転スラ世界に転生して砂になった話   作:黒千

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115話 ペットパラダイス

 

「砂の御方様!」

 

 そんな声が聞こえ、執務館の廊下を歩く足を止めて振り返る。

 変な呼び方だったけど、砂って言ったし……じゃあ俺だろ、と思ってのことだ。

 すると、綺麗に掃除された廊下の向こうから──モフモフ尻尾を背負った黄金色の毛玉が、トテトテと走って来るのが見えた。

 

 クマラ(予定)じゃないか! 

 

 クレイマンの呪縛から解放された後、操られていた時の負担のためか眠っていることが多く、ランガに預けられていたはずだけど……目が覚めたんだな。

 以前より少し成長したようで、三本だった尻尾が四本になっている。それぞれがクマラの身体ほどもあるフワフワの尻尾が可愛い。なんという殺人毛玉か。

 

魔王達の宴(ワルプルギス)で会った……九頭獣(ナインヘッド)だな? 元気になった?」

「はい! あの時は御方様に助けていただき、ありがとうござりんした!」

「どういたしまして」

 

 屈んだ俺の目の前で、ちょこんとお座りしたクマラがお礼の言葉をくれる。可愛いな。

 我が主、と声がして、影からランガが頭を出した。

 

「主よ、申し訳ありません。目を離した隙に……」

「大丈夫だよランガ。この子の面倒を見ててくれてありがとう」

 

 首を抱き寄せて撫でてやると、ランガは気持ち良さそうに目を細めた。

 だがクマラが見ていることに気付くと、緩んでいた表情はシュッと元に戻る。先輩の威厳的なやつかな? 可愛いんだけど。

 

「この者は主の砂の感触を覚えていたようで、そればかり話すのです」

「ああ……こんな感じだったっけ?」

 

 サラサラと出した砂を、『質料操作』で空中に留める。

 とろけるように滑らかな砂の集まりが、ぽてんと身体を受け止めてくれる感触は、ビーズクッションに勝るとも劣らない心地良さだろう。いわゆる、人をダメにする砂ってやつだ。

 おいでおいでと手招きすると、初めはモジモジしていたクマラが砂の塊に飛び乗った。これは……! とつぶらな瞳が興奮を伝えてくる。可愛いってば。

 

 人生最大級に「可愛い」が脳内を駆け巡っていて、ちょっとクマラとランガを連れて散歩にでも行って来ようかな……と魔が差した俺は、良いことを閃いた。確かあれは開国祭が始まる辺りの出来事だから、今でもいいんじゃないかな? 

 

 

 

 

「──この妖狐に名前を?」

 

 執務机の椅子に座ったリムルは、机の上の子狐を撫でたりくすぐったり、ひとしきり可愛がってから俺の提案に首を捻った。

 

「それはいいが、俺に名付けろって……お前じゃなくていいのか?」

「うん。俺は名付けはしないよ」

 

 クマラ(未)が俺に懐いてるから、とリムルは言いたいらしいが……本当は、魔王達の宴(ワルプルギス)でクマラを助けるのはリムルのはずだったのだ。俺がクマラを助けることになったからと言って、名付けの役目まで奪うつもりはなかった。

 

「ウチの配下達は皆、リムルに名付けてもらうんだ。そしたらリムルと、あと同格の俺が主ってことになるんだけど……どうかな?」

 

 最近はリムルが名付けする機会も減ったけど、俺の方針は変わっていない。リムルは俺を同格として扱ってくれるので、リムルに名付けられた皆は俺のことも主として慕ってくれる……それがどんなに恵まれたことかは、この世で俺にしかわからないことだった。

 

「わっちは、ぜひ名前を頂いて御二方のお役に立ちたいでありんす!」

 

 小さな身体で張り切っている妖狐に、リムルは"九魔羅(クマラ)"と名付けをしてくれた。想像以上に魔素を奪われたらしく内心ビックリしているようだが、ラファエル先生が上手く調整してくれているから大丈夫。その結果、クマラは一気に成長し──身体は子狐のままだが、モフモフ尻尾がちょうど九本という完全形態へと進化したのだった。

 

 

 

 

 

「レトラ様! これからどこへ行くでありんすか?」

樹人族(トレント)の集落だよ。そこで働いてる配下達がいるから、クマラに紹介したくて」

 

 ゼギオンと……特にアピトを、クマラに会わせておきたかった。

 アピトとクマラは女性同士、とても険悪な仲で……と原作にあったアレだが、俺にはどういうことなのかわからない。俺なりに理由を考えてみたところ──もう少し先の話になるが、二人が迷宮の守護を任される同僚として出会ったのが原因じゃないか? と思い当たった。

 

 迷宮のボス達の間では、深層部を任されるほど偉いとか、出世しているとかいう意識があったはず。最初から序列を競い合う相手と認識していたら、対抗意識が強く根付いてしまうだろう。じゃあそれより先に、ただのアピトとクマラとして出会えば、仲良くなれるに違いない! 

 

 そんな期待を胸に、俺達はランガの背に乗って『空間移動』で集落へとやって来た。

 トライアさんとドリスさんに挨拶をして、アピト達の居場所を教えてもらう。森の奥へと進んで行くと……ブィーン、と風を切る鋭利な羽音。

 

『レトラ様、おいで下さったのですね。お会い出来て嬉し…………』

 

 飛んできたアピトが言葉と共に動きを止める。

 沈黙するアピトの視線は、見慣れない妖狐へと注がれ──

 それに対して、俺の腕に抱かれたクマラが空中の魔蟲を見つめ──

 

 二人の間で、パチッ、と火花が散る音を聞いた気がした。

 

 は? 

 嘘……え? 嘘だろ……? 

 な、何で? 君たち初対面だよ? 挨拶すらまだなのに? 

 この二人、まさか本当に相性が悪いとか……いやいやそんなことってある!? 

 

 

 最初の一歩で躓いた感がビシビシするが、俺は諦めない。

 アピトに続いてゼギオンもやって来たので、俺はクマラを抱っこしたままランガから降りると、草むらに腰を下ろした。ランガが隣に蹲る。

 まずは二人にクマラを紹介する。リムルに名前を貰って新しく仲間になった子狐なので、仲良くするようにと。ゼギオンは寡黙な奴だし、アピトは控えめなところがあるので、二人の紹介も淡々と終わった。やだ気まずい……泣けてくる……でも諦めない! 

 

『クマラ、魔王達の宴(ワルプルギス)では魔獣を召喚してたよな? あの子達は?』

『わっちのお友達でありんす! あの時は二体までだったでありんすが、今のわっちならもっと沢山呼べるでありんす──皆、出て来なんし!』

 

 ピョコン、と俺の腕から広い草地へと飛び出したクマラが高らかに呼ぶと、九本の尻尾のうちの八本が、それぞれ魔獣の姿へ変化する。おお、賑やかになった。犬や兎、羊などの可愛い小動物達がわちゃわちゃしている……何だここ楽園か? 

 

『レトラ様……』

『どうしたアピト?』

『ワタクシも、配下の軍団蜂(アーミーワスプ)を召喚することが可能ですわ』

 

 うん、そうだったな、と返したけど……それは何のアピール?? 

 ところでクマラが一体一体紹介してくれている魔獣達だが、皆まだ子供のような姿をしていた。本当はもっと凶悪な感じだったはず……ああ、名前はあるみたいだけど、リムルからの名付けがまだなんだな。それもリムルに頼んでおくとしよう。

 

『……レトラ様』

 

 またアピトに話し掛けられ、珍しいと思いながら目を向ける。

 

『あの……もし御迷惑でなければ、その……』

『ん? 何? ……あ、抱っこ?』

 

 無言ですぐ傍まで近付いてきたアピトに尋ねると、コクリと頷きが返る。

 そうだ、アピトは抱っこが好きなんだった。いいよ、ちょうど手が空いてるし。スススと懐に寄り添ってきたアピトの薄い翅に気を付けながら抱えると、アピトは満足そうだった。

 

『──あっ!?』

 

 友達の魔獣達に囲まれキャッキャと戯れていたはずのクマラが、声を上げた。タタッと素早く俺の膝元へ駆け寄って来ると、小さな身体の毛を逆立てながら言う。

 

『離れなんし! レトラ様に抱っこしていただくのはわっちでありんす!』

 

 ん…………? 

 

 …………あっ、俺か!? 

 二人が火花散らしてた原因は、俺の抱っこ!? 

 クマラに威嚇されているアピトはシーンとして反応を見せない。アピト、全員で思念リンクを繋げてるんだから、聞こえないフリは通じないんだぞ……それはともかく。

 

『クマラ、クマラ! あのな、これは順番だから……さっきはクマラを抱っこしてたから、次はアピトの番だよ。また後でクマラの番が来るから、良い子で待ってような?』

『でも……!』

 

 まさか俺の抱っこが争いの種になるとは思わなかったが、それなら平等に構ってあげた方がいいだろう。クマラは納得が行かないのか、ムリヤリ俺の膝へよじ登って来ようとしている。あ、こら、アピトの翅は繊細なんだから気を付けないと──

 

『聞き分けろ、クマラ。主にご迷惑をお掛けするものではない』

 

 起き上がったランガが、クマラの首根っこをパクリと咥えて宙ぶらりんにする。

 クマラが小さな手足をジタバタさせてイヤイヤをしているが、何だこのモフモフとモフモフの饗宴は……可愛いが過ぎる…………

 

『心配せずとも、レトラ様は皆に等しく御心を注いで下さる御方だ。お前もリムル様に名を頂いたのならば、御二方に恥じぬ配下となるのだぞ』

 

 と、思ったらランガが格好良い……! 俺がスフィアと仲良くしてたら丸まって塞ぎ込むような奴が、ずいぶん成長したんだな……仲間だったら許せるのかな? 

 ランガに諭されたクマラも、はい、と小さく返事をしてくれたのだった。

 

 

 一騒動あったが互いの紹介は終わり、クマラの魔獣達も尻尾に戻っている。

 次は樹人族(トレント)の集落の散歩コースを皆で回り、クマラを案内しようという話になった。元々クマラは常春の楽園と呼ばれる森で暮らしていたし、このジュラの森のことも気に入ったと言っていたので良かった。

 いざ出発しようとして、俺はあることを思い出す。

 

『そうだ、ゼギオン! 背中に乗せてもらう約束してたよな──……って、ランガ?』

『……………………』

 

 いまだかつて見たことがないくらい、ランガの表情には絶望を通り越した虚無感が漂っていた。いやあの、お前、ついさっき格好良いこと言ったばっかりじゃん……? 

 

『ランガ、順番……順番だから……帰りはまた頼むから、な?』

『はい…………』

 

 ランガとしても、自分の発言を即撤回しようというつもりはないようだけど。

 ガックリと項垂れてしまったランガに、声を掛ける者がいた。

 

『……ランガ殿』

 

 ゼギオンだった。

 ゼギオンがシャベッタァァ……! いや、他の仲間と話してるのがレアな光景という意味だ。ゼギオンは無口ではあるけど、俺やアピトとは話すので。

 

『俺がレトラ様を背に御乗せしている間……レトラ様の御身を守るため、ランガ殿には我々の近辺で警戒に当たって欲しい。如何だろうか』

『む……』

 

 ゼギオンが守護を務める樹人族(トレント)の里で、俺が何かに襲われたことなんて今までただの一度もない。警戒なんて必要ないのに、そういう建前でランガのことも放っておかず、一緒に来てくれと持ち掛ける……ゼギオンの見事な気遣いだった。

 ランガにもそれがわかるんだろう。じっとゼギオンを見つめて、数秒。そして頷く。

 

『引き受けよう。ゼギオンよ、レトラ様を頼むぞ』

『心得た』

 

 ウチのペット達が格好良い……

 とてもワンコとカブトムシの会話とは思えない渋さである。

 

『よし、それじゃゼギオン。約束通り、今日は俺を乗せてくれる?』

『至極光栄に存じます』

 

 かと思えば、ゼギオンの感情の波長が一瞬ソワッとしたのを感じて、微笑ましく思う。こういうところはゼギオンも可愛いよな……さっきから皆のギャップが激しすぎて風邪引きそうだ。

 

 そんなわけで俺は砂スライムへと姿を変え、遠慮なくゼギオンの背に飛び乗った。鍛えられた六本足の安定感がすごいし、いつもより低い目線で珍しい植物を見上げながら散策するのは新鮮な気分だ。そして、傍を歩くランガの背中にはクマラとアピトが並んで乗っていて……俺は心の中でガッツポーズする。この調子で仲良くなっていって欲しい。

 

 

 

 のしのし、と堂々たる威容で歩くゼギオンの背に揺られながら、樹人族(トレント)の里巡りツアーを一通り終えた頃、レトラ様、とゼギオンが静かな声で俺を呼ぶ。

 

『トライア殿とドリス殿が、レトラ様への拝謁を希望しておりました。レトラ様の御都合の宜しい機会にとのことでしたが、如何致しましょう』

 

 樹妖精(ドライアド)三姉妹の、トライアさんとドリスさんが? 

 俺に用があるなら、さっき挨拶した時に言ってくれれば良かったのに……俺がクマラ達を連れて遊びに来た様子だったから、遠慮してくれたのかな? 

 

 集落の奥まで連れて行ってもらってゼギオンから降りた俺は、しばらく四人で遊んでいるように言い残し、トライアさんとドリスさんの元へ向かった。

 次女のトライアさんはクールなショートヘアで大人っぽい感じがあり、三女のドリスさんは柔らかそうなロングヘアで上の二人よりも少し幼い雰囲気の女性だ。人化した俺を出迎えてくれた二人が、丁寧に頭を下げる。

 

 

「レトラ様。貴重な休息の折にお呼び立て致しまして、申し訳ございません」

「いえいえ。俺に用って何ですか?」

「どうしても、レトラ様に申し上げたき儀がございまして……」

 

 恐縮しているような態度から考えると、話の内容には見当が付く。

 ドライアドに関する最近の大きな出来事と言えば、ラミリスが魔国に来ている件だろう。今はトレイニーさんがラミリスの所にいるため、森の管理はトライアさんとドリスさんで担当しているが、二人とも"精霊女王"に仕えたいはずだ。

 きっとその直談判だな、と当たりを付けた俺の目の前で、いっそ悲壮感すら感じさせるような真剣な表情で二人が語り出す。

 

「レトラ様がヴェルドラ様の御子様であることも知らず、『渇望者(カワクモノ)』を宿しているというだけで警戒しておりました我々が浅はかでした……レトラ様が多忙を極める御方だからと、これまで正式に御詫び出来ずにいたことを大変心苦しく思います」

「姉トレイニーは初めからレトラ様を信用すべきと、根気強くわたくし共の説得を試みておりましたのに……今となっては、レトラ様や姉に懐疑的であった我が身を恥じるばかりです。度重なる無礼、申し訳ございません……!」

 

 いや全然違ったんだけど!! 

 っていうかこの話、前にもしなかった? 確かヴェルドラの封印が解けた頃、二人に謝られた記憶があるぞ……あれじゃ足りなかったのかな? 

 

「つきましてはレトラ様、妹とも話し合ったのですが……我々は今後もこのジュラの森で、魔国の為に、レトラ様の御為に尽くす所存でございます」

「レトラ様、どうかわたくし共に贖罪の機会をお与えください……!」

 

 は、話が大きくなってた……贖罪って何だ? 俺何もされてないのに? 

 大体、全てを砂に変える化物が森に現れたのに、落ち着いて見守りましょうなんてのが無茶振りなんだよ……トレイニーさんが純粋だっただけで、二人の反応は普通だと思う。

 

「あのー……今、ラミリスとトレイニーさんが魔国にいること、知ってますよね?」

「はい。数日前、姉が顔を見せに参りましたので」

「トライアさんとドリスさんも、ラミリスに仕えたいんじゃないですか?」

「そ、それは……!」

 

 やっぱり。魔王達の宴(ワルプルギス)の直前にラミリスがやって来た時、二人もトレイニーさんと同じく、幸せそうにラミリスの世話を焼いてたもんな。

 二人はラミリスの所に行きたいのを我慢して、俺のために働きたいと言ってくれているのだ……罪滅ぼしだから、と。そんな不健康なことしなくていいのに。

 

「うーん、俺のために何かしてくれるって言うなら……そうだ、トレイニーさんが魂を移して依代にしている人形は、俺が作りましたよね?」

「ええ、存じておりますわ」

「トライアさんとドリスさんの依代も、俺が作るってのはどうですか? 依代があれば、今よりずっと行動範囲が広がってラミリスに仕えやすくなると思いますし!」

「…………」

 

 二人は戸惑いの表情を見合わせて、恐る恐る俺に尋ねる。

 

「あの……レトラ様? わたくし共にとっては、願ってもないお申し出なのですが……」

「それが一体、レトラ様へのどのような償いとなるのでしょう……?」

「ドライアド姉妹の全員の依代を俺が作るんですよ? それが森に知れ渡れば、俺はもう完全に管理者達と友誼を結んだ砂妖魔(サンドマン)ってことになるじゃないですか」

 

 これも建前だった。そこまでしなくても、俺がトレイニーさんの依代作製に関わった時点で、ジュラの森での俺の立場というか、信頼のようなものは確立されている。

 

「俺を気に掛けてくれてありがとうございます。でもお二人は本当に、俺に何もひどいことをしてないんですよ……だから我慢しないでラミリスに仕えてください。これからも二人が俺達に協力してくれるなら、俺はそれで充分です」

 

 ですが、と言い募ろうとするドリスさんを、トライアさんがそっと制する。

 俺の建前を汲んでくれたのだろう、深々と頭を下げながら。

 

「レトラ様。リムル様と共にジュラの森を安定させ、常に我々を守護して下さること──真に感謝の念に堪えません。我ら樹妖精(ドライアド)と眷属達が、その御恩を忘れることはないでしょう」

 

 トライアさん達との話は付いた。

 実際にラミリスに仕えるとなると、大同盟の盟主であるリムルの許可というか承認くらいは必要だ。リムルが反対するとは思えないが、後日きちんと話を通してからにしようということになった。依代の人形を作るにしても、"聖魔核"の準備も必要だしな。

 

 

 

 

 

 二人と別れて、集落の中の整えられた小道を歩く。

 クマラにランガに、アピトにゼギオン、トライアさんにドリスさん……皆、俺が思うよりずっと俺のことを考えてくれていた。もしかしたら俺が望みさえすれば、自分の意思で誰かに名付けをしたり、誰かを配下にしたりする未来もあったかもしれないけど。

 

(いや、それはないな)

 

 リムルからも、ラミリスからも、誰も取らない。

 前世の知識を持ってこの世界を生きる限り、俺はそれを守り続けるだろう。あるべきものは、あるべきところに。それって、そんなにおかしな話じゃないと思うんだよな。

 

 それに、俺は決めてるんだ。

 もし名付けをするんだったら、誰よりも先に──

 

(ウィズ)

 

 返事は無い。

 未だに認められていない名前を、飽きもせずに繰り返す。

 

(そろそろランガ達と合流して帰ろうか。次の予定は何だっけ?)

《解。執務館にて、個体名:リリナから品種改良の結果報告を受ける予定です。前回までの収穫量及び栄養価の報告内容をグラフにまとめましたので、後ほどご確認下さい》

(今日も有能だなぁお前……)

 

 

 

 




※書きたかったのはペットハーレム



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