戦姫絶唱シンフォギア~光と影の選択~   作:のんびりマスター

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楽しんで行ってね〜


第1話 世界一運が悪い

私立リディアン音楽院。高等科だけでも1500人は超える怪物校である。その音楽院の教務室でシャルルは呼び出しをくらっていた。

理由はもちろん、遅刻の事だ。

 

「で、今日の遅刻の理由は何かな?シャルルさん?」

 

「今日はですねぇ〜ノイズに追い掛けられて遅刻しちゃいました♪」

 

元気よくそう言うとシャルルの担任の大川慎太郎(おおかわしんたろう)

は大きくため息を吐く。それもそうだろう。世界災害のノイズに襲われているのにこの反応だ。ため息もつきたくなる。

 

「シャルルさん……貴方の運の悪さは充分に知っています。でも嘘はダメですよ?今日は警報は鳴っていませんよ」

 

「ですよね〜なんで今日に限って鳴らなかったんですかね?」

 

「でももし仮に本当に襲われたのなら……いや、世界一運が悪いですからね貴方は。信じましょう。反省文は免除してあげます」

 

「先生優し〜♪」

 

「それにしても今月に入って多くないですか?もう10回は軽く超えてますよ?」

 

「そんな事言われても好きで遭遇してる訳じゃないですよ‼︎」

 

誰も好きでノイズに遭遇したと思っている人間は居ないだろう。多分。

 

「それはわかってますよ。でも気を付けてくださいね。今回みたいに警報が鳴らない場合が今後無いとも限りませんからね。まずは警察に連絡……と、そういえば携帯持ってないんでしたっけ?」

 

「はい‼︎おじいちゃんが機械に弱いので‼︎」

 

「貴方は絶対持っておいた方がいいですよ。こんなにも運が悪いですし」

 

「いや、おじいちゃんの言う事は絶対なので‼︎」

 

「そうですか。でも検討はしておいた方が良いですよ。それじゃあ、私の話はこれで終わりです。教室の方に戻ってもらって構いませんよ」

 

「は〜い♪」

 

そう言ってシャルルは教務室から出て行こうと扉を開けた途端、目の前にはガタイの良い白髪頭の巨漢の男が立っていた。その男を見るなりシャルルは大声で叫ぶ。

 

「お、おじいちゃん⁉︎なんでここにいるの⁉︎」

 

堅いの良い巨漢の男はシャルルの祖父の愛明神源蔵(あいみょうじげんぞう)。見ての通り、現役の武闘家である。齢にして80歳のおじいちゃんである。

 

「お前が遅刻したと聞いてな。大事な会議をほっぽり出して来た所じゃ」

 

「何やってるのよ‼︎すぐに戻って仕事しなよ‼︎」

 

「カァァァァァァァツ‼︎」

 

その叫び声と同時にシャルルは反射的に姿勢をピンと整える。

 

「貴様は最近たるんであるのじゃ‼︎今から一から鍛え直す。これは絶対じゃ‼︎」

 

「いや、おじいちゃん……」

 

「今は師範と呼ばんかい‼︎」

 

「は、はぃいい‼︎」

 

「とゆうわけで大川先生。孫は連れて帰りますよろしいですね?」

 

「大丈夫ですよ。シャルルさんの成績はそこそこ良いですし問題ありませんよ」

 

「せ、先生⁉︎助けてよ‼︎」

 

慎太郎は笑顔でそう言うと源蔵はシャルルの制服の襟を掴み軽々と持ち上げる。まるで子猫の持ち上げるかのように簡単に。

 

「担当の許可も得た。帰るぞ」

 

「ヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダ‼︎せっかく学校来たのに〜‼︎」

 

駄々をこねるシャルルに対し、源蔵はまた大きく叫ぶ。

 

「カァァァァァァァツ‼︎」

 

「ひぃぃ⁉︎」

 

「ワシの前で駄々をこねるとは……‼︎やはりたるんでおる‼︎今すぐに帰るぞ‼︎いいな‼︎」

 

「ひゃい……」

 

「返事は⁉︎」

 

「お、押忍‼︎」

 

「うむ」

 

シャルルは襟を掴まれたまま源蔵に連れて行かれ、教務室から出る。その光景を見た慎太郎は苦笑いをしながら呟く。

 

「シャルルさんは公欠……と」

 

そう言って慎太郎は机にある残った作業に取り掛かる。そして他の教員もいつも通りに作業に戻る。すると、主席帳にもう一人、シャルルと同じくらい遅刻の多い生徒がいた。その生徒の名前を見た途端、慎太郎はまたため息をつく。

 

「この子も遅刻が多いな……まあこの子もシャルルさんと同じく不憫な子だからね……今日も立花響さんは遅刻‼」

 

そして響の主席帳に赤いチェックがつく。

 

 

★★★

 

 

「あわわわ‼遅刻だ遅刻だ‼」

 

響は全力で商店街を駆け抜ける。時刻はもう12時を超えていた。

 

「迷子の子を助けてたらこんな時間になっちゃったよ‼」

 

彼女の趣味は人助けである。ただ度が超えているためか後のことはいつも考えていない。のでいつも同居人に叱られている。

 

「こんなことならもっとはやく行けばよかったよぉ~‼」

 

困っていれば必ず助ける。彼女に助けないという選択肢はない。だからこそ不憫な性格をしているのだ。響が商店街を走っていると目の前から源蔵と未だに持ち上げられたままのシャルルが歩いてくる。

 

「おじいちゃんいい加減におろしてよ‼恥ずかしいから‼」

 

「馬鹿もん‼降ろしたら貴様はすぐ逃げるじゃろうが‼」

 

「逃げないし、逃げてもすぐ捕まるから意味ないもん‼だから降ろして‼」

 

「うぇ!?どんな状況!?」

 

巨漢の男に襟を掴まれ、ジタバタ抵抗する少女。はたから見れば異常な光景である。これを見て黙っていられる響ではなく、響は源蔵のは前に立つ。

 

「あ、あの‼その子を降ろしてあげてください‼嫌がってますよ‼」

 

「ん?君はシャルのお友達かな?それとも……」

 

「いえ、私は立花響!!困ってる人の味方です!!」

 

「そうなんだでもお姉さん早く逃げた方がいいよ。今のおじいちゃんは何言って聞かな……」

 

「カァァァァァァァァツ!!師範と呼ばんかい!!」

 

「は、はぃぃい!!」

 

ビシッとシャルルは背筋を伸ばす。すると、何故か響も背筋を伸ばす。

 

「ってなんで貴方まで背筋伸ばしてるのよ……」

 

「え?いや〜身体が反応しちゃって……」

 

まあ、急に大声出されたら驚くよね〜

 

「驚かせしまったようじゃな。すまぬな……む、お主……シャルと同じ制服じゃな。よもや……お主、リディアンの生徒か?」

 

「あ、やば」

 

「あ、そうです!!私は私立リ……」

 

「カァァァァァァァァツ!!」

 

響が学園の生徒だと発言したその瞬間、源蔵は急に大声を出す。

 

「え!?何で!?」

 

「今から学園に行くとはたるんでおる!!シャルと同じで一から鍛え直してやる!!学園にはワシが連絡しておく。着いてきなさい!!」

 

「えぇ!?今日は未来との約束が……」

 

「諦めて。こうなったらおじ……じゃなかった師範は何言っても聞かないから」

 

「そんなぁ〜!!」

 

「四の五の言わず行くぞ!!貴様らを鍛え直してやる!!」

 

そう言って響も襟を掴まれ、シャルルと同じように持ち上げられる。

 

「うそ……なんでぇ〜!?」

 

「あ、はい。わかりました〜ではそう処理しておきますね〜立花響、公欠!!」

 

そうして響の主席帳に赤いチェックが消える。

 

 

 

 




シャルルと響は現在さくらんぼ状態になっています笑笑
源蔵さん力強すぎないか?笑笑
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