Atelier lirica~アースランドの錬金術士~   作:ねり金術師

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滅茶苦茶遅くなりましたが更新です(震え)


師匠と弟子と仲間と

 グレイとリリカが戦った場所から少し離れたところに、ナツはまだ動けずにいた。

 別にどこか怪我をしたわけでもなく、まだ氷が溶けていないだけだった。

 

「くっそー!グレイのやつ、思いっきり蹴っ飛ばしやがって、これ溶けたらやりかえしてやる!」

 

 そんなことをぼやきながら、必死に起き上がろうとする。

 そこに、迫る人影があった。

 

「あ、ナツ。こんなところにいたんだ。」

 

 まるで探していたような口ぶりで突然現れたのは、ぐったりとして動かないグレイを抱えた少女だ。

 

「-その声リリカか!?起き上がるの手伝ってくれ!」

「あはは、元気そうで安心したよ。-ちょっと待っててね」

 

 そういうと少女-リリカは手頃な長さの棒を手に取りナツに捕まるよう差し出した。

 奇怪な行動に疑問に思ったもののナツは棒に手を伸ばし、ようやく歩ける体勢になる。

 

「いやー、助かった!そういやグレイはどうした?なんか気持ち良さそうに眠りこけてんぞ」

「ああ、うんそのことで探してたんだ。」

 

 「ハイ」と今度は抱えていたグレイをナツに差し出す。

 これも特に疑うことなくリリカから受けとる。

 

 すると彼女は重荷がとれたように肩を回し朗らかに笑った。

 

「預かってもらいたかったんだ。それじゃ。」

 

 用は済ませたと言わんばかりに踵をかえして去ろうとするリリカ。

 しかし直ぐに行く手を阻まれてしまう。

 相手は凍ったからだで動きづらそうなナツだった

 

「待て待てまて!お前にあいつらに味方するつもりだろ!」

「まぁ、協力関係ではあるね。」

「あいつら村を襲う気だぞ。なんで協力するんだよ!?」

「なんでって-」

 

-島についたとたん囲まれて取り押さえれてしまい選択肢がなかったのと、協力すれば目当てのものが手に入るためであるが-あえてリリカは口を閉ざした。

 

「村を襲う話、ちょっと細工をしといたから直ぐにどううこうはないとおもうよ。わたしの方からも説得してみる。」

 

 今村を襲うメリットも少ないし、とリリカは続ける。

 

「あの人たち個性的ではあるけど、そこまで悪い人じゃないの。今は目的が目の前まで来て余裕がなくなって周りが見えなくなってるだけなんだと思う。」

「お、おう」

「だからまぁ、もしわたしじゃ抑えられそうになかったらその時はお願いね。」

 

 言いたいことはすべてだという様子でリリカは立ち上がるが-

 

「だからまてってせめてこの氷だけでも溶かすの手伝ってくれよ!」

「えー」

 

 必死に呼び止めるナツに、リリカは渋面でこたえる。

 

「(わたしのこと)捕まえて連れ帰る気満々でしょ?」

 

 これにたいしてナツは-

 

「おう!」

 

 それはもう邪気のない純粋な笑顔だったという。

 それに答えるようにリリカも満面の笑みを携え-

 

「-なら私が離れるまで溶けないように補強しとくね~。」

 

 簡単に溶けないよう氷に手を加えるのだった。

 

「何すんだお前ぇ!?」

「大丈夫、十分離れたら逆に割れやすいようにするから」

「そういうことじゃねぇよ、-そんなに帰りたくないのかよ!」

 

 最後の言葉に作業が一旦止まる。

 それも一瞬のことで、アイテムを使い手際よく処理を施していく。

 

「ごめんね。まだやることがあるし、それに整理したいこともできたから。」

 

 すべての作業が終わって、ゆっくりと立ち上がる。顔はうつむいていて表情は読み取れない。

 

「-区切りがついたら、一度帰るよ。だからバイバイ。」

 

 そして今度こそリリカはナツの前から姿を消した。

 

 

 身体能力的にはナツがはるかに勝っているが、いまは氷で細かな身動きを封じられ、果てに荷物(グレイ)持ちである。

 いかな体力バカといえどこの状態で追いつくのは無茶だった。

 

 それでもあきらめるものかと幼馴染が消えていった方角をにらみつける。

 だが、それだけで事態は好転するわけもなく 

 

 

「あーくそっ!勝手にいなくなりやがって。次会ったらぜってー連れて帰る!だけど今はルーシィたちと合流だ」

 

 気持ちを切り替えることにして、ナツは次の行動に移るのだった。

 

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