Atelier lirica~アースランドの錬金術士~   作:ねり金術師

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めっちゃ遅くなりました…申し訳ねぇ(平土下座)

い、いつも通り不定期更新でっす

順調にいけばあと4話くらいでガルナ島編終わってくれそう。


月の雫と悪魔と溶けない氷『アイスドシェル』

-○年前-

『頼むじいさん!あの魔法の解除方法を教えてくれ!』

『…………あれは術者の意思によって対象物を封印する魔法 発動すれば最後、後戻りはできぬ。』

『そんな…………だってここにはスゲェ魔導師がたくさんいるじゃねぇか!?』

『封印を破る方法はあるにはある。じゃが知っておろう。あの氷はお主の師匠そのもの。解呪とともにそのものを殺すことになるじゃろう』

 

 老人は幼子を諭そうと優しく語りかけている。

 しかし、どうにもならない現実を突きつけられた少年がすぐに納得できるわけがない。

 結果、所在のない憤りを人ではなく物にぶつけてしまうのはしかたのないことだった。

 

『-っチクショウ!!!!!』

『わひゃぁ!!!??』

 

 -仕切り越しにすっとんきょうな声と盛大に転んだような音が響く。

 

 二人が話を中断して様子を見に行くと、そこには涙目に形ながら尻餅をつく少女の姿があった。

 

 

『ご、ごめんなさい大事な話の邪魔をして』

『おおう、どうしたんじゃリリカ。』

『ポーリュシカさんに頼まれたものを持ってこようして…それで…………』

『なあじいさん、こいつもこのギルドの一員なのか?見るからにひ弱そうだがよ』

『厳密には違うんじゃが、まぁお主もここに入るなら仲良くしてくれるかのぅ』

『まだ決めた訳じゃ-』

『り、リリカです!よろしくお願いします!』

『いやだからちげぇって!今大事な話を-!』

 

 流されまいと半ば食いぎみに否定する少年に、過剰に反応した少女が涙目になっていく。

 それを見た少年は少しだけばつが悪くなり慰め始めた。

 

『まぁまぁ造形魔法を使うお主なら、道具製作が主なリリカと気が合うじゃろうし。ふむ、それに-』

『…………それになんだって?』

『いや、何でもないわい。さて新たな仲間も加わることじゃし皆の衆、きょうは宴じゃぁ!』

 

 マカロフの号令にそこかしこから歓声が上がる。

 始まる前から出来上がっている酔っぱらいもいるがそれはそれ。

 新たな同朋の仲間入りに『妖精の尻尾』は今日もどんちゃん騒ぎに暮れるのであった。ー

 それが、グレイがギルドに入ったときのおはなし。

 

◇現在、ガルナ島-

 マカロフに内緒でS級クエストを受けたナツとハッピーついでにルーシィ一行。

 途中連れ戻しに来たグレイを不意打ち仲間()にしながらガルナ島に到着する。

 

 そこで見たものは呪いのせいで苦しむ異形の村人たちの嘆きと、紫に輝く月。

 ナツたちは村人から改めて呪いの解呪-紫の月の破壊を頼まれる。

 そして、もうひとつ彼らには懸念事項があった。

 

 島に漂着したときに発見した、別の誰かが島に寄航したらしい痕跡。

 犬並…………ではなくドラゴン並みの嗅覚をもつナツいわく「リリカの臭いがする」という。

 

 ギルドを出てから各地で噂が横行するほどのある意味トラブルメーカーであるリリカ。

 そんな彼女がS級クエストの舞台であるこの島に来てなにも起きないわけがない。

 

 少なくとも昔馴染みの二人と一匹はそう考えていた。

 

 とにもかくにも、情報が足りない。

 だからナツたちはまず島の探検から始めることにした。

 やけに臭くてでかいねずみをしばき倒し、偶然入った遺跡から悪魔-デリオラの氷付けを発見。

 

 内心気が気でないグレイをなだめながら、鍵を握るかもしれない悪魔の氷像を監視を始める。

 

 やがて現れた黒幕っぽい一団が村を襲おうとしてるのを見て、止めに入ったのだが-

 

「ふんぬ!!くそッ砕けねぇしうごけねぇ!」

 

 胴体をおおうように凍らされたナツは、カメのごとく仰向けになりながら動けなくなっていた。

 リーダーっぽい男に挑みかかったところを逆に返り討ちにされたのである。

 

 ルーシィはグレイの助けが間に合い、ハッピーにつれられ空へと逃げ延びていく。

 残ったのは仮面の男と動けないナツ、そしてルーシィを助けたグレイ。

 

 仮面の男-リオンは、グレイと兄弟弟子の仲であり、その目的が悪魔デリオラの復活ー討伐であると語った。

 

 しかしデリオラの強さを直に見たことのあるグレイはそれがどれだけ無謀なのかを理解している。

 そして、この封印を解くことは彼らの師匠-ウルを殺すことでもある。

 だからこそ、グレイは兄弟子リオンを止めるため対峙することに決めたのだが…………

 

「-ここは兄弟子として格の違いを見せるところなんだろうが、生憎お前を相手するための時間も魔力も惜しい。」

 

 そういうとリオンはグレイから視線をはずした。

 

「おい、そこで見てないで働いてもらおうか-イシュガルの錬金術士よ。」

「-なっ!?」

「なんだってぇ!?」

 

 -イシュガルの錬金術士

 それはいつから呼ばれ始めたのか定かではない。

 いわく、

 「疫病に苦しむ村を救った」

 「素材の声を聞くことより上質な道具を作る」

 「半永久機関の開発に成功した」

 「その手で作られた不思議な品々は熟達した魔導士さえ

  目を輝かせた」

 「その力を欲した、または危険視した輩に襲われたが逆にすべからく半殺しにした。」

 「一度あまりにもしつこかった闇ギルドを物理的に引き潰したことがある」

 

 等々、なかには明らかに眉唾物の噂があるものの、概ね魔導師にとっても驚異的に見られているのはわかるだろう。

 

 錬金術師という種じたいいないわけではないが極端に数が少ない、その彼らに同じことをやれと言っても泣いて拒絶されるだろう。

 隣の大陸にも高名な錬金術師が存在する(しかし畑違いらしいという噂も)

 

 ときには偽物が横行するものの、実質【イシュガルの】と冠する錬金術士は()()一人を指していた。 

 

 では、その噂される人物の正体は誰なのか。

 

 それを答えられるのは親交のあったギルド【妖精の尻尾】のメンバーと、幸運にも会うことが出来た依頼主に他ならない。-

 

 

 リオンがそう問いかけて暫くすると、一人の少女が物陰から顔を出した。

 

 特徴的な帽子をかぶり、ゆったりとした衣装を見にまとった、緑がかった髪をボブカットにした小柄な少女だ。

 

 それを見たグレイはデリオラを見つけたときと同じくらい、目を見開いた。

 

「てめぇ、いったいどういうつもりだ?」

 

 現状が理解できないながらも、グレイは目の前の少女-そしてその先の氷付けの悪魔を睨み付ける。

 その悪魔はグレイにとっての因縁の敵である。

 

「なぁ、なんとか言えよ…………リリカッ!」

 

 それを守るように立ちはだかる顔見知りの少女の存在がグレイには理解できなかった。

 




末尾の解説コーナー

【イシュガルの錬金術士】の名声
現状、リリカを指す異名の一つ。
ではあるが中には眉唾物の物があったり。
明らかに時系列が合わなさそうなものがあったりと噂が独り歩きしたような状態。
とは言え、リリカ本人に助けられた人々も多く今では彼女自身の人徳によるものが大きい。
ちなみに偽火竜さわぎのボなんとかさんみたいな偽物がたくさんいるらしい。

【リリカ個人】としての評価
まだギルドにお世話になっているころはマスターマカロフに匿われていたこともあり、また周りほぼボケ担当しかいなかったのでツッコミに回ることが多かった(と本人は思っている)りと
総じてあまり目立つことはなかったという。
旅に出てからは(自重をやめたわけではない(本人談))何故かトラブルに巻き込まれることが多く自然に目立っていく。(ほんとぉ?)
なお、目的のためなら自分から厄介事に巻き込まれていく模様。
これには【妖精の尻尾】のギルドメンバーもこれには苦笑い。

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