「浜風。向こうの洗濯物頼むわ、谷風はあっちの取り入れといて……こら、時津風。遊んどらんでちゃんと手伝ってえや」
「舞風、そろそろ買い出しに行った親潮達が帰ってくるころじゃ、迎えに行ってくれんか?」
うちらの頼みにそれぞれ三人は了解の返事を返して行動を始める。その間にうちと黒潮は一緒に他の用事を片付けちょる。
あの日を境に、うちはこうして家事をするときに姉妹と一緒にやることが多くなった。こうしていると、一人でやっていたときにはなかった充実感と共に、姉妹と一緒におる満足感を感じる。
(結局……うちは独りよがりしてただけじゃったんじゃな)
そんな事を考えとると、視界の先に陽炎と不知火が映った。二人とも出撃しとったはずじゃが、もう終わったようじゃな。
「ただいまー。あー、疲れたぁ……」
「ただいま戻りました」
「おお、お帰りや二人とも。冷蔵庫に冷えたジュース置いとるからそれでも飲んどき」
「ありがと。行こう不知火」
「ええ、お供します」
自然な流れで会話する三人をみとると……なんというんじゃろう……夫婦みたいな感じがするの。陽炎と不知火がおとんなら、さしずめ黒潮がおかんか。
「ん? どうしたんや浦風。うちの顔になんかついとる?」
「いや、黒潮ならええおかんなれると思っただけじゃ」
「……突然なんなんや?」
「いや、気にせんでくれ。ちょっと思っただけじゃけぇ」
首を傾げる黒潮から視線を外し、目の前の用事に取り組む。しかし、黒潮がおかんか……それも良さそうじゃ。
「あ~……疲れたぁ……最近出撃に出ること多すぎる~」
「お~、お疲れや陽炎。お疲れ様」
黒潮の部屋で、正座する彼女のお腹に顔を埋めて思い切り愚痴る。最近本当出撃が多くてしんどいのよね……。
「改二になって、戦力として活躍できる海域が増えたからってこき使いすぎよぉ……」
「不知火が一緒やからまだええやん。一人やったらもっときつかったと思うで」
「そうだけどさ~……。はぁ……疲れたぁ……」
「もう、しょうがないなぁ陽炎は。今日はうちが陽炎の洗濯物とかしたるから、ゆっくり休みや」
そう言って頭を撫でられると、更に黒潮に体重を預けちゃう。あ~……甘やかされてるわぁ。
「……黒潮ってお母さん属性あるんじゃない? お母さーん」
「どうしたんや陽炎。おかんが相談に……って、なんで三女が長女のおかんにならなアカンねん! そもそも陽炎型のおかんなら浦風がおるやん!」
「その裏風が無理して倒れたのを支えたのはあんたでしょうが。お母さーん」
「やからって、陽炎のおかんになった覚えはないわー!」
突っ込みを入れる黒潮を無視して私はまた黒潮のお腹に顔を埋める。あ~、柔らかい。癒されるわ~。