が来るのかな⁉︎」ワクワク♪
昂哉「楽しみだね〜♪」
山奥「へい、お待ち‼︎」
さてと、今日の海鮮丼はなんでしょう⁉︎
昂哉→いくら、マグロ、サーモン、ネギトロ
優子→ほたて、うに、タイ、しらす
『日替わり海鮮丼』のくせに、何故か2人とも違った。
昂哉・優子「「なんで⁉︎」」
山奥「お客様が注文してる時に日付が変わりましたので。」
昂哉「いやいや、今は真っ昼間ですよ⁉︎どこに日付が変わる要素があるんです⁉︎」
山奥「当店は世界を意識するため、日本の反対側にあるブラジルの標準時間*4に合わせております。」
昂哉・優子「「意識の仕方がおかしくないですか⁉︎」」
もっと店の中の言語を増やすとか、他にやることがあるでしょう⁉︎よりにもよって何故時間をいじった⁉︎どう考えても不便だろ‼︎
そんな不便な時差とは裏腹に…………
昂哉・優子「「うんめぇ^〜♪」」
山奥「でしょう⁉︎」
海鮮丼はめちゃくちゃ美味しかった!口の中で沢山の魚を味わうその様は、まるで水族館に来て色んな魚を見ているかのようだった。口内水族館、と言った方が分かりやすいか。そしてその彩りをより際立たせるのが日本が誇る銀世界、ご飯だ。海鮮丼は当然魚に合うように酢を用いて味付けされ、それはシャリと呼ばれている。そのちょうどいい酸っぱさが、より口の中で泳ぐ魚たちの群れにスパイスを与えている。
優子「ん^〜♪」
それと、優子が作った海鮮丼を一度食べてみたくなった。俺は正直に言って優子が作る飯が好きだ。だからこそ、色んなところで食べたご飯が優子テイストになったらどうなるのだろう、とつい想像してしまう。今日の海鮮丼も、きっと更に俺好みの味になるんだろうな〜
そんな妄想が頭の中をぐるぐると駆け回っていると、あっという間に食べ終わってしまった。楽しいことをしていると時が過ぎるのが早いのと同様に、美味しいものを食べている時もどうやら早く過ぎるようだ。まあ普段の優子弁当の時もそうだが。
優子「ふぅ〜、お腹いっぱい♪」
昂哉「なのにあっという間に食べ終わった!」
優子「不思議だよね〜。これが美味しさの証って事かな?」
昂哉「まあ、俺はいつもそうだけど♪」
優子「えっ………?///」
昂哉「それじゃあ会計お願いしま〜す♪」
山奥「はいよ!」
照れる優子を横目に、俺は会計をまとめて済ませて店を後にした。
優子「あの、その、いつもって………///」
昂哉「言った通りだよ。いつも作ってくれてありがとね!」
優子「ど、どういたしまして………///」
昂哉「さてと、それじゃあ次の場所に行くぞ〜!」
優子「う、うん!///」
今でもたまに、ほんのたまに思うことがある。もし俺が模範的な生徒に戻って優子と別れたのなら、その時は優子飯が食えなくなるだろう。それが結構だから、正直模範的な生徒になどならなくていいからこのまま優子との関係を続けてもいい、とほんのちょっと、それこそ顕微鏡でも見えないくらいに思ってしまう自分がいる。まあそういう時は、
優子「まあ褒めてもいじめるのはやめません♪」
昂哉「クソが‼︎」
こんな感じでだいたい優子が台無しにするというね。本当に勿体無いと思う。そんな事を思いながら俺は優子と一緒にちんちん電車、もとい路面電車を使って次の場所へと向かった。
路面電車を降りてからしばらく歩くと、俺たちは次なる目的地へと着いた。今は目的地である坂の下にいる。
優子「えっと………何この坂?」
昂哉「登ってみれば分かるよ!」
優子「わ、分かった!」
ということで、俺たちは坂を登る事にした………………
のだが、深刻なアクシデントが発生した。
昂哉「ぜえ………ぜえ………」
優子「だ、大丈夫?」
俺の体力が持たないのだ。俺は生粋の運動音痴な上、20歳を過ぎてから段々と身体が動かなくなってきている。最近では体力測定をやった日から3日間ずっと筋肉痛が抜けなかったりなど、老化がかなり深刻だ。それもそのはず、日頃学校で酒を飲むために歩いて登下校している以外は運動をしていないからである。だから俺は、
昂哉「だい………じょう………ぶ………」
一歩一歩がとてつもなく重く感じるのだ。これが老いか………
優子「絶対大丈夫じゃないわよね?」
昂哉「あと………ちょっと………だから………」
優子「まだ半分以上あるけど………」
昂哉「えっ…………?」
せっかく優子に紹介したい場所があるのに、これじゃあ台無しだ。一体なんのためにここに連れてきたんだか………
そんな事を思っていると、
優子「ほら、アタシの上に乗りなさい。」
昂哉「はい?」
優子がしゃがんでおんぶさせる体勢になった。いや、でもまさか俺のことをおんぶしようなんて…………
優子「アタシがおんぶしてあげる♪」
ないよなぁぁぁぁぁぁぁ⁉︎
昂哉「えっと………その………それは………」
優子「ここでアンタにへばられたら困るから………っね!」グイッ
昂哉「なっ⁉︎」
って無理矢理おんぶさせられたぁぁぁぁぁぁ⁉︎改めて思うけど、コイツめちゃくちゃ力強いな……………
昂哉「優子は………はぁっ………大丈夫………なの?」
優子「このくらい平気よ!」
ということで、身長182cmの成人男性は身長158cmの17歳女子高生におんぶされながら坂を登りました。はっず。
そして俺はおんぶされたまま坂を登りきった。
優子「着いたよ〜。」
昂哉「凄いね………優子は………はぁっ……」
優子「介護されたくなったら呼んでね。」
昂哉「まだそんな歳じゃないと………信じたい……」
正直ここまで酷くなるのは、それこそ還暦を過ぎた辺りからだと思ってた。でも現実は違った。運動不足なだけでここまで歳取ると思わなかったよ〜。*5
そんな事を思ってると、
優子「それにしても、なんでこんな坂を登ったの?」
優子にここにきた目的を尋ねられたので、俺はそれに答える事にした。
昂哉「それは………後ろを見てごらん?」
優子「後ろ?」
ということで、俺たちは後ろ、もとい今まで登ってきた道を振り返ると………………
そこにはドラマとかで見たことがあるような、函館の街並みと海に通じる真っ直ぐな道があった。沿道には紅葉で紅く染まった木が植えられている。道の先には函館の海とさっき乗った博物船があり、そしてさらにその先にはまた函館の街並みが見えるという独特な景色である。そしてその坂があまりにも真っ直ぐに海や街へと向かってるので、まるで一つの滑走路のように見えてしまう。ここから更に北へと旅立つための滑走路みたいに。
優子「綺麗…………‼︎というかなんか見たことあるような気がする‼︎」
昂哉「ここは八幡坂と言ってね、アニメやドラマのロケ地なんかに結構使われてるんだよ!」
優子「通りで‼︎」
まあこんな幻想的な場所があったら使いたくなるよね。そして、この坂の登った先には意外なものがある。
優子「というか、こんなところに高校があるんだ………」
高校だ。ちなみに名前は函館西高校。なんともまあ、凄いところに高校を建てたもんだ。
昂哉「毎日絶景を眺められて羨ましいよね!」
優子「それ!アタシここに編入しよっかな〜♪」
昂哉「いっそのこと文月を卒業した後入学したら?」
優子「そしたら20代高校生が爆誕………って知り合いに2人もいたわね。」
昂哉「なんなら70代高校生もいるしな。」
優子「うちの高校ってホント凄い人ばっかりね。」
昂哉「それな!」
立地面の魅力なら圧倒的にここの高校に負けるけど、中の人の魅力というか個性的具合ならどこにも負けない気がする。ホント、高校、というか文月に入って大正解だったよ!
俺たちは坂の下の街並みをバックに記念写真を撮った後、八幡坂を後にした。そしてこれから向かうのは、いよいよ今回の函館旅行で一番行きたかった場所だ!
ということで、青函連絡船記念館摩周丸→函館朝市海鮮丼専門店山奥→八幡坂でした。前の話を書いた段階ではこの話で函館旅行を終わらせるつもりだったのですが、思ったより長くなったので次に続きます。最後は一体どこに行くのか………それは次回のお楽しみに!
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