リリカルBASARA StrikerS -The Cross Party Reboot Edition-   作:charley

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様々な波乱を巻き起こしながらも、どうにかホテル・アグスタの防衛に成功した機動六課。

その最中、なのは達は幼馴染の『無限書庫』司書長兼考古学者のユーノ・スクライアと再会する。
自分にとっては魔法の師でもあるユーノとの再会に会話をはずませるなのは。

ところが、その時、二人の前に西軍の将 島左近が現れる――ー
しかも左近の狙いは、なんとユーノであった……
 
シャマル「リリカルBASARA StrikerS 第二十章 出陣します」


第二十章 ~ユーノの危機 独眼竜VS凶王の懐刀~

「ちょっくらアンタ………俺と一緒に来てもらうぜ?」

 

そう言い放つと同時に、それまで気さくな笑みを浮かべていた青年が、笑顔で隠していた殺気を鋭い視線に込めて、ユーノを射抜くように睨みつけてくる。

すると、静けさを取り戻しつつあった森の空気が再び張り詰めていき、一迅の冷たい風が対峙する1人と2人の間を吹き抜ける。

 

「ちょ、ちょっと待って!?…『一緒に来て』ってどういう―――」

 

突然の展開に目を白黒させながらもなのはが、一先ず青年を宥めるようにそう言いかけるが、その言葉が終わる前に、青年は既に地面を蹴り、こちらに向かって飛び出していた。

 

「ユーノ君!?」

 

咄嗟になのはがユーノの前に躍り出て、庇おうとする。

だが、それに気づいた青年が軌道を逸らす前に、ユーノに向かって突き出されていた鋭い回し蹴りが、間に入ってきたなのはの顔へ目掛けて振り下ろされる。

しかし、流石は“エース・オブ・エース”と謳われるだけあって、すかさず身体を後ろに仰け反る事でどうにか蹴りが直撃する事は避ける事ができた。

しかし―――

 

「…ッ!? レイジングハートがッ!!?」

 

青年の回し蹴りがなのはの胸元を掠った衝撃で、首からぶら下げていたペンダント型に待機させていたレイジングハートの結び紐が切れ、そのまま蹴りの衝動で起こった風圧に晒されて、遠く離れた場所に飛んでいってしまった。

 

すると、青年はバックステップで一旦後ろに飛び退くと、困った様な笑顔でなのはに話しかけた。

 

「ちょいと、お姉さん。そいつは困るねぇ。 俺は行長先輩と違って、女子供を平然と蹴るような下衆な趣味はないんだよ。 できれば、関係ないアンタには傷はつけたくはないんだけど……」

 

そう言いながらも青年は双刀を右越しに構え直す。

 

「それでも邪魔するっていうのなら……例え、お姉さんが女でも容赦しないけど?」

 

「――――ッ!?」

 

青年は再び表情を一変させ、冷酷さを感じさせるような低い声でなのはを威嚇してくる。

その殺気を直に受けたなのはは、思わず背筋に冷たいものが走る感覚を覚えた。

いつもなら、すぐにバリアジャケットを装着して応戦できるのに、今はその肝心のレイジングハートを落としてしまった。

これでは、変身どころか、簡単な補助魔法さえも使う事ができない。

もしここで、青年に斬りかかられたら、文字通りひとたまりもない状況だった…

 

「ま、待ってください! 貴方の目的はこの僕なんですよね!? でしたら、大人しく投降しますから、どうか、彼女には手を出さないであげてください!!」

 

「ユーノ君!?」

 

そんななのはの状況を察したユーノがどうにか、彼女を庇うように前に出た。

なのはは、慌てて止めようとするが、ユーノは頭を振って制した。

 

「へぇ~、お兄さんなかなか気骨あるじゃない。よっ! 色男!」

 

青年はまたも、軽い笑顔を浮かべると、少し皮肉を込めた称賛を述べた。

まるで、転がる賽の目のように人懐っこい笑顔と冷酷な刺客としての顔を瞬時に切り替えていた。

 

「それじゃあ、大人しく俺と一緒に来てもらおうかな? スクライアさん…」

 

そう言いながら、青年がユーノへと近づいてくる。

近づいてくる青年を前に、なのはは必死に頭の中で思考を巡らせた。

レイジングハートを落としてしまった今の自分に戦う術はない…しかし、このままここで黙ってユーノが拐かされるのを黙って見ているわけにもいかない…どうすれば……どうすれば……

 

そして、青年の手がユーノの肩に向かって差し伸ばされたその時―――

 

パァンッ!

 

「「―――ッ!?」」

 

なのはは、無意識の内に身体を動かし、ユーノの肩に乗せようとした青年の手を打ち払った。

 

「な…なのはっ!?」

 

「……やっぱりダメ…ユーノ君をこのまま黙って連れ攫わせるわけにはいかないよ……!?」

 

なのはは微かに武者震いしながらも、確固たる信念を視線に込め、青年を睨みつけながら、ユーノを庇った。

その姿に青年は、始めは唖然としながら見つめていたが、やがて小さく溜息を漏らす。

 

「そうかい? まぁ、俺は一応、警告はしたから…それでも俺の邪魔をしようと選んだのはアンタなんだし……だったら…」

 

青年は冷酷な表情に切り替えながら、なのはに歩み寄ってくる。

一歩、一歩と近づいてくる青年から放たれる殺気に、なのはは思わず息を呑んだ。

 

「ま、待ってくださ―――」

 

「邪魔だ! どきな!!」

 

「うわっ!!?」

 

「ユーノ君!?」

 

ユーノは再度なのはを庇おうとするが、青年は本来の標的であった筈のユーノの頭に容赦なく回し蹴りをかました。

地面に倒れた衝撃で、彼の懐から何か小さな円形のものが落ちたが、青年はそれに目もくれず、尚もなのはに近づいてきた。

青年が一歩近づくたびに、なのはも無意識の内に一歩後退いていた。

そして、気がつくと近くにあった大きな木の下に追い詰められ、もう一歩も下がれない状況に立たされた。

すると、青年は双刀を交差させるように突き出すと、なのはの細い首を二振りの刀で挟むようにして、その刃を突きつけた。

 

「アンタ……死ぬ覚悟はあるんだよな?」

 

目の前でその射抜くような視線と、殺気の籠もった重い言葉を投げかけられ、なのははゾクリと大きな身震いをすると同時に金縛りにあったかのように体が動かなくなった。そして背筋が凍りつくように冷たく、それでいて汗が吹き出て止まらない奇妙な感覚に駆られた。

 

(そうか……これが…“死”の……恐怖……?)

 

その動揺とも驚愕ともとれない感覚に震えるなのはに対し、左近は無情にも彼女の首を捉えた二振りの小太刀を握る手に力を込め―――

 

「Yaaaahaaaaa!!!」 

 

「「ッ!!?」」

 

突然、森の中に奇妙な掛け声が響き渡ったかと思いきや、青年、なのはの真上に一人に蒼い影が飛びかかってくるのが見えた。

 

「おっと!!」

 

「キャッ!?」

 

降りかかりながら、蒼い影が腰に下げた6本の刀の鞘から一刀を抜き放ち、なのはの首に押し付けられていた双刀に向かって振り下ろしてくるのを見て、青年は咄嗟に双刀を、なのはの首から離すと、そのまま後ろに飛び退いて下がった。

 

「……ヘッ! やっぱり、アンタのお出ましかい? 奥州の独眼竜…」

 

「政宗さんっ!?」

 

「I made it! 嫌な予感がしてこっそり追いかけてみれば、やっぱりか……」

 

蒼い影の正体…政宗は一刀を構えたまま、目の前に立つ青年を睨みつけながら、唸るように言い放った。

 

「テメェも、この世界に来ていたとはな……bad boy……」

 

「それはお互い様…でしょうがよ?」

 

どうやら政宗と青年は、既に顔見知りであるのか、それぞれ軽口と殺気を同時に放ちながら、それぞれ一刀と双刀を構える。

 

「……なんの目的で現れたか知らねぇが…“肥後の蟒蛇”に“鬼島津”のお次は“左腕に近し者”とは…今日はとんでもねぇBig surprise guestのOn paradeだな!!」

 

政宗はその言葉と共に刀を振りかぶる。

対する青年もまた、突っ込んでくる政宗に対して双刀を構え、それを手の上で高速回転させながら突進する。

 

ガキィィン!!

 

金属音と火花を散らしながら、政宗と青年が一刀と双刀を鍔迫り合わせる。

 

「へっへ~んッ! 行長先輩や鬼島津を差し置いて、その“さぷらいず”とかいうやつの、大トリに選ばれるたぁ、俺も格が上がったってもんかねぇ?!」

 

「Ha! 石田の子飼いの分際で、随分と言うようになったじゃねぇか! 島左近!!」

 

「…島…左近……?」

 

政宗の口から出てきた『島左近』という名前と『石田の子飼い』という言葉を聞き、なのはは未だに状況が詳しく掴めずにいながらも、あの青年…左近という男が、自分達が追う敵…石田三成の手の者であるという事は理解する事ができた。

 

「それにしても…今更、ノコノコ現れてなにをしようってんだ? テメェらのけしかけたGadget Drone共は全滅したし、“蟒蛇”も“鬼島津”もとっくに引き上げたそうだぞ?」

 

「そっ! だから、末席の俺が後始末として残ってる仕事を片付けに来たってわけよ? そこにいるユーノとかいう野郎を連れ去らってくるように…ってね?」

 

「Ah? コイツを?」

 

政宗は傍らに倒れて気を失っているユーノを一瞥しながら呟いた。

 

「そうそう。だから俺は行長先輩や鬼島津とは違って、何もアンタらと事構えに来たつもりはないんだよ。 だから…ここで大人しく退いてくれるっていうなら、そこの“なのは”とかいう姉ちゃんと一緒に今日のところは見逃してやってもいいけど?」

 

左近の提案に、政宗は鼻で笑いながら一蹴した。

 

「I’m afraid! 悪いがそうもいかねぇな! このメガネは、なのはの幼馴染だっていうし、それに…俺もコイツにはさっき、ひとつ“借り”を作ったからな! ここでその“借り”を返させてもらおうじゃねぇか!!」

 

政宗は一刀で左近の双刀を押し戻すと、すかさず素早い振りかぶりからの一閃を左近の首に目掛けて振り下ろした。

左近はそれを鮮やかなバク転で避けながら、不敵な笑みを浮かべる。

 

「へぇ~…“借り”が云々なんて、アンタらしくもないねぇ。てっきり、脇目も振らず自分の道を突っ走ってく自己中野郎とばかり思ってたけどさぁ…」

 

左近の皮肉に対し、政宗は意に介する事なく挑発で応じた。

 

「Ha! 俺を魔王のオッサンや、石田みたいなしみったれた“狂犬”と一緒にしてんじゃねぇよ!」

 

「ッ!? …しみったれた狂犬…?」

 

政宗の返した挑発に、左近の眉間がピクリと反応する。

尊敬する主君を露骨に侮辱された事が、彼の琴線に触れたのだった。

そして、忽ちその顔が憤怒に歪んだ。

 

「チィッ!…家康といい、アンタといい…東軍の連中ってのは……どうしてこうもいけすかねぇ奴らばっかなんだろうな!!」

 

左近は叫びながら踏み込んできた。

怒りと殺気を込めた双刀の素早い太刀さばきと、しなやかな蹴りが交互に政宗へと降りかかる。

政宗はそれを一刀でしのぎながら応じる。

火花が散り、まるで鍛冶場の中にいるかのような甲高い金属音が森の中に反響した。

 

「“ゾロ目”!!」

 

「…ッ!!?」

 

不意に左近が双刀で大きな円を描くように振りかぶり始め、巨大な円形の斬撃波が左近の前に盾のように出来上がるのを見て、政宗は危機感を覚えた。

 

「あぁがりっと!!」

 

「shit!!」

 

政宗が飛び下がった直後、左近は回していた双刀の片割れを不意に下から突き上げるようにして振り上げ、巨大な斬撃波を起こして、直前まで政宗のいた場所の地表を大きく抉り取った。

 

政宗は少し挑発が過ぎたかと、内心自分の軽率さを悔やみながら、一刀を構え直した。

まだ若輩とはいえ、流石は西軍総大将直属の懐刀を担っているだけあってか、その実力は五刑衆の行長や、鬼島津までには及ばなくとも、本物である事を再認識させられた。

 

隻眼を細め、腰を低く構えて、意識を集中させる政宗。

対する左近も、軽やかなステップを踏みながらも、意識を集中させるように双刀を振り上げた。

 

「遊びは終わりだ!」

 

左近は目を見開くと、舞踏のような斬撃と蹴り技を織り交ぜた鋭くも華麗な動きを再開した。

両手に持った小太刀を上下左右と斬り乱しながら政宗を追い込むと、さらに追い打ちと言わんばかりに片足立ちで蹴りを繰り出す。

 

「アンタの負け!」

 

それから跳躍して、突き刺さるような飛び蹴りを繰り出してきた。

政宗は咄嗟に身体を横に避け、急場を凌ぎつつ、すれ違った左近の首目掛けて、一刀を大きく薙ぎ払う。左近はすかさず両手を首の後ろへと回し、双刀で降りかかる刃を食い止めた。

 

「へぇ。 今のは、行けると思ったんだけど…流石に、簡単に首は取らせて貰えないか?」

 

「How dare you! そんな大口は、この六爪(りゅうのかたな)を全て抜かせてから吐きな! Rookie!」

 

政宗はそう言い捨てながら、さらに追い打ちをかけんと飛びかかっていく。

 

「へぇ…それじゃあ、抜いてみせろよ? その『竜の刀』って奴を全部さぁ!!」

 

左近の声と共に左右から鋭い一閃が降り掛かってくる。

それを政宗は一刀のみで受け止め、火花を散らしながら、弾いていく。

そこへ左近の蹴りが、政宗の腹へと吸い込まれるように炸裂した。

 

「ぐふっ!?…」

 

一瞬息が詰まりかかり、身体が強ばる政宗だったが、気合ですぐに身体の自由を取り戻すと、追い打ちをかけようと再び片足を蹴り上げていた左近の、地に着いている方の足の脛を刀の峰で打ち付けた。

 

「痛っつ!?…」

 

脛を打たれた事で姿勢が崩れ、左近がよろめいた瞬間を狙い、政宗は踏み込みながら、鋭く、鮮麗された突きを繰り出した。

左近はこれを、双刀を交えるように構える事で食い止める。

鋒が左近の目の数センチ手前まで迫っていたところで政宗の一刀は食い止められた。

 

「…Ha!…相変わらず、なかなか食いついてきやがるな…凶王の懐刀……」

 

「テメェもな。 奥州筆頭……だが、そろそろケリをつけねぇと余計な邪魔が来そうだしな」

 

政宗と左近はお互いに後ろに飛び退くと、それぞれに腰を低く下げて、半身の構えをとった。

特に政宗の方は、六爪の全ての刀に指をかけようとしていた。

張り詰めていた場の空気にビリビリと刺激のような気が走る。

 

「うぅっ……」

 

なのはは、最初に左近に追い詰められた木のところから、動くことができず、カタカタと身体を震わせながら立ち尽くしていた。

政宗と左近の繰り広げる剣戟に圧倒されていたのだ。

 

ひゅうっと音を立てながら、風が吹き付ける。砂が巻き上がり、政宗と左近の顔に当たる。

本来なら目も開けられぬところを、2人は微動だに動じぬばかりか、瞬きすらしなかった。

瞬きをすれば、それは相手に一撃を与える大きな隙を作る…即ち、自分の“敗北”を意味していたからだ。

 

「政宗様! どこですか?!」

 

「なのは! ユーノ! 今そっちで大きな音がしたけど、何かあったの!?」

 

不意に森の入口の方から、政宗達を探す小十郎やフェイトの声、そしてこちらに近づいてくる複数の足音が聞こえてきた。

それを聞いた左近は、小さく舌を打つと、構えていた双刀を下ろした。

 

「…どうやら、この勝負……俺の“ツキ”が回らなかったみてぇだな…だけど俺の本来の目的はコイツ…悪いが頂いて―――」

 

気絶していたユーノの許へと歩を進めようとした左近は、ふと爪先に何かが当たる感覚を覚えた。

見下ろして見ると、それは真ん中に翡翠色の水晶の埋め込まれた円形のレリーフのようなものだった。

 

「なんだ…?これ?」

 

拾い上げながら訝しげる左近。

そこへ、ホログラムモニターが投影され、一人の女性が映された。

スカリエッティの秘書を務めるナンバーズのNo.1“ウーノ”であった。

 

《ミスター・左近。そちらをお持ち帰り下さい。それはスクライア氏が管理している無限書庫におけるロストロギアに関わる管理情報データへアクセスする為のホログラム端末の専用デバイスです》

 

「んあ? って事はコイツのことは、もういいのか?」

 

《えぇ。ドクターや皎月院様が本当に欲していたのはそれです。ですから、それさえ手に入れる事ができれば、必ずしもスクライア氏の身柄を確保する必要はありません》

 

ウーノの言葉を聞き、左近は疲れたように肩をすくめた。

 

「…へっ! 散々使いっぱしらされた挙げ句、結局こんなもん一つで十分だったのかよ? なんか骨折り損した気分…。わぁったよ! その代わり、刑部さんにはちゃんと褒美の金一封貰えるようにアンタからも頼んどいてくれよ?」

 

《わかりました》

 

ウーノの言葉を聞いた左近は、ホログラム通信を切ると、手に入れたレリーフ型の専用デバイスを懐に収めながら、未だ気を失ったままのユーノを見下ろしながら呟く様に言い放つ。

 

「そういうわけだってさ。“ツキ”に恵まれてるな、アンタも…」

 

それから左近は政宗となのはの方に顔を向けると、再びあっけらかんとした軽い調子に戻って話し始めた。

 

「どうやら、もうこのユーノって兄さんも必要ねぇみたいだし…あとはアンタ達に任せるよ。それじゃあな独眼竜」

 

そう言うと、政宗が制止する間もなく、ひらりと踵を返し、持っていた双刀の片割れを地面に突き立てると、一迅の大きな竜巻を起こして、その中に隠れる。

 

「shit!」

 

政宗が竜巻に向かって斬りかかったが、振り下ろされた斬撃は虚しく空を斬り、竜巻が晴れた時…そこに左近の姿はなかった…

 

「……はっ! そうだ、ユーノ君! ユーノ君、大丈夫!」

 

今まで唖然としているばかりだったなのはが、我に返りすぐにユーノに駆け寄ると身体を起こしながら揺さぶった。

 

「う……うん……なの……は……?」

 

ユーノは朧げながらも、目を開き、辺りを見渡していた。

どうやら、重い怪我は負っていない様子だった。

政宗は一刀を鞘に収めながら、空を見上げ、睨みつけていた。

 

「政宗さん…あの人は一体――」

 

「……あぁ。色々とquestionがあるのはわかってる。だが―――」

 

政宗はなのはとユーノへ、そしてこちらへ向かって来ているフェイト、小十郎達へ視線を移した。

 

「まずは全員揃ってから話す方が良さそうだ。You see?」

 

 

他の皆と合流したなのはと政宗は一先ず、気絶したユーノを介抱する為に一度ホテルへと戻る事にした。

事情聞いたホテル側は早速介抱の為に、空いている客室をひとつ手配してくれた。

そこにユーノを運び込んで寝かせ、シャマルの応急処置が施される事となった。

部屋の中には、なのは、政宗、フェイト、幸村、シグナム、小十郎、リイン、そして家康と、ヴィータの見舞いに向かったはやてを除く隊長陣勢達が揃っていた。ちなみにフォワードメンバーは一先ず、屋上で休ませている佐助とザフィーラの許で待機させていた。

 

「うん。頭を蹴られた衝撃で脳震盪を起こしたみたいだけど、出血や骨折もしていないし、もう大丈夫そうね」

 

「す、すみません…ありがとうございます。シャマルさ―――痛っ!?」

 

シャマルが診断結果を下すと、額に包帯を巻いかれたユーノが、怪我の痛みに顔を顰めながらも、頭を下げる。

そんな彼の様子を見たなのはとフェイトは一先ず胸を撫で下ろした。

 

「でも、よかった。ユーノが無事で…」

 

「うん。これも政宗さんのおかげだよ」

 

フェイトとなのはが、安堵の笑みを浮かべながら話すと、ユーノもベッドの傍らの壁に凭れかかっていた政宗の方を向いて改めて、礼を言った。

 

「本当にありがとうございます。政宗さん、おかげで助かりました」

 

「Never mind…お前にはMeteor stoneの“貸し”があったからな。それを返しただけさ」

 

政宗は何でもないと言わんばかりに手を振りながら言った。

 

「…それにしても…まさか、島殿までもが現れようとは…その上、何故にユーノ殿を狙ったのでござろうか?」

 

「確かにな…ユーノ。その“島左近”という男が奪っていったという、お前の持っていたデバイスは一体どのようなものなんだ?」

 

幸村の言葉にシグナムが続き、そのままユーノに問いかけた。

 

「う、うん。なのはや皆の使っているデバイスと違って、僕の持っていたあれは『無限書庫』に収蔵しているロストロギア関連のデータベースにアクセスして保管場所や封印状況を把握する為の管理コンピュータにアクセスする為の専用端末だったんだ」

 

「…っていう事は、かなり大事なものだったんじゃ…?」

 

フェイトが心配そうに尋ねた。

 

「勿論、盗難や紛失を防止する為のロック機能やパスコード機能、認証機能は3重にかけてあるから、簡単に開く事はできない筈だけど…それでも、敵方にあのスカリエッティがいるとしたら…簡単に開けられてしまうだろうね」

 

「そんな…」

 

不安げな面持ちを浮かべるフェイトを宥めるようにユーノは補足を加えた。

 

「大丈夫だよ。すぐに書庫の方には連絡を入れたから、不正アクセスされないように、対策は打ってる筈だし」

 

「それならいいけど…」

 

「でも、どうしてその石田三成の側近の左近って人が、ロストロギアの情報を狙ったりしたんですぅ? やっぱり、スカリエッティの差し金でしょうか?」

 

リインはそう憶測するが、それを聞いていた家康が頭を振って否定した。

 

「いや、三成は元より、刑部や、皎月院の性格から考えて、彼らが黙って、そのスカリエッティという男の野望に使われるだけなんてありえない。その上、五刑衆や島津殿、官兵衛といった有力な将達までも動員してまで、これだけの事を起こしてきているんだ…きっと、彼らも何か意図を持っての行動に違いない…」

 

「…つまり、西軍(石田達)は『天下分け目の戦』の再戦以外に、スカリエッティって野郎と組んで、何かこの世界で大きな事を起こそうと目論んでいる……というのか?」

 

小十郎が尋ねると家康は静かに頷いた。

 

「あぁ……それもワシらの想像もつかないような…大きな事をな……」

 

家康の確信づいたような言葉に、部屋の中の空気が一気に重くなっていく様な感覚を覚えた。

皆、一様にやりきれない表情を浮かべていた。

 

「なのは殿、六課の皆…成り行きとはいえ、ワシらがこの世界に飛ばされた事で各々方を厄介な事に巻き込んでしまって…本当に申し訳ない」

 

「家康君!? なにも家康君が謝る事なんてないよ!」

 

「そうだよ。それに仮に家康君達がこの世界に飛ばされてこなくても、どの道、私達はスカリエッティと戦う事になっていたんだから、厄介だなんて思ってなんかいないよ!」

 

不意に、頭を下げて詫びを入れる家康を、慌ててフォローするなのはとフェイト。

すると、話を聞いていた政宗がふと口を開いた。

 

「……いずれにしても、ここからは今までよりもさらにド派手なPartyになりそうだぜ…!!」

 

政宗の言葉が、なのは達の胸に重く伸し掛かってくるような思いだった。

これまでは、家康達を元の世界に戻す為の方法を探しつつ、機動六課の本来の役目である『レリック』とスカリエッティの捜査という方向で進めてきた。

だが、今日の任務で明確にスカリエッティと、凶王・石田三成率いる西軍もとい“豊臣派”の多くの武将達が、手を組んで何かを起こそうとしている事が明確になった以上、そうも言っていられない。

それは、機動六課の敵がスカリエッティだけでなく、豊臣派の武将達も含まれる事を意味しているからだ。

しかも、その豊臣の猛将達は、小西行長、島津義弘、島左近と、いずれもなのは達がこれまで戦ってきた敵とは比べ物にもならない手練、猛者揃いだ。

恐らく、今まで通りの戦術や強さのままでは、今日のヴィータのような事になりかねない…早急な戦力の強化が必要だった。

 

「そうだね…その為にも、私達やフォワードの皆の事も、強化していって…」

 

「六課以外にも、もっと多くの人の協力を得ないと…難しいかもしれないけど…」

 

なのはとフェイトは決意を示すように言った。

すると、ユーノも身体を起こしながら続く。

 

「僕も協力させてもらうよ。 こうして直接狙われた以上は、もう無関係とは言えなくなったし、それに政宗さんにも大きな貸しができちゃったから…」

 

「ありがとう。ユーノ君」

 

「おいおい、本当に義理堅い野郎だな。お前も」

 

照れ笑いを隠すためか、わざとらしく呆れているような表情を作りながら、「フッ」と笑い飛ばす政宗だった。

 

 

しばらくして、医療センターに搬送されたヴィータの様子を見舞いに行っていたはやてとヴェロッサがホテルに戻ってきた。

なのは達はロビーで2人と落ち合うと、ユーノ誘拐未遂事件の一部始終を説明した。

話を聞いたはやても、なのは達と同じく、今後の六課の方針転換について賛同してくれた事は言うまでもない。

 

「……それじゃあ、早速今夜辺りに、今後の六課の行動指針やフォワードの皆への訓練メニューについて改めて、意見交換しながら、再考していく事にしようか」

 

「「「了解!」」」

 

「ですぅ!」

 

はやてが、そう言って隊長・副隊長達に指示を送り、ホテル・アグスタでの任務は完了となった。

最終ミーティングを終えたなのは達は、早速撤収の準備にかかりに向かう。

なのは達の背中を見送りながら、はやては隣にいたヴェロッサに、申し訳無さそうに話しかけた。

 

「なんか、ごめんな。久しぶりに会ったっていうのに色々とゴタゴタに巻き込んでしもうて…」

 

「いや。こっちこそ、スクライア司書長の護衛についた筈なのに、迂闊だったよ。まさか司書長を誘拐しようとする動きがあったなんて…これは帰ったら、色々と報告書を書かされる事になるね」

 

ユーノの怪我は一先ず回復したものの、念の為に日帰りだった予定を変更し、今夜一晩はホテルに宿泊して養生する事となった。

ユーノはもう大丈夫と遠慮していたものの、念の為にとヴェロッサの手配で地上本部の武装隊から護衛として何人かがしばらく派遣され、周辺警護に着くとの事だそうだ。

 

「本当は私達もユーノ君に付き添って、事情聴取とか色々せなあかんところやけど、早速今後の隊の方針について色々準備せなあかん事があるし、ヴィータも明日には、クラナガンの医療センターに移送されるいうてたからその手続きとかもあるし…申し訳ないけど、ここはロッサに任せてもえぇかな?」

 

「勿論だよ。元より、それが僕の任務だしね…また、後日報告させてもらうよ」

 

「ほな。その時にはいつもみたいにケーキでも用意しといてや?」

 

子供の様な無邪気な笑顔で話すはやてに対し、ヴェロッサはニッコリと微笑みながら頷いた。

 

「わかったよ。本当だったら、また昔みたいに姉さんも交えて3人でゆっくりとお茶会でもしながら話し合いたいところだけどね…」

 

「ほんまやねぇ…カリムがザビー教にさえ惚れ込んだりせぇへんかったら、すぐにでも暇見つけて聖王教会に行こう思うのに…」

 

はやてがそんな事を言いながら溜息をついたその時だった…

 

「ダメだと言ったら、ダメです!!!」

 

「オーマイザビー!! どうしてわからないのかしら!? この罰当たり!!」

 

不意にロビーに響き渡る言い争う怒声に、はやてとヴェロッサがビクリと身体を震わせた。

しかも、その片方の声は2人とって聞き覚えのある声であった。

 

「「こ…この声は……まさか…!?」」

 

はやてとヴェロッサが言い争いの聞こえた方を恐る恐る振り返ると、それはロビーのフロントの方からだった。

フロントの辺りにはホテルの従業員や客が人だかりを作っていた。

その人だかりの向こうには、どうやって持ちこんだのか…宣伝カー代わりのザビー顔の小型戦車に乗り、ザビーの顔とどこかの右○団体を思わせる宣伝文句の書かれたでかい旗を掲げて大々的な宣伝をする大友宗麟と、彼の隣で、どこぞの年末になると現れる演歌歌手のような金ピカの派手な衣装を身にまとったカリム・グラシアが、すっかりザビー教化した聖王教会の教会騎士を伴いながら、憤然とした様子で数人のホテルの重役と思しき紳士淑女に詰め寄っていた。

 

「ね、姉さんーーーーーーーーーーーーーー!!?」

 

「か、カリム!!? それに大友宗麟!!? なにしてんねん、こんなところで!?」

 

はやて、ヴェロッサは予想外としかいいようのない、カリム&宗麟率いる邪教化した聖王教会の面々の登場に唖然とする。

一方、そんな彼らの存在に気づいていない宗麟は、ふてぶてしい態度でホテルの重役達を詰っていた。

 

「貴方方。どうしてもカリームの要請に応じないと?」

 

「ですから、何度も仰っているように…いきなりホテルを買収するだなんて突拍子もない話を持ちかけられてもすぐに返答なんて、できるわけがないでしょう!!」

 

毅然とした態度で断るホテルのオーナーと思しき高齢の男性にカリムが腰に手を当てながら、声を荒げた。

 

「だから何度も言ってるでしょう! このホテルを私達『ザビー教団』が買取って、ザビー教徒専用保養所 『踊る!ザビー御殿!!』に改装すると!」

 

「ここを皮切りに、ミッドチルダの各地にザビー教徒の為の“割高”ホテル『ザビホテル』グループを全国展開していこうというのです! 素晴らしいでしょう?」

 

そう言って宗麟が掲げたプラカードには『花の飾りの帽子を被った正装のザビーの顔』がデンとアップで載った“ザビホテル”のロゴマークが描かれていた。

 

「素晴らしくねぇよ! こんな気色悪いオッサンが広告塔のホテルなんて、誰が利用するか!!」

 

とうとう敬語を使うのも止めたオーナーが、宗麟の書かれたプラカードを小突きながら、完全否定した。

 

「んまぁ! 失礼千万な! 『ザビホテル』は愛を持った人なら誰だって大歓迎する方針ですのよ! 特にロイヤルルーム以上のご利用の方には1泊につき1ポイント贈呈のポイントカードもあるから『ザビ不倫』だってし放題なのに!」

 

「いや意味わかんねぇよ! 何!?『ザビ不倫』って!?」

 

ツッコむオーナーに宗麟が割り込んでくる。

 

「『ザビホテル』は不倫カップルの隠れ愛の巣としても最高~! クローゼットや4WDの車内や多機能トイレよりも快適な愛の環境をお届けしますよ~!」

 

「比較する基準がわかんねぇし! なんで、クローゼットや4WDや多機能トイレなんだよ!?」

 

段々とオーナーとの掛け合いが漫才のような体になってくる。

 

「と・に・か・く!! これは私と宗麟君が立ち上げた『ミッドチルダ・大ザビーランド化計画』の第一歩なのです!! その為にもまずはこの『ザビホテル』プロジェクトを成功させないと!」

 

「っというわけです! 今すぐこのホテルをザビー教に売りなさい!」

 

「なんでそうなるんだよ!? いいから帰れ!この新手の地上げ屋共ぉぉぉ!!」

 

「売りなさい!」「帰れ!」と再び押し問答になる宗麟&カリムとホテル関係者のやり取りに、ロビー中にいた客から冷ややかな視線が注目されるのを見て、はやてもヴェロッサも恥ずかしくて顔が真っ赤に染まってしまった。

 

「……ロッサ……」

 

「う、うん……今は他人のフリをしよう……」

 

「せ、せやね……」

 

気づかれない内にこそこそと、その場から離れようとするはやてとヴェロッサだった…だが―――

 

「ん? あら! そこにいるのは、私の最愛の妹分のはやてと、弟のロッサじゃない!?」

 

「「ギクッ!!?」」

 

押し問答をしていたカリムが逃げようとしていた2人の背中を見つけると、ロビー中に響かんばかりの大声で呼びかけてきた。同時にロビーにいたホテルスタッフや客からの冷ややかな視線がはやてとヴェロッサに集中する。

 

((っていうか50メートルは離れていた筈なのに、どんな超視力ーーーッ!?))

 

2人が心の中でツッコむのを尻目にカリムが、嬉々とロビーを横断してこちらに向かって近づいてきた。

勿論、その疑似小◯◯子的なキンキラギンの派手な紅白風衣装は周囲にいた人間から凄まじい注目を集めていた。勿論、“違う意味で”である。

 

「丁度良かったわ~~~! 貴方達も協力して頂戴! このホテルの『ザビホテル』化プロジェクトに! 協力してくれたら、貴方達の入信料を1%割引してあげるわよ~~~~~!!」

 

本能的に危機感を覚えたはやてはヴェロッサの肩を叩くと、キリリと凛とした顔を作って、簡潔に言い放った。

 

「っというわけでアコース査察官様! 私達、『機動六課』はこれにて撤収しますので、後の事はよろしく!!」

 

「えぇっ!? ちょ、は、はやて!? いくらなんでも、それは―――」

 

「ほな、さいならぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!」

 

ヴェロッサが反論する間もなく、文字通りの電光石火の速さではやてはダッシュすると瞬く間にホテルのエントランスから外へと出ていってしまった…

 

(は、はやての薄情者ぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!?)

 

まさかのここへ来て、かわいい妹分の裏切りに唖然としたまま立ち尽くすヴェロッサ。

だが、その襟首を後ろから鷲掴みにされる。

 

「あら? はやては、またお仕事? じゃあ、仕方ないわね。貴方だけでも私達の活動を手伝いなさいな。ロッサ…否“コイズミーヴェロベーロ”!」

笑顔を浮かべたまま述べるカリムの口から出た奇怪な名前にヴェロッサは青ざめながら叫ぶ。

 

「“コイズミーヴェロベーロ”って誰!? なんか知らない間に僕もザビー教に引き込んでない!? 姉さん!」

 

「知らないもなにも、貴方は偉大なるザビー教の教祖代行“ノスラダムスカリム”の弟なんだから当然でしょ! っというわけで、早速貴方からもここのオーナーさんへの説得をお願いね」

 

「い、いや待って、姉さん!! 僕は今、仕事中――――」

 

「レッツ・ゴー!ザビー!!」

 

「姉さあああぁぁぁぁーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん!!!」

 

悲痛な叫び虚しく、周囲からの冷たい視線を浴びせられながら、ヴェロッサはすっかり変わり果ててしまった姉に襟首を引きずられていくのであった……

 

ちなみに…その後、結局ホテル・アグスタ買収交渉(という名の無茶振り)に失敗したザビー教団と大友宗麟、カリム・グラシアは言うまでもなく、アグスタからブラックリストに入れられ、無期限出入り禁止処分を下されてしまったという。

ついでに、何故かヴェロッサも…

 

 

ホテル・アグスタ付近―――

広く空けた場所に止められたヘリの周りで撤収準備にかかっていた六課の面々。

その中に交じって、なのはも自分の作業に当たっていた。

 

「……なのは殿……ちょっといいかな?」

 

そこへ家康が近づいて話しかけてきた。

 

「家康君? どうしたの?」

 

「実は……少し、気になる事があって……隊舎に戻ったら、少し話を聞かせてもらってほしいのだが…?」

 

「うん? 気になる事って?」

 

なのはが尋ねると、家康はスバル達が自分達の会話が聞こえない程に離れた場所で作業に当たっていてこちらに気づいていない事を確認してから、改めてなのはの方を向いた。

 

「気になる事というのは他でもない……ティアナの事だ」

 

家康の言葉を聞いたなのはは、一瞬ドキッとした様子を見せた。 

 

「今日の失敗や行長の一件もそうだが、ここしばらく、彼女の訓練の様子を見て思っていたんだ……強くなりたいなんていうのは、あれくらいの歳の者なら誰だって思う事だし、無茶も多少はする……だが、ティアナの場合、それが時々ちょっと度を越えてる気がしてならないんだ。彼女……六課に入隊する前に、何かあったのか?」

 

なのはは「やはり来たか」と言わんばかりに小さく肩を竦めた。

その態度からして、やはりなのははティアナの過去について何か仔細を知っているのだと家康は確信した。

 

「……うん。そうだね…家康君や政宗さん達にも話を聞いてもらっておいた方が良さそうだね。これからの為にも……」

 

一瞬躊躇う様子を見せかけるが、すぐに覚悟を決めた様に頷くと、真剣な眼差しで家康の方を向いた。

 

「家康君…今夜、夕食が終わったら、政宗さんや幸村さん、小十郎さん、佐助さん達と一緒に隊舎の休憩コーナーに来てくれないかな? そこで皆に話すよ。ティアナの事を………」

 

なのはは、そう言うと再び自分の作業に戻る。

その様子を見た家康は、これは相当深い事情がある事を予想するのだった。




ようやく、ティアナ編の前半戦といえる『ホテル・アグスタ攻防戦』が終わりました。
いやぁ、長かった…こうして再構成していると、オリジナル版が如何に薄っぺらかったか自分でも嫌というほどに痛感させられました。

ちなみに、ユーノ君はこのまま誘拐させる展開も考えたりしたんですが、そうしたら以降の話にギャグな場面を入れづらい雰囲気になってしまうし、StrikerS中盤の『あのイベント』の印象も薄くなってしまうかもしれないと懸念し、本編中の展開にしました。

次回からはティアナ編中盤戦の『あの模擬戦』へと至ります。オリジナル版ではなのはが魔王化しませんでしたが、リブート版では果たしてどうなるか…ご期待下さい。
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