ジェダイ×ジェダイ   作:メソ…

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5話 試しの門×ゼノ・ゾルディックとの邂逅

目では追いきれないほどの速さの手刀が俺に向かって音も無く繰り出されるが、俺はそれをなんなくかわしてその辺で落ちている木の枝を拾い周で強化して叩きつける。

だがライトセーバーの光刃とは違って、そのオーラはフォースの性質を帯びているので例によってその攻防力は脆弱の一言に尽きる。

よって相手にとってこんにゃくよりも弱い棒は相手に叩きつけた瞬間木っ端微塵に砕け散る。砕けた木片を目隠しに後ろを取られるが、目だけに頼って戦闘をしていない俺には目隠しの効果は薄い。すぐさま前方に身を投げ出し、後頭部を狙った相手の手刀を避けきった。そもそも目隠しとかフード深く被ってほとんど前が見えてない俺には意味が無いんや!

そんな俺を見た相手が間を外すようにスタスタと歩き出した、と思ったら突然残像が生まれ始め俺の周りを取り囲んだ。残像にはオーラが残留していて意を掴みにくく、どこにいるのか、どれが本体なのかは掴めなかったが、攻撃に至る過程で生じる相手の意を捉える事は出来る。しかし残像のオーラに一瞬気を取られたせいで、心臓を狙ったその一突きを回避するには脚力だけでなく自身を吹き飛ばすように念動力も使う羽目になった。

俺は今ゼノ・ゾルディックという圧倒的強者と戦っていた。

特殊な歩法によって残像を残そうがどんなに動きが速かろうが意を読んで動きを予知して避ける事に集中すれば攻撃が当たることがまず無い俺だったが、万が一ゼノを殺してしまった場合が恐ろしすぎてライトセーバーを使う事が出来ない。

さらにゼノほどの使い手相手に不用意に素手で攻撃した場合俺の功防力では逆にダメージを受けかねないので、俺はただひたすら相手にほとんど干渉する事無く避け続けて相手の体力切れを待っていた。

なぜかゼノから殺意は感じられないのが唯一の救いなんだが…。

まぁ脚力では負けてないのでとっとと逃げればいいのかもしれないが、これほどの使い手(殺意無し)を相手に戦える機会はそうはないだろし、まだ念動力の修行を終えていない。それに何より逃げるのは癪だ。

 

 

どうしてこうなった!

 

 

かを語るには半年程話を遡る必要がある。

 

 

 

 

 

 

茶色のフードを目深く被って現れた俺を、守衛(笑)であるゼブロさんはド迫力のアホみたいにデカイ扉をバックに怪しいうんこを見るような目で見てきたのを俺のフォースは明確に感じ取った。

ゾルディック家の掃除夫に俺の顔という情報を渡してもいいかと一瞬逡巡した俺だったが、やはりこれから修行させてもらう以上顔を見せないのは失礼だなと思い直し、フードを外してぶっちゃけ青年期のアナキンにくりそつな俺の顔をゼブロさんに見せて言った。

 

「この試しの門で修行させてもらえませんか?」

「……ゑ?」

 

 

 

 

 

「今まで多くの命知らずの馬鹿を見てきたけど、君はその中でも飛び切りの変り種だね」

 

とりあえず守衛室に入れてくれたゼブロさんは俺のお土産であるスズメサブレを食べながら呆れたようにと言ってきた。

 

「へへ、よく言われます。」

「自覚してるなら世話ないね。」

「自覚の塊の様な男なんです俺は。」

「・・・・・・そうなんだ。」

「・・・それで修行しても大丈夫ですかね?」

「うーん、基本的に試しの門から入ったなら敷地内のある一線を越えなければ、執事達もゾルディック家の方達も基本的に何も言ってこないとは思うよ。ただ当然敷地内にいる時点で執事達の監視は始まるし、あまり派手な事をすれば命を失うだろうね。」

「と言う事は門のところでうろちょろしていてゾルディック家の方の邪魔になったりしたらまずいでしょうか?」

「いやゾルディック家の方達は基本的にこの門じゃなくて飛行船で出入りしているからね。邪魔になる事は無いと思うよ」

「なるほど…。」

 

そのあと親切なゼブラさんが一応執事に電話をかけて確認を取ってくれたところ、

 

「敷地内の一線を越えなければこちらは一切関知しない。」

 

との事。正直守衛室で寝泊りさせてもらおうと企んでいた俺にとっては僥倖だった。

しかし一線を越えなきゃ関知しないって案外ゆるゆるだなゾルディック家。

今度一線を越えないようにここでロックフェスティバルを開催してやろうか?

…そこまでしたら殺されるだろうな流石に。ロックフェスティバルの開催は別の意味での一線を越えてしまうだろう。

まぁそんなこんなで、家事を手伝う事を条件に使用人の家に泊めてもらう事を許してくれたゼブロさんは、俺が素手でこの門を開けれるようになるための修行をしにきたのだと勘違いして門を代わりに開けてくれようとしたので俺は

 

 

「ゼブロさん。俺がこの門を開けられないといつから錯覚していた?(意訳)」

 

 

と言いつつ亀仙人みたいにバンプアップしたゼブロさんを止めて代わりに門を開ける事にした。

実はオーラ込みの素手でどこまで開けられるのか一度試してみたかったのだ。何せ筋力の増強に関しては俺のフォースは一級品だ。じっちゃんの愛車を右手で持ちながら左手のひとさし指で逆立ちしてさらにそこから腕立て伏せできるぐらいの筋力はある。

つまり俺の筋力を試せる物体は基本存在しない、それはつまり普段は纏だけで十分なほど強化されているので堅をする必要が無い事を意味するのだが、7の門を開けるにはやはり纏だけでは足りないだろう。

 

「『堅』!」

「!?」

 

馬鹿でかい門を一瞥し、気合を入れなおすと堅を発動し一気に力を込めて門を押し始める。凝で腕と足にオーラを集めればいいと思うかもしれないが、それだとバランスが悪くなるし、何より強化が弱まった背骨とかが折れる危険があるし却下。

力を込めていくと、俺の力を判定しているのか門の中で小さくカチリ、カチリ、カチリという音が聞こえてきて最後のカチリの後六の門がゆっくりと動き出した。

総重量百二十八tなり。純粋な対物理攻撃力で俺に勝てる奴は・・・まぁ結構いそうだけどね。少なくとも同世代では最強と自認してもいいはず。

「こりゃまた驚いたな~。念能力者だとは思っていたが、まさかここまで強いとは思って無かったよ」

「ほんとは七の門を狙ってたんですけどね・・・。まぁ結構強いんです俺は。」

 

ゼブロさんが素直に驚いているのを見てちょっとうれしくなった俺だったが流石に限界に近いので急いで門の中に入ってもらった。

 

 

 

 

ゼブロさんはその後ゼブロさん達が住んでるウッディーなログハウスに連れて行ってくれた。

そこで丁度交代の時間で家から出てきたところだったシークアントさんにも紹介してもらってシークアントさんと入れ替わりにその家に入った。ドアが予想よりも重くて顔面を強打したのは苦い思い出となったが、スリッパ、湯飲み、椅子、さらにはティッシュペーパーまで重いというこの家が最高の環境であると感動しつつ、ゼブロさんと話を始めた。

自分が何の修行をしにきたのかを話すとゼブロさんは思いの外ぐいぐい食いついて来た。

 

「なるほど念動力の修行か。操作系のオーソドックスな能力なんだね。ってことは君は操作系能力者なのかな?」

「当たり前じゃないですか。もしこれで俺が変化系能力者だったら馬鹿すぎますよ」

「・・・それにしては力が強すぎるような気がするけどね」

「・・・・・・・」

「ははは、冗談だよ。自分の系統の情報は能力者の肝だしね。話す必要ないよ。さて明日からはどうするのかな?」

「この家の物って良い感じに全部重たいので、家事の手伝いは基本的に念動力を使って操作性を鍛えようと思います。それで家事が終わったら試しの門で操作重量を鍛える感じで」

「なるほどね、じゃあこの重しつきの服使うかい?」

「その服で一番重いのってどのくらいですか?」

「上下で1000kgが最大だよ。」

「じゃあそれ貸してください」

 

1000kgなら堅を使わなくても着れるだろう、いやー来てよかったなぁ。

それから半年の間は家事の間重しをつけた状態で手足を動かすところから食器洗い、料理、薪割り、洗濯すべてを念動力ですることにしたんだけど、ただでさえ上手くない俺の料理スキルはさらに低下して最初のうちは漢の肉料理しか作れず、シークアントさんに怒られてしまった。

そのほかの時間は当初の目的どおり試しの門をぎしぎし揺らす事に当てていたのだが、さすがにずっと同じ事をしているのは飽きるので大自然の中で座禅を組んで過ごしていた。こうしていると何となく「フォースと共にあれ」が強化されるような気がするのだよね。

ジャポンでも樹海キャンプをした事があるが、あそこは生き物の活気で満ち溢れていた。

だがこの森の雰囲気は、静寂そのものだ。生き物が何かに遠慮しているかのように大人しい。やはりここの縄張りのボスであるゾルディック家の影響だろうなぁ。怖い怖い。

俺も目を付けられないようにしたいものなのだが、俺は普段絶をする事が出来ない。

なぜなら絶を行うと、腰につけたライトセーバーを維持する事が不可能になり、折角ためたオーラごとライトセーバーが消えてしまうのだ。

そこで俺は普段から隠の訓練を行う事で隠を絶の代わりに利用している。

そもそも絶を行ってしまうと、感応力の強化が消えてしまって本末転倒な感じになってしまうのも理由の一つだ。

自分の全オーラを隠で隠そうとする奴なんて俺以外そうは存在しないだろう。

それにライトセーバーの光刃を起動するのと同時に隠を解除する事で一気に存在感が増して凄くかっこいい感じになる事にも気づいていた。

俺が隠の訓練に夢中になって周りへの注意がおろそかになったその瞬間。

 

 

 

 

俺はゼノ・ゾルディックの襲撃を受けたのだ。

 

 

 

 

 

さて、かれこれ1時間ぐらい戦闘を続けて、さすがに俺もゼノの攻撃を避けるのにも慣れてきた頃、相手も俺が本気を出す気が無いのを理解したようで、攻撃をとめて話しかけてきた。

 

「こんなに攻撃して当たる気配もしないのは初めてじゃ。なかなかの使い手のようじゃな」

「・・・・・・」

声という情報を与えたくないのでとりあえず黙っておく俺。そんな俺を興味深そうにゼノ・ゾルディックは見つめて、ニヤリと楽しそうに笑うと

 

「だが、素手の戦闘では埒が明かないの、では念能力者らしく・・・。」

 

そう言って凄まじい量のオーラを手に集中させドラゴンっぽい形を作り出した。

俺の苦手分野!中距離からオーラぶつけてくるタイプの使い手か!

てか変化系くさい能力だけど、どんな性質に変化させてるんだろう?まさかそのままドラゴンだったりして・・・。

さぁてと、そろそろ逃げる覚悟を決めないとね。

そう思い、重心を若干後ろ向きにした瞬間。ゼノは詰まらなそうな顔をしてオーラを消してしまった。

 

「ふん、やめじゃやめじゃ。いきなり逃げ出そうとするからに。お主名前をなんと言う?」

「・・・アキン・アースウォーカーです。」

「年はいくつじゃ?」

「15です。」

 

ここで教えないと戦闘が終わりそうに無いし、ゼノから悪意を感じる事も無かったので名前と年齢を教えることにした。すると

 

「どうじゃお主、うちで執事として働いてみないか?」

「いえ俺はジェダイの騎士を目指してるので、暗殺者の執事はちょっと無理です。」

 

いきなりダークサイドへの勧誘がきたああああ。だが俺はそんな誘いには乗らん!

だがゼノさんーそう呼べと言われたーも本気で勧誘したわけではないみたいで、敷地の一線を越えず、そこまで自然破壊をしなければ好きなだけ滞在して良いと言う正式許可をもらった。

ただまた遊びに来るそうで去り際に

 

「次はその左腰に提げた得物を抜けよ、まったく舐めた餓鬼じゃ」

 

と言って一瞬でこの場から離脱した。

す、すげぇ!あのじいさんライトセイバーに気づいてたのか!折角隠で隠してたのになぁ。伊達に年は食ってないらしい。

 

そんなこんなで翌日俺は、とりあえず敷地の一線とやらを見に行ってみた。

 

とことこと使用人の家から歩いて40分ほど。なにやら試しの門とは比べ物にならないほど小さな門の前に、試しの門よりも厳しい障害があった。

それは何やら敵意むき出しの男女2人の事だ。

一人は黒スーツの眼鏡男で、ギロリという擬音がふさわしいぐらい視線をこちらに向けてきていて両手にコインを大量に隠し持っている。おそらく指弾使いだろう。たぶん強化系か放出系。操作系の線もあるけどコインの操作をわざわざ念で行うぐらいならもっと別の能力にすると思われる。大穴で具現化系、その場合妙な効果があるコインを具現化して飛ばしまくってくるかもしれない。

もう一人はの黒人系の女で髪の毛を海老天の様にまとめたドレッドヘアーをしている。その手には「私これで殴りますよ」と主張しているかのように先っぽがごついステッキが握り締められていて、やはりその視線は俺を射抜いている。

ゼノさんは俺が敷地の一線を越える事に関しては禁じたが、執事に対する攻撃についてはノータッチだった。というよりも訓練相手にしていいとも(目で)言ってたので、折角だしお付き合い願おうか。

ちょうど目をつぶって飛来物をライトセーバーで防ぐ訓練をしたかったところだったし。

俺のオーラに対する脆弱性を考えると、感応、直感能力のみで攻撃を感じ取る訓練は必要不可欠だと思う。感知できない効果を持った念が怖すぎる。

じいちゃんとも似たような訓練をしていたが、目を瞑っている俺に対して本気で念弾をうちこむのはじいちゃんには無理だったので、指弾を使う術者を相手に出来るのは僥倖である。まぁ一応日常的にフードによって視界の一部を制限はしているのだけど。

さて俺が一線を越えずに彼らと戦うには彼らがこっち側に来る必要がある。だが何も知らない彼らに向かって「おい、ちょっとこっちに来いよ」と言ってもシカトされてしまうだろう。

つまり念動力でこっちに引っ張ってくるしかない!まだ1の門が少し動くぐらいまでしか鍛えられてないが、一瞬しか干渉できなくてもこちらに引っ張り込む事ぐらいは出来るのだ。

相手に手を向けてくいっと引っ張るかのようにテレキネスを発動したところ

 

「へぶっ。」

「きゃっ。」

「・・・・・・・。」

 

俺が突然念動力を仕掛けてくるとはゾルディック家の執事でも予想できなかったようで、『一線』を越えて地面に顔面で受身を取るように倒れこんでいった。無様だな。

俺としてはちょっとつんのめさせるぐらいを想定していたのだが、案外こいつら弱いっぽいなと、とどめとしてフードの奥でニヤニヤしてみせると、憤怒の表情で襲い掛かってきた。いえい釣れたぜ。

それじゃあ暗闇デスマッチ(俺限定)としゃれこみますか!

 

 

 

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