リリカルBASARA StrikerS -The Cross Party Reboot Edition-   作:charley

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どうにか黒田主従を打ち負かす事に成功した機動六課。
その後、戦いを通して、武士の生き様を目の当たりにしたエリオは意を決して、幸村に弟子入りを志願する。
突然の事に戸惑う幸村は、様々な葛藤もあってか、なかなか答えを見出す事ができない。
だがその時、幸村の持っていた六文銭から放たれた光に包まれ、直後、幸村とエリオは不思議な空間の中へと移動していた。
戸惑う二人の前に現れたのは、なんと行方不明の幸村の父 『戦国の奇術師』真田昌幸その人であった……

佐助「リリカルBASARA StrikerS 第十四章 出陣…っと♪」



第十四章 ~“虎の兄弟”誕生! 幸村、漢の決意!!~

「お、親父様っっ!!?」

 

突然、目の前に浮かんでいた烏帽子から白煙と共に現れた男性を見て、幸村は狼狽しながら叫んだ。

それを聞いたエリオは、目の前にいる男性が今しがた幸村から聞いたばかりのある御仁と同一人物である事を悟る。

 

「えぇっ!? …っていう事はこの人が……幸村さんのお父さん!?」

 

エリオのつぶやきが聞こえたのか、男性は幸村の隣にいた彼の方を向く。

 

「ほぉ? もう儂の事を知ってるとはぁ嬉しいねぇ…そうとも。(やつがれ)、生国と発しますは信州上田。甲斐武田家当主・武田信玄が重臣にして、『戦国の奇術師』なんて異名を貰い受ける程に、叡智に富んだ甲斐の食わせ者。そして、そこなる小倅、武田軍総大将代行・真田幸村が父、“真田安房守昌幸”でござい~。…ご清聴、ありがとうございました」

 

まるで演芸の口上の様な饒舌で自己紹介する昌幸に、エリオは思わず拍手を送った。

 

「お、おお、親父様!!?……これは一体…!?」

 

幸村がまだ動揺が拭えぬまま、単刀直入に尋ねる。

 

「小倅殿~。いい加減に見慣れなさいなァ。コイツはご存知、この昌幸が十八番の奇術だよ~」

 

「そ、そういう意味ではござらぬ! 何故、親父様がここへ!? お、親父様はかの上田城での合戦の折に、兄上と共に城の本丸をお守り致していたはず…!? 佐助の申すところでは、我らを異郷に飛ばした謎の光が城内にも見えたとの事ではござったが…まさか、親父様や兄上も…!!?」

 

堰を切ったように問い詰める幸村に対し、昌幸は、どこから説明したらいいか迷っているのか、それとも息子の暑苦しい質問攻めに辟易しているのか、若干面倒くさ気な面持ちでこめかみを軽く掻いた。

 

「まぁ…ぶっちゃけ言えば、そう言えばいいかな? 上田での伊達軍との合戦の最中。真田井戸を守っていた儂と信之(倅殿)は、いきなりわけのわからない光に照らされたと思いきや、そこに吸い込まれちまって、気がついたら全く知らない場所に来ちまってたのさ」

 

「な、なんと…!? っということは兄上も!?」

 

歓喜の色を浮かべながら尋ねる幸村だったが、昌幸は目を瞑りながら頭を横に振った。

 

「否…儂が気がついた時…その場にいたのは儂一人…倅殿の姿はどこにもなかった。それに、儂も今はこうして奇術で時空を越え、其処許方と話ができるが、どうやら儂も今は小倅殿とは“違う世界”に飛ばされてしまってるようだ」

 

「なっ!? なな、なんと!? それでは一体、親父様は何処に…?」

 

「まぁ…その辺の話はおいおいゆっくり話すからさァ。それよりも…」

 

幸村は尋ねるが、昌幸は飄々とした態度ではぐらかしながら、もう一度、エリオの方に目を配る。

 

「この未来ある童子が、其処許に弟子入りを望んでいるんだろう? だったら、つべこべ考えてないで、受け入れてやりなさいな。小倅殿らしくないぞぉ」

 

「お、親父様!? しかし…某はまだ親父様や兄上…ましてやお館様程、器量力量も至らぬ故、果たしてこのエリオ殿を導けるか―――」

 

幸村の言葉が終わらぬ内に昌幸は幸村の額に一発デコピンをかました。

 

「痛っ!!?」

 

「シカシもカカシもカカアもないよ! 小倅殿、これは一軍の大将として一皮向けた小倅殿の次なる『試練』なんだからさァ」

 

「し、試練…!?」

 

昌幸はエリオの顔をじっと見つめると、そして小さく笑った。

そして、すぐに真剣な表情に切り替えると口を開いた。

 

「“エロオ”とやら…」

 

「……“エリオ”です」

 

「あっ…っ!? ご、ごめん。 間違えちゃった」

 

昌幸はコホンと咳払いして気を取り直すと、改めてエリオの顔を見つめた。

 

「エリオとやら…お主は実に目が高い。そこな我が小倅 幸村は、熱き魂を胸に宿せし、

まさに“日本一の強者(つわもの)”であるぞ。」

 

昌幸は真剣な眼差しでエリオを見つめながら言った。

 

「そして…其処許自身もまた、素晴らしい“武士(もののふ)”になれる素質がある。その心…小倅殿。否、我が真田家…そしてお館様にも負けぬ“熱き”武士と見て取れる……其処許が小倅殿の背中を追い進めていけば、その胸に刻んだ武士への羨望は、素晴らしい形で其処許の力となり、そなたを“真”の武士とする事であろう」

 

「……………」

 

「しからば…この昌幸からもひとつ頼む…どうか我が小倅、幸村と共におのが“武士”の道、極めてくれないか? 同じ熱き魂と素質を宿し“兄弟”として…」

 

「「…兄弟…ッ!?」」

 

昌幸の口から出た単語に、エリオと幸村は互いに目を見開きながら配らせ合う。

 

「そうとも…お前達が共に切磋琢磨し、己が武士の道を極めし時…そこに必ず、歴史に名を残す偉大な2人の武士が誕生する。お前達2人はその道を征く運命(さだめ)に導かれ、こうして出会った。そう儂は思うぞ」

 

「「運命(さだめ)……?」」

 

昌幸は確信づいた笑みで2人の顔をそれぞれ見つめながら言った。

 

「二人共、お互いの顔を見てみな。互いに宿せしその魂は、決して赤の他人とは思えぬ程に、よく似ていると思わないかい?」

 

昌幸にそう促されると、幸村とエリオは改めてお互いの顔を見る。今までの経緯や同情、感情などの雑念を捨て置き、純粋な気持ちで、お互いの心を知ろうとした。

そして、互いの瞳の奥に灯す武人としての“熱い”魂に自らの心とを重ね合わせる。

 

コクッ

 

幸村、エリオはお互いの熱い魂を認め合い、ゆっくりと頷いた。

そんな2人に対し、昌幸はニッと笑いながら告げた。

 

「小倅殿。これは儂…そして今も病に伏せているであろうお館様から、お前に課す“試練”だ。この若き強者(つわもの)の卵、エリオを“弟”とし、立派な“武田武士”に育て上げろ! お前が倅・信之を慕い、教えを請うたあの頃のように……そうすれば…お前も真の“日本一の強者”になれる筈だ」

 

「親父様……」

 

幸村は気を引き締めた表情で昌幸を見つめると、頷く。

 

「心得ました! この真田源次郎幸村! ここなるエリオ・モンディアル殿を…我が真田の一族の一員と思い、熱く…熱くその“道”を説き、導きし所存!! しからば――――」

 

幸村がそう言いかけた時、昌幸は呆れたように頭を振りつつ、どこからともなく取り出した軍配と短槍が一体化したような武器を取り出した。

 

ポコンッ!

 

「あ痛っ!!」

 

そして軍配の部分を幸村の頭に振り下ろして、軽く叩いた。

 

「ばァ~か! 主家の若様の養育係を仰せつかった御家老様(じい)じゃなぁいんだから、そんな謙った態度でどォ~すんの!? お前達は唯の主従関係とは違うんだよ! 共に“熱い武人の魂”を宿し兄弟! 兄弟がいつまでもそんな他人行儀じゃ示しつかないでしょ~に!」

 

「は、はっ! 失礼しました! 親父様! では…エリオ! これから、よろしくお頼み申す!」

 

「は、はい! 頑張りましょう!幸村さ――――」

 

パカンッ!

 

「あ痛ぁっ!?」

 

昌幸の軍配槍が今度はエリオの脳天に振り下ろされた。

 

「だァ~から! 違うっつってんでしょうがァ! “兄弟”の契、交わせたらその時点で年齢、力量の差なんて関係なく無礼講! エリオ、お前も小倅殿の事は「さん」付じゃなくて「兄者」と呼ぶんだよ」

 

「で…では………“兄上”はどうですか? その信之さんって人への呼び方に肖って…」

 

エリオの提案に昌幸は満足そうに頷きながら、優しくエリオの肩を叩いた。

 

「そうそう、それでいいんだよ。いいかい、2人共よく聞くんだよ。 同じ苦楽を味わい、同じ志を目指す先人の猛将達は“兄弟”の契りを結ぶことで、後にその名を知らしめる強き猛将達へと成り上がった者も多い。 かの有名な『三国志』の劉備玄徳、関羽雲長、張飛益徳の“桃園の誓い”然り、『平家物語』の木曽義仲、今井兼平乳兄弟の悲運の武勇伝然り…!」

 

「さ、「さんごくし」…? 「へいけものがたり」…?」

 

初めて聞く言葉に戸惑うエリオに、幸村が横から助け舟を出そうとした。

 

「親父様。エリオは日ノ本の人間ではない故に、我が国の著名な軍記物をものの例えに出されましても―――」

 

パコンッ!

 

「痛っっ!!?」

 

「そういう逸話を教え、叡智を極めていくのも、 “兄”としての務めでしょうがァ!」

 

幸村はまたしても軍配槍で頭を叩かれてしまう。

昌幸は軍配槍を収めながら、やれやれと呆れるように頭を振った。

 

「う~ん……やっぱりどうも、二人共まだまだお硬いねぇ…これじゃあ、親父様は心配でおちおち異世界も彷徨えないってもんだよ」

 

「ご…ごめんなさい……」

 

「面目次第もございませぬ……」

 

しどろもどろに謝るエリオと幸村を見て、しばらく腕を組みながら思考を巡らせていた昌幸だったが、「あっ!そうだ!」となにか思いついたように手を打った。

 

「やっぱりあれだな…ここは武田家伝統の“アレ”で、小倅殿とエリオの心を一気に近づける他あるまいな」

 

「あ…“アレ”とは……? もしや…!?」

 

昌幸の意味深な言葉に戸惑いながら尋ねる幸村。

すると、昌幸は「ご明答♪」と笑みを浮かべて返す。

 

「互いの心を知り、その隙間を一気に縮める。お館様直伝の伝心方法……その名は『殴り愛』」

 

「な…『殴り愛』!?」

 

なかなかにぶっ飛んだキーワードが出てきた事に戸惑うエリオに対し、昌幸は徐に指をパチンと鳴らした。

途端に、白一色の世界が開かれるように一瞬でどこかの道場のような場所に切り替わった。

一面板敷きの大広間に四隅には3メートルほどの大きさの猛々しい仁王像が佇み、それをつなぐように整列された松明に火が灯り、部屋の奥には「風林火山」と書かれた巨大な額が飾られていた。

見慣れない場所に戸惑うエリオに対し、幸村はその場所に見覚えがあった。否、ありすぎたと表現した方が良いかもしれない。何しろ、この場所は…

 

「お…お館様の道場!?」

 

甲斐武田家本拠地“躑躅ヶ崎館(つつじがさきやかた)”に備えられた武田家当主・武田信玄が運営する信玄が認めた者しか入れぬ『武田漢道場』であった。

主たる信玄が病に倒れて後は閉鎖され、幸村も久しく足を踏み入れていなかったが、思わぬ形で久々に訪れた事に驚きと戸惑いを隠せずにいた。

 

「これも…昌幸さんの…“奇術”の力……?」

 

エリオはというと、昌幸がさも当たり前のように次々に披露する摩訶不思議な現象に、驚くばかりだった。

そんなエリオの驚き顔を見て、昌幸は不敵な笑みを零しながら、片手に軍配槍を、反対側に烏帽子を手にとると、再びあの講談のような饒舌で語り始めた。

 

「これより取り出したるは、山! 風疾る静寂の林、その奥にそびえ立つ…火の山で御座ァい!」

 

昌幸は烏帽子を腕や肩の上などを使って、器用に回しながら、床に置くと、そのまま烏帽子の中に吸い込まれるようにその姿消した。

 

「「………ッ!?」」

 

 

ドオオオォォォォォォォン!!!

 

 

すると、烏帽子の底からまるで別世界からゲートが繋がったかの如く、真っ赤な溶岩が吹き上がり、昌幸の言った通り『火の山』のように噴火して、大爆発を起こした。

 

「「うわっ…!?」」

 

グワッッハッハッハッハッハッハッハッハッ!!!

 

突然の爆発に吹き飛ばされ、尻もちをついた幸村とエリオの耳に、昌幸のものとは異なる豪快な笑い声が聞こえてきた。

そして、煙のように引いていく溶岩の中から一人の大柄な偉丈夫がゆっくりと歩み出てきた。

 

「な……ななな…っ!? なんと……!?」

 

現れた大男の姿を見て、幸村が舌がもつれてしまう程に驚愕する。

 

「お、おおお! おや…おおや…!? おお、おや、おおおやっ……!?」

 

二本の角の生えた立派な紅蓮色の兜と鎧を着こなした大柄で強面の男…その人物こそまさに幸村、そして昌幸が仕えし、甲斐武田家の総大将―――

 

お館さむぅあああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁっ!!!?

 

えええええええええぇぇぇぇぇぇぇっ!!?

 

“甲斐の虎”武田信玄、その人であった…

 

お館様あああああああぁぁぁぁぁぁぁぁ!! 生きておられたのですねぇぇぇぇぇぇぇ!!

 

久々に目の当たりにする師匠の顔に、幸村が歓喜の声と共に駆け寄ろうとしたところで…

 

たわけがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!

 

どわあああああああああああああああああああああああああ!!?

 

信玄の拳を真正面から食らって部屋の隅の壁まで吹き飛ばされた。

 

「えっ!?…ええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?

 

いきなりの超展開に驚きの声を上げるエリオ。

 

「人を勝手に殺すでないわっ!! 確かに儂は甲斐で病床についておるが、まだ生死の境を彷徨う程、衰弱してなどおらぬ!!」

 

「し…失礼しました! つ、つい嬉しくて……ッ!?」

 

話しながら、幸村はなにかに気づいた様子を見せた。

 

「…っという事は…今、某の目の前にいるお館様は…?」

 

「そう。この儂はあくまでも昌幸の奇術が生んだ幻…お主、そしてお主の“弟”に“虎”の心…伝えに参ったのだ!」

 

「ぼ…僕に…!?」

 

突然、自分に向かって指を指しながら叫ぶ信玄。

 

「そうじゃ! 幸村と兄弟の契交せし、未来の虎……少年“エロオ”よ!!」

 

「……“エリオ”です」

 

「……………………」

 

一瞬の静寂の後、信玄はコホンと咳払いして気を取り直すと、改めて力強く叫んだ。

 

「……少年“エリオ”よ!! お主と幸村の魂の繫がり…さらに確固たるものとするべく、この信玄! お主達にさる武田家伝統の契の術を授けようぞ! その名も…“殴り愛”!!」

 

「“殴り愛”…とは!?」

 

聞き慣れない物騒な単語に戸惑うエリオを尻目に、幸村は突然目を見開くと、信玄に向かって駆け出していき…

 

お館様あああああああああああああああぁぁぁぁぁっ!

 

いきなり、信玄の左頬に強烈なパンチをかました。

 

「え、えええええぇぇぇっ!!?」

 

突然の幸村の奇行に戸惑うエリオ。

だが、信玄は幸村のパンチを頬で受け止めたままニヤリと笑い…

 

幸村あああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!

 

その剛拳で幸村を殴り返した。

床に数回バウンドしながらエリオの隣に戻ってきた幸村だったが、すぐに立ち上がるとまたしても果敢に信玄に向かって駆け寄り…

 

お館様あああああああああああああああぁぁぁぁぁっ!

 

またも信玄の顔を目掛けて、容赦なく殴った。

 

幸村あああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!

 

そしてまた信玄に殴り飛ばされる。

 

お館様あああああああああああああああぁぁぁぁぁっ!

 

三度、幸村が駆け寄る。

 

幸村あああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!

 

三度、信玄に殴り飛ばされる。

 

「……こ……これが……“殴り愛”……!?」

 

エリオが唖然としながらも、目の前で繰り広げられる熱き師弟のやり取りから目が離せずにいた。

一見、唯の喧嘩に見えるかもしれないが、殴り合う2人の表情からは憎悪などの負の感情はまるで感じ取れない…そればかりか、お互いに対する信頼、そして敬愛の念がそれぞれ繰り出される拳の重さからひしひしと伝わってくるのを感じた。

そんな二人の愛の込められた拳と拳の応酬に、初めは戸惑っていたエリオも次第にその目は尊敬と羨望の色に変わっていく。

 

「これが…真田家の……武田家の………熱き“魂”の契……!!?」

 

そんなエリオに気づいた信玄は幸村を豪快なアッパーで吹き飛ばしながら叫ぶ。

 

「さぁ! お主も来るがいい!! 遠慮する事はない!! 全力でぶつかり合うのじゃ!! そして、お互いの心を通わせよ! エェェリオオォォォォォォォォ!!!

 

「は……はい!! 宜しくおねがいします! 信玄さ……否! お館様あああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!

 

エリオはその場に高く飛び上がりながら、信玄の左頬に向かって出せる限りの力の込められたパンチを打ち込んだ。

 

「ぬおっ!!」

 

幸村に比べれば、非力である事は否めないが、それでもその重みのありながら、それでいてキレのよいパンチは10歳の子供から繰り出されたものとは思えなかった。

 

「ふ…フフフ…いい拳じゃ……流石は昌幸、幸村が認めた“弟”……お主のこれからが……楽しみじゃああああああああああああああぁぁぁぁ!!!!

 

うわああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!

 

信玄は叫びながら、エリオを殴り飛ばした。勿論、子供だからといって決して手加減はしない。

愛ある拳とは決して相手を選んで力を調節してはならない。お互いの全力をぶつけ合う事で、相手の絆を深め、そして確固たるへと昇華させていくのだ。

 

「何をしておる! 幸村! お主もまだまだこれからじゃろうが!! エリオに負けぬ熱い拳を儂に見せてみろ!」

 

信玄がそう発破をかけると、幸村もさらに力の籠もった拳を握りながら信玄に向かって駆けていく!

 

ぉぉお館様あああああああああああああああぁぁぁぁぁっ!

 

「ぐぅぅっ…!? ゆぅぅきむらぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!

 

ぉぉお館様あああああああああああああああぁぁぁぁぁっ!

 

「ごぉっ!!? ぇぇりぃおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!

 

ぉぉお館様あああああああああああああああぁぁぁぁぁっ!

 

ゆぅぅきむらぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!

 

ぉぉお館様あああああああああああああああぁぁぁぁぁっ!

 

ぇぇりぃおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!

 

殴り、殴られ、吹き飛び、殴り、殴られ、吹き飛び……こうして幸村、エリオの2人は2対1による壮絶なパンチの応酬を繰り広げ、その後、同じやり取りがしばらく延々と繰り広げられる事になった……

そして…

 

ゆぅぅきむらぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!

 

「ぐうぅあぁぁぁっ!!?」

 

ぇぇりぃおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!

 

「がはぁぁぁぁぁっ!!?」

 

幸村、エリオ共に信玄が顔面目掛けて放った強烈なコークスクリューパンチに吹き飛ばされ、2人並んで道場の床に仰向けに倒れた。

 

「はぁ…! はぁ…! え…エリオ!? 大丈夫か……!?」

 

「はぁ…! はぁ…! い、痛いです…でも、この痛みには…“温もり”が、“心”が、“教え”が、“慈しみ”が……“愛”が、ある!!」

 

お互いボロボロになりながらも、何か悟りを見出したように叫ぶエリオに肩を貸しながら、立ち上がる。

その口調は当人も無自覚の内に砕けた口調となり、エリオの事も呼び捨てで呼んでいた。

幸村は目の前に立つ信玄に向かって、感謝の念を込めた眼差しを送った。

すると、満足げに2人を見据え、頷いた信玄の頭上に、再び昌幸の烏帽子が回転しながらやってきた。

すると、信玄の身体は烏帽子の中に吸い込まれるように消え、代わりに昌幸が再び帽子から風と共に現れ、幸村達の前に降り立った。

同時に、その場の景色も武田漢道場から、再びなにもない白い空間へと戻るのだった。

 

「…どうだった? お館様と“殴り愛”は?」

 

昌幸がエリオに尋ねた。

 

「ま…まさに、火を噴く山の如き人でした…!」

 

「うむ……某も…久方ぶりにお館様と拳を交えた事で……これから進むべく“道”が見えましてございます!!」

 

幸村は改めてエリオの顔を見ると、その熱のこもった小さな拳を固く握りしめた。

 

「エリオ! 俺は…この真田源次郎幸村は、お館様にはまだまだ遠く及ばぬ未熟な“虎”! この先、お前の師として、そして“兄”として、時に不甲斐ない一面を晒す事もあるやもしれぬ……それでもよいと言うのであれば…この幸村、お前を必ずや立派な“武士(もののふ)へと誘い、導いてくれようぞぉぉぉ!!」

 

幸村の言葉を聞いたエリオは、自分の片手を握りしめる幸村の手の上に反対側の手を乗せ、真っ直ぐに見据えながら答える。

 

「兄上! この僕も…エリオ・モンディアルもまた、まだまだ駆け出しの未熟者…兄上と共に精進し、そして兄上に次ぐ“虎”の名に、相応しい漢になってみせます!!」

 

「エリオ!」

 

「兄上!」

 

固く手を取り合い、改めて兄弟としての契を交わした幸村とエリオ。

信玄との“殴り愛”のおかげで、遂に僅かに残っていた微妙な隔たりを取り払い、“兄弟”として心を通わせる事に成功したのだった。

そんな二人を、昌幸も満足気に見据えながら、頷くのだった。

 

「これでもう安心だな。小倅殿もエリオも、2人共、互いに精進し、武田…そして真田の未来の猛将がもう一人生まれるのを楽しみにしておるぞ。……小倅殿と儂が本当に再会できるその日がくるまで…な」

 

昌幸のその言葉を聞いて、幸村は思い出したように問いかけた。

 

「そ、そういえば! 親父様! 親父様は一体、何処の世界に飛ばされたのでござるか!? 某は“ミッドチルダ”なる世界に飛ばされておるのでござるが…」

 

「あァ~~っ! そういえば、それまだ言ってなかったねェ。おじさんすっかり忘れてたよぉ」

 

先程ははぐらかされてしまった幸村の質問に対して昌幸は、くだけた調子で答える。

 

「では小倅殿。心して聞くんだぞ~。何を隠そう、今儂がいる場所の名前は、“う―――」

 

フッ!

 

ところが肝心な事を言いかけたその時、昌幸の身体は再び烏帽子に吸い込まれる様に消えて、そのまま回転しながら、何処かへと飛んでいってしまった。

 

「「え、ええっ!? ええええええええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!?」」

 

まさかの展開に幸村もエリオも思わず、間抜けな叫び声を上げながら、飛び去っていく烏帽子を見送るしかなかった。

 

親父様ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!! 肝心な所で、行かないでくだされえええぇぇぇぇぇ!!

 

そして、幸村が珍しくツッコミの声を上げながら、2人の視界は再び光に包まれた…

 

 

 

 

「「はっ!!?」」

 

そして、気がついた時…幸村とエリオは再び機動六課・隊舎の医務室へと帰っていた。

そこへ備品倉庫のドアが開く音と共にシャマルが部屋に戻ってきた。

 

「ごめんなさい! すっかり待たせちゃってぇ~…鎮痛薬が切らしちゃってて、予備の備品倉庫まで探しに行ってたから…って2人共どうしちゃったの!?」

 

シャマルが遅くなった理由を説明しながら、幸村達を見た途端、目を丸くさせながら仰天の声を上げ、思わず抱えていた鎮痛薬入りの小袋を落としてしまった。

 

「しゃ、シャマル先生?」

 

「どうかしたでござるか?」

 

キョトンとしながら尋ねる2人にシャマルは血相を変えながら詰め寄ってくる。

 

「それはこっちの台詞です! エリオ君も幸村さんも、顔がまた怪我だらけじゃないの!! しかも、ここに来た時よりも酷い状態だし!」

 

「「えぇっ!?」」

 

シャマルの言葉を聞いて、幸村とエリオは慌てて医務室にあった大きな鏡で顔を確かめた。

すると、シャマルの処置でほぼ完治していた2人の顔は、それぞれできたばかりの痣やタンコブにまみれ、鼻血や口血まで流れているという、ぶっちゃけ又兵衛戦の後よりも酷い有様になっていた。

 

「こ……これは……もしや……“殴り愛”の…?」

 

「それじゃあ…今までの事は……夢じゃなくて……?」

 

意識が戻った時、一瞬夢かとも考えてかけたが、顔中にできたこの痣やタンコブを目の当たりにした事で、二人が経験した事が夢・幻ではない事を証明する何よりの明かしとなっていた。 

 

「二人共! 私がお薬取りに行ってる間に一体、何やっていたの!?」

 

大慌てで塗り薬や包帯の準備をしながら、半ば怒って問い詰めてくるシャマルだったが、幸村もエリオも、それに答える事を忘れてしまった。

二人の頭に浮かんだのは昌幸…そして信玄との会遇と、それを経て培った“兄弟”の契…幸村にとってはつかの間の再会ではあったが、そこで得たものは非常に大きかった。

 

「兄上…これからどうするのですか?」

 

エリオが尋ねた。

 

「うむ。某はもう迷わぬ…! このミッドチルダにいる限り、東軍西軍の垣根など最早考えぬ。某は西軍の将としてではなく、真田幸村として、恩義ある機動六課の各方…そして我が“弟”であるお前の力となろう!!」

 

幸村は頷き、エリオの肩に手を乗せながら、力強く微笑んでみせた。

 

「兄上……!!」

 

それを聞いたエリオは、パッと花が開くような笑顔を浮かべた。

 

「これから、よろしく頼むぞ…エリオ」

 

「はい! 兄上!!」

 

そして、互いに小さく頷き合うと、それぞれ拳を握り固めた。

 

「エリオ!」

 

「兄上ぇ!」

 

「エリオぉ!」

 

「兄上ぇぇ!」

 

ィエェリオォ!

 

ァアニウゥエェェェ!

 

そして、二人は互いの顔を目掛けて拳を振り上げ、思いっきり“殴り愛”をはじめるのだった。

 

「ちょ、ちょっと!? エリオ君!? 幸村さんも!? 一体、何をしてるの!!?」

 

当然、2人の間にあった出来事など、何一つ知らないシャマルは、突然にお互いを殴り合いはじめたエリオと幸村を見て、悲鳴に近い声を上げながら止めに入る。

 

「二人共、落ち着いて! ちょ…喧嘩しないで頂戴!!」

 

2人がケンカを初めたと思い込んだシャマルはどうにか二人を止めようと割って入ろうとするが、互いに拳に熱が入った2人相手では、近接戦は不得意なシャマルでは介入する余地がなかった。

 

ィエェリオォ!

 

ァアニウゥエェェェ!

 

ィエェリオオオオォ!

 

ァアニウゥエエエエェェェ!

 

ィィエェリオオオオォ!

 

ァァアニウゥエエエエェェェ!

 

「ちょ、誰か止めてええええええええええぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!

 

2人の奇声に近い叫び声と、シャマルの悲鳴に近い叫び声が、医務室だけでなく、そのフロア中に響き渡り、そこにいた人全員が思わず唖然とさせるのであった。

 

 

その頃―――

下のフロアが騒然としている事など、知る由もなかった家康達はというと…

機動六課隊舎 ブリーフィングルームでは政宗、小十郎、佐助、なのは、はやて、ティアナ、キャロ、ヴィータが集まり、今日の出来事を振り返り、そして今後の対策を考えていた。

 

「シャーリーの話やと、しばらく訓練所は、使用できないみたいやな」

 

「あれだけ派手に暴れたんだ。当然だろ」

 

一番部屋の上座の席についたはやてがため息交じりで告げると、窓際にもたれかかっていた政宗が腕を組みながら遠くに見える訓練所を一瞥しながら言った。

訓練所は穴ぼこだらけな上に、地表は瓦礫の山と化していて、さっそく所々にサーチライトが配備され、技術士官のシャリオの指揮の下、夜通しの再建作業が始まっていた。

 

「でも今日は、ほんといろいろな事があったね」

 

「そうですね…急に家康さんと幸村さんが決闘騒ぎになったと思ったら、いきなり敵の襲撃が起きるし…」

 

なのはが苦笑いを浮かべながら話すと、ティアナがすっかり疲れ切った表情を浮かべながら言葉を添えた。

 

「あの黒田官兵衛って人…結局、何がやりたかったんでしょうか? あの人自身は私達の仲間に加わりたいみたいな事も言ってましたけど…」

 

ブリーフィングルームの端の席で使い魔の子竜 フリードリヒを寝かしつけながらキャロが疑問を口にするが、ヴィータはそれを気だるげに一蹴する。

 

「500近くのガジェットドローンに、ポンコツとはいえやたらクソ硬ぇ装甲車、極めつけはストーカー気質なサイコ野郎まで引っ下げてきた野郎が、言った事なんて信じられるか? 上手く取り入って、アタシらが油断したところをあれだけの軍勢で抑えるって戦法だったんだろうが…如何せんあの“ボウリング野郎”が思いの他バカで、助かったぜ」

 

ヴィータの中々の辛口な評価になのは達だけでなく、政宗や小十郎も苦笑を浮かべた。

ちなみに六課の間で官兵衛のあだ名は『ボウリングの人』と半公認になりつつあった。

 

「まぁ、それもそうなんやけどな…それよりも、あの官兵衛って人達がガジェットドローンを引き連れてた事についてなんやけど…」

 

はやてがそう話しかけたその時―――

ブリーフィングルームの自動ドアが開き、家康、スバル、フェイト、シグナムの4人が入って来た。

 

「あっ!フェイトちゃん、シグナムさん、家康君にスバルもお疲れ様」

 

なのはが家康達に労いの言葉をかける。

フェイトは先程まで黒田主従襲撃に関して地上本部からやってきた執務官達に事件の経緯を報告しており、中でも又兵衛と直接戦った家康、スバルの2人や官兵衛との戦いの参戦メンバーの一人であるシグナムも証人として同行していた。

 

「部隊長。後援部隊や近隣の武装隊、航空隊の捜索の結果ですが…近隣海域、空域からは黒田官兵衛、後藤又兵衛両名共に身柄はおろか手がかりさえも、発見されなかったとの事です」

 

シグナムからの報告を受けて、はやては片手で口元を抑えながら、唸った。

 

「う~~ん…せやけど、簡単に死んだりしそうにもないやろしなぁ。二人共、身体だけは頑丈そうやし、しぶとそうやったし…」

 

「まぁ、確かに装甲車の爆発さえも転がっていくだけで済んでた人だしね…」

 

なのはは苦笑を浮かべながら、自分達が角土竜を撃破した時に鉄球を抱えたままボウリングのように転がっていく官兵衛の姿を思い出していた。

 

「それで地上本部(あっち)の人達からはなんて?」

 

なのはの問いにフェイトが複雑な顔で答えた。

 

「多分、レジアス中将辺りが文句を言ってきそうだけど…とりあえず、地上本部からの協力も一応付けられたかな…? …ってところ。 流石に『スカリエッティ』の名前を出されたら、向こうも動かざるを得ないのかもしれないね」

 

「「「…スカリエッティ?」」」

 

フェイトの口から出た聞き慣れない単語に、家康達が眉を顰めながら訝しげた。

否、厳密には政宗と小十郎の2人は一度だけ聞き覚えがあった。それは昼間の官兵衛との戦いの最中に、彼の口から飛び出した名前であった。

その反応を見たはやてが思い出したように手を叩いた。

 

「そっか。家康君達にはまだ彼の事、詳しく話してなかったんやな? それやったら丁度えぇから、ここらで話しといた方がえぇんとちゃう?」

 

はやてがそう言うと、フェイトも静かに頷いた。

彼女の表情を見た家康達は、フェイトがその『スカリエッティ』なる男と浅からぬ“因縁”がある事を察したが、ここで下手に詮索するメリットもない為、今は話題に出す事は自重した。

フェイトはホログラムコンピュータのコンソールをその場に展開させると、手慣れた手付きでコンソールをタイピングしていく。

すると、ブリーディングルームの奥の壁にホログラムのモニターが大画面で展開され、そこに濃い紫色の癖の強い髪を肩まで伸ばした陰険そうな顔つきの男の顔写真が映し出された。

 

「コイツは…?」

 

「“ジェイル・スカリエッティ”…ロストロギア関連の事件を始めとして、数えきれない罪状で超広域指名手配されている一級捜索指定の次元犯罪者だよ」

 

「次元犯罪者……国跨ぎで追われるお尋ね者ってところか…」

 

家康は聞き慣れない単語を自分なりに解釈しながら、話を聞いていた。

すると、フェイトに続くようになのはが説明を始めた。

 

「スカリエッティは元々、フェイトちゃんが追っていた犯罪者だったんだけど…家康君がミッドチルダにやってくる少し前に、フェイトちゃんの捜査で、ガジェットドローン暗躍の裏で糸を引いているのが、スカリエッティの可能性がある事がわかったの」

 

なのはによれば、機動六課が交戦し、破壊したガジェットドローンの残骸データを調べていたフェイトとシャリオが、残骸の中から、『ジェイル・スカリエッティ』の名前を発見した事が決め手となり、機動六課ではガジェットドローンの製造及び運用者がスカリエッティの可能性が高い事を視野に入れて捜査を行ってきたのだという。

 

「……つまり、ガジェットドローンを引き連れていた官兵衛達は、そのスカリエッティなる男と接触…あるいは協力している可能性が高いと…?」

 

「そういう事になるとは思うけど…」

 

「いや。残念だが黒田達だけじゃなさそうだ……」

 

フェイトが重い口調で答えながら頷いていると、厳しい眼差しで一瞥しながら口を挟んできたのは小十郎だった。

 

「どういう事ですか…? 小十郎さん」

 

スバルが尋ねた。

だが、小十郎は直ぐに答えを言わず、僅かな間を空けた。

次に放つ言葉に皆…特に家康がショックを受けないように配慮しているのだろう。

 

 

「恐らく、そのスカリエッティとかいう野郎は……既に凶王・石田三成達と手を結んでいやがる」

 

「「「「「ええぇっ!?」」」」」

 

「な、なんだって……ッ!?」

 

なのは達と家康から返ってきたのは、小十郎の予想通りの答えだった。

 

 

 

 

「石田三成と…スカリエッティが…手を組んだ……!?」

 

小十郎の思わぬ推理に、六課メンバー、そして家康に少なからず動揺が走る。

かたや、家康抹殺だけを目的に数々の大名達をまとめ上げ、復讐の凶軍の長となった石田三成…かたや数々の常軌を逸した犯罪で管理局の管理世界のほぼ全てにおいて指名手配を受けている一級捜索指定の犯罪者。

一見、なんの接点も無ければ、手を組む道理さえもない両者が手を組んだという小十郎の推測はにわかに信じがたかった。

 

「小十郎さん…どうしてそう言い切れるん?」

 

はやてが冷静を保ちながら尋ねた。

 

「高町、ハラオウン、八神、ヴィータ、シグナム。お前達、昼間の黒田との戦いの途中で、黒田の奴がスカリエッティの名前と一緒に口に出していたもうひとりの名前を覚えているか?」

 

「「「「「えっ!?」」」」」

 

小十郎の言葉を聞いた、なのは達は脳裏に昼間の戦いにおける官兵衛との会話を思い返していく…

 

 

―――畜生! きっと、“皎月院”か、 “スカリエッティ”とかいうあの底意地悪そうな白装束野郎の仕業だな!!―――

 

 

「………そういやぁ、あのボウリング野郎。確かにスカリエッティともう一人、聞き慣れない奴の名前言ってたっけ?」

 

「確か……“コウゲツイン”…だったか?」

 

ヴィータとシグナムがそれぞれ切れ切れに思い出しながら話す。

 

「徳川…お前も東軍の総大将ならば、“皎月院”の名前を知らないわけもないだろう…?」

 

「……あぁ」

 

小十郎に尋ねられ、家康は苦々しい顔で頷いた。

何やら意味深な雰囲気の家康になのは達、六課メンバーの注目が集まる。

 

「……実は、関ヶ原での戦いより前から、東軍の間で妙な噂が流れていたんだ…『西軍総大将・石田三成には参謀・大谷吉継、側近・島左近と並んでもう一人、影で献策を授け、様々な裏工作を働く、“皎月院”なる謎の“女官”が付いている』と…」

 

「謎の女官だぁ?」

 

ヴィータが堪らずに声をあげる。

 

「彼の者についてはとにかく謎だらけなんだ…三成の友であったワシでさえ、あやつの事はよく知らない…なにせ、ワシが秀吉公を倒し、三成と袂を分かつまで、アイツの近くにそんな女はいなかった。恐らくその後に三成に取り入って、今の地位を得たのであろう」

 

「へぇ~。せやけど、家康君から話聞いた限り、家康君の世界の石田三成は家康君への復讐か豊臣秀吉への忠誠心のどっちか一辺倒な人間なんやろ? おまけにすぐ人を殺そうとする程に短気やって聞くし…そんな人によぅ、取り入る事なんてできたもんやなぁ。“凶王”なんてあだ名で呼ばれてるとも言うし、どんな物騒な人なんやろう? とも思ったりしたけど、言うても、石田三成も人間らしいところは人間らしい人…やったりしてな?」

 

「んなわけねぇだろ」

 

冗談半分に話すはやてだったが、政宗が容赦なく一蹴した。

すると、家康も首を振りながら、言った。

 

「正直、ワシも三成が何故、かの女を近くに置いているのかは理解できない……だが、一つはっきりしているのは…三成がワシに関わる事以外で動く際には、必ず裏で大谷(刑部)と共に“皎月院”の存在があるという事だ」

 

「だから、その皎月院って人の名前があるという事は……」

 

なのはが恐る恐る尋ねると、家康は確信を持った表情で頷いた。

 

「あぁ…恐らくは刑部…そして三成も、そのスカリエッティという男と何らかの形で繋がっている。ワシが六課の皆に救ってもらい、手を取り合ったように……」

 

「……“狂人”と“凶王”……まさに最強、最悪の悪人同士が手ぇ組んでもうたかもしれないっちゅうわけか?」

 

はやてが沈痛な表情を浮かべながら、家康に尋ねる。

できれば、そうでなくてほしかったが…

 

「……恐らくは……」

 

重苦しい表情を浮かべた家康から帰ってきたのは、予想通りの答えだった。

 

「はやてちゃん? どうするの?」

 

なのはが尋ねた。

自分達が追っていた次元犯罪者と、家康、政宗達と相対する敵軍の総大将が手を組んだかもしれないという未曾有の事態に、六課も今後の対策を本格的に再考慮する必要に迫られている事を隊長、副隊長共に理解していた。

 

「決まってるやろ? 私ら“機動六課”は今後、ガジェットやスカリエッティだけやのぅて、本格的に“西軍”という新たな敵と相対する事になるかもしれへん。せやから、尚の事、家康君や政ちゃん達の力が必要になるっちゅう事や」

 

はやては、そう言いながら、部屋の隅からずっと静観していた佐助の方に視線を向ける。

 

「そうなると…佐助さん。アンタやゆっきーにも、尚の事協力してもらわなあかんようなってもうたわ。特に管理局が西軍…否、『豊臣』をスカリエッティの共謀者と認識したら、元メンバーである武田軍の人達は、私達に協力する意思を示さん場合、最悪勾留される可能性かて出てきてもうたわ」

 

はやての話を聞いて、佐助はやれやれと首を振った。

 

「つまり…まだ、徳川の旦那と一緒に六課に協力する意思を見せてない真田の大将の返答次第では、俺達は一転、犯罪者扱い…ってわけ?」

 

「そうせざるを得なくなるかもって事や……せやけど、勿論私達はそんな事にはなってほしくない!否…絶対にさせたない! せやから、佐助さん。お願いや! 改めて、ゆっきーを説得したって!」

 

はやてはそう言って、頭を下げた。

一度は仲間として迎えようとした幸村達をそんな形で失いたくはない…そんなはやての思いが溢れるような悲痛な声だった。

すると、佐助は穏やかな笑顔を浮かべながら答えた。

 

「大丈夫だって、はやてちゃん。真田の大将も、きっともう腹はくくってる筈だから」

 

「えっ!?」

 

佐助の一言にはやてだけでなく、ブリーディングルームにいた全員が呆気にとられる。

 

「徳川の旦那との一騎打ちの後の大将。憑き物が取れたみたいにすっきりしたような顔をしてたさ。違う事で色々含んでいた事はあったにしろ…少なくとも徳川の旦那と手を組む事への葛藤は一区切り付けたハズさ。それにエリオがいれば、ウチの大将だって、無下に六課(ここ)を離れるなんて言わなそうだしさ」

 

「エリオが…!?」

 

フェイトは、意外なところでエリオの名前が出てきた事に戸惑った。

だが、佐助は既に確信づいているかのように自信あり気に頷いた。

 

「昼間の大将の決闘の様子を見て、エリオが興味を抱いていたみたいなんだけど、俺が冗談で勧めてみたんだ。徳川の旦那にスバルが弟子入りしたみたいに、エリオも弟子入りしてみるか?って…俺としては半分冗談のつもりだったんだが…あの時のエリオの目…ありゃもしかして本気かもな?」

 

「でも、それってお前の推測じゃないのか? それにいくらエリオが弟子入りしたいって言ったくらいで、幸村自身がエリオに興味がなけりゃ―――」

 

ヴィータがそう話しかけたその時だった―――

 

 

 

ドオオオオオオオオオオオンッッ!!!!!

 

 

やぁぁぁぁぁぁぁがぁぁぁぁぁぁみぃぃぃぃぃ殿ぉぉぉーーーーーー!!!

 

 

 

突然オフィスのドアの隣の壁がぶち破られ、そこから何故か顔中や頭が痣とタンコブだらけ、幸村とエリオが猛スピードで部屋に突撃してきた。

その姿に、家康やスバル、政宗やなのは達、呑気に喋っていた佐助でさえも驚き、その場で硬直してしまう。

 

「ゆ…ゆっきー!? エリオも!? どないしたんよ2人とも!?」

 

「ど、どうしたっていうの!? その怪我!!」

 

又兵衛戦の怪我を治す為に医務室へ向かわせたはずが、明らかに医務室に行く前よりも怪我の具合が酷くなっている2人に、はやてとフェイトが動揺しながら尋ねた。

 

「ってか壁壊すなよッ! ちゃんとドアから入って来いよ!」

 

ヴィータがツッコミを入れるのを無視して、幸村ははやてに詰め寄る。

 

「八神殿!! 其と佐助の分の制服はどこでござるか?!」

 

「せ…制服? あぁこないだ家康君達の分と一緒に用意した制服の事? それなら今は私のオフィスで預かってるけど…」

 

「ならば、急ぎ返還して頂きたい!!」

 

幸村がぐいっと顔を近づけながら言った。

痣だらけになった顔は近くで見れば、余計に不気味さを感じさせる。

 

「真田。それってまさかお前……機動六課に入る気になったのか?」

 

話を聞いていた政宗が幸村に尋ねた。

 

「おう! この幸村。遅ればせながら、徳川、伊達に次いで、この機動六課に共闘をお頼み申す!!」

 

それを聞いた途端にはやての不安げだった表情がパッと明るくなった。

 

「そっか! 入ってくれるんか!? よかったぁ! こちとらその返事を待ってたんやで!」

 

はやてとしては、幸村が六課入りを最終的に拒否した時の最悪の事態を懸念していたのが、その心配がなくなった事に一先ず胸を撫で下ろした。

 

「でも幸村さん。一体どうして? あれだけ悩んでいた幸村さんが、こんなにあっさりと…」

 

話を聞いていたフェイトは、幸村に問いかけた。

フェイトの指摘に幸村は先ほどまでの熱のこもった表情とは逆に、冷静さを漂わせる真剣な表情を浮かべる。

 

「フェイト殿…其は今回の件で大切な事を思い出したのでござる」

 

「大切な事?」

 

幸村は頷き、語りだした。

 

「今度の戦いにおいて、其は同胞であった後藤殿から裏切りとみなされ、さらに家康殿や政宗殿達のみならず我らに恩を与えてくれた機動六課までも危ない目に遭わせる事となってしまった。それに今日の黒田殿や後藤殿が現れたという事は…恐らく彼ら以外にも西軍の者…それこそ石田殿達もこの地に来ているやもしれぬ! 一度は彼らと手を組んだからこそいえるでござるが、西軍は非常に強大でござる! この先、どんな手を用いて、このミッドチルダを戦火に包むやもしれぬ!」

 

すると幸村は家康、政宗達の方に顔を向けて地に膝を着いて頭を下げた。

突然の彼の行動になのは達や家康、政宗らも驚愕の表情を浮かべた。

 

「家康殿! 政宗殿! 好敵手であり、先の関ヶ原では互いに健闘を誓い合った貴殿らにこのような事を頼むのは武士としての矜持無き振る舞いと呆れられるやもしれぬ!

だが、これは西軍の将というわけではなく、ましてや武田の総大将としてでもない! この真田源次郎幸村個人として貴殿らにお頼み申したい!

我ら、日ノ本に住まう戦国の武士として、今は西軍と東軍の違いなど関係なく、其自身の想いで、世話になったこの機動六課…そして某が認めた未来ある(つわもの)達を、戦火の脅威から守りたいのでござる! このとおり! お頼み申す!!」

 

幸村の言葉を家康、政宗は黙って耳を傾けた。

 

「頭を上げてくれ真田。お前の気持ちはよく判った」

 

家康は土下座をする幸村の前にしゃがみこむと、優しく諭すように話し始めた。

 

「お前が譲れぬ誇りを持つ人間である事は良く判っている。だからこの決断を下すまでに相当な苦労をしたのだろう。お前はやはり信玄公の一番の弟子だな。

敵であるワシらに、頭を下げてまで頼むのは相当な度胸がなければできない事だ。きっと信玄公もお前を誇りに思うだろう…」

 

家康はそう言うと政宗達の方へ振り返る。

 

「独眼竜。 ワシは真田の機動六課への入隊に異論はないが、お前はどう思う?」

 

家康の問いかけに政宗は不敵な笑みを浮かべる。

 

「Ha! そうだな。好敵手が同門にいたら尻に火がつくみてぇで、それもまた乙なものかもしれねぇな」

 

「ま…政宗殿…」

 

すると政宗は家康の横に立ち、話し始めた。

 

「勘違いすんなよ? お前を倒すのはこの俺だ。全てが片付き、日ノ本に帰った後はまた俺達は敵同士だ。その時こそ、必ず俺との決着をつけさせてもらうぜ? you see?」

 

政宗の言葉を聞いた幸村も次第に笑みをこぼし、そしてゆっくりと立ち上がる。

 

「かたじけない…家康殿、政宗殿…」

 

幸村は家康と政宗に感謝の意を込めて頭を下げた。

それを見たなのはやスバルをはじめとする六課の面々は暖かく拍手を送り、小十郎と佐助はやわらかな笑みを浮かべて家康、政宗、幸村を見守る。

 

「いやぁ、これですべて円満に片付いたなぁ。ほんまによかったよかった」

 

「うん、これで幸村君達も六課の仲間だね」

 

「そうだね。幸村さんもなんだかふっきれたみたいだし本当によかった」

 

はやて、なのは、フェイトがニッコリと笑いながら三人を見守っていると…

 

うおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!! よかったですぅぅぅぅ!! 兄上ええええぇぇぇぇぇぇぇ!!!?

 

「「「え、エリオっ!!?」」」

 

その様子を見守っていたエリオが突然、今まで見せた事がない程に感情を顕にしながら、歓喜の涙を滝のように流す姿に仰天…を通り越して、ドン引きしていた。

 

「え、エリオ…? 急にどうしちゃったの…?」

 

「さっきまでとキャラが全然違うんだけど!?」

 

「っていうか今、幸村さんの事を“兄上”って呼んでなかった?」

 

スバル、ティアナ、キャロがフォワードチームのチームメイトの突然のキャラ変に戸惑う。

だが、この直後、3人…そしてなのは達はエリオの『キャラ変』どころではない変貌ぶりを目の当たりにする事となる。

 

「うむ! これで俺も、お前を“弟”として存分に導く事ができる! 我が真田が魂! お前も必ずやものとせよ! エリオぉぉぉぉ!!」

 

「心得ました!! 兄上ええええええええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!」

 

エリオは目をギンギンに滾らせながら、幸村に向かって飛びかかると、その左頬に全力全身のパンチを叩き込んだ。

 

「ぬうぅぅん!! エエェェェェェリオオォォォォォォォォォォォォっっ!!

 

すかさず幸村がお返しの全力パンチでエリオをブリーディングルームの壁に向かって殴り飛ばす。

その一撃でエリオは壁に生じた巨大クレーターの真ん中に大の字になって埋まってしまう。

 

「「「「「ええええええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!?」」」」」

 

突然はじまったバイオレンスなやり取りに部屋にいた全員が目を丸くする。

特にフェイト、キャロ、そして佐助の驚き具合は半端ではなかった。

 

「こ…ここ、これは一体……?」

 

「このやり取りって………まさか……」

 

言葉を失うフェイトの傍らでは、佐助の脳裏にかつての武田の“風物詩”の光景が思い出されていた。

 

ぁあ兄上えぇぇぇぇっ!

 

エリオは、クレーターから飛び出して復活すると、再び幸村に向かって全速力で突進し、再びジャンピングパンチを食らわす。

 

ぇえエリゥオォォォっ!

 

そして、幸村も強烈なパンチを浴びせて応える。

2人のパンチの応酬の勢いは凄まじく、その衝撃波で部屋中の家具が揺れ、壁にかけてあった絵画が落ち、ガラス窓にヒビが走る程だった。

唖然とする佐助に政宗、小十郎が冷や汗を浮かべながら近づいて囁く。

 

「……おい、猿飛…。あれって、真田と武田信玄(虎のオッサン)がよくやってた…“殴り愛(アレ)”だよな?」

 

「何故、エリオが真田とアレを……? お前、一体なにを仕込んだんだ?」

 

「お、俺様は何も仕込んでないよ!?」

 

そう言って、戸惑うばかりの佐助にヴィータとティアナ、キャロが詰め寄ると、胸ぐらを掴んで問い詰めた。

 

「おい! い、一体エリオに何吹き込んだんだよ!? お前!」

 

「どうやったら、あんな熱苦しいキャラになっちゃうんですか!!?」

 

「あ、あんな猛々しい人、エリオ君じゃないですよ!!」

 

「ほ、ほんとに俺は何も知らないってばぁぁぁぁぁ!ってか大将ぉ~~! ほんとに、何があったっていうのさぁぁぁぁぁぁぁ!!?

 

首をガクガクと揺さぶりながら問い詰める3人に佐助は焦りながら必死に弁明する。

その傍らで尚も幸村とエリオの『殴り愛』は続いた。

 

「幸村さん! エリオ! 2人とも落ち着いて!」

 

ぁあ兄上えぇぇぇぇっ!

 

「エリオ! なんで幸村さんの事を『兄上』って呼んでるの!? まずそこから説明して! ね?!」

 

ぇえエリゥオォォォっ!

 

「ゆっきー!エリオ! どおどおどお!!」

 

ぁあ兄上えぇぇぇぇっ!

 

「主! 馬じゃないのですから! …とにかく、2人共やめろぉぉ!!」

 

ぇえエリゥオォォォっ!

 

最早、何がなんだかわからない状況になのは、フェイト、はやて、シグナムが見かねて止めに入るも、尚も拳と拳で『殴り愛』ながら、叫ぶ幸村とエリオ…

そんなカオスな状況を前に家康とスバルは唖然としていた。

 

「…えっと……これって……どういう事ですか……? 家康さん……?」

 

「よ、よくわからんが……エリオは真田の…否、武田のやり方に感化されたのかもしれないな……そう考えていいんだよな?」

 

まるで、自分も過去に何度か見た事がある信玄と幸村のやり取りを彷彿とさせる激しいやり取りに、何が2人をここまで縮めたのかわからなかったが、それでも幸村とエリオ…2人の間には確かな“絆”が生まれた事が理解できた。

恐らくは幸村が六課で共に戦う決意を示したのは彼のおかげかもしれない。

 

「……ともあれ。お前が仲間になってくれて嬉しいよ。真田………」

 

家康が感慨深げに呟いた直後…

 

ぁああああにぃうぅぅえええぇぇぇぇっ!

 

ィエエエエリィウォォオオオォォォォッ!

 

ギャーーーーッ!! 長机と観賞用の壺はあかんって!!」

 

誰か! 2人を止めてなのおおぉぉぉぉぉ!!!

 

とうとう近くにあった長机と装飾品の壺をそれぞれ手に取り、『殴り愛』をはじめようとした幸村とエリオをそれぞれ必死に止めながら悲鳴を上げるはやてとなのはの声に我に返る。

 

「い、家康さん! 物思いに耽ってないで、早く止めないと!!」

 

「そ、そうだった! 真田! エリオ! 2人とも落ち着くんだ!!」

 

慌てて止めに加わる家康とスバルだった。

 

そして、2人がようやく殴り愛を止め、『兄弟』という名の師弟関係を築いた事をようやく皆にゆっくりと説明できたのは…それから2時間も後の事であった……




リブート版改変点その…いくつか忘れた(もうかよ!)

オリジナル版でもお気に入りのギャグだった武田家名物『殴り愛』誕生秘話を細かく描写しました。
それにしても、私の書く昌幸ってなんで原作以上に軽い性格になっちゃうんだろう?
加えて、オリジナル版ではちょっとスケベ過ぎたのでリブート版ではあまりやりすぎないように注意したいのですが…

兎にも角にもこれで『家康・幸村決闘編』完結です。
オリジナル版ではここで短編もいくつか挟んでましたが、リブート版では次回から次の長編である『ティアナ成長編』にいこうと思います。
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