リリカルBASARA StrikerS -The Cross Party Reboot Edition-   作:charley

7 / 78
機動六課部隊長・八神はやての(半ば強引な)鶴の一声で臨時隊員として入隊する事になった家康。
ミッドチルダに来たばかりで右も左もわからない家康は、果たして上手くやっていけるのか…?

なのは「リリカルBASARA StrikerS 第参章出陣します」


第参章 ~新隊員 徳川家康誕生! ~

機動六課本部隊舎 ロビー―――

 

「…っというわけで今日から私達と一緒に働く事になった徳川家康君です。皆仲良ぅしてやってな」

 

家康が機動六課に入隊した翌日、ロビーには機動六課の職員全員が呼び出され、整列した彼らの前に、部隊長のはやてが立って家康を紹介した。

そして彼女の隣では家康が、これから共に戦う事になる仲間の顔を一人一人見渡していた。

 

なのは、フェイト、ヴィータ、スバル達フォワードチームメンバーに加え、昨日は見かけなかったピンク色のポニーテールの長身の女性隊員が立っている。

はやてによると彼女達が機動六課の前線要員らしく、さらにその後には金髪のショートヘアーで白衣を着た女性、そして蒼い体毛をした狼、銀髪で眼鏡をかけた男性隊員や茶髪で眼鏡をかけた女性など『ロングアーチ』と呼ばれる後方支援を担当するメンバーが紹介された。

 

(本当に女性の割合が多い部隊だな。ワシの知っている軍の基準とはまるで違う)」

 

家康は内心、機動六課の男女の比率の差に驚いていた。

なにしろ六課の中で組織の中心を担う主要メンバーの中で、男性メンバーはエリオと、ロングアーチの一人である銀髪で眼鏡をかけた青年、それとはやて曰く『ヘリパイロット』と呼ばれる(当然ながら家康はヘリやパイロットの意味も知らない為、はやての説明はあまり理解できなかった)軽い雰囲気の青年の三人しかいなかった。

 

 

(ここでは大の男は戦の裏方に回り、女性や子供が戦の中核を担う…か。まるで直虎殿の治める井伊谷のような部隊だなぁ)

 

 

「まぁ、あそこには子供の兵はいなかったがな」と心の中で笑いながら家康は日ノ本の国の中でも最も女の力が強い国と、それを率いる女地頭の存在を想い出していた。

 

 

井伊直虎―――

 

徳川家が治める三河の国の隣国である遠江・井伊谷を治める名家 井伊家の先代当主にして、群雄割拠の戦国の日ノ本においては稀有な女城主である。

 

絶える事のない戦で悲しむ乙女を救い、乙女の為の世を作るべく剣を振るい立ち上がった東国随一の女武将として、女達を導き、遂には自軍の主力戦力をほぼ全て女性だけで占めてしまうという斬新な軍を立ち上げてしまった。

 

彼女の興した新生・井伊軍は当時日ノ本の中でも前代未聞な事例であり、また決して特別大きい勢力ではなかった故に、一時は全国各地の軍から嘲られる事があったものの、その男にも勝る高い士気で、日ノ本でも名高き古豪 甲斐武田軍とも互角に当たり合うだけの実力を示した事で、やがてその志と奮闘ぶりを認めた徳川軍と親交を重ねた。

 

そんな井伊の国の盤石を築いた直虎であったが、ある戦で負った怪我が原因で剣を握れなくなった為、現在は井伊の国を徳川軍の属国とする事で安泰させ、自身もまた、家督を養子にして徳川軍の重臣の一人である“井伊直政”に譲って隠居していた。

 

しかし、隠居した今尚も直虎は現役と変わらぬ男勝りさで乙女の国 井伊谷を纏め、そして親国の当主である家康に対しても時折、助言と称しては、国や軍の運営について説教をしにやってくる事があった。

 

家康は今の機動六課の姿を見て、なにかここには井伊軍と通ずるものがあると考えていた…

 

不意に、家康の肩を横からはやてが、軽く叩く。

 

「ほら、家康君。アンタも今日から一緒に働く皆に一言挨拶せなあかんで」

 

そう言ってはやては家康に手に持っていたマイクを手渡してくる。

 

「え~と…それがしの名は…」

 

家康は、はやての手からマイクを受け取るとそれを口元に近付けて話そうとするが、その様子を見ていた六課の隊員達がどよめきと苦笑を浮かべ始める。

それを見た家康は自分の顔に何か付いてるのかとうろたえていると、はやてが横から小声で囁いた。

 

「家康君、あんたマイク逆に持ってるで…」

 

「えっ!?」

 

家康が自分の手に持つマイクに目をやると、そこには上下逆向きに持ったマイクが…

そこで、はやては家康にマイクの正しい使い方を教える事にした。

 

「家康さん。マイクはこうやって…こう持って使うものですよ…」

 

すると反対側に立っていたフェイトも参加し、家康は彼女達から数十秒程かけてマイクの使い方の手解きを受ける。

そのシュールで滑稽な姿に見ていた職員達の中には思わず吹き出してしまう者もいた。

 

「こ…こうか!?…よしわかったぞ。かたじけないはやて殿、フェイト殿」

 

なんとかマイクの使い方を覚えた家康はちょっぴり恥ずかしそうに改めてマイクを握り直すと、自己紹介をした。

 

「某の名は徳川家康。わけあって今日からここでしばらく世話になると共に、皆と一緒に戦う事になった。短い間ではあるがよろしくお頼み申す」

 

ちょっとゴタゴタしてしまったが、なんとか名を名乗る事ができた家康に六課の面々は盛大な拍手を送り、彼を歓迎した。

 

 

こうして集会は無事解散となり、六課の隊員達は各々各自の職務に取りかかりだした。

そんな中、家康はというと…

 

 

「う~ん…やっぱり文字が読めないと地図を見ても意味がないか…」

 

六課本部のエントランスホールにある案内掲示板の前で一人、腕を組んで悩んでいた。

六課の皆に紹介された後、家康ははやてより「今日は、隊舎のいろんなとこを周っていろいろ知ってみるとえぇわ」と言われてその通りにしようとしたが、隊舎内の地図が画かれた案内掲示板の前に立ったところで重要な問題に気付いたのだった。

 

それは「ミッドチルダの文字が判らない」という事だ。

 

地図や案内掲示板の解説文に書かれた文字はどれも家康が今まで一度も見たことがないようなミミズの行進のような文字ばかりで、家康の見なれた漢字やひらがなは一文字も書かれていない。

当然な事だが、地図を見ても書き記されている部屋が何のために使われる部屋かわからなければ意味がないもの。

家康はほとほと困ってしまった。

 

「さて……一体どうすればいいか?」

 

「あっ!いたですぅ。家康さぁーーーーーーーーん!」

 

家康が悩んでいると、突然後ろから、誰かが家康を呼ぶ声が聞こえてる。

家康が振り返ってみるが、後ろにはそれらしき人は誰もいない。

 

「なんだ? 今、確かに声がしたはずなのに…」

 

気のせいかと思い、再び家康が案内掲示板に顔を向けようとすると…

 

「家康さん!こっちですよぉ!」

 

先程の声が今度は上の方から聞こえてきたため、家康が声のする方へ顔を向けると、そこには30センチくらいの大きさの青いロングヘアーをした少女が浮かんでおり、家康と視線が合うと、満面の笑顔を浮かべてきた。

だが家康は、彼女の顔を見た瞬間…

 

「!? わあああああああぁぁぁぁ!!? そ…空飛ぶ女一寸法師!!?」

 

悲鳴を上げながら案内掲示板に頭をぶつける程に仰け反り、腰を抜かしてしまった。

それを見た女一寸…ではなく、はやてが開発した人格型ユニゾンデバイスであり、はやての補佐を務める リインフォースⅡは頬を膨らまして怒る。

 

「むぅぅぅぅ!! リインは女一寸法師なんかじゃないですよぉ! リインは身体はちっちゃいですけど、はやてちゃんの立派な補佐役です!」

 

「えっ!?はやて殿の補佐?」

 

家康がぶつけた頭を押さえながら聞くと、リインフォースⅡ(略してリイン)は「そうです!」と言って、家康の顔の前に近づいてくる。

 

「まったく! 出会い頭にいきなりそんな言い草をするだなんて、デリカシーがないですぅ!

せっかくはやてちゃんから託を預かってきましたけど、そういう失礼な人には教えてあげないです!」

 

頬を膨らませながら意地悪を言うリインに、慌てて謝罪する家康。

 

「わわわ!! す…すまないリイン殿! 今のはワシの失言だった! このとおり、謝る! 許してくれ!」

 

そういって必死に土下座までしだす家康。

 

その様子を横眼でじっと見ていたリインはやがて「クスッ」っと笑みを浮かべ、それから大声で笑い出した。

 

「アハハハハハハハハハハハ! はやてちゃんの言ってた通りですぅ!まさか謝る時の仕草まで予想通りになるなんて、すごいです!」

 

「えっ!?えっ?」

 

なにがなんだかさっぱりわからない家康にリインは笑いながら、空中にキーボードを投影させるとそれを操作して、家康の目の前にホログラムのモニターを出した。

 

《アハハハハハハハハハハハハ! いやぁ、リインを見たら絶対腰抜かすやろって思っとったけど『空飛ぶ女一寸法師』は予想以上の反応やわ! ハハハハハハ!!》

 

モニターには、はやてが大爆笑する姿が映し出され、家康は何が何だかわからず茫然とする。

 

「えっと…これは…」

 

《いやいや、ゴメンゴメン家康君。実は家康君がここの建物の中一人で見物したってなにもわからんやろ思って、そこにいるウチの人格型ユニゾンデバイス リインフォースⅡにここの案内役を任せたろうと思ったんよ》

 

「えぇ!デバイスなのか!?この子が!?」

 

昨日スバルよりデバイスに関する説明を聞いていた家康だったが、ユニゾンデバイスの事に関しては聞いていなかった為、目の前にいる小人サイズの少女がデバイスと聞き、驚きを隠せなかった。

ちなみにユニゾンデバイスとは、所有者と融合を果たすことによって驚異的な能力向上を果たす機能を有する、別称「融合型デバイス」「融合騎」とも呼ばれる。姿は通常の人間型、もしくは飛行能力を有した小さな人型(約30cm)をとるミッドチルダでも希少な種類のデバイスだ。

 

「そうですよ!リインはこれでも今まで何度もはやてちゃんを助けてきたんですよ!」

 

「はやて殿を…助ける…?」

 

 

リインの言葉を聞いて家康は脳裏に「はやてを助けるリイン」の姿を想像してみる。

 

 

 

 

 

「リイン!リイン!助けてーーーーーーーー!!」

 

大勢の敵兵に囲まれて悲鳴を上げるはやての前にリインが舞い降りてきて…

 

「リインフォースⅡ、攻撃形態!ですぅ!」

 

背中に二門の大砲を構えたリインがはやてを取り囲む敵兵目がけてプラズマエネルギーを発射して敵を一掃する…

 

 

あるいは…

 

 

「リイン! わたしを敵軍の城まで運んで!」

 

 

「はいです! リインフォースⅡ、機動形態!ですぅ!」

 

はやてを背中に乗せる程に巨大化したリインが、はやてを乗せてジェット噴射で大空を駆け巡る…

 

 

あるいは…

 

 

「リイン!前方から敵が仰山攻めてきたで!」

 

「了解です!リインフォースⅡ、重機形態!ですぅ!」

 

そう言ってリインが巨大なドリルを持ち…

 

「うおりゃああああ!ですぅ!」

 

押し寄せてくる敵をドリルで突き、吹き飛ばす…

 

 

 

 

「……………………」

 

「?…どうかしましたか?家康さん」

 

様々な回想が思い浮かぶ毎に家康は恐ろしくなり、顔が少し青くなり、思わず身震いしてしまった。

そんな家康を不思議そうに眺めるリイン。

そこへ…

 

「あれ? 家康さんにリイン曹長…? どうしたんですか?こんな所で」

 

近くを通りかかった制服姿のスバルが家康とリインに気付き、声をかけてきた。

 

「あれ?スバルは、デスクワークはもう終わったのですか?」

 

リインがそう言うと、スバルは重圧から解放されたばかりの清々しい笑顔でうなずいた。

 

「はい! ティアはちょっとヴィータ副隊長に呼ばれてて、エリオとキャロはこないだの報告書作成に時間がかかってるみたいで、だから私だけ午後の訓練まで暇になっちゃったもんで…」

 

すると、スバルの言葉をモニター越しで聞いていたはやての目が光る。

 

《スバル! ちょっと今からアンタに部隊長命令出すで!》

 

「うわぁ!? はやて部隊長!? へっ!? 部隊長命令!?」

 

ホログラムに映るはやてから突然課せられた指令に戸惑うスバル。

 

《そうや! 今からそこにいる家康君を、リインと一緒に六課の中を案内するんや!》

 

「えぇ!? 私が…ですか!?」

 

《そうや! もうスバルも六課の隊舎の構造は人に教えられる程覚えてきたやろ? 午後まで暇なんやったらちょうどいい機会やしえぇやんか。それに…》

 

はやてはここで言葉を止めると何やらニヤニヤした表情になってスバルをからかってくる。

 

《これを機会に家康君と仲ようなれるチャンスやないか。 恋愛ものの物語はこういうイベントで最初の仲を作っていくもんやで?》

 

「ちょ…!? は…はやて部隊長!! からかわないで下さいよ!!」

 

「???」

 

スバルが慌てて頭を振りながら否定すると、はやてとリインはそんなスバルの姿に笑い、家康は2人の会話の意味がよく判らず首をかしげた。

 

《まぁとにかくや、家康君。 判らんことがある時はスバルとリインに聞いたらえぇから、心配せんで六課を好きに周ってきたらえぇよ》

 

「あぁ! 本当に感謝する。はやて殿」

 

《ほな、楽しんできぃや》

 

はやてがそういうと、彼女を映していたホログラムモニターが消えた。

 

「じゃあ家康さん。行きましょうか」

 

「あぁ、よろしく頼むぞ。スバル殿、リインフォースⅡ殿」

 

「フフフ。私の事はリインでいいですぅ。じゃあ行きましょうか」

 

そう頭を下げる家康をいそいそと案内しだすリイン。

その後ろに続きながら、スバルは顔を真っ赤に染める。

 

(家康さんに六課を案内……どうしよう…)

 

 

 

 

こうして始まった家康の『機動六課案内ツアー』は行く先々で騒動が起こる波乱万丈なものとなった。

 

 

まず、ロングアーチの仕事場である司令室では、これまで機動六課の活躍を見せる為に、前線中継の録画映像を流したが、そもそもビデオ映像なんて見た事がなかった家康はモニター映像に映ったガジェットを本物と勘違いし、危うくモニターに向かって『天道突き』を繰り出そうとしてスバルとリインに、必死に止められ…

 

 

一般隊員用のオフィスではリイン、スバルの手ほどきで初めてパソコンを使ってみた家康であったが、無茶苦茶な操作をして大事なデータを消しそうになった挙句、偶然にも18禁のエロサイトへ繋がってしまい、大騒ぎになったりした…

 

 

 

「こ…これはすごい…」

 

そして、3人が次にやってきたのは六課の専用ヘリが置かれたヘリポートだった。

言うまでもないがここに置かれたこの世界の乗り物“ヘリコプター”など全く知らない故に、目の前に現れた未知の乗り物に思わず目を輝かせる事となった。

 

「この世界は本当にすごいものだなぁ…あんな空を飛ぶ乗り物が当たり前のように普及されているだなんて…」

 

「この世界だけじゃないですよ。 はやてちゃん達の住む日本にだってある乗り物ですぅ」

 

「私達は事件が起きたら基本的にあれに乗って出動するんです。昨日は近くだったので使わなかったわけですが…」

 

リインとスバルの説明を聞きながら、家康は興味津々にヘリコプターへと近づいていった。そこへ…

 

「おっ! 噂の新人隊員じゃないか。何か用か?」

 

不意に後ろから明朗な声がかかった。

スバルとリインが声のした方向を向くと…

 

「あっ! ヴァイス陸曹!」

 

そこに立っていたのは機動六課の輸送要因兼ヘリパイロットにして主要隊員の中では数少ない男性隊員の一人 ヴァイス・グランセニックだった。

 

「ヴァイスさん。今、家康君をこの隊舎の中を案内してて…」

 

「ほぉ。じゃあ、俺も改めて挨拶しないとな。なにせ六課では珍しい男の後輩なんだからな…」

 

そう言いながら、ごく自然に家康の肩を叩くヴァイス。

 

「よぉ!新入り! 俺はこの機動六課のパイロットの―――」

 

だがヴァイスが声をかけた瞬間、家康はハッと仰天した様子で振り返り…

 

「さ、左近!? 貴様…もしかして左近か!?」

 

「はっ!? だ、誰それ?」

 

いきなり、聞いたことのない名前で呼ばれ、困惑するヴァイスに対し、家康は明らかに警戒した様子で身構えだした。

 

「三成と一緒にあの光に吸い込まれたのを見たが…まさか姿を偽ってこんなところに潜伏していたとは! よほど三成に代わってワシを始末したいようだな!」

 

「ちょ、ちょっと待った!ストップ!ストップ!! さっきから何言ってんだよ!? 俺はその“サコン”とかいう奴なんかじゃなくて、ここのパイロットのヴァイス―――」

 

「大体、イカサマ嫌いのお前が扮装だなんてらしくないぞ! ワシは逃げも隠れもせんから、お前もそんな扮装なんて外すんだ! 勝負するなら、正々堂々かかってこい!!」

 

混乱するヴァイスの言葉に耳も貸さずに家康はヴァイスの両頬を掴み、引っ張り上げて抓りはじめた。

 

「痛てて! いでで!! ちょ…やめ、やめへええええええぇぇぇ!!!」

 

「い、家康さん!!」

 

「誰と勘違いしてるのかわかりませんが、この人はこの部隊のヘリパイロットのヴァイス・グランセニック陸曹ですよぉ!!」

 

突然の事に混乱しながら、スバルとリイン、さらにヘリポートにいた数人の整備士達が駆けつけて、どうにか家康をヴァイスから引き離したのはそれから2分後の事だった…

 

 

「す、すまない…お主の声があまりにワシの知っている敵将に瓜二つだったので、つい…」

 

「い、いえ…誤解が解けたのなら、それでよかったです」

 

ようやく落ち着いた家康が、頬を真っ赤に腫らせたヴァイスに頭を下げて謝意を示し、一先ずスバルは胸を撫で下ろしていた。

家康曰く、ヴァイスの声が、家康もよく知る宿敵・石田三成の側近、島左近の声とあまりに瓜二つだったそうだ。

 

「よくねぇだろうよ…なんで俺、挨拶しただけで顔散々抓られなきゃならねぇんだよ?」

 

だが、ヴァイスにしてみれば、せっかく新しい同性の後輩に気持ちよく挨拶しようとしただけで、顔を抓られるという悲劇に見舞われ、少々不機嫌になっていた。

 

「まあまあ、ヴァイスさん。こうして家康君とも思いがけない形でスキンシップがとれたと思って、ここは大目に見ましょうよ」

 

「う~ん…なんか、俺…これをきっかけに、とんでもないババ引きそうな気がしてきたんだけど…」

 

「「?」」

 

なにやら意味深な事をボヤくヴァイスに、家康もスバルも首をかしげるばかりだった。

 

余談であるが、この時ヴァイスが抱いた嫌な予感…後々に予想以上の形で現実になってくる事はまだ誰も…ましてやヴァイス自身さえも知る由もなかった……

 

 

その後、隊舎内部を一通り見て回り終わった家康達は一通りの見学を終えてロビーの談話コーナーで休憩をとっていた。

ちなみにリインは今、野暮用がある為に席をはずしており、この場に居るのは家康とスバルだけだった。

 

「……………………………………………………」

 

「……………………………………………………」

 

二人は同じソファーに腰掛けながらも少し間を空けて座り、互いに無言のままでいた。

 

(どうしよう……こうして改めて家康さんと二人っきりになるとなかなか話す言葉が見つからないよ)

 

スバルは横眼でチラリと家康の顔を見る。

 

「ほぉ。これがこの世界の書物…“雑誌”か。すごいなぁ。人や物、景色が丸ごと書物に収められたみたいじゃないか」

 

家康は暇つぶし、談話コーナーに備えられたブックラックから手にとった週刊誌に目を通し、初めて見る写真に感激の声を上げていた。

 

(家康さん…昨日はドタバタしてたからゆっくり見れなかったけど、改めて見てみると結構カッコイイかも…)

 

スバルは家康の顔を見ている内に、自然と頬が熱くなってきた感じがする。

すると家康がスバルの向けてくる視線に気づいた。

 

「?…スバル殿。さっきから顔が赤くなってるみたいだが、どうかしたのか?」

 

「えっ!?」

 

家康の指摘を受けて、スバルは慌てて近くにあった鏡で自分の顔を確かめると、スバルの頬はほんのりと赤くなっていた。

それを見たスバルはさらに赤面になってしまう。

 

「スバル殿、大丈夫か?」

 

「あっ…いえ!大丈夫です!わ…私ちょっとトイレに…」

 

この場に居るのが恥ずかしくなったスバルは、ロビーから逃げ出そうとしたが…

 

「スーバル♪ 何してるの?」

 

「わひぃ!?」

 

突然背後から声を掛けられて、思わず奇声を発しながら立ち止まる。

スバルが振り返ってみると、そこには白い制服姿で手に数枚の封筒を持ったなのはが、立っていた。

 

「あわわわ!ななななのはさんっ!?」

 

「そんなビックリしなくても…」

 

「す…すみません!?」

 

恥ずかしさで頭の中が混乱していた時に突然隊長に声を掛けられたせいか、あたふたとパニくるスバル。

それを見て苦笑を浮かべるなのはに、ソファーに座っていた家康が立ちあがって近づいていく。

 

「やあ、高町殿」

 

「あっ!家康君。 なぁんだスバルと一緒に居たんだ」

 

家康に気付いたなのはが明るい顔を彼に向ける。

 

「あぁ。スバル殿やリイン殿に六課の中を案内してもらっていた所だ。今は、リイン殿は野暮用で空けているが…」

 

「ふぅん。それでどう?いろいろ勉強になってる?」

 

「まぁまだ判らない所はたくさんあるが…それでもこの世界へ来た時よりはだいぶ判って来たような気がするな。スバル殿達の説明が上手なおかげでワシも幾分か覚えるのが早い気がするよ」

 

家康がそういうと、なのはは嬉しそうに笑みをこぼし、スバルはまた顔を赤くしてしまう。

 

「フフッ、それはよかった。あっ! そうだ家康君。午後からは暇?」

 

「午後か? 午後は一応身体を鍛えるのと戦闘訓練でもしようかと思っているのだが…」

 

「戦闘訓練だったらスバル達と一緒に訓練所に来ない? 午後からフォワードチームの実戦訓練があるから一緒にやってみたらいいかなっと思って」

 

なのはの言葉を聞いて家康の好奇心が即座に反応した。

 

「実戦訓練か!? それは面白そうだな。是非参加させてもらおう!」

 

目を輝かせながら家康が声を張り上げる。

 

「じゃあお昼が終わったらスバル達と一緒に訓練所に来てね。 詳しい訓練内容はそこで教えるから」

 

「あぁ。 よろしく頼む」

 

「じゃあスバル、家康君。また後でね」

 

そういうとなのはは、小走りでロビーを去って行った。

その姿を見送った家康は、ふとスバルにこんなことを聞いてみた。

 

「スバル殿。ワシは気になっていたのだが…なのは殿は一体どういった人なんだ?」

 

「えっ!? え~と…まぁ話せば長くなるんですけど…」

 

スバルは家康になのはのすべてを一から語る事にした。

 

管理局の戦技教導官にして『不屈のエース・オブ・エース』とも呼ばれる若手トップエリート魔導師の一人であり、今はリミッターを付けてるとはいえ空戦S+ランクを誇る実力…

機動六課の戦技教官であり、優しくて面倒見がよくて上司からは信頼され、後輩や同僚からは慕われ、他の管轄の職員の間でもその名を知らぬ者のいない有名人…

 

「なるほど…実に多彩な人物なのだな。なのは殿は…」

 

家康が感心しながら話していると、スバルが徐に語りだす。

 

「実は私も…この部隊に入ったのは、なのはさんに憧れたからで…いや、それもあるんですけどその…恩を返したいとも思って…」

 

「恩?」

 

家康はスバルの言葉の中にあった意味深なワードの意図を尋ねる

 

「実は私…なのはさんに助けられた事があるんです」

 

「スバル殿が…なのは殿に?」

 

「えぇ」

 

 

スバルの話によると、事は4年前にさかのぼる。

 

ミッドチルダ臨海第8空港火災事件―――――

4年前の新暦 0071年 ミッドチルダ臨海第8空港で突如ロストロギアが原因による大火災が発生し、死者こそでなかったものの利用者、職員共に多数の負傷者を出して、空港施設の大半が焼失するという甚大な被害をもたらす事となった。

その時、たまたま空港に居合わせていたスバルはこの大災害に巻き込まれ、一人炎の中へ孤立してしまっていた。

周りを火に囲まれ絶体絶命の中、天井を突き破って現れ、危機的状況からスバルを救い出したのが、なのはであったという。

なのはによって救われたスバルは以後、なのはを憧れ、彼女のような強くて優しくてカッコいい人になりたいと思い、魔導師としての道を歩み始めた…

 

それから4年後の今年、陸戦魔導師ランク昇格試験でなのはと再会したスバルは、彼女の勧めもあって、新設される事となったこの『機動六課』に前線要員として入隊。

運命の悪戯というべきか、憧れの人であったなのはの部下兼教え子となったのだった。

 

「上司となった今でも、なのはさんは私にとっては憧れの人であり大切な恩人なんです。だから…」

 

スバルがそう言って家康の顔を見ると、家康は腕を目に押しつけて嗚咽を漏らしながら身体を震わせていた。

 

「い、家康さん!?」

 

スバルは驚いて家康に駆け寄る。

すると家康は涙をこすりながら話す。

 

「いや…すまんスバル殿。ワシこういう話を聞くと少々感情を押さえられないんだ…」

 

「だからってそんな泣く程、感動する話じゃないじゃないですか! 家康さんってば大げさなんだからぁ!」

 

「いや。ワシなんてまだマシな方さ。ワシの良き好敵手の一人が、今のスバル殿の話を聞いたら、きっと感激のあまり地面に頭を何度も打ち付けながら大号泣してるはずだろうな」

 

「えぇぇぇ!? そんな人いるんですか~?」

 

話す家康の脳裏には赤い服と鉢巻きがトレードマークのやたら熱い熱血漢が思い浮かぶ。

一方のスバルは家康の話を聞いて思わず笑いだしてしまう。

そんなスバルに家康も自然と笑いだした。

 

 

《んふふ~♪ なんかいい雰囲気やないの?スバルと家康君♪》

 

ここは機動六課部隊長オフィス。

 

はやてとデスクの上にホログラムスクリーンを展開し、そこに写った談笑し合うスバルと家康の映像を観て、一人ニヤついた笑みを浮かべていた。

 

「な、なにやってんだよ? はやて」

 

「あっ…あの…はやて部隊長?…一体何してるんですか?」

 

その傍では「面白いものが見れる」とここへ呼びだされたヴィータ、ティアナ、エリオ、キャロの4人が呆れた様子ではやてを見ていた。

 

「いやぁ、スバルに家康君の六課案内役を命令したんはえぇけど、なんか2人あんまり会話が弾まへんから、ちょっとリインを外させて2人の仲を確かめよっかと思たけど…」

 

はやてはそう言うと目を光らせながら立ち上がる。

 

「立った!これであの二人間違いなく“出来とる”わぁ! にゃ~ははははははは!」

 

はやては高笑いしながらモニターを食い入るように眺める。

 

「さぁ、もっとフラグ立たせるんやでぇぇ! スバル! 家康君! そしてわたしをもっと楽しませるんや! アーハハハハハハハハハ!」

 

「どこぞのギャルゲーオタクかよ!?」

 

「ってかそれ、もはや親父キャラじゃないですか!?」

 

ヴィータとティアナが、はやての悪ノリに怒鳴りながらツッコむ。

その様子を呆れながら見守るエリオとキャロ。

 

「ねぇ、エリオ君…これ一体、どういう状況?」

 

「さ…さぁ…」

 

まだ幼い為か、はやて達の会話についてこれずに、困惑する2人。

 

一方、部隊長室でそんなやりとりが繰り広げられている事など、談笑を交えながら六課案内の続けるスバルと家康は知る由もなかった…

 

 

食堂

 

「はい!こちらの食堂で案内はひと通り終了です。そろそろお昼ですしこの辺で解散としましょうか」

 

「あぁ、世話になったなリイン殿」

 

六課の案内を終えた家康達は食堂へとやってきて、ここで六課案内は終了という事になった。

 

「じゃあスバル。家康さんに食堂の使い方を教えておいてください」

 

「はい。ご苦労様でしたリイン曹長」

 

リインが去って行くと、スバルと家康は食堂へと入って行った。

しかしここで新たなカルチャーショックが発生した。

 

「?……こ…これは一体?」

 

今まで決められた量と種類のおかずをひとつの膳の中に収めて、それを食べるという戦国時代の形式で食事をしていた家康は、盆を持って好きな食べ物を注文して食べるビュッフェ形式の食事をしたことがなかったのだ。

 

「家康さん。ここでは自分が食べたいものをあそこにいる調理師の人に注文して…」

 

盆は持ったもののどうすればいいのかわからず、戸惑う家康をスバルは丁寧に一から説明した。

しかし、まだ問題は解決しなかった。

和食以外の食べ物を全く知らない家康は『ハンバーグ』『カレーライス』『パスタ』『ピラフ』『サラダ』などの西洋系の食べ物は一切知らないのだ。

 

その為、たくさんの注文表があってもどれを食べたらいいのかわからないのだ。

 

「スバル殿。白飯に、焼き魚、冷奴、味噌汁、香の物なんてものはないだろうか?」

 

家康はダメ元で聞いてみたが、もちろん六課隊舎の食堂に和食メニューはなかった。

 

「ん~と、どうしようかなぁ…あっ! そうだ! じゃあ、こうしましょう。 私がここのメニューでおすすめしたい物を適当に家康さんの分も注文してあげますね」

 

「そうか、それはかたじけない。では頼む」

 

「は~い。 すみませ~ん、いつものやつお願いしま~す」

 

家康は素直にスバルの厚意を受ける事にし、慣れた感じにさっさと注文を済ませていく彼女を待つ事にした。

数分後、テーブルに座った家康が亞然とした表情で目の前に並ぶスバルお勧めのメニューを見つめる。

 

「おおぉ!? こ…これは?」

 

テーブルの上には、大盛りに盛られたミートソーススパゲッティに、同じく大量に盛られた海老フライ、そしてデザートとして用意された言うまでもなく山盛りのドーナツ。

 

「全部私がこの食堂でお勧めしたいメニューですよ。絶対気に入ると思いますから食べて下さい」

 

そう言って嬉しそうに話すスバルの前には同じく山盛りのスパゲッティをはじめ、数種類の大盛りメニューが並んでいた。

 

(ず…随分沢山食べるのだな。スバル殿は…)

 

そう思いながら、家康は初めて目の当たりにする色鮮やかな食べ物に目をやる。

 

(見たところどれも南蛮料理に近い感じだな…スバル殿が勧めるのだから毒ではないだろうけど…流石にちょっと怖いな)

 

家康は恐る恐る箸を手にしてスパゲッティを数本摘まみ、口に運んで行く。

当然ながら家康はフォークとナイフ、スプーンの使い方は判らない上、初めて見るスパゲッティを蕎麦やうどんの一種とも考えていたので、箸で食べる事に抵抗がなかった。

さらに、本来ならばタブーなのだが、西洋の食事マナーを知らない家康はスパゲッティをすすりながら食べる。

そして、少し間を空けてから…

 

「こ…これはうまい!!」

 

と感激の声を上げた。

昨日このミッドチルダに飛ばされるまでの数日間、塩気のない薄味の戦地食だけで過ごしてきたせいか、塩分が不足しがちになっていた家康にとって、日ノ本の料理よりも塩味の濃く作られているミッドチルダの料理は、まさに恵みの雨に感じ、家康の食欲を一気に刺激する。

そんな家康を見て、満足そうにほほ笑むスバル。

 

「よかったぁ。 家康さんがもし気にいらなかったらどうしようかと思いましたけど」

 

「とんでもない! すごくうまいぞ!これは! どれ…こっちはどうだろうか?」

 

そう言って家康は今度は海老フライを摘まんで一口で放り込む。

その感想は…

 

「こいつは美味すぎる!! 今まで一度も味わった事がない上手さだ!」

 

こちらはスパゲッティよりもさらに高評価だった。

しかも、ありがたい事にどちらもアツアツの出来たてである事が殊の外、嬉しかった。

国主という立場上、食事の時も暗殺などへの警戒を怠る事ができない。

その為、食事には幾人もの毒味役を介せねばならない為、膳が運ばれてくる頃にはすっかり冷めて、味気ないものになってしまっているという事が珍しくなかったのだった。

その分、ここでは出来たての熱々の食事を食べる事ができる。まさにそれは一切の柵のない異郷の地ならではの醍醐味とも感じられた。

家康はすっかり上機嫌になり、大盛りの海老フライとスパゲッティを物凄い速さで食していく。

最初は南蛮料理の一種と考えて、抵抗があったものの食べてみたらすっかりその味の虜になり、家康は猛烈な勢いで箸を進めていく。

 

その様子に同じ大食いであるはずのスバルも呆気にとられた。

そんな彼女を尻目に家康の食欲は留まる事を知らない。

 

「んぐんぐ……じゃあこの『どおなつ』とやらも食べてみるか」

 

「えっ!? 家康さん、まだ食べるつもりですか!? 私の分まで半分食べたのに!?」

 

家康の度肝を抜くような食欲に驚くスバル。

彼女の指摘する通り、この時既に家康の前に空っぽになった皿が何枚も重なっていた。

 

「心配するな。 甘いものは別腹というからな。 ハハハハ!」

 

だが家康は平然とした様子で笑いながら、ドーナツに手を伸ばしていく。

そしてそれを口に運び…

 

「これは美味いぞ! 忠勝や忠次、小平太や直政にも食わせてやりたいな!」

 

感激の声を上げたのは言うまでもなく、そのまま一切勢いを落とさないでドーナツを平らげ始める。

予想以上の気に入りぶりに唖然としながらも、スバルは家康の言葉にあった聞き慣れない人名が気になった。

 

「家康さん。忠勝って人の話は聞きましたけど、あとの“タダツグ”さん、“コヘイタ”さん、“ナオマサ”さんっていう人は?」

 

「あぁ。彼ら4人はワシが率いる徳川軍の最高権力を担う家臣達だ。関ヶ原の戦いでもワシを大いに助けてくれていたものだ! 皆、少々変わり者だが、いずれも確かな武芸と才覚を持った実力者達だ」

 

話しながら、家康が皿に積み上げられたドーナツを感慨げに見つめた。

 

「皆がここにいれば…きっとこの『どおなつ』を奪い合いになったりして騒がしいだろうなぁ…」

 

「家康さん…」

 

家康の目に一握の寂しさの念が浮かんだのに気づき、スバルは思わずなんて声をかけたらいいかわからなくなってしまう。

っとそんなスバルの不安げな面持ちに気がついた家康は我に返ると慌てて、頭を横に振った。

 

「おっと! すまない!なんだか湿っぽい話題をしてしまったかな? さぁ、早く食べて訓練所に行こうか!」

 

「は、はい!」

 

二人は気を取り直すように再び食べ始めた。

 

 

午後になって、食事を終えた2人はティアナ達と合流して、なのはの待つ訓練所に向かった。

六課隊舎から少し離れた場所にある訓練所にやって来た家康は、驚愕の連続であった。

訓練所に築かれた廃墟の街の広大さにも驚かされたが、なにより驚いたのが、この廃墟の街はすべてコンピューターによって造られた実態感のあるハリボテで、景色を変えようとすれば、なんにでも変えられるという事だった。

それを知った家康はなかなか信じられずに、訓練所の建物を何度も触って調べ周り危うく迷子になりそうになった程である。

 

そして今、家康は改めてこの世界の戦闘が今までの自分の知っている戦とは大きく異なる事を思い知らされていた。

廃墟ビルのひとつの屋上に立った家康の目の前ではスバル達フォワードチームと、なのはによる4対1の実戦訓練が行われていた。

 

「ウィングロード!!」

 

スバルがグローブ型デバイス『リボルバーナックル』を地面に打ち付けると、空中に水色の道が形成され、訓練所一帯に広がり…

その道の上に立ったティアナのクロスミラージュの魔力弾が空中で応戦しているなのはに目がけて放たれる。

そしてエリオが魔力を増幅させて身体能力を強化させて空中に向かって飛び上がりストラーダをなのは目がけて突き出し、

それをキャロの魔力の補助を受けたフリードが放つ炎が援護する。

それに対して、なのははウィングロードを伝って接近してくるスバルの攻撃を回避し、ティアナとエリオの一撃を防御。

フリードから放たれた炎を空中に形成しておいた魔力で相殺するといった一連の動きを数秒でこなすとすぐに反撃に入る。

家康は、彼女達の幻想的だが実戦的でかつ華麗な戦いぶりに見惚れていた。

 

「どうだ? 一介の武士(もののふ)としてはなかなか胸を躍らされる戦いだろ?」

 

突然背後から声が掛けられる。

声のした方へ振り向くと、そこにはフェイトともう一人、今朝のロビーでの自己紹介の時にも居たピンク色のポニーテールの髪型をした長身の女性が立っていた。

 

「お主は?」

 

「あっ、自己紹介がまだだったね。こちらは機動六課ライトニング分隊の副隊長のシグナム。彼女も私やなのは、ヴィータ達と同様あの子達の直接の上官なんだ」

 

家康の隣にいたフェイトがそう紹介すると女性…シグナムは家康にそっと手を差し出してきた。

 

「シグナムだ。お前か? 主の言っていた徳川家康という若武者は」

 

「そうだ、よろしく頼む。シグナム殿」

 

そんな彼女に家康も手を差し出して、二人は固く握手する。

 

「フッ…こちらこそな。それで、どうかな徳川? 高町達の戦いぶりは?」

 

シグナムの問いに家康は、再びなのはやスバル達の方へ目を向けながら答える。

 

「まったく眼福としか言いようがないな。こんな華麗だが躍動感のある戦闘は、ワシの今まで経験してきた戦とは全く違うからな」

 

「ほぉ、なかなか洞察力のある評価を述べるではないか」

 

満足そうに眺める家康を見てフェイトとシグナムは微笑を浮かべながら彼の隣に立った。

 

「そういえば徳川」

 

「? なんだ?」

 

不意にシグナムが家康に問いかけてくる。

 

「主はやての話では、お前は主達の故郷とは別の時空の日本の武士、それも歴史に名を残す程の偉人と聞いたが…武士ならばなにか信念を持って戦っているのか?」

 

「信念か…」

 

その問いかけに、家康は迷うことなく答え出す。

 

「そうだな…ワシの掲げる武士としての信念は…やはり人と人とを結ぶ『絆』の力…であるな」

 

「ほぉ…“絆”だと?」

 

家康は頷いた。

 

「あぁ、ワシの国でかつて天下を手に入れた男がいた…その男は巨大な武力こそが全てを統べるに相応しい力だと信じて疑わなかった…悲しい事にそれは当時の日ノ本の多くの武士達がそれに近い思想を抱いていた」

 

「「…………………」」

 

家康の言葉にシグナムもフェイトも黙って聞き入っていた。

 

「しかし…どんな強固な武力に頼って世を統べようとしても、弱き者達を悪戯に切り捨ててしまっていてはダメだ! 人として真に強い国を造るのに必要なのは…“絆”の力だ!!」

 

家康は、真っ直ぐと揺るぎない目線でシグナムに語り続ける。

 

「だからワシは自分の力を“武力”と称するのは望まない。ワシに与えられしこの力は絆の世を造るの為にあるもの。そのためにワシはこの力を振るい、天下を目指している。人と人とを結ぶ真の平和を作り出すその日を目指して…」

 

「『人と人とを結ぶ真の平和』…か」

 

シグナムは家康の言葉を黙って聞いていたが…

 

「フフ……ハハハハハ!」

 

突然笑い出した。

それを見た家康もフェイトも戸惑う。

 

「し…シグナム!?どうしたの!?」

 

フェイトが心配そうに声をかけると、シグナムが笑うのを止め、家康の方へ顔を向ける。

 

「いや。この男の話している事を聞いていたら、なんだか主はやてとよく似ていると思ってな」

 

「はやて殿に?」

 

「あぁ、主もこの機動六課を立ち上げたのも、お前のそれとよく似た考えからだったのさ」

 

シグナムは家康に六課が設立されたきっかけを語って聞かせた。

 

なのは、フェイト、はやての3人は幼いころに魔法関連の事件をきっかけに知り合い、それ以来ずっと一緒にいた所謂幼なじみだというもの。

その後は3人揃って管理局に入り皆一線で活躍し、 そして数ヶ月前、10年来の親友が今ここで再び揃って夢を叶えた。

互いに絆の深まった仲間や新たに絆を築く仲間達と共に、人々の絆を踏みにじる巨悪へと立ち向かう為、機動六課を立ち上げたのだった。

 

「なるほど…機動六課とは、謂わばなのは殿やフェイト殿、はやて殿の絆の結晶とも言える軍なのか」

 

「ハハハ…絆の結晶はちょっと大げさかもしれないけど…」

 

シグナムの話を聞いた家康が感心し、フェイトがちょっと照れくさそうにしていると、なのは達の戦闘の手が止まり訓練は休憩に入った。

 

 

「はい!対人訓練はここまで。少し休憩しようか」

「「「「はい!ありがとうございました!!」」」」

 

フォワードチームが座り込んで身体を休め始めると、なのはが皆の今回の実戦訓練でよかったところ、逆に悪かったところなどを述べ始めた。

その様子を眺めていると新たに二人が屋上にやってくる。

 

「なんだ家康。お前も来てたのか?」

 

「フェイトさんやシグナムさんもお揃いで」

 

ヴィータともう一人、眼鏡をかけた茶色いロングヘアーの女性がそう言って家康達に近づいてくる。

 

「ゲッ!? き…君は…」

 

女性を見た瞬間、家康は苦虫を噛んだような表情になり数歩後ろに退った。

この女性の事は家康は既に知っていた。

シャリオ・フィニーノ あだ名はシャーリー。機動六課ロングアーチメンバーの一人で本職は、執務官であるフェイトの補佐らしいが六課に所属する各隊員のデバイスの調整なども担当しているらしい。

リイン曰く調節の腕は確かで「デバイスマスター」と影で称賛されている程の腕だとか…

 

実は、午前の六課案内でデバイス整備室を案内された家康は、そこでシャーリーと互いに自己紹介を済ませたが、彼女は家康がデバイスを使わずにガジェットドローンを倒す程の実力者だと聞いた途端に目を輝かせて、そのパワーの秘訣を探る為に家康の防具や服を調べたいと言い出して、家康の装備や服…さらには下着までも無理矢理剥ぎ取ろうとしたのだった。

なんとかその時はスバルやリイン、それに騒ぎを聞きつけて駆け付けたグリフィス・ロウランなる眼鏡をかけたはやての補佐役の男性隊員に止めてもらい、事なきを得たがそのせいで家康は若干彼女に対し苦手意識を持つようになってしまった。

 

「大丈夫ですよ家康さん。もうさっきみたいな真似はしませんから」

 

「…………」

 

家康の態度を見たシャーリーが笑いながらそう言うが、一度手篭め紛いな事をされかけた家康はどうも信用できなかった。

っとそこへ、なのはもやってきた。

 

「皆、ちょうど揃ったみたいだね。じゃあさっそく始めようか?」

 

「えっ?始めるって?何を?」

 

何のことなのか判らず首をかしげる家康に、シグナムが説明する。

 

「決まってるだろう。お前の実戦訓練だ」

 

 

その後、家康は訓練所に造られた廃墟群の中の一角にある広い廃墟へと連れて行かれた。

 

そして今廃墟に囲まれた平地には家康ただ一人。

見上げると近くのビルの屋上にスバル、ティアナ、エリオ、キャロのフォワードチームメンバーとなのは、フェイト、ヴィータ、シグナムの隊長陣とシャーリーが立って、こちらを見ていた。

 

「ハハハ…まさかこんな状況になるとは…」

 

家康は予想外の展開に苦笑せざるを得なかった。

 

「家康さ~ん。準備はいいですか?」

 

だが、シャーリーの言葉を聞いた途端、覚悟を決め、気持ちを切り替える家康。

元々スバル達の訓練を見た時から家康はこの世界の訓練に挑んでみたい気持ちがあったので、戸惑いはしたものの特に抵抗感は覚えなかった。

 

家康は、そっと服に付いたフードを被る。

これは家康にとっては、ちょっとした戦前の気合付けである。

 

「あぁ! いつでもいいぞ!」

 

家康がそう返事を返すと、さっそくシャーリーは空中に投影させたホログラムのキーボードを操作し始めた。

 

「じゃあ初めてですし、相手はガジェットドローンⅠ型を30機でいきましょうか」

 

そう言うとシャーリーは手慣れた手つきでキーボードを操作する。

 

「じゃあ始め!」

 

シャーリーの合図と共に、家康の周辺の地面に魔方陣が形成され、それを見て拳を強く握り締めて身構える家康。

だがここでフェイトが重大な問題に気づく。

 

「シャーリー!? 設定した敵の総数が間違ってる!1桁多いよ!」

 

「えぇ!?」

 

フェイトの言葉にシャーリーが慌ててキーボードを確認すると、そこには設定した敵の総数に『300』の数字が…

 

「ほ…ほんとだ! ど…どうしよう! 間違って“300機”に設定しちゃった!!」

 

「ちょ…なにやってんだよシャーリー!!」

 

「300なんて数、隊長、副隊長くらいでなきゃ無理な数じゃないですか!!」

 

「ご…ごめんなさ~~~い!!すぐ設定を解除して…」

 

ヴィータとティアナに詰め寄られ、慌ててキーボードを操作しようとしたシャーリー…しかし。

 

「あぁ! 間違えてロック機能設定しちゃった! もうこれ全部倒すまで操作できなくなっちゃったぁぁ!!」

 

「「「「「「「「えええぇぇーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!?」」」」」」」」

 

ニ度までもミスを犯したシャーリーに、なのは達は驚愕すると共に呆れ果てる。

 

「どうするんですか!? 300機なんて、家康さん一人で敵う筈がないですよぉ!!」

 

スバルが叫ぶのを尻目に魔方陣からは設定どおり300機のガジェットが出現し始める。

あっというまに家康の周りをガジェットの大群が取り囲んだ。

そしてガジェット達は容赦なく家康に向かって行く。

 

「は…早く助け…」

 

「待て! スバル!」

 

スバルの言葉を遮ったのはシグナムの言葉。

その傍ではヴィータは「マジかよ…」と亞然とした表情で下を見つめている。

 

「あいつ…あの数の相手をやる気だぞ」

 

「「「「「「えっ!?」」」」」」

 

ヴィータの言葉に唖然としたなのはやスバル達が、彼女の視線の先へ追って見ると、そこには逃げようともせず拳を構えながら迫ってくるガジェットを睨みつける家康の姿が…

 

「はああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

そして、一番先頭を進んでいたガジェットが家康に向かってレーザー攻撃を放とうとしたと同時に、家康は地面を思いっきり踏みつけてその身体を宙に向かって飛び上がらせた。

そして先頭にいたガジェットに手始めのストレートパンチを叩きこみ、その機体を続いていた数十機にぶつけ、まとめて破壊する。

 

だがこれは戦闘のはじまりの合図に過ぎなかった。

ここから家康の奮戦が始まる。

 

「受けてみろ!」

 

家康は振り向きざまに背後に迫っていたガジェットにアッパー攻撃を決め、周囲に居た機体と合わせて空中に吹き飛ばした。

 

さらに低く飛行する機体には上から拳を振り下ろす形でその機体を真っ二つにする。

 

ガジェット達も家康の動きを押さえる為に触手を伸ばして家康の身体を取り押さえようとするが、家康はそれらの触手を纏めて掴むと、それをジャイアントスイングの要領で振り回し、さらに数十機をまとめて破壊した後、掴んでいた機体も近くの瓦礫の山に投げ入れて爆発させた。

 

その後も家康はガジェット達を、拳で殴って破壊したり、両手それぞれに1機ずつ鷲掴みにしてそれらを力いっぱいぶつけ合って破壊したり、投げ飛ばして粉々にしたりと、文字通りの『戦場ごとぶった斬る(ぶっ叩く)』勢いの暴れっぷりを繰り広げた。

 

 

「か…かっこいい………」

 

スバルは改めてみる家康の戦闘にすっかり目を奪われていた。

ティアナ、エリオ、キャロも瞬きを忘れる程にこの戦いを見入っていた。

 

「なんなのよアイツ…本当にあれで魔力保有数0なの?」

 

「どうみても僕達よりも強いです。もしかしたらなのはさん達並みかも…」

 

「これが…“気”の力…?」

 

ティアナ達は魔力のない家康がどうしてこれほどまでの戦闘能力を持っているのか不思議で仕方なかった。

そして、それはなのは達、隊長陣も同様であった。

 

 

「なぁ、テスタロッサ? 本当にアイツは微量の魔力も持っていないのか?」

 

「えぇ…本人は否定してたし、それシャマルの検査でも家康君からは魔力反応はなかったって言ってました」

 

「それでいてあの強さって…化け物かよアイツ…」

 

「ハハハ…でも顔色一つ変えないなんて凄いよね」

 

なのは、フェイト、ヴィータ、シグナムは下手すると100体近くの敵を相手にする時があるが、各個撃破でかかれば、多勢に無勢なのは当然であり、大体は魔力を込めた一撃で一掃。それでも多少の疲労感は残ってしまう。

ましてやスバル達に関しては数十体程度が限界だ。

 

しかし今の家康はそれを軽く超えた300もの敵を相手に、顔色ひとつ変えずに立ち向かっているのだ。

なのは達の見つめる先では、既に最初の半数以下になったガジェットと、まだ全然息を切らしていない家康の姿があった。

 

「やっぱり…生身の人間でもカラクリ兵器でも、相手にすれば皆同じか」

 

家康は余裕の言葉をつぶやきながら再び拳を握りしめる。

今まで家康が駆けてきた戦場はこのぐらい兵がいて当たり前だったし、下手をすれば数千の兵と相手をしていた。

だから一対多の戦闘など馴れたもので、むしろ今回はかなり敵が少なめである。

 

「覚悟しろ!」

 

そう言って家康が拳を振るいながらガジェットに迫って行くとガジェットも学習したのか、皆家康の手の届かない高所に向かって上がって行った。

おそらく、空中から家康を一方的に攻撃しようという算段なのだろう。

 

「卑怯な奴らだ!クソ!どうしたものか…」

 

家康はガジェット達から放たれるレーザーを回避しながらこの対処法を考える。

すると、一機逃げ遅れたガジェットが、仲間の後を追って高所へ昇ろうとしているのを見つける。

 

「! そうだ!!」

 

それを見た家康はあるアイディアを思いついた。

 

「おい! こっちだぞ!」

 

家康はそのガジェットにあえて自分の方へ向かせる為に挑発をかけた。

するとガジェットも家康の存在に気が付いたのかレーザーを放つ為の真ん中のレンズが光を帯び始める。

その瞬間を家康は見逃さなかった。

 

すかさずガジェットの真下に周り込み、その機体を片手で押さえ、もう片方の腕の拳を握りしめて…

 

「はああぁ!!」

 

一気に機体に拳を突き刺した。

しかし家康は腕を抜こうとせずにそのまま、空中にいるガジェット達へ向けて、そのガジェットを構える。

 

「撃て!」

 

家康が叫ぶと共に、家康の拳を突き立てられたガジェットからレーザーが発射され、空中にいるガジェットを次々と撃墜していく。

当然空中のガジェット達からも反撃のレーザーが放たれるが、家康は掴んでいるガジェットを盾代わりにしてそれを防ぐ。

 

こうして、家康の掴んだガジェットが使いものにならないほどに破壊された時、空中にいたガジェット達もほとんど殲滅した。

それでもしぶとく残ったガジェット達が最後の総攻撃として一気に家康目がけて急降下してくる。

それを見た家康はそろそろこの戦いも潮時かと感じた。

 

「見せてやろう…これがワシの『絆』の力だぁぁぁぁ!」

 

そう言うと家康は片手の拳に力を溜め始める。

その手は徐々に金色のオーラを纏い光り輝いていく。

そして、残りのガジェット達が家康の真上までに迫った時、家康はカッと目を見開いた。

 

「陽岩割り!!」

 

家康が掛け声と共にオーラを纏った拳を地面に打ち付けると、大地は大きく割れ、同時に黄金のオーラと激しい衝撃波が家康やその周囲に発生する。

衝撃波に巻き込まれたガジェット達は、次々とバラバラに散って行く。

オーラと衝撃波が止んだ時、家康の周りには無数のガジェットの残骸と衝撃波を受けて崩れたビルの残骸のみが残された。

 

「が…ガジェットドローン…全滅…」

 

シャリオの言葉が響くが皆は硬直して動かない。

周囲にガジェットがいないことを確認した家康は、瓦礫の山の間を飛び越えながら、なのは達のいるビルの屋上へとやって来た。

 

「どうだ? ざっとあんな感じだったが、ワシの戦いぶりはどうだっただろうか?」

 

フードを脱ぎながら家康が聞くが、なのは達はまだ硬直しており、皆無言のままである。

 

「え~と? 皆…? どうしたんだ?」

 

動かない皆を見て不安になる家康。

だが、そんな沈黙を破ったのはスバルだった。

 

「すごぉぉぉぉぉぉぉいっ!!」

 

スバルは目を輝かせながら感激の声を上げて家康に駆け寄った。

それを皮切りにフォワードチームのメンバーが家康に詰め寄った。

 

「えっ!?な…なに?!」

 

「すごいです! 家康さん! 私感動しました!」

 

「あんた本当に非魔力保持者!? なんか滅茶苦茶なまでに強いんだけど!」

 

「どうやったら魔法も無しにあんな事ができるのですか?!」

 

「っていうより、最後のあの技はなんなのですか?!」

 

フォワードチームの面々からの感想を叫ばれ、さらに家康は怯んでしまう。

 

「ちょ…待ってくれ皆!…ヴィータ殿!シグナム殿!助けてくれ!…」

 

家康は近くに居たヴィータとシグナムに助けを求めようとするが…

 

「すごいじゃねぇか家康!…ってかお前魔導師かそうでないかって話以前に、ホント人間かよ!?」

 

「実にいい戦いだったぞ。どうだ?今度は私と一騎打ちで戦わないか?」

 

「えええぇ!?」

 

頼みの綱であるはずのヴィータやシグナムまで加わって家康の周りはさらに賑やかになる。

挙句の果てには肩を叩かれたり、揉みくちゃにされたり、あまりに近くまで寄られたせいで足を思いっきり踏まれたり…

 

 

(た…助けてくれぇぇーーーーーー!! 忠勝ぅぅーーーーーーーーーー!!)

 

 

家康は、今はどこに居るかわからない忠臣の名を、心の中で叫んだのであった。

その光景を苦笑しながら見守るなのはとフェイト。

 

「ははは…大変そうだね…家康さん」

 

「う…うん。でもよかったんじゃない?なんだかんだで皆と仲良くなることができたし」

 

騒ぎに騒ぐ一同の真上には、清々しいまでの青空が広がっていたのだった。

 




リリバサを投稿し始めた当初は一話、一話が結構短かったので、しばらくはオリジナル版の2話分を纏める形の投稿が多いと思います。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。