プレイング・カード〜隠れたjoker   作:海斗

2 / 2
突撃・白雪!

SSRは今日から恐山で暫く合宿が行われる

 

当然だがそれに朔夜も参加しなければならない

 

「サクちゃん・・・あの、ごめんね」

 

白雪が申し訳なさそうに謝る

だが、それを簡単に朔夜は許したりはしないのだ

 

縄でグルグル巻きにされ、しかも次には綴先生が登場し引きずられながら車に乗せられた

 

「人の部屋に巫女装束で突入して人をグルグル巻きにしてから言うことか、それ」

 

白雪が申し訳なさそうに差し出すトランプを後ろ手で受け取って縄を切る

 

車の中で白雪、綴先生、朔夜の3人の居る車に乗った運転手の男子生徒は酷く縮こまっていた

 

「お前なぁ・・・そんな簡単に縄を解いて言う事じゃねぇだろ?」

 

ここで本来なら朔夜は反抗する

だが、反抗することなどは許されない

 

1度だけ朔夜は反抗した事があり、何故このようなことをしたのか尋問され心をバキバキにおられている

 

それでも尚、綴先生と一緒に居て顔色を変えないのは心が強いから故なのか

 


 

車から降りて宿に着いてすぐに白雪は朔夜の泊まる部屋に居た

 

「ねぇサクちゃん」

 

「・・・・」

 

「無視しないでよぉ」

 

これでもう5時間は経っている

無視し続ける朔夜も朔夜だが話しかける白雪も白雪だ

 

「お前・・・あんだけ人の部屋に色々仕掛けてたら無視したくもなるだろ」

 

フードの下で呆れたような顔をする朔夜

白雪は正座でずっと下を向いており、頬は何故か赤い

 

「うん・・・流石にやり過ぎちゃったなって反省してるよ?」

 

「あっそ」

 

またしても訪れる沈黙

朔夜は比較的にキンジに対してはフレンドリーな感じだ

だが、それ以外というか主に女子には圧倒的に冷たい

 

本人は知らないが女子たちの間でのあだ名は『氷結の王子』だ

 

「あのね、この前キンちゃんを巫女占札で占ってみたのそしたら・・・」

 

妙に言いにくそうな白雪を見た朔夜は何となく察した

そして、絶対に違う方向の事を言ってそれが当たる事を願いながら

 

「死ぬってか?」

 

「ううん。死なんじゃなくて女難の相が出てるの」

 

さっきの言いにくそうな様子はどこへやら

簡単に言った白雪に対して朔夜は思う

 

「大丈夫だろ。それはいつもの事だし」

 

本当にだ

キンジのHSSは女難を引き寄せる磁石そのもの

 

現に、アリアだって引き寄せられているのだから

 

だが、それを絶対に言わないのが朔夜

言った後の光景を何となく予想できている

 

『キンちゃんに悪い泥棒猫が来た』→『やっつけよう!』

 

とまぁこんな感じの流れでキスでもしていたら

 

『この女殺して私も死ぬ!』

 

あり得るなと脳内で確認して白雪を絶対に見ないように朔夜は言う

 

「そんな事より、俺も占ってくれよ」

 

本来なら絶対に言わないだろうが逃げ合わせるならこれしか無い

 

唯一の打開策は今は巫女占札

 

「あっ良いよ!ちょっと待っててね」

 

合宿に来ているのに全く合宿感が無い2人だった

 


 

トランプは良くできている

 

春夏秋冬、四季、日数・・・・様々な物がわかる代物だ

 

スペード

死、貴族、剣、冬、風の星座

 

ハート

愛、僧侶、聖杯、秋、水の星座

 

ダイヤ

お金、商人、経済力、夏、地の星座

 

クローバー

知恵(知識)、農民、棍棒、春、火の星座

 

などなど色々あるが基本的に人生において必要な事が書いてある

 

人生の教訓として大抵の事は朔夜も受け入れて過ごす

合宿期間は一部の人間は自分の技を磨き上げ必死に新技を編み出す

それは朔夜も例外でも無い

 

黒の片マントを羽織り、中にはアルスターコートを着込んでいる

 

女子からのクレームが合ったのだ

何故、白雪は巫女装束などを着るのに朔夜は着ないのだと

武偵高の制服でも問題なく行使できる訳だが、朔夜はうまい感じに女子達の思惑通り何かしらを組み合わせた

騎士と言えばマントと言われマントを付けたしコートに至っては軍服という意見を得たから

 

全身黒で統一し、素顔を晒しながら1枚のカードに触れた朔夜は比較的に嫌そうな顔をしながら

 

偽物の騎士(フォルス・スート)

 

辺りに風が吹き荒れた

 


 

合宿での新技開発は失敗に終わった朔夜

でもその顔は暗い感じではなくいつもよりも清々しい

 

機嫌が良く帰宅していた途中

 

「アリア、キンジ。2人して何してんだ?」

 

キンジの部屋に入っていくアリアを見かけ、キンジの部屋の玄関の扉を開ける

 

「アンタに言わないといけない事があるの。今回の事件で私とキンジはパートナーに」

 

メール着信音がキンジのポケットの中から聞こえた

 

不審に思った朔夜はキンジのメールを横から覗き込む

 

【『キンちゃん、女の子と同棲してるってホント?』】

 

白雪からだった

49件ものメールが来ており留守番電話サービスも18件も録音されている

 

顔が思い切り引きつっている朔夜とキンジは恐る恐るメールを読み出した

 

【『さっき恐山から帰ってきたんだけどね、神崎・H・アリアって女の子がキンちゃんをたぶらかしったって噂を聞いたの』】

 

【『どうして返事してくれないの?』】

 

【『すぐ行くから!』】

 

「あ、アリア、に、に、にに、ににに逃げろッ!」

「アリア今すぐ俺の部屋に逃げるぞ!」

 

鬼気迫る

そんな感じで一気に振り返った2人を見たアリアは妙な恐怖心に襲われる

 

「な、何よ。2人してなに急にガクガク震えてんのよ。キ、キモいわよ2人とも・・・」

 

「ぶ、ぶ、『武装巫女』が───うッ。マズい・・・来た・・・!」

 

猛牛のような足音がマンションの廊下に響いている

 

キンジは震え続け、朔夜は頭を抱えて震え、アリアも意味がわからない恐怖に襲われた

 

シャキンッ!

 

金属音と共に玄関の扉が斬り開かれた

 

巫女装束に額金、たすき掛けという戦装束に身を固めた───

 

「「白雪!!」」

 

だった

 

ここまで猪の如く走ってきた白雪は息切れが激しくぱっつん前髪の下の眉毛をつり上げている

 

「やっぱり居た!神崎!H!アリア!!」

 

「待て、待て落ち着け白雪!」「お前が落ち着け」

 

物凄い勢いでこちらに来る白雪に弁明をしようとするキンジ

この状態でのキンジと白雪は勝負になるのか最早怪しいところだ

 

「キンちゃんは悪くない!キンちゃんは騙された決まってる!」

 

「どんな発想に至ったかは知らんが取り敢えず落ち着けよ、白雪」

 

ここで誰よりも冷静に解決へと導こうとする朔夜

 

「!キンちゃんだけではなくサクちゃんまでも・・・!この泥棒猫!!」

 

「なんでその発想に行った!?というかお前とは合宿で一緒だったろうが!?」

 

朔夜は先程の冷静さは何処へやら

今は人並みに慌てふためいている

闇・毒・女

昨夜がこの3つを特に気をつける理由は普段の冷静さが装えないからだろう

突拍子のない事が起こるとすぐ様、慌てるのが癖になっている

 

「この泥棒ネコ!き、き、キンちゃんとサクちゃんを汚した罪死んで償えー!」

 

携えていた日本刀をギラリと青光りさせ、大上段に構えた白雪

 

アリアは勿論、朔夜とキンジも呆気に取られ戦闘態勢を取っていない

 

「ま、待て白雪、俺は何処も汚れてない!」

 

朔夜と共に白雪の前に立ったキンジ

 

「き、キンちゃんもサクちゃんも退いて!そいつ殺さない!」

 

尚もアリアを殺すつもりで居る白雪

 

「武偵法9条を守れ馬鹿!」

 

さり気なく白雪に馬鹿という朔夜

 

「き、キンジぃ!な、なんなのよこの展開!?なんとかしなさいよ」

 

アリアは初対面の相手に命を狙われている意味がわかっていない

 

この様にドタバタになり、当然ながら白雪の勘違いに巻き込まれた3人

朔夜に至っては本当にトバッチリだ

 

恋は盲目

人間を変える原因の1つは恋だと言う

だから、武偵も異性には気を配る必要性が高い

 

「ア、ア、アリアを殺して私も死にます!!」

 

目の前のような惨状も突然現れることもあるのだ

 

「だからなんであたしなのっ!人違いよ!」

 

神崎・H・アリア

朔夜は彼女の素性を合宿前に調べていた

 

シャーロック・ホームズ4世だというのは知っている

 

「この武装巫女の発想は女に分かるもんだと思ったら流石のホームズもわからねぇか」

 

当然だろう

初対面のアリアが幼馴染みの2人でも分からないことを当てられるなど殆ど不可能だ

 

「白雪、お前なに勘違いしてんだっうおっ!」

 

アリアがキンジの背中をアリアが思い切り蹴飛ばす

 

朔夜の後ろに居たキンジが朔夜を押し倒すように倒れた

 

「キンジ・・・お前なぁ!なんで俺!?俺には野郎の趣味はねぇ!」

 

「馬鹿!これはアリアが蹴飛ばすからだろっ!?」

 

「き、キンちゃんとサクちゃんでき、禁断の花園・・・!」

 

変な妄想を始めた白雪

それを見た朔夜は顔を青くしてキンジを退けて

 

「どんな花園だよ!?花園を築く相手はキンジとアリアだったらアリアを選ぶぞ!」

 

声高らかにそういった

ただ、白雪にそれは浮気宣言のように聞こえてしまったのだ

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。