第四章 浜風編
今日、私浜風は非番です。最近は出撃も多くて少々疲れていましたのでちょうど良い息抜きになりそうです。たまには一人でのんびりと買い物して……何か美味しいものでも食べれたらいいなぁ。寮だといっつも誰かが居て一人でゆっくり過ごすなんてあんまりできないし、下手したら姉妹か誰かに遊びに誘われたりもするもん。
そんな事を考えながら歩いていると、ふと視線の先に初風と谷風が見えました。何やら話をしているみたいですね。何を話しているんでしょうか?
「初風、雪風、何を話しているんですか?」
私が声をかけると二人ともこっちを向いてくれましたが、なにか困っているようですね。
「あ、浜風。実は今日、行きつけのケーキ屋で評判のケーキを予約してたんだけど、急に出撃が組まれちゃって……」
「それでどうしようか話してたんです。鎮守府に届けてもらうのは流石に無理そうですしぃ……」
ケーキかぁ……。美味しそう。私にも一言ぐらい教えてくれても良かったのに。そうしたら、私も一緒にケーキの予約してたのに。
「あ、そうだ浜風。悪いんですが、代わりに受け取ってきてくれないですか? 確か今日非番だったはずよね?」
「え? 確かに非番だけど……」
……うう、正直面倒そうだしあんまり行きたくないんだけど……今日は一人でゆっくり遊びたいけど、ケーキとか持ったまま遊んだりとかできないよね……何かの拍子で潰したりしそうだし。でも頼まれたら断りづらいなぁ。
「ん? おーい、三人とも何を話しとるんや?」
そんな事を思っていると、後ろから不意に声がかけられた。振り返ると、そこには黒潮がこっちに向かって歩いてきてる姿が見えた。
「あ、黒潮。浜風にケーキの受け取りお願いしてるところなんですぅ。今日私も雪風も急な出撃が入っちゃって……」
「あらら……そら災難やったな。……せや、ウチも付き合うわ。ウチも街に行くつもりやったからな」
え!? そんな、流石にケーキを受け取りに行くだけなら私一人でも行けるし、むしろ黒潮が一緒にいるとあまり派手に買い食いもできないじゃないの……。
「どうする浜風? 嫌なら別に構わへんで」
うう……仕方ない……断るのも悪いし……一緒に来てもらうしかないかぁ。
「そうね、お願いするわ黒潮」
勤めて表情に出さないように、淡々と黒潮に応える。
「ほいほい、任しいや」
ああ、黒潮も一緒に来ることになっちゃったなぁ。折角一人で過ごすつもりだったのに……。今日はついてないなぁ。