吸血姫と天使と鋼鉄の城   作:奈多ナキル

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滅茶苦茶遅れたけどエイプリルフール特別編






エイプリルフール特別編 吸血姫と天使と鋼鉄の城 IFストーリー もし、紗奈と貴夜の関係が、高校時代で既に本編と同じくらいの状態だったら…

「よし、これで完成っ」と私は珍しく早起きして、これまた珍しくキッチンに立って弁当を作っていた。

 

 

 詰められているおかずは、玉子焼きにウインナー等の定番のものだ。彩りも豊かで普通とは言えないが、これを食べる相手が相手なので手を込ませた分以上のリターンが私にくるのと、その相手は変に女子力が高いのでこういう所じゃなきゃ張り合えない……もといアピール出来ないのだ。

 

 

「普段料理をしない人間の割には、まともに出来たと思うし……昼休みが待ち遠しいなぁー」と私は笑みを浮かべながら独り言をもらし、登校準備を行うのだった。

 

 

 

 

 

「貴夜ー、起きろー」と馬鹿姉(朝陽)に叩き起こされたので不機嫌になりながらリビングへ向かった自分は、人を叩き起こして満足した様子で自分の前を歩く馬鹿姉(朝陽)にこう言った。

 

 

「さっさと学校行けよ……不出来な弟に構っている暇があるなら尚更な」

 

 

「うるさいなぁ……そう言えば今日なんで貴夜弁当要らなかったの?」と朝陽がにんまりした顔で言った。

 

 

 自分以上に聡い朝陽に対しては完全に隠し通す事も出来ないので、自分は打ち明けず濁すことにした。

 

 

「別にいいじゃんっ……」

 

 

「なんでそうツンになるかな……まさかね」とどうにか話を濁せたので、自分は安堵しながらリビングに向かい、母が用意してくれていた朝食を摂るのだった。

 

 

 

 

 

 チャイムが鳴り、気がつけば私が待ち焦がれていた昼休みの時間だった。こういうのは本来長く感じるのがお約束のはずなのだが、午前中の殆どが事実上の自習で、課題は苦労しなかったが、担任に色々と雑務を押し付けられたのでほぼ無心の状態でしていたので、あっという間に感じているだけだが……と私は考えながら待ち合わせの場所へと向かうのだった。

 

 

 

 

 

「やっと終わった……課題免除の代わりに書架の整理とか……嫌いじゃないから良いけどさ」とチャイムが鳴り終わると同時に自分は毒づいた。

 

 

「けど俺は有り難かったな、貴夜の手伝いすれば課題免除になるから」と優が言ってきた。

 

 

 話の流れだけでは説明不足なので、ことのあらましを話すと、図書委員であり自分が自習の時間に書架……といっても司書室にある新着図書の棚整理や、事務処理などを擦り付けられたのだ。司書が新任でまだ慣れておらず、他の委員の殆どが押し付けられて委員になったやつらで意欲が低いので、自分に回ってきたのだから当然の結果なのだろうが、自分では力不足なので優に手伝わせていたのだ。

 

 

「まぁ、このお礼は今度するよ」

 

 

「なら、ランクマで頼む」

 

 

「善処はする」

 

 

「おう……てか、大丈夫なのか? 昼休み、委員の仕事休んで」

 

 

「貢献度的には、俺は委員長の次だからな……他の委員から文句は言われないし、言えないさ」

 

 

「さすがは影の委員長だな」と優が冗談混じりに言ってきた。

 

 

「おい、それはやめろ……厨二臭いし、事実無根だからな」と俺は即座に否定した。委員長は他の事もしていて多忙の身なので、自分がとりしきることもあるのだが、他の委員や生徒会などからそう言われていた。

 

 

「ま、これ以上言うと貴夜にしばかれかねないから黙るけどな」

 

 

「お前は引き際さえ心得てれば良い奴なのに、肝心なところで駄目だよな」

 

 

「引くこと覚えろカスって言いたいのか?」

 

 

「微妙にずれてる気がするが、そういうことにしておくよ……って油売ってる暇はないんだった」

 

 

「そう言えば、そうだったな……リア充めが」と優は冗談混じりに言ってきた。

 

 

「うるさいなぁ……」

 

 

「ま、後は俺でも出来るから、貴夜はさっさと行きやがれ」そう言った優を見ると、リア充に対する憎悪諸々と友情に板挟みにされているようだった。

 

 

「とりあえず優にするお礼は2割……いや4割増しするから……いってくるわ」と追加で優に対して油揚げをちらつかせた。

 

 

「分かった、ほらとっと行きやがれ」と優に言われ、自分はいつものように屋上へと向かった。

 

 

 

 

 

 昼休みが始まると同時に私は作った弁当片手に、屋上へと急いで向かった。理由は簡単だ。日差しが強くなく快適な日であれば、屋上の適当なベンチでいいが、あいにく今日は夏日だ。なので特等席を取りに行くのだ。ただ、梅雨入り前にこの暑さなので、今年の夏はどうなるのやらと思いながら屋上へ続く階段を登った。

 

 

 屋上に出て目的の特等席を見ると、幸運なことに空いており、屋上には私以外人っ子一人いなかった。

 

 

「一番乗りか……ラッキー……貴夜は図書室だからまだ時間かかるだろうし……」と私は独り言を洩らした。

 

 

「俺がどうかしたのか?」と本来返ってくるはずの無い返答が返ってきたので、

 

 

「ひゃっ」と私は驚いてしまった。

 

 

「まぁ、無理もないか屋上とは正反対にあって、しかも校舎からも若干離れている図書室にいたはずの俺が後ろにいたんだから」

 

 

「当たり前だよ……でも何でこんなに早かったの?」

 

 

「優に言われたからかな」

 

 

「何で返答がそんなに曖昧なのかな?」

 

 

「別に、ただ単にある程度終わらせてきたからだよ……その代わり明日からはそれを言い訳につかえなくなったけどな」と貴夜は少し残念そうに言った。

 

 

「私の為になのかどうかは愚問だろうから訊かないでおこうかな」

 

 

「いや、紗奈それ言ったらお終いなヤツ」

 

 

「素直じゃないなぁ」

 

 

「うるさいっ」

 

 

「立ち話してないで、とっとといこ」

 

 

「原因は紗奈の気がするがな……」と貴夜が最後に言ったことは聞かなかったことにして私と貴夜は特等席である、上に屋根があり、丁度日陰になっているベンチに陣取った。

 

 

 

 

 

「いやー、これは屋上に入れないよな」と親友の恋路が心配なのか優は、ドアの陰から覗き見しながら独り言を洩らした。

 

 

「そうだよね……あれは妬むどころか近寄りがたいし、敵意すら失せるレベルだよ」と優と同じく親友の恋路が心配で覗き見している叶も、その独り言に同意した。

 

 

「これ以上は耐えられないから戻るよ……春山さんはどうするのさ」

 

 

「あ、お気遣いなく……私は紗奈がやらかさないかまだ見ておくつもりだから……」

 

 

「……さすがに耐性の無い俺には、あれを長時間見るのは無理だな……貴夜はもうちょい胃痛に悩まされちまえ」と優は毒づいて、下の階へと降りていった。それを眺めることなく叶は屋上を覗き見し続けた。

 

 

 数分後……

 

 

「うっ……砂糖吐きそう……お腹いっぱいで胃もたれどころか……ここまでって……私もさっさと戻れば良かった……」と叶は後悔しながら教室に戻るのだった。

 

 

 

 

 

 まさか各々の親友に覗き見されていることなど紗奈達は気づくことなく、紗奈が作ってきた弁当を食べていた。

 

 

「うん、おいしいよ」と貴夜が当たり障りの無いことを言うと、

 

 

「嫌味か何かなの?」

 

 

「いや……紗奈自身があんまり料理しないって言ってたからさ」

 

 

「ママに手伝ってもらったりはしてないよ……ただ、レシピだけは教えてもらったけど」

 

 

「マニュアル通りなら出来るタイプなのか」

 

 

「まぁ、お菓子づくりはしょっちゅうではないけどするからね……おかずは何種類かは出来合いだし」

 

 

「別にそんなこと気にしてないよ」

 

 

「と、とりあえず誉め言葉ってことで受け取っておくけど……」

 

 

「そう言えばさ、話は変わるんだけど」

 

 

「ん? 何?」

 

 

「最近チーター多くないか?」

 

 

「何かと思ったらその話ね……言われみればそうだよね」

 

 

「全弾HSとか……まだ壁抜いてこないだけマシか……」

 

 

「ランクマは絶対できないよね……カジュアルだってたまにいるし……」

 

 

「しかも最近初動ででろーん引く率高いし」

 

 

「増幅バリケード持ってくれば?」

 

 

「だったら、ブレスレットワープ使うわ」

 

 

「当分あのゲームから距離置けば?」

 

 

「そうするよ……ただ、それ以外になると……C〇Dだからな……やれることはやり終わってるからな……」

 

 

「なら尚更、可愛い推しに貢ぎなよ」

 

 

「あはは……周回地獄だ……釘にランタンに……大量にリソース溶けそう……」

 

 

「あっ……そうだった……貴夜の推しは育成難易度高い子だった」

 

 

「素直にC〇Dやるしかないな」

 

 

「出来れば育成から逃げないでほしいけどね……初手で全体攻撃と味方にバフばらまけるから結構私使ってるんだから」

 

 

「貧弱な我がカルデアに期待しないで欲しいけどな」

 

 

 そんなことを話しながら私達はお昼を食べるのだった。

 




本編は暫しお待ちを…
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