黒潮お姉ちゃんシリーズ   作:雨宮季弥99

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第八章 萩風編2

 そんな女子会から数日後。今日は第四駆でお昼を食べることができました。勿論、この萩風が作った健康に良い根菜カレーを振る舞っています。

 

「うーん、素朴な味だね」

 

「萩風の作る料理は相変わらず健康志向だね」

 

「まぁいいじゃん」

 

 ふふ、食べてくださってるのを見るのはやはり嬉しいです。皆さんが少しでも健康になっていただけるなら、萩風は満足ですから。

 

「おーい、四人とも、ちょっとええか?」

 

 カレーを食べている萩風達に黒潮さんが声をかけてきました。珍しいですね。

 

「あ、黒潮、どうしたのー? ダンス踊ってくれるの?」

 

「踊らんて。筋肉痛が辛いんやから。野分も、こないだ裏切ったこと忘れとらんからな」

 

「アハハ……うん、あれはごめん」

 

「で、一体どうしたんだ黒潮ねえ? 何の用なんだよ?」

 

「おお、そやそや。実はたこ焼き作ったんやけど、良かったら食べてくれへんか。ちょいと多く作ってもてなぁ」

 

 あ、黒潮さんのたこ焼きですか。美味しそうですね。

 

「良いよー。食べるから持ってきてよ」

 

「持ってくるのお手伝いしましょうか?」

 

「大丈夫や、一人で運べるからちょっと待っとき」

 

 そう言って黒潮さんはいったん戻ると、お皿にたこ焼きを積んで持ってきました。ああ、美味しそう。そう言えば久しく食べてなかったわね。

 

「ほい、お待たせや。ウチのお手製ソースかけとるから、市販のより味の保証はするで」

 

「お、流石大阪生まれ。ソースに拘りあるんだな」

 

「ふ、当たり前や。大阪生まれをなめたらアカンで。さ、冷める前に食べてや」

 

 勧められるまま萩風達はたこ焼きを口にし…… ええ!?

 

「かっ、から! 辛いです!」

 

 思わずたこ焼きを吐き出し、水を飲みます、なに、この辛さ。黒潮さん、どんなソース作ったんですか!?

 

「ええ!? 辛いって……そんな吐き出すほど辛くした覚えないで! ……うーん、普通の辛さやと思うけどなぁ」

 

「ん~……そうだねぇ。これ、別にそんな辛くはないよ?」

 

「うん。多少辛みはあると思うけど……食べれるよね」

 

「だよなー。まさか黒潮ねえ、ロシアンルーレット的に辛いの混ぜたんじゃないよな?」

 

「そないな事するなら事前に一言言っとる。なんならそれ食べて辛ないって事証明したろか」

 

「いや、そこまでしなくていいけど……萩風、大丈夫?」

 

 野分の言葉に頷きますが……なんで皆平気なんですか?

 

「うーん……なぁ萩風。ちょっとこれだけ食べてみてくれんか?」

 

 黒潮さんがそう言って差し出したのはソースがかかってないたこ焼きで。試しに食べてみますが辛くはないです。

 

「特に辛いとかは……ないですね」

 

「せやったらやっぱこのソースなんか。でも……そんな辛いんか?」

 

「いや、特に辛くはないよ? 萩風の味覚が独特なのかな?」

 

「あ、それあるかも。萩風っていっつも健康食? みたいなのばっかり食べてるじゃん。素朴な味だし嫌いじゃないんだけどさぁ。味は薄いよね」

 

「あ、確かにな。薄味ばっか食べてるから余計に辛いって思ったんじゃないか? こないだケーキ食べたときにも甘すぎるって言ってたし」

 

 う……確かに萩風の作る料理は基本薄味ですけど……。

 

「そうかぁ、じゃぁこれどないしょうかなぁ。萩風が食べれへんのに置いとくわけにもいかんし」

 

「そうだね……ごめん黒潮。下げてもらってもいいかな?」

 

 野分の言葉に黒潮は残念そうにお皿を下げて、萩風達は少し微妙な空気のまま食事会は終わりました。

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