メビウスのヒーローアカデミア   作:Mak

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大変お待たせ致しました。

皆様のおかげでまさかの日間ランキング最高5位にランクイン!
しかもバーも赤色で3マス目も埋まるとは!!

何よりたくさんの方にお気に入り登録していただけたとことUAがこんなにも増えたことが凄く嬉しいです。

本当にありがとうございます!


不定期更新なこの作品ですが、なるべく皆様を待たせないよう、待たせたとしてもそれだけの甲斐があったと思わせれるような作品をお見せできるよう頑張ります!

それではどうぞ


Mt.レディ: ライジング②

「何なんだ? この壁は?」

 

 

「ねぇヒーローさん? 早くこの壁何とかしてよ~!」

 

 

「くそう! 俺のパワーでもダメなのか!? そっちはどうだ!?」

 

 

「ダメだ。 僕のレーザーでも破れねぇ。 というか弾き返しちまって危ない。 待ってろ! 今他のヒーロー達にも応援を要請したからな! 必ず助けるからもうしばらく待っていてくれ!」

 

 

 

見えない壁の内外で、ヒーローたちがこの壁を破ろうと必死に試みていた。

 

 

だが誰一人としてこの壁を破ることは出来ず、この事態を突破できるヒーローの応援を要請し、閉じ込められてしまった来園者をパニックにならないよう声を掛けて周っていた。

 

 

 

(確かあのヒーローはステゴロ系でも相当上位なパワーの持ち主で私のパンチより強かったはず。 私よりも上のパワーでも破れないなら今できることは無いわね・・・。 しかしこの壁は何なのかしら? 誰がこんな物を? 目的はなに?)

 

 

「ねえ、お姉ちゃんどうしたの? 急に黙り込んじゃって?」

 

 

「えっ? ううん! なんでもないわ! 大丈夫よ。 すぐにヒーロー達が助けてくれるわ」

 

 

 

岳山もヒーローの端くれである。 

 

今は休暇中だがその頭は自然と現状を把握することに努め、この異常の原因と、どう対処すべきか思考していた。

 

 

だが、今彼女にできることがない以上、せめてアキコを安心させてこの場から脱しようと考えを改めた。

 

 

 

「Mt.レディならきっとこんな壁なんか壊して助けてくれるよね?」

 

 

「そ、そうね。 きっと助けてくれるわ。 それまであたしたちに出来ることをしましょう? 他に出口があるかもしれないわ」

 

 

 

心の中で彼女の期待に応えられないことを謝罪しながらアキコの手を取り、とりあえず遊園地の反対側の出口に向かって進む。

 

 

園内の真ん中を突っ切るルートで歩を進めると、丁度遊園地の中心に位置する芝生の広場に人だかりができており、気になって見に行くとそこには木製とも石製とも言えない質感の謎の突起物が有った。

 

 

 

 

「なにかしらこれ?」

 

 

「突然地面から伸びてきたんだ」

 

 

「地面から突然?」

 

 

 

確かめるため近くに寄るとアキコをいじめていた男子二人が報告してくる。

 

そして、なぜこのようなものが突然伸びてきたのか頭を傾げていると、突起物は突然の地震と共に地面の底へと沈み始める。

 

 

 

「みんな! 離れてッ!」

 

 

 

すぐさま周りに居た人たちに離れるよう指示する。

 

突起物は完全に地面に沈むと同時にその周辺も巻き込んで大きな穴となり、中心からは長い触手が現れ、隣に居たいじめっ子の一人の足に絡みついてきた。

 

 

 

「うわぁッ!? 助けて! 助けて!!」

 

 

「掴まって!」

 

 

 

引きずり込まれそうになるいじめっ子を助け出そうと、下ろしたての私服が汚れるのも構わず穴の淵にへばり付き、子供たちの手を離すまいと懸命に力を込める。

 

 

一瞬“個性”を使おうか悩むが、うつ伏せの状態では後方の安全確認が出来ず発動を躊躇っている間に穴からもう一本触手が現れた。

 

 

触手は岳山の頭上から振り下ろされ、そのダメージで彼女は手を離してしまい、いじめっ子は穴の中へと消えて行ってしまった。

 

 

 

「くッ! もしもし! ヒーロー公安課ですか!? 海浜公園の遊園地に謎の(ヴィラン)が出現! (ヴィラン)は謎の触手を使って子どもを一人地面へと引きずりこみました! 急ぎヒーローを招集してください!」

 

 

 

岳山は悔しさを噛み締めながら応援に来てくれるヒーロー達に少しでも敵の情報を与えるべく、携帯で急ぎ報告するのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

楽しいひと時を過ごせたはずの遊園地は一瞬にして狩場と化していた。

 

 

人々は逃げ場のないこの極限のストレス状態と未だ姿を現さない謎の敵の襲来により恐怖でパニック状態となり、何とかこの窮地を脱そうと逃げ惑う。

 

 

「開けてください‼ 此処から出してください‼」

 

 

「ヒーロー助けて!」

 

 

「ママッ! ママ~ッ‼」

 

 

遊園地の出口付近には人が殺到し老若男女問わず懸命に壁を叩き、必死に助けを乞うていた。

 

 

壁の向こう側に居るヒーローたちはそれぞれの“個性”を駆使し壁の破壊を試み続け、園内に居たヒーロー達は襲い掛かってくる触手相手に奮闘していたが、怯むことの無い触手の猛攻に押され、一人、また一人と子供たちを攫われて行ってしまう。

 

 

 

「ヤダ! ヤダ‼ 助けて! 誰か助けて‼」

 

 

 

そして触手は出来る限り遠くの方へと向かっていた岳山とアキコにも襲い掛かってくる。

 

 

 

「あッ!?」

 

 

「アッコちゃん!?」

 

 

 

触手がアキコの足に絡みつき転倒してしまう。 

 

その拍子に繋いでいた手は解けてしまい、アキコは穴へと引きずられようとする。

 

 

だがそれを許さない者がいた。 

 

 

岳山は無我夢中で“個性”を発動させ、身長20.62メートルへと巨大化する。

 

 

身に着けていた衣類は粉々に破け、中から肌着代わりとしてもいつも身に纏っている彼女のヒーロースーツが顕わになると同時に力一杯触手を踏みつけた!

 

 

触手は切れることも潰れることも無かったが茂みの中へと姿を消し、無事アキコを救い出すことに成功する。

 

 

 

「お、お姉ちゃんがMt.レディだったの!?」

 

 

 

粉々に破け、宙を舞っていたロングスカートだった布のポケットから手元に落ちてきたトレードマークであり、付ける暇のなかった角付きのアイマスクを手に握りながらアキコは憧れの人へ問う。

 

 

 

「ごめん! 騙すつもりはなかったの! でも今は後! お姉ちゃんが抑えるからなるべく遠くに逃げて! 早くッ‼」

 

 

「う、うん!」

 

 

 

アキコは憧れのヒーローの言う通りに一緒に行く予定だった出口の方向へと走っていき、岳山はそれを見届け終わると穴のあった方向へと目を向ける。

 

 

 

(うッ!? 気持ちが悪い! 動悸も早くなってる。 落ち着け! 気を抜かないで! ここで“個性”を解除するわけにはいかないのよ!?)

 

「さあ、来なさい! 今度はその穴から逆に引きずり出して正体を暴いてやるわ!」

 

 

 

〔グヮワァ~ キシュア~ キシュア~〕

 

 

 

そう意気込んだのも束の間だった。

 

またしても地震が発生し、穴から土埃が噴き出すとそこから体長60メートル、岩のような肌、頭には広場で見た突起物が生えており、両腕には二股に分かれた巨大な爪とその間から先ほどまで相手していた触手がムチのように生えている巨大生物が現れたのだ。

 

 

 

「ぁっ」

 

 

 

口から声が漏れ、心臓が鷲掴みされる感覚に陥る。

 

息は荒くなり、体中から汗は噴き出し、喉が酷く渇く。

 

 

彼女の全神経が危険信号を発する。 

 

 

全力で逃げろと。

 

あの日(ディノゾール)の感覚を忘れたのかと・・・。

 

 

震える足を殴りつけ、もう片方の手で口を押さえ吐き気を我慢する。

 

プロヒーローとしての使命感だけが今の彼女を立たせ、辛うじて(てき)と対峙させていた。

 

 

だがそんな覚悟に体が追い付かない。

 

 

そんな状態の彼女がまともに戦闘など出来るはずもなく、怪獣が全力で振った触手によるムチが彼女の体を捕らえ、岳山は巨大化が解けながら高く宙へと弾き飛ばされてしまう。

 

 

 

(あれ、あたし空を飛べる“個性”だったけ? でもこのままだと地面に激突して死んじゃうわね。 やだな。 なんであたし、こんな辛いことしてたのかしら?)

 

 

 

余りにも強力な一撃に岳山は意識を刈り取られ、宙を舞い木々の中へと消えてしまう。

 

 

 

 

 

 

そんな光景を出口付近の休憩スペースのベンチに座り、楽しそうに眺める場違いな男が居た。

 

 

 

「あれが【バリヤー怪獣 ガギ】か・・・なかなか面白れぇ“個性”、じゃねーや。 “能力”を持っているな」

 

 

 

男はそう言いながらポケットからプリント紙を取り出し右手で持つと、書かれた内容を確かめるよう朗読し始める。

 

 

 

「え~っと何々? 土中に蟻地獄の巣を作り、周囲一帯にバリヤーを張り巡らせて獲物が逃げられなくなったところを2本の触手を使って確実に獲物を捕らえる。 主な獲物は成長ホルモンが豊富な若い生命体だが、目的は食用ではなく繫殖であり、捕まえた生命体に生きたまま卵を産み付ける性質を持つ。 若い生命体を生きた状態で余すことなく収集したい方にオススメの怪獣です・・・か。 なお、バリヤー内に入る際には・・・とあぶねぇな~」

 

 

 

男がプリント紙の内容を読んでいるとガギの触手が彼を目掛けてやってきた。

 

目的は彼の後方の茂みに隠れていた子供であり、彼はただ進行方向上に居ただけである。

 

 

彼は間一髪それを避け、咄嗟に右手で触手に触れると、数多のヒーローが挑んでも傷付けることすら出来なかった強靭な触手が、持っていたプリント紙と共に触れたところからボロボロと塵となって半ばで千切れる。

 

 

〔キシュア~!? キシュア~‼〕

 

 

「あ、まだ読んでたのに・・・。 まあいいや。 怪獣にも俺の“個性”は有効だって知れただけでも収穫はあった。 先生の言う通り、体験するってのは大事だな」

 

 

 

そう言うと彼は席を立ち来園者たちが集まるところから少し離れたところに近づくと、見えない壁に手を触れ、そのまま通過して園外へと出る。

 

 

 

「さてっと、早く来ないと被害が増えるぞ? どうする光の戦士とやら?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『臨時ニュースをお伝えします。 海浜公園の遊園地に観測史上2体目となる怪獣が出現したとのことです。 周辺地域にお住まいの皆様は直ぐに避難をし、命を守る行動をして下さい。 現在、園内を警備していた数名のヒーローたちが戦闘を開始したとのことですが、戦況は不明とのことです。 また、怪獣との関連性は定かではありませんが遊園地一体が見えない壁に包まれ、来園者たちが逃げられないようになっているとの情報も入っております。 引き続きこの番組では詳しい情報を提供し続けます。 現在ヒーロー公安課の要請を受け、周辺に居るヒーローたちへ応援を要請したとのことです・・・』

 

 

 

怪獣出現から数分後、辺りは騒然となり至るところで情報収取すべくテレビや携帯端末を起動させ、流れてくる音声で溢れかえる。

 

 

それはここ、図書館でも例外ではなかった。

 

 

それを聞いていた一人であるメビウスはすぐさま図書館の屋上へ出るとウルトラマンの眼力でもって情報を収集し始める。

 

 

 

「見たことない怪獣だ。 ムチみたいな触手を持っているからグドンに似た生物なのか? それよりもあのバリヤーだ。 僕の力じゃあ、あの壁は壊せない。 水素に似た分子が大量に含まれているから極低温まで冷やせば脆くなるかもしれないけど・・・。 出来ないことを悔やんでも仕方ない。 僕に出来る方法でやるしかない!」

 

 

 

そういうと彼は軽く気配を探り、周辺に人間がいないことを確認すると左手に【メビウスブレス】を出現させ、本来の姿へと変身する。

 

 

 

「メビウース!」

 

 

 

メビウスは図書館の直ぐ側に現れるとすぐさま両手を胸の前でクロスさせて意識を集中。

 

一瞬体が光ったかと思うと頭から順に光となって消えていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(あれ、あたし何してたんだっけ、揺れてる? 暖かい?)

 

 

 

岳山は死んではいなかった。 

 

あの高さから落下して何故生きていられたのかは分からないが、目を覚ますと誰かに背負われて移動していたのだ。

 

 

混乱した頭で状況を確認しようと体を動かすと、背負ってくれた人がそれに気が付いたらしく、彼女に声を掛けてくる。

 

 

 

「あ、お姉ちゃん! 目を覚ましたんだね!?」

 

 

「っ!? その声はアッコちゃんなの!?」

 

 

 

朧気な頭が一気に晴れる感覚に見舞われる。

 

見える範囲ではアキコの姿は見えず、どんどんクリアになっていく視界には確かに彼女が着ていた可愛らしい服の一部が見えた。

 

 

 

「なんでアッコちゃんがおんぶしているの!?」

 

 

「あたしも“個性”は巨大化なの! まだお姉ちゃんのようには全然使えこないけど!」

 

 

 

富士アキコ。“個性”【巨大化】。だがMt.レディと違い衣服や装備品も丸ごと大きくなるという違いがある。 

 

そして何より、まだその“個性”に体がついて行けておらず、今は3メートルほどの大きさにしか巨大化できない。

 

 

 

「そういう事言ってんじゃなの!! なんで戻ってきたの! あの怪獣の狙いはあなたなのよ!?」

 

 

「だってお姉ちゃんが危ないところだったんだもん‼ 急に空を飛んだと思ったらそのまま落ちそうだったし!」

 

 

「それはそうだけど・・・。 ッ! アブナイ‼」

 

 

 

岳山は再度巨大化しながら器用にアキコをケガしない程度に突き飛ばす。

 

すると先ほどまでアキコが居た空間に触手が纏わりつこうとし、空を切る。

 

 

 

「触手が一本無くなってる! ならこいつさえ押さえつければ!」

 

 

 

そういうと彼女は触手にしがみ付く。 

 

こいつを何とかすれば少なくともしばらくは子供たちを攫うことは出来ないだろうと踏んだのだ。

 

 

 

「さあッ! もう一度言うわ! 早く逃げなさい‼」

 

 

「嫌だ! あたしも戦う‼」

 

 

()うこと聞いてッ! お願いだから‼」

 

 

 

ムチに引きずられ、振り回されても決して離さず説得を続ける。

 

だがガギも、いくら振り払っても邪魔をする岳山に苛立ちを覚えたのか、振り回すのを止め、確実に息の根を止める行動へと移す。

 

 

ガギの触手は体の一部であり筋肉の塊である。 

 

それは蛇の体の様に自在に動き回り、締め付ける力も強大なのだ。

 

 

ガギは触手の先端部を巻き上げ、力尽くで岳山の全身に巻き付き締めあげる。

 

 

 

「あッ! グ、グァアァァああああああああ!?」

 

 

「お姉~~ちゃんッ!!!!」

 

 

 

過去経験したことの痛みが襲い、これは夢なのでは逃避しようとする思考を、口に広がる鉄の味がこれは現実なのだと引きずり戻す。

 

 

足掻く岳山。  

 

だがガギは締め上げる力を容赦なく上げていく。

 

 

目が充血し始め、いよいよお終いかと思ったそのとき、光の刃がガギの触手を切り裂き彼女を解放する。

 

 

“個性”を解き、元のサイズの戻ることによってできた隙間から這い出た岳山が刃が飛んできた方向を見るとそこにはテレポーテーションを使いバリヤー内に転移してきたウルトラマンメビウスが居た。

 

 

 

「田等院の巨人!?」

 

 

 

そして同じタイミングで大砲でも撃ったのかというほどの轟音とガラスが割れる音が園内全体に轟く。

 

 

謎多き巨人の登場、それと突然の轟音。 

 

通常ならばパニック状態の人々は更なる混乱と恐慌状態に陥っただろう。

 

 

だが、その次に人々の耳に届いたのはあの男の特有の笑い声だった。

 

 

 

「HAHAHAHA!  皆さんもう大丈夫! 何故って!? 私が来た‼」

 

 

 

インパクトで決して巨人にも負けない、いや、人々が抱く安心感で言えば巨人よりも信頼と親しみのある“平和の象徴”であるこの男【オールマイト】がやってきたのだ!

 

 

 

 

両雄が今! 舞台に上がる。

 

 

 

 

 

 




まずはごめんなさい。

この話はもう一話続きます!

かなりサブタイトル詐欺な状態ですが、次こそはそうではないことを証明いたしますので
どうかお待ちください!

それではまた!
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