転スラ世界に転生して砂になった話   作:黒千

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88話 巡る因果②

 

 物事には、原因と結果というものがある。

『転スラ』では、クロエが未来の記憶を思い出して自分の行動パターンを変えるまで、世界は奇跡も偶然も起こすことなく、頑なに破滅の運命を辿り続けていた。それが"時の輪廻"に囚われた状態だとすると、何の脈絡もなく突然未来が変わることは考えにくい。

 逆に言えば、それまでの歴史と大きく異なる要因は──変化の可能性を生むのだ。

 

 大きく異なる……

 原作との決定的な相違点……

 存在するはずのない、おかしな存在……

 

(俺だな…………)

 

 俺がいたから、テンペストを全滅の危機に晒す羽目になった可能性が出てきた。

 辛い。泣きたい。何で俺は、この世界に生まれて来たんだろう…………

 いやまさか死んで転生するとか、しかもそれが『転スラ』の世界だなんて思ってもみなかったけど……俺を受け入れてくれる魔国の皆を、俺がそんな目に遭わせるくらいなら。

 あの時、あのまま…………

 

 …………愚痴を言っても始まらない。

 もう後戻りは出来ない。俺はこの世界に生まれ付いてしまったのだ。

 本当に俺の所為で魔国が狙われたのだとしたら、また同じ事態を招く可能性がある……それが嫌なら足掻くしかない。一番疑わしい原因は俺、という前提で考えよう。

 

 何故、原作と違って、魔法装置には"聖浄化結界(ホーリーフィールド)"が入っていた? 

 

 神殿騎士団が俺を葬ろうとしていたのは、襲撃事件での言動からしても確実だろう。

 敵のトップを叩くというのは定石なので、奴らが俺を狙ってくるのは当然の話だったわけだが……それにしても、俺を仕留めることを最優先に"聖浄化結界(ホーリーフィールド)"が採用され、その巻き添えで町の魔物達が全滅しようが構わないという作戦だったなら、ちょっと殺意が高すぎないか……? 

 

 では、そこまで狙われる理由が俺にあったかどうかだが──

 まず考えられるのは、ヒナタの指示。東の商人からの情報提供により、ヒナタはリムルを恩師シズさんの仇だと思い込まされていた。それはユウキが画策したことだったよな。リムルはユウキに、弟がいると話したことくらいあっただろう……それで俺も、シズさん殺害に関わる一人とされた?

 

 ユウキは、もしヒナタがリムルの討伐に失敗しても、俺が聖教会に殺されていれば、以後リムルとヒナタの溝は修復不可能になると考えた……というのは? 

 ヒナタの方も、魔物の町の発展によって天魔大戦が早まることを危惧していたから、あの時点では町を滅ぼすつもりだったはずだ。そして俺の存在に後押しされ、殲滅に踏み切ったとか? 

 会ったこともない人達相手に、ここまで邪推するのもどうかと思うんだけど……

 

 あるいは、俺が『渇望者(カワクモノ)』の所有者だと知られた? 

飢餓者(ウエルモノ)』と似たような脅威である『渇望者(カワクモノ)』がジュラの森に現れたという情報をキャッチして、聖教会が俺を討伐すべしとした……? 

 でも、どこから漏れる? 俺の能力が『渇望者(カワクモノ)』だとハッキリ知っている者は、魔国の者以外では本当にいないぞ……カバル達やヨウム達には砂を操るのを見せたことはあるけど、詳細は教えていない。ミュウランからクレイマンに情報が伝わっていたとしても、断定までは出来ないだろう。トレイニーさん達と『渇望者(カワクモノ)』の話をする時も盗聴には気を付けていたし、出し抜かれたとは思えない。

 

 だけど、その可能性は念頭に置いておいた方がいいな……俺が『渇望者(カワクモノ)』を持つ者として討伐対象になるかもしれないのは、むしろここからだった。

 今回の襲撃事件で、俺はまさに『渇望者(カワクモノ)』と呼ばれるに相応しい暴れ方をしてしまった。聖なる力にも縛られず、結界を溶かし騎士達を溶かし、全てを飲み込んだ砂の濁流。あれは我ながら化物だった……聖教会には絶対に報告が行っていると思う。

 

 それらを踏まえて今後のことを考えた時、実はちょっとした希望もある。ルミナスだ。原作通りに進んでいれば、ルミナスはヒナタに、魔国には手出し厳禁と言い渡したはずなのだ。

 俺はルミナスには一度会っている。魔王達の宴(ワルプルギス)での印象は……ルミナスは、俺の知っている通りのルミナスに見えたような……いや、何ていうか……

 

『レトラ、だな。覚えておこう』

 

 溜息が掛かるくらいの距離で見た、ちょっと意外なほど優しそうなルミナスの笑み。

 少なくとも、俺達に敵対しようという雰囲気ではなかった……これも俺の思い込みか? 警戒しておくに越したことはないのか? でもルミナスは、"暴風竜"ヴェルドラを相手にするのだけは御免だろうから、魔国との対立を避けようとするのは、まず覆らないと思うんだよな。

 

 まあ、"七曜の老師"は原作通りに動いてくるだろう。奴らはルミナスの寵愛を受けるヒナタを邪魔に思い、罠に掛けてリムルと争わせ、隙を見て始末する気だからな……その思惑が変化することはないはずだ。

 今度は皆で協力して聖教会への警戒を行えるし、陰謀は防げる…………

 …………本当に? 本当にそうなのか? 俺はまだ何かを見落としている気がする。それを見抜けなれば、俺はまた後手に回ることになるのに──

 

 

 

 

「レトラ様。こちらが、魔法による育成を進めた農作物の収穫状況です」

 

 俺の執務室へやって来たリリナから、報告書の木片を受け取る。

 先の見えない悪夢に苦しめられていても、日々の仕事は完璧にしなければならない。大丈夫、襲撃事件に悩んでいた時期もそうだった。もう慣れた。大丈夫だ、俺には出来る……というか、皆と仕事してる時の方が数百倍は楽しいので、この時間がなかったら俺が死ぬ。

 

「どれどれ……お、穀類も野菜も、収穫までの期間が短くなってる。しかもこれ、前回の収穫量より増えてるよな?」

「はい。真冬では大規模な栽培が行えませんので……本格的な冬の訪れまでに、潤沢な食糧確保のため鋭意取り組んでおりますわ」

 

 魔法のあるこの世界では、二期作どころか五期作でも不可能じゃなくなるからすごいよな。

 その分、連作障害には注意する必要があり、ユーラザニアから学んできた農地の管理方法を活かして研究が重ねられている。植える作物をローテーションするだけでなく、土壌を『解析鑑定』して土作りから徹底して行う、とかね。

 

「レトラ様とリムル様がご所望のお米に関してですが、この度の実験では、これまでと異なり黒い米が収穫されました。リムル様の発案で水田に魔素水を引いたことで、稲が魔素を多く吸い上げたためと思われます。解析結果によれば、栄養価が高く、味も上質であるとの──」

「白米がいい……」

「すぐに条件を変え、高品質な白い米の栽培に取り掛かります!」

 

 お手数掛けてすいません。俺もリムルも元日本人だから、恋しいのは白米なんだ……

 でも黒い米の方もかなり品種改良に成功しているようだし、魔国では主食となる品種だった気がするので、次の試食会に出そうということで話を進める。その他、夏頃から続けている栽培実験の成果や最近の寺子屋の様子などの雑談をしていると、執務室にノックの音が響いた。

 

「おーいレトラ、いるか?」

 

 廊下から聞こえたリムルの声に、返事をする。

 リリナがドアを開けてリムルを迎え入れ、自分は俺達に会釈して部屋を出て行った。

 

「農業関係の報告か?」

「うん、魔法での育成は順調で、上手く収穫量が増えてるってさ」

「そうか。もうすぐガビルや三獣士が大勢連れて到着するって話だからな」

 

 魔国へやって来る獣人達や捕虜のための準備は急務だが、何とかなりそうだ。

 計算上では食糧に余裕があるし、寝泊まりには前回ユーラザニアから避難民を受け入れた時の、町の未開発区域に用意された仮設住宅を使う予定だし。

 

 そんな話をしているところへ、給仕係のゴブリナがお茶とお菓子を持ってやって来た。リリナが手配してくれたんだろう。

 リムルとテーブルを挟んでソファに座り、ベビーカステラ風のお茶菓子を一つ口に入れる。優しい甘さで美味しい。薄っすらとした焼き色で、真ん丸でも俵型でもない楕円体……そう、まるで砂スライムのような。きっと、この色と形に焼き上げることに心血注いでるんだろうなあ……

 

「で、リムルはどうしたの?」

「それなんだが……さっき、久しぶりに金庫室を確認したら」

「うん」

「俺の知らない量の貨幣が、ザックザクに保管されてたんだが……?」

 

 困惑気味の表情で、リムル。

 ああ、それは。

 

「リムルがイングラシアに行ってる間に、皆で稼いだやつだよ」

「簡単に言うけどお前……ドワーフ金貨だけでも千枚以上あったぞ。円に換算すると一枚十万円くらいだよな、それが千枚……い、一億円以上稼いだのか?」

 

 俺のいない三ヶ月間に一体何が……とリムルが呟いているが、町に貨幣取引を取り入れてみようぜと俺に持ち掛けてきたのはリムルだった気がする。それに昨日、星金貨千五百枚を見たばかりだろ……あれは千五百億円だよ? 桁が違うよ? そして、日々の収支については全てデータベースに上げているので、細かいところを知りたければそっちを参照してほしい。

 

「大きいのはポーションの売上かな。定期的にブルムンドとドワルゴンに卸してる分に、追加の注文もあったから。あと冒険者達が町に来るようになってからの二ヶ月で稼いだ分……宿泊所、食事処、屋台、商店、ポイントへの両替分は銀貨と銅貨が主だけど、それも合わせると金貨千五百枚分くらいあるよ」

「売上がほぼそのまま利益として残ってるのはどうなんだ……」

 

 頭の中で収支報告を追っているらしいリムルが、げんなりとした顔になった。

 テンペストの恐ろしいところは、限りなくノーコストで商売をやっていることである。原材料やエネルギーは森の資源や魔素で補うのでまだわかるとして、掛かる費用のうち最も大部分を占めるはずの人件費でさえ、国民の衣食住を保障する分給料を出していない魔国では丸々発生しないのだ……怖っ。

 

「貯めたお金はどうする? リムルが帰って来たら、使い道を相談しようと思ってたんだ」

「輸入ったって、ウチは自給自足でやっていけてるしな……人口が増えて行けばどうしても食糧問題には行き当たると思うが、取引相手の第一候補はヨウムが作る予定の新国家だし、今すぐにってのは……うーん、何か大きなことにパーッと使えたらいいんだけどな」

 

 パーッと、ね。

 心当たりはある。いずれ控えている、国を挙げての大きな祭り。

 その時に役立つならまあ……と、お茶を一口飲み下し、その問題は先送りとした。

 

「そういえばリムル、他国との交流も再開するんだよな?」

「ああ、戦争は終わったしな。ブルムンドやドワルゴンには通達しておいたから、一、二週間もすればぼちぼちお客さん達が戻ってくると思うぞ」

「じゃあ皆にも周知しとこうか。明日の会議で……」

 

 ついでなので、交流再開に向けた会議の打ち合わせも軽くしておいた。

 リムルがカステラを一つ摘まみ上げ、皆にはベビーレトラ様とか呼ばれているそれ(名前からカステラ要素が吹っ飛んでいる)を頬張りながら言う。

 

「フューズ達の話を聞いてたら、テンペストを訪れた人間の多くは、魔物の町で金銭取引が取り入れられてることに驚くみたいなんだよ。物々交換じゃなく貨幣で支払いが出来るってことで、商人達の間でも評判が良いらしい。いや本当に、この短期間によくここまで……流石だなレトラ」

 

 俺っていうか、皆の理解度と本気度の賜物だ。

 皆は俺が説明した貨幣取引について熱心に勉強し、実際に使いこなしてくれている。

 でもやっぱり魔物だからかお金には執着がなく、売上をちょろまかすこともしないで、全てをきちんと国に納めてくれるのだ。正直でいてくれたらリムルや俺が喜ぶ──と言ったのは俺だけど、皆は本当にやってくれるんだよな……知ってた! 

 

「町に貨幣の概念が浸透するには、もっと時間が掛かるかと思ってたが……お前のお陰で財政は潤ってるし、魔国は交易の中心地としてますます発展するぞ。ありがとな」

「うん。頑張って良かったよ」

 

 お茶を飲み干したリムルは、じゃあそろそろ、と立ち上がった。

 俺はその背を目で追い掛ける。

 

「リムル」

 

 呼び止める。

 ドアに手を掛けたリムルが振り返った。

 

「ありがとう」

「? おう」

 

 少し不思議そうな顔をして、リムルは笑って執務室を出て行った。

 

 

 

 

 

 リムルがいなくなった後、俺はソファの背凭れに寄り掛かる。

 目を閉じて力を抜くと、ぐったりと沈む身体。

 

(…………見付けた)

 

 世界の歪みを。

 いや、俺が歪ませた世界、と言った方が正しいか。

 

『町に貨幣の概念が浸透するには、もっと時間が掛かるかと思ってたが……お前のお陰で財政は潤ってるし、魔国は交易の中心地としてますます発展するぞ』

 

 見付けた。ようやく気付けた。

 リムルのお陰で。

 

 この考えが正しければ、狙われたのは俺じゃない……でも、原因は俺だった。

 俺がいたから。俺が貨幣経済について皆に教え、町へ金銭取引の導入を進めたから。そのために──魔国の経済発展のスピードが、原作よりも速かったのだ。

 

 数々の優れた品物や文化を生み出すばかりか、貨幣制度を取り入れ、更なる発展を遂げるだろう魔物の国を、ファルムス王国が支配し利益を搾取し続ける……その構図に納得しないのは誰だ。

 経済的な観点から、魔国を排除すべき脅威と見なすのは、誰だ? 

 現段階では原作知識を持つ俺しか辿り着けない、その答え。

 

(…………グランベル…………)

 

 グランベル・ロッゾ。

 西側諸国を長く影で牛耳ってきた、シルトロッゾ王国、ロッゾ一族の創始者。

 そして西方聖教会の伝説的英雄"七曜"の一人、日曜師グランの正体でもある。

 

 グランベルと、その庇護下にいる一人の少女──やがては経済で世界を支配することを目論む彼らが、決して見過ごすことの出来ない速度で成長を続ける魔物の国に気が付いた。

 ロッゾとしては、魔国の経済基盤をファルムス王国に取らせて西側諸国の均衡が崩れるくらいなら、魔国を滅ぼしてしまった方が都合が良かったのだ。

 

 だからこその"聖浄化結界(ホーリーフィールド)"。あくまでも西方聖教会による、危険な魔物の集団の掃討作戦として、ファルムス王国が町を制圧する前に片付けてしまうつもりだったのだろう。

 グランベルはかつてヒナタを鍛えたという立場にある"七曜"だ。その権限や配下を使って、魔法装置に"聖浄化結界(ホーリーフィールド)"を仕込むことも不可能ではなくなる。

 

 魔国が再び危機に晒されるかどうかを考えた時、一度目の首謀者がヒナタだったなら、ルミナスの命令によって二度目は思い留まる可能性が高かった。

 しかし、グランベルであったなら……二度目の殲滅作戦は、恐らくある。それは"七曜の老師"の企みを隠れ蓑にして行われるだろう。ヒナタに、聖教会に罪を着せるために。魔王と"暴風竜"の怒りを買っても、グランベルには切り札がある──

 

 だが、そうはさせない。魔国への攻撃は俺が止める。

 実行部隊として動くなら、ロッゾ一族の配下である戦闘集団"血影狂乱(ブラッドシャドウ)"……そうだ、あの連中は、最低でも"聖浄化結界(ホーリーフィールド)"を使えるのだ。

 

(今度こそ…………)

 

 今まで見えていなかった、魔国への殺意が見えた。

 これは大きな前進だ。俺が原作知識を持っていなかったら、気付けなかった綻び。

 

 遅くなったが俺は気付いた。対処は出来る。まだ時間はある。

 大丈夫だ、一人でいい……そう決めたんだ。俺が何をすべきかはわかってる……

 今度こそ、今度こそ俺が──……

 

主様(マスター)

 

 声がした。

 閉じていた目を開ける。

 

《問。主様(マスター)、どうかされましたか?》

 

 それは俺の中から、俺に向けられた声だった。

 以前だったら……『言承者(コタエルモノ)』では不可能だった、その呼び掛け。

 

(ウィズ……?)

《申し訳ありません。未知概念(アンノウン):ウィズを判別不能……先日より、主様(マスター)の思念の大部分が認識不可状態となっています。どうかされましたか? 何か御望みですか?》

 

 …………ごめんな、ウィズ。

 お前は、いつでもずっと俺の傍にいてくれるのに。

 俺の異変を気遣ってくれるようになったお前ですら、俺の理解者には成り得ない。

 

 ごめん、本当にごめん、お前に説明出来ることがほとんどないんだ。

 俺が何を考えてるのか、何がしたいのか、お前には全然わからないと思う。

 

 でも……

 それでも、お前は、

 

(…………俺を助けてくれる?)

《是。私は主様(マスター)のためだけに存在しております。どうぞ、何なりとお申し付け下さい》

 

 ごめん、ウィズ。

 一人でいいなんて言って悪かった。

 お前はいつでも、ずっと、俺の味方でいてくれたのにな。

 

 

 

 

 

 

 

(じゃあ……『先見之王(プロメテウス)』、早速ムチャクチャ言って悪いんだけど、エドマリス達に話を聞きたい。ファルムス王国のディアブロの所に転移出来る? 誰にも気付かれないように)

 

 今日なら時間が取れるので、行こうとは思ってた。

 ただし俺は魂に存在する認識不可領域とかいうやつが邪魔をして、リムルとの"魂の回廊"が未だに一部しか繋がっていないそうだ。配下達との繋がりとなると更に希薄で、俺には回廊経由での思念会話や空間転移が出来ないため、どうしようかと困っていたが……

 

《了。転移可能な座標情報を検索します……未到達地域のため位置座標の把握不可。転移先としての第一質料の検索開始……該当無し。他手段を検討します……仮想空間上に構築済みの地形図を検索開始……個体名:ヨウムより報告されたファルムス王国:王都マリス正門……確認しました。空間転移の位置座標として流用し、『境界侵食』の実行準備に入ります……座標修正の予測演算を開始……尚、転移後に改めて個体名:ディアブロの魔力反応を検索し、再度転移を実行予定です。また、『質料操作』を使用し、依代の"不可視化"と"魔素隠蔽"を実行します。念のため執務室と庵室に同様の『強化分身』を配置し、秘匿回線にて訪問者の情報を随時取得します。外出を検知される前に、どちらかの地点への帰還が可能です》

 

 …………

 思うことは一つ。

 

《──各種スキルの使用準備が整いました。実行しますか? YES/NO?》

 

 やっぱり、俺のウィズすげーな…………

 

 

 

 




※主に話し掛ける権限がなかった『言承者(コタエルモノ)』と、『先見之王(プロメテウス)』の差



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