黒潮お姉ちゃんシリーズ   作:雨宮季弥99

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第八章 萩風編4

「うう……腹が一杯や……動けへん……」

 

「動かなくてもいいけど、体ぐらい起こしなさい。胃液が逆流するわよ。逆流性食道炎とかなりたくないでしょ?」

 

「おおう……それは勘弁やで……」

 

 ベットに寝転がっていた黒潮はなんとか体を起こすけど……これ、筋肉痛の時より甘えられる雰囲気じゃないわね。おもっきり眉間に皺寄ってるし、相当苦しそうね。

 

「まったく、親潮と萩風も悪いけど、あんたも律儀に二人分食べてるんじゃないわよ。お金なら貸してるんだから、普通の食事取れるでしょ」

 

「そうなんやけどなぁ……折角作ってくれたん残すのも悪いやん」

 

 私の言葉に黒潮は苦笑いを浮かべてるけど、それでこんなんになってるんじゃ本末転倒じゃないの。

 

「だからって食べ過ぎで動けなくなってたら駄目じゃないの。こないだから筋肉痛で動けなくなるわ、食べ過ぎで動けなくなるわ。そんなんばっかりじゃない、そろそろ任務にも支障があるから、笑い話じゃ済まなくなるわよ」

 

「それ言われると辛いわぁ……って、筋肉痛のほうはウチも全力で逃げとるわ」

 

 いや、逃げきれてたら筋肉痛になってないでしょうが。

 

「逃げきれてないじゃないの」

 

「むむむ……」

 

「何がむむむよ」

 

 ……はぁ、しょうもないネタは置いといて……こうして会話してるのも悪くはないんだけど物足りないのよねぇ……仕方ない、恥ずかしいけど。

 

「よっと」

 

 私は黒潮の横に腰を下ろすと、足を広げる。

 

「黒潮、ちょっとここに座ってくれる?」

 

「ええ? 陽炎の股の間に座れって、どないな意味があるん?」

 

 わけがわからない、と言う感じに黒潮が困惑した表情を浮かべてくる。

 

「いいからさっさとしなさい」

 

 黒潮が渋々と言った感じで座って……じゃ手袋を外してと。

 

「なぁ陽炎、なんでウチの服捲ってお腹撫でとるん?」

 

 私が黒潮の服をめくり、素肌のお腹を摩っていると、黒潮から怪訝な表情を向けられた。まぁ、うん、言いたいことはわかるわよ、わかるんだけどね……。

 

「甘えられない分の代用よ。あんたも、こっちのほうが楽でしょ?」

 

「まぁ、せやなぁ。これで少しは消化が早ようなってくれたらええんやけどなぁ」

 

 そう言いながら私にもたれかかってくる黒潮。その肩に顎を乗せながら、私は黒潮のお腹を撫で続ける。あー……暖かいなぁ……、特に手から伝わってくる体温は、普段の服越しに感じるものじゃなくて、黒潮の素の体温をそのまま感じてるから、普段よりもっと黒潮と言う存在を感じられる。……ま、たまにはこんなのも悪くないわね。

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