「ふーん、入渠施設でそんな事をねぇ……。黒潮、あんた変態なの? レズなの?」
膝の上で寝とる陽炎にそんな事を言われてしもうた。いや、ヒドないか?
「いやいやいやいや。陽炎そりゃあんまりやで。可愛い妹のために裸で向きおうただけでそこまで言われなアカンのかいな」
「裸で親潮のこと抱きしめてたんでしょ。傍から見たらどう思われるか考えなさいよ。私は妹がレズで姉妹姦してますなんて噂、聞きたくないわよ」
「勘弁してーや陽炎。ウチはノンケやで」
膝の上でウチを見つめる陽炎の視線にはめっさ呆れた様子が込められとる。もう、ウチが頑張ったいうのになんやねんこの態度。
「……冗談はさておき……。親潮、やっぱり気にしてたのね。……私だって夢に見るぐらいだもん……当然よね」
「せやなぁ。……陽炎、あの時はほんまスマンかったなぁ」
あの時、真っ先に大破したのはウチやった。そして沈んだのもウチやった。……ホンマ呆気ない、情けない最後やったで。……アカン、思い出して来たら悲しくなってきてもうた。今は陽炎が甘えてきてるときや、我慢や我慢。笑顔を浮かべておかんとバレてまう。
「……別にいいわよ。あんたが大破したのをみて潜水艦の攻撃とかって勘違いした私だって悪いんだから……本当、あれは思い出したくないわね」
そない言うてから陽炎は大きく息を吐いとる。そりゃそうやで。ウチかてもう思い出したくもないわ……陽炎と親潮を置いて沈むなんて……ホンマ、思い出しとうないわ。
「ねぇ黒潮。今日は一緒にお昼寝しようか」
「へ? いきなりなんやかげ……おちょちょっ」
突然陽炎がなんか言うたと思ったら簡単にウチを持ち上げてベットに降ろしおった。そのまま隣に寝てきたけど、なんやこれ。まるで意味がわからんし、これは流石に狭いで。
「陽炎、流石に一人用のベットで二人寝るのはキツイで」
「それじゃぁ詰めればいいのよ。後は体をこうして……よっと」
陽炎はそう言うとモゾモゾと体を動かして、ウチの頭を胸に抱くような体勢にしてもうた。いや、ホンマなんやのこれ? ウチ、陽炎に抱かれて……あ、あかん、なんか気持ちええわ。
「……なんや陽炎。さっきまでレズだ変態だ言うといて自分も同じような事しとるやん」
「何言ってるのよ。私達はちゃんと服着てるでしょ。……どうよ黒潮、少しは安心できる? ……たまには、あんたも甘えなさいよ。私はあんたのお姉ちゃんなんだから、遠慮するんじゃないわよ。私相手に作り笑いとかしなくていいんだから」
……なんや、あっさりバレとったんかいな。……でもそやなぁ、陽炎やもんなぁ。お姉ちゃんなんやから、当たり前なんやろなぁ。
「……そやなぁ。陽炎、ええ匂いがするし……ええ感じやわ。うん、ウチ、このまま寝てまうな」
「お休み黒潮。大丈夫よ、こないだの私の時みたいに起きたら居なくなってた。なんてないからね。安心して寝なさい」
そう言ってウチを抱きしめてくれる陽炎の温もりがめっちゃ気持ちええわ……。ウチもそのまま陽炎の首と腰に手を回してと……。ああ、アカン、これは病みつきになってまう。やっぱり陽炎はお姉ちゃんなんやなぁ……ウチじゃかなわんなぁ……。