アインクラッドの45層が攻略されたころだっただろうか……
私―サナ―のスキルロッド内に見慣れないスキルが眠っていた。
「……ん? なんだろこのスキル」と詳細を確認すべくタップした。
スキル名<吸血姫>
詳細
投擲武器を用いた敵(プレイヤー及びmob)のHPドレイン、HPが0になっても3度まで耐えることが可能(上限回数の回復なし)、任意のプレイヤー1人のみと誓約が可能(尚変更不可)、投擲スキルの強化
誓約……対象者との間に
と説明が書かれていた。
私は隣にいたナキに
「ねぇ……ナキ、このスキルなんだか判る?」と訊くと
「サナもか……俺もなんだけどさ……」と言って、私に見せてきた
スキル名<守護・懲罰天使>
詳細
とナキの方のも見せられ、ナキが口を開いた
「サナ、トールバーナーの宿屋で結局俺が話さなかったこと覚えてるか?」
「うん」
「それを今から話す……俺の父親はSAOのとあるシステムの開発者だ」
「えっ……」
「メンタルシステム……正確にはメンタルケアシステムの大元を作ったんだが誰かわかる?」
「えっと……東都工業大学電気電子工学科の教授でしょ? 確か重村教授じゃなくて……名取教授でしょ?」
「あぁ……だったら省ける……話の流れ的にも、俺の苗字は名取なのは事実だが置いといてだ……親父はこんな事を言っていたんだ、『SAO内で、あのシステムの意志を理解する者に茅場君達も知らない……秘している力が授けられる』とな」
「つまり、それが私達のスキルなの?」と私は気づいている事を口にせずに訊いた
「その可能性が高い……つまり隠しておくべきだと思う……エクストラスキルの1種なんだろうけどバレると危ない気がする」
「私もそう思うけど……なんで私にも……」
「偶然か、それとも俺との関係だろうな」
「夫婦だもんね、私達」と照れつつも答えた。
私の言った通り、ナキと結婚していた。ゲーム開始から約1年がたちナキが一応先に提案してくれたが、私もそれを考えていた為、遅かれ早かれだった……と私は、逸れかけた思考を元に戻した。
「後、クエストタブを見て」とナキに言われて確認すると、受注した記憶のないクエストが進行していた。内容としては、1層主街区で吸血鬼関連の書籍と天使関連の書籍を見つけろとなっていたが、更新され天使関連のみになった。
「ナキ……これって」
「あぁ、俺が
1層に久しぶりに降り立って私は、空気が少し嫌な感じだなと思った。
するとナキが、
「1層はシンカーさんが互助組織を立ち上げたけど、途中から
「なるほどね……けどクエの方は当てがあるの?」と空気が嫌な原因が判るとクエストについて訊いた
「まぁ、
「これ新約聖書か…多分何処かにヒントが…」とナキが、ページをパラパラめくると2枚の紙切れが落ちてきた。
「ナキ、これが落ちてきたけど…」と拾い上げた紙切れを、ナキに見せた。
「それじゃないかな…当たりだ。サナも見てみ?」と言われ、その紙切れを見た。
簡単にまとめると
Iと振られた紙には
生き血を吸らう者には串刺しに、それでも祓えなければ聖なる湖に住まう精霊より与えられし、剣と盾を使え
と書かれていた。
Ⅱと振られた紙には、
湖と豊かな草木がありし平穏なる地に資格有る者降り立つ時、一番大きな湖から偉大なる精霊が現れん
と書かれていた。
「これ、たらい回しか…フィールドマップで敵が湧かずに湖と多分森林や草原がある階層…22階層だ」
そうして私たちは、22階層へ移動し、一番大きいであろう湖に向かった。
湖に着いて少しすると、水中からコポコポと泡が立ち始めて、水中から剣と盾を持った精霊が出てきて言った。「天使の力を持つ資格有りしものよ、私の前へ」そう言われ、ナキは前へと出て、私は年の種に少し後ろに下がった。すると精霊は、こう続けた。
「其方がか…私は時間が惜しい。故に簡潔に終わらそうぞ…この剣と盾を其方に与える。くれぐれも使い方を間違うなかれ」そして、ナキにそれが手渡された。
「湖の精霊様。一つお聞きしたいことが」とナキが訊くと
「よかろう、聞きたい事は何ぞ」
「生き血を吸らう者について何か知りませんか?」
「この呪われし城の最も低い場所にあると、だけしか知らぬが、その与えし武具を使えば倒すのは容易い…ご武運を」と言い残して湖の底へと精霊は姿を消した。するとナキが確信を得たのか、狂気混じりの笑みを浮かべて言った。
「サナ、1層に戻るぞ…鬼退治としゃれこもうじゃないか」と
出来れば今月中に後編を更新したいけど、いけるか悩みつつさらに先の話の下書きがたまってき始めた…