Atelier lirica~アースランドの錬金術士~   作:ねり金術師

7 / 12
イベント重なり仕事が始まり少し時間に余裕がなくなりつつありますが私は元気です(不定期更新)

ガルナ島編始まります。
…今回何話行けるかな


その孤島にヒトはいるか

【妖精の尻尾】

 老若男女問わない魔導士たちが集まり陽気に駄弁り、酒を飲み笑いが絶えないホームだが、今は緊迫した空気が漂っていた。

 ナツとルーシィがギルドのルールを破ってS級クエストに向かったためである。

 その後、後を追うようにグレイが連れ戻しに行ったはずなのだが、待てども待てども帰ってこない。

 ナツにいいように丸め込まれたか、それともなにか不祥事でもあったのか

 もう一つの心配事も重なり、不安で気をもみながらどうしたものかと悩むマカロフ。

 そんな彼を尋ねるものが一人。

 

「申し訳ありませんマスター、私がいながらあいつらに好き勝手させてしまうとは」

 

 悔恨の表情で頭を下げるエルザだ。

 実際はエルザに全くの非はないのだが、『妖精の尻尾』で一番の良識(常識ではない)を持っていると自称している彼女は今回のことを重く見ていた。

 

たいしてマカロフなにか出し渋るような苦い顔をしていた。

 

「エルザか…いやしかし今はこれ以外にないか。」

「マスター?どうかしましたか」

「うむ、エルザよ、一寸耳を貸してくれ」

「は、はぁ」

 

 

 エルザが膝をつき、マカロフは他人に話を聴かれないよう耳元で話している。

 人には聞かれたくない話のようだった。

 

「ハイ、はぁ…ハ!?どういうことですか!?」

「声が大きい!誰かに聞かれたらどうするんじゃ!」

「そんな情報、一体何処から…?」

「それは訳あって言えん、が確かな筋の情報じゃ。じゃからお主に正式にいってほしいのよ」

 

 マカロフはそういうと、ナツたちが受けた依頼書をエルザに向ける。

 エルザのほうはというと、もともと依頼は受けずとも自分が連れ戻すつもりだったので特に支障はなかった。

 やるべきことが増えただけだ。

 しかし-

 

「この依頼のあった場所に向かってほしいというのはわかりました、ですが依頼そのものは受けなくてもいいのでは?」

 

 その依頼に不備があったわけではない。

 しかし不可解な指示ゆえにエルザはマカロフに真意を問い正そうした。

 

「あくまで妖精の尻尾(わしら)はそこへは依頼を受けていった。やんちゃしたガキどものしつけをして、頼まれたことだ(・)け(・)をこなして帰るんじゃ。じゃが道中で困ってる人がいたら助けてやりなさい、依(・)頼(・)の(・)延(・)長(・)線(・)と思っての」

 

 あからさまに迂遠な言い回し、額面通りに受けとるほど彼女は馬鹿正直ではない。

 では何があるのかを考えを巡らせ、そして確かめるように言葉を紡ぐ。

 

「………なにか公にしてはいけない事情があるのですか」

「すこし…の。わ(・)し(・)ら(・)は良くも悪くも目立ちすぎるからの。」

「それが、マスターが消極的な理由ですか」

「他にもまだあるがの」

 

 マカロフが最後の問いに答えたあと沈黙が流れる。

 しばらくして、納得はできないが理解はしたような面持ちでエルザはうなずくしかなかった。

 

「わかりました、その依(・)頼(・)受けましょう。―いつか、他の理(・)由(・)」(・)とやらもお聞かせいただけるなら」

「―わかったわい。いつか、話そう」

 

 交渉がすんだエルザは依頼書を受け取り、カウンターへと足を運ぶ。

 

「本当はミストガン辺りに頼むつもりじゃったが、よろしく頼むぞ。」

 

 それを見送りながら、マカロフはそう独り言をこぼすのだった。

 

 

◇

【ガルナ島】

 地図で見ると小さな小さな一つの島にすぎないここ、ガルナ島には、いま災厄といっていい異変に苛まれていた。

 ヒトビトの精神が狂い、姿かたちが異形に変わるという奇病、否呪いが蔓延していたのだ。

 その異変を解決するために、(こっそり依頼を受けた)ナツ、グレイ、ルーシィがこの島に訪れる。

 だが、その前にもつい最近、ここに訪れた人間がいた。

 

「よぉし、ついたぁ!ちょっと心配だったけど。―うん、荷物も無事だね。ありがとね」

 

 無人だった岸に小舟を停泊させ足を踏み入れたのは頭巾を被った少女、ジェシカであった。

 その手には極めて普遍的な方位磁石が一つ、そこになぜか妖精が付随している。

 その妖精に感を伝えて、ジェシカは船から必要な荷物を身に付けていく。

 

 今回は身一つと背負えるサバイバルセット、及びわりとなんでもよく入る腰巻きポーチといった出で立ちだ。

 海一つ渡ったさきに牛車一式を連れていくのは無理なので、ハルジオンで預かってもらっている。

 預かりものの中には予備の大釜もあった。さすがに腰ポーチの口には入らなかったのだ。

 ―まぁ後者は最悪廃棄品等で現地調達をするつもりなので問題なかったりはする。

 

 一応できる限りの装備を整え、現地での製作は必要ないと断言できるほどには準備万端だった(予想範囲の埒外のアクシデントは除く)。

 

 現地の人と合流しようかそのまま独りで探索に入るか考えているところに、来訪者を伺う影が迫っていた。

 

 

 ―そして時は少し進み、また無人になった岸辺に新たな来訪者が現れる。

 

「―クソッみんな無事か!?」

「私は何とか―ナツとハッピーは?」

 

 S級クエストを受けて、ガルナ島へと訪れようとしたルーシィとグレイだ。

 嵐に見舞われて舟から投げ出されながらも、目当ての島へと流れついたのだ。

 どうやらナツとハッピーは此処とは別の場所へ流れ着いたようだ。

 

「―ぃよしッ復活!ハッピー無事か?」

「あ、あいー、なんとか―、ミンナ何処かな?」

「んー、たぶんあっちだな。ルーシィのにおいがする……ん?」

 

 ふと、別の場所で起きたナツが何かを見つけた。

 ひょい、と持ち上げるそれはなんてことのないはずの方位磁石、だった




末尾の解説コーナー
【時系列順】
分かりずらい感じに書いてしまったので説明すると

ジェシカ、ガルナ島到着。
↓
エルザ、ナツたちを追いかけガルナ島へ出発。
↓
ナツたちガルナ島に漂着
といった流れです

オリジナル道具
【妖精の方位磁石】
錬金術で作られた、旅の安全と成功を祈る方位磁石。
効果は決められた目的地へと安全に誘導してくれるというもの、小人(妖精さん)付き
ぶっちゃけ艦これの羅針盤妖精みたいなもの
気まぐれに方向をかえたりするが信じた先に必ず目的地にたどり着けるだろう
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。