今日は少なめっす!
レミリアは急いでセリエルを背負い図書館へと向かう。
レミリア「はぁっ....はぁっ....パチェ!パチェ!」
パチュリー「....どうしたの?レミィ...って......その人は?」
美鈴と咲夜の治療をしていたパチュリーはレミリアが引きずるように連れてきた男性を見ると顔色を変える。
レミリア「...私の...お兄様よ。」
パチュリー「....ッ!!分かったわ。咲夜たちの治療は終わったところだから。そこのソファに横にしてもらっていいかしら?」
レミリア「.....ええ。」
レミリアはソファにセリエルを横たわらせるとしゃがみ込んでセリエルの手を握る。
パチュリーはレミリアの隣に立つとセリエルの状態を冷静に判断する。
パチュリー「気絶してるのは分かってるでしょうけど、再生能力か完全に弱ってるみたいね...どんな攻撃を受けたら吸血鬼の再生能力がここまで弱るのかわからないけど....」
そう告げると無言でセリエルの服を脱がす。
レミリア「ちょ、ちょっと!?」
パチュリー「どうしたの?体を直接見ないと負傷の状態がわからないでしょ?」
レミリア「う...あ...そ、そうね...」
少し焦りを見せたレミリアを見てパチュリーは不思議そうに首を傾げるとセリエルの体を確認する。
その体には黒ずんだ打撃痕がいくつも見つかる。
拳ではなく剣の腹で殴られたような痕であることが分かった。
パチュリー「これは聖痕....魔性の者が神聖を帯びた武器で攻撃されたときにできる特殊な傷...やっぱりあれは....私の感じたものは間違いじゃなかったみたいね....応急処置として神聖の攻撃を受けた部分に徐々に毒抜きを掛けるわ。この場合人間たちが使うような解毒魔術ではなく、私たちが使うものを掛けるわ。再生能力は今の状態じゃ弱いから治癒魔術の魔法陣を刻んだ魔石を起動させて傷を癒すわ。」
そう言ってパチュリーは魔石を取り出すと魔法陣を起動させてセリエルの近くに置く。
パチュリー「とりあえず目を覚ますまではこの状態で要観察ね。」
はぁ、とため息を吐いてパチュリーは自分の席に着くとメガネをかけて魔導書を開き、読み始める。
レミリア「....ありがとう。パチェ。」
パチュリー「いいわよこのくらい。それよりも今はお兄さんに寄り添ってあげたほうがいいんじゃない?」
レミリア「そ、そうね....」
レミリアはセリエルの近くに座ると手を握って必ず目を覚ましてくれると願って手を握った。
その様子を見たパチュリーは顔を穏やかなものにした後再度魔導書に視線を戻した。
聖羅side
聖羅『あぁあああああああ!!!やっちまったぁああああああ!!!』
聖羅は一人心の中で絶叫していた。
戦闘になると性格が豹変するのは悪い癖だった。
天界から降りてきたときはまったくそんなことはなかったのだが、どうにも鬼神母神との戦いを終えてから性格ががらりと変わってしまうようだ。
他者を蹂躙し、惨たらしく叩き潰すことが自分を満たせるもののように感じてしまう。
鬼神母神の妖気に中てられたから、と自分では考えている。
紫「聖羅....?急に黙り込んでどうかしたの?」
聖羅「....ん?いや、何でもないんだ。」
聖羅は考えていたことを振り払うように首を振って紫に返事をして前を見据える。
紫「何かあったらいってよ?私は貴方のためなら何でもするから。」
紫は聖羅の手を握って見つめてくる。
聖羅は困ったように微笑むと空いている片方の手を紫の頬に添える。
聖羅「すまないな、いつも心配ばかりさせて。」
普段は見せないような表情をして日ごろの感謝を述べると紫は顔を赤くしてスキマに逃げ込んでしまった。
そして、すぐ後に後ろから声を掛けられる。
博麗の巫女「へぇ、そういう関係だったんだ。」
聖羅「....お前は確か...作戦会議の時にいた巫女か。」
博麗の巫女「覚えてたんだ。意外だね。」
仮面に顔が覆われているので表情が見えないが声色が明るいのを見るにその下は笑っているのだろう。
聖羅「何か用か?」
博麗の巫女「ええ、私の祖先がだいぶお世話になったみたいだから。そのお礼をって思ってね?」
聖羅「そうか。ならもう帰れ。例え博麗の巫女であろうと人間だ。夜は寝て休め。」
博麗の巫女「心配してくれるんだ?」
予想外の返答だったといわんばかりに驚いたというリアクションをして博麗の巫女は言う。
聖羅「あいつの子孫だ。俺が、俺があいつの代わりになってやらんと....」
思いつめたように呟いて聖羅は立ち去る。
博麗の巫女「天界の人って言っても、人間らしいところあるじゃない。」
一言呟いて博麗の巫女は神社へと帰る。
その足取りは軽いようにも見えた。