転スラ世界に転生して砂になった話   作:黒千

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142話 午後の部~狙撃

 

 よーし、俺の問題は全て片付いた! 

 ソウエイ本体は新しく護衛の分身体を出して、リムルの影に戻った。俺にはおにぎり弁当を食べる時間もあったし、後は本当に評議会を見学するだけだ。空飛ぶ机見たい。

 

 モニターに映るのは、俺の分身体から送られてくる会議場の様子。

 三時間の休憩が終わり、リムルや議員達、第三者として招かれているヒナタも元の席に着き、議会は再開された。昼前に提示された評議会加盟条件を受け、リムルが書き起こした訂正案──に対する返答として出てきたのが"要望書"である。

 

 リムルの手元の書類を、分身体を通して一緒に覗く。

 そこには、記憶通りの凄まじい内容が綴られていた。

 

 一つ。

 "魔導列車"をイングラシア王国まで開通させる事。それにかかる工事と費用は魔国連邦(テンペスト)側が負担するものとする。

 一つ。

 高品質の武具の提供。西側諸国の軍備増強を目的とし、魔国連邦(テンペスト)側に協力を求めるものとする。

 一つ。

 魔国連邦(テンペスト)に出現した迷宮(ダンジョン)は人類の宝である。故に、その運営に評議会も加えるものとする。

 一つ。

 "精霊の恵み"の栽培技術の開示。評議会が指定する国へ人員を派遣し、作付と管理を行う事。それにかかる費用は魔国連邦(テンペスト)側が負担するものとする。

 

 あ、俺の研究も入ってる。"精霊の恵み"の研究に価値が認められたってことだな! 要望の内容が全体的に『魔国の技術、商品、労働力、財産をタダで渡せ』となっているので、『無理です』しか言えないけど。

 その怪文書には、まだまだ続きがあり…………

 

 一つ。

 評議会に加盟するにあたり、毎年一定額を納めるものとする。また、議員の選出については安全面を考慮して人間のみを認めるものとする。

 一つ。

 魔国連邦(テンペスト)国主リムル=テンペストの親族一名を、イングラシア王国に滞在させる事。尚、評議会の許可がない限り、帰国、外出、面会は認められないものとする。

 

 待て待て待て何だコレ知らない! 『人質を差し出せ』!? 評議会って人質政策取ってるの!? 監禁か幽閉しますって堂々と書いてあってビビるんだけど……ていうか名指しじゃないとは言え、リムルの親族って俺だよな!? やだよ人質……! 

 

 そんなわけで──

 

 リムルがプッツンする瞬間を、俺は黙って見守った。

 蹴り上げられた机はロケットの射出かよって速度で天井にぶち当たり、ほぼ垂直に落ちてきた。空飛ぶ机っていうか、ピンボールみたいだったな……

 既に原形を留めていない机の残骸を、リムルの足がグシャアッと踏み砕く。

 綺麗な顔が、怒りの形相に変わっていた。

 

「なあ、君達……俺を舐めてるのか? 俺と俺の民を奴隷にしたいってだけじゃ飽き足らず、家族まで人質に寄越せだと? 俺を魔王と知りながら、よくここまで我が国を見下した要望書を出せたもんだな──……?」

 

 泣く子も黙る魔王の威圧。

 お陰で『智慧之王(ラファエル)』が、議員達に掛けられていた精神干渉に気付き、解除した。

 ここらへんもマリアベルの仕込みで、まずはリムルを刺激し怒らせようというターンだが、議員の大半が我に返ったことで状況が少し変わった。

 

「だ、誰がこんな勝手な真似を!? リムル陛下が憤慨なされるのも当然だぞ……!」

「そもそも、先の議会ではそんな条件、話題にもなっておらぬ!」

 

 会議室の扉が開く。魔王を取り押さえるという名目で、ドカドカと乗り込んできた騎士達の先頭に立つのは、イングラシア王国騎士団の総団長ライナー。

 

「おうおう威勢がいいな! お前さんが魔王を名乗るリムルとかいう馬鹿──」

 

 いいや、飛ばして飛ばして。

 リムルに支配の宝珠(オーブ・オブ・ドミネイト)を嵌めて支配しようという、無理・無茶・無謀な作戦はどうでもいいから……乱入者にざわめく会議室で、ファンキーな髪型のオッサンが発言する。

 

「ワシが彼らを呼んだのです。そこの魔王を懲らしめるためにね」

「ギャバン殿! このような話は聞いておりませんぞ!」

「落ち着かれよ、ヨハン殿。魔王リムルを倒し支配すれば、八星魔王(オクタグラム)の一角と"暴風竜(ヴェルドラ)"までもが手駒となるのですぞ?」

 

 ギャバン議員とヨハン議員、実はどちらも五大老の一人。マリアベルの手先だ。

 マリアベルは五大老同士を競わせる方針らしいが、今回はギャバンの方を捨て駒扱いしているはず……そのギャバンが、厭らしくニヤリと笑う。

 

「まあ、ワシは魔王にも興味があるが──腕輪を嵌めてからが楽しみだのう」

 

 えぇ……気持ち悪い……鳥肌立ててるリムルが可哀想…………

 もしも今、ソウエイ辺りに『対処しても?』と聞かれても俺は止めなかったかもしれないが、こういう時に限って静かなので、俺も我慢すべきなんだろうな。

 

「聞けば、魔王の弟も見目麗しいそうではないか? ククッ……」

 

 とか言ってたら飛び火した! いない俺を話題に出すなよ! 

 あっ、ベニマルの妖気が不穏な感じになってきた……ダメだぞ!? 燃やすなよ!? 

 

(『先見之王(プロメテウス)』……もし炎とか出たら、『境界侵食』で『万象衰滅』を飛ばして消してくれ。砂は見られないように、俺の仕業だって気付かれない感じで)

《了。究極能力『旱魃之王(ヴリトラ)』の実行準備を開始します》

 

 一応の保険として、備えだけはしておく。

 そして真打ちのように現れたのが、イングラシア王国のエルリック王子殿下だ。

 護衛として雇われたらしい傭兵団"緑の使徒(ヴェルト)"の団長さんと……チーム"緑乱"もいた。久しぶり。彼らはこんな作戦は聞いていなかったようで、自ら危険な真似をするなら契約違反だと王子に忠告するが、無駄だった。

 

「議員諸君! 魔王を討伐する勇者となるか、魔王と手を組み人類の敵対者となるのか! 諸君が正しい選択を為すと、この私エルリック・フォン・イングラシアは信じているぞ!」

 

 ヒナタに止められても、金髪王子は悦に入って話を進める。

 意気揚々とリムル討伐の決議を取ったが──精神干渉されていた議員達は良識を取り戻しており、賛成として起立した人数は三分の一にも届かなかった。

 今立ち上がって魔国の敵だと表明してくれた議員達は、ソウエイが『粘鋼糸』で縛ったので、こっそり座るのは禁止です。

 

 各国へ買収や圧力を掛けていた事実が暴かれ、狼狽えるギャバン。

 動揺するエルリック王子を、緑フード姿の団長さんが呆れた目で見ていた。

 

「言わんこっちゃない。自ら危険に飛び込む馬鹿の面倒など、俺達には見切れぬ」

 

 俺もそう思う。護衛されてる奴が勝手に危険なことするなら、それはもう自己責任なので護衛しなくていいって……俺だってそのくらい弁えてるよ! 

 彼らは契約違反をした王子に見切りを付け、自分達は無関係とばかりに距離を取っている。正しい選択が出来るのは大事なことだ。

 

「フン、下らん。臆病者は引っ込んでいればいい」

 

 ああ、ガイがいた。"流麗なる剣闘士"ガイ。今はライナーの副官をやっているそうだ。俺は姫様呼ばわりされた恨みがあるにしろ、ガイのことは気の毒にも思うんだよな……元々関係ない冒険者なのに、マリアベルに操られてこうなってるんだから。

 でも、まだ望みはあった。

 マリアベルと遺跡調査の話をした時に、少しガイの話題が出たのだ。

 

『魔王ミリムも来るなら……全戦力を投入しないとね。レトラ、貴方がいてくれて助かるわ。ガイはAランク冒険者と聞いたけど役に立たなかったし、用済みかしら』

『ガイも仲間なの? 殺すってこと?』

『貴方はどうしたいの?』

『俺はあの人好きじゃないけど、殺す価値もないかな……マリアベル、俺がいるんだからもういいよね? ガイのことは放っとこう?』

『そう、そうね。どうでもいいわ。あと一仕事させたら、解放してあげるのよ』

 

 マリアベルは、俺を支配出来て機嫌が良かったように思う。

 一仕事というのは、今ガイが加担している無法行為のことで──この後ガイは捕まり、マリアベルの手が及ばない所へ行く。そのまま放置されれば、ガイは生き延びられるだろう。

 

 

 王子達の陰謀は失敗濃厚だったが、まだ敗北を認められない者達がいた。

 ライナーとガイが、魔王を倒せば問題ないと実力行使してきたので……それぞれ相手になったのは、我慢が頂点に達していたヒナタとシュナ。

 

「早く立ち上がりなさい……イングラシア王国で最強なのでしょう? あら、来ないのかしら? なら、こちらから行くわよ?」

「ひ、ひぃ──ッ!? 無理、無理だ! 俺ではこの女に勝てない……!」

 

 ヒナタの"わからせ"が、洗練されたプロの技……ライナーはヒナタに向かって俺の女になれだの何だの散々侮辱しておいて、どこも斬り落とされてないことに感謝した方がいい。

 シュナはスカートスーツ姿ながらも、ハクロウ直伝の柔術でガイを翻弄し、扇子で聖剣とやらをポッキリ折って「ゴミですね」と笑った。格好良い。

 

「ま、魔物風情が俺を見下すんじゃねぇ……!」

「"神へ祈りを捧げ奉る。我は望み、聖霊の御力を欲する──"」

「ッ……この魔法は!? ヒッ、やめ、止めッ……!」

 

 "霊子崩壊(ディスインティグレーション)"。

 シュナはアダルマンとの共同研究で、もう最強の神聖攻撃魔法を習得していた。その制御も完璧で、ガイの服だけを狙って消し去り、すっぽんぽんにしてしまっている。

 お、ベニマルが妹の大活躍にドヤ顔中だ。機嫌直って良かった。

 

 

 さて、事態はまだまだマリアベルの筋書き通り。乱闘騒ぎが終わり、リムルが首謀者達を追及しようという矢先に──ニキロ離れた場所から、グレンダの狙撃がエルリック王子を狙う。昨日話し合った、リムルに罪を擦り付けようというあの罠だ。

 

 グレンダの『空間連結』で王子の間近に現れた秒速四百メートルの弾丸は、ラファエル先生が『暴食之王(ベルゼビュート)』で捕食し、事無きを得る。俺が準備させていた『境界侵食』は、本当はこれをカバーするためだったが問題なかった。ありがとうウィズ。

 

 エルリック王子も利用されたことに気付いたようだ。ギャバンの口車に乗った非を認め、潔く責任を取ろうという態度を見せたが、ギャバンは王子が首謀者だと白を切る。

 そこへ登場したのが、イングラシアのエーギル国王陛下。魔法審問官という黒頭巾の人達にギャバンやライナーやガイを連行させ、リムルと向き合う。

 

魔国連邦(テンペスト)の魔王よ、余の息子が迷惑を掛けたようだな。王ではなく父として、謝罪と感謝を告げたく思う」

「許すとも。だが、次はない」

 

 エーギル国王とリムルが握手を交わし、和解が成立した。リムルが壊した机と欠けた天井のことも、なかったことにしてもらったようだ。

 国王一行が退室した後、ようやく会議が再開する。今度こそきちんとした話し合いを経て、魔国は無事に評議会加盟を承認されたのだった。

 

 

 

 

 会議を終えたリムル達と、喫茶店で合流する。

 ヒナタも一緒で、ソウエイ本体は狙撃犯の確保のため別行動。ソウエイの分身体も、俺をリムル達の所へ送り届けたので本体の援護に行った。

 

「リムルも皆も、お疲れ様!」

「本当だよ、もうクタクタだ……お前も見てたんだよな?」

「うん、リムルが練り消しみたいにして遊んでた分身体で。アレすごい嫌だった」

「……気付いてたのか……」

 

 後ろめたそうなリムルから、『強化分身』を回収する。

 まあ、触覚を共有させない限り、感触は伝わってこないからいいんだけど……だからって俺で遊んで良いと思われても困るので、しっかり言っておかないと。

 

「悪かったって……レトラ、パフェ食べるか?」

「食べる」

 

 お詫びのつもりかもしれないが、遠慮せず頷くことにする。皆もリムルの奢りでスイーツを注文し、ささやかな打ち上げのように寛いだ。

 そのうち、犯人確保に成功したソウエイが戻る。狙撃犯の赤毛の女は、分身体が魔国へ連れて行ったそうだ。『思念伝達』で犯人の顔を見たヒナタからの情報で、それが法皇直属近衛師団(ルークジーニアス)"三武仙"の一人、"荒海"のグレンダだと判明。

 

 グレンダに話が聞きたいと言うヒナタと共に、俺達は魔国へ帰り────

 

「久しぶりねグレンダ。お元気そうで何よりだわ」

「げぇえッ、筆頭ーッ!?」

 

 応接室で、まずはヒナタからの尋問が始まった。

 グレンダは確か、ディアブロ討伐作戦失敗の後、ルベリオスに帰ってないんだっけ? ロッゾに支配されているグレンダはまだしも、"三武仙"の残り二人、サーレとグレゴリーも行方不明のままってどうなんだろう……そんなにヒナタが怖いのか……? 

 

「貴方は、ルミナス様を信じていたのかしら?」

「チッ、神なんざいないさね。そんなもんを信じるくらいなら、金を……」

 

 瞬間、躊躇なく細剣(レイピア)を一閃させたヒナタを──グレンダの首を狙った一撃を、リムルの黒刀が止める。ああゴメン、これは怖いわ……帰って来れない……

 殺す気かよと零すリムルに、シュナがニコニコと笑った。

 

「大丈夫ですよ、リムル様。死んでしまっても、わたくしが蘇生魔法を試みますので」

「そうか、シュナがいたんですから、俺は昼間の連中を焼き払っても良かったんですね?」

「良くねーよ! 殺すなって言ってるんだよ!」

「リムル様。殺すのがお嫌でしたら、その女の四肢を切断して素直になるよう躾けますが」

 

 ダメだ! ウチも怖かった! シュナもベニマルも普段通りの顔で言うから頭がバグる……あとソウエイのは気を遣った提案のつもりなのか!? それで!? 

 皆いつも優しいんだけどなぁ……やっぱり魔物は倫理観が違うのかな……「私も"死者蘇生(リザレクション)"を扱えるわよ」とか言ってる人間のヒナタさんは、ちょっと静かに。

 

「いいか、蘇生が出来るから殺してもいいってのは違うし、やり過ぎは良くないんだ。ほら、レトラも怖がってるから……な?」

「うん、まあ……そういうの好きじゃない……」

「あ、あら、わたくしったら……申し訳ありませんレトラ様」

「も、もちろん本気じゃないですよ。冗談ですって」

「以後留意します」

 

 引き気味の俺を見て、三人はあっさり態度を変える。

 リムルは『子供に何てこと聞かせるんだ』的なニュアンスで言ったに違いないけど、それで皆の価値観を再教育出来るなら……悪くない手かもしれない。

 

 グレンダの相手がヒナタからリムルに代わり、尋問は続く。『智慧之王(ラファエル)』さん監修の巧妙な話術によって、情報はどんどんと暴かれた。

 黒幕はグランベル・ロッゾ、そしてマリアベル・ロッゾ。マリアベルは"欲望"に根差した強力なユニークスキルを持ち、他人の精神を支配する能力者──

 

「アタイは何も喋ってないのになんで……ッ! フザケンナよ、これじゃあアタイが全部ゲロっちまったみたいじゃないか──ッ!」

 

 グレンダは悪くない。

 俺達が答え合わせの段階まで来ていただけだ。

 

「チクショウ……! マリアベルはアタイの感情を読んでるんだ……このままじゃ……このままじゃ殺されちまう……!」

 

 グレンダの呻きは悲痛だった。マリアベルの影響下にある者達の中でも、グレンダはロッゾ一族に召喚された"召喚者"。刻まれた"呪言"により、反逆に気付かれた瞬間に魂を砕かれてしまう。生き延びるため、グレンダは情報を漏らすまいと必死だったのだ。

 なので、リムルがサクッと解除してあげて──グレンダは自由の身になった。

 

「……えっ?」

「あ、もう行っていいよ。俺達に敵対するなら容赦しないからそのつもりでな」

「私も今回は目を瞑ってあげるわ。でも肝に銘じなさい、ルミナス様を裏切った貴方を西方聖教会は決して許さないわよ」

 

 リムルとヒナタが、グレンダに放免を告げる。俺達も異論なし。

 じゃあ飯でも行くか、と立ち上がるリムル。その場はもうユルい雰囲気になっていて、まだ展開について行けてないグレンダが……いや、素早く行動を起こした。

 

「ちょ、ちょっと待って、待ってください! 図々しいのは承知で頼みがあるんだ、アタイを雇っちゃくれませんか!? お願いだよ魔王様! 忠誠を誓うから!」

 

 グレンダは"三武仙"として顔が売れている。仕事を見付けることはおろか、ルベリオスやロッゾから追手が出れば普通の生活すら送れないかもしれない。

 リムルは困ったようにベニマル達を見て、俺の方も見た。キラキラチェックされた気がする。たぶん『採用!』って感じだっただろうな、俺はグレンダ結構好きだし……

 うーん、と悩むリムルに、グレンダは更に売り込みを掛ける。

 

「じゃ、じゃあ! アタイの知る限りの、とっておきの情報を話すよ」

 

 グレンダからはまだまだ大事な話が聞ける。

 ロッゾ一族の戦力に、五大老に……ユウキのことも。

 そうだ、解放されたグレンダからマリアベルへ状況が伝わることはもうないが、俺からマリアベルへ伝わる情報はどう調整しようか。ウィズには、グレンダは俺達に捕まって始末された、みたいに擬似人格(プログラム)に書き込んでもらって…………

 

「マリアベルが狙ってるのは、魔王様の弟なんだよ……!」

 

 コラァ────ッ!! 

 グレンダ! 困る! バラされたら困るんだって! 俺が! 

 心の叫びはグレンダには届かなかったが、何にせよ全てが遅かった。

 

「信じてくれよ! マリアベルは、魔王リムルの大きな弱みは弟だって…………っ!?」

 

 グレンダが息を呑む。

 水を打ったように静まり返った空気に気付いて。

 その場の全員が一斉にグレンダを凝視する、異様な数秒間。

 

「マリアベル・ロッゾが…………レトラを狙ってる?」

 

 リムルの声は低く、硬かった。

 覇気を伴う金色の瞳が、グレンダを射抜く。

 

「詳しく聞かせて貰うぞ、グレンダ」

 

 マズイ…………

 どうする……考えろ、考えろ……! 

 グレンダはどこまで知ってる? 俺はどこまで言えばいい? 

 下手したら俺、遺跡に連れてってもらえなくなるぞ……!? 

 

 

 

 

 

 




※漫画版28巻の範囲を超えましたが、あと一話やります
※原作未読派の方はネタバレにご注意ください



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