オレの周りの女の子達がフルネームを教えてくれない 作:画面の向こうに行きたい
というわけで、文化の日、文化祭、メイド喫茶です。
ちなみに画面は高校生の時の文化祭で、先輩にチケットを買わされて行ってみたらメイド服を着た男子高校生に接客されました。
今日は響ちゃんの学校で文化祭がある。
昔は地域の人や他校の学生も自由に出入りできて他校生がナンパしたりされたりしてたらしい。
今では在校生の家族向けに発行された招待状がないと入れないようだ。
霞ちゃんにも招待状を渡したのだけど、用事で少し遅れるらしい。
校門前に設置された受付で招待状と引き換えに渡された案内図を見ると、響ちゃんと綾波のクラスは2階みたいだ。出店じゃないなら喫茶店かな?
「ここだな」
看板には「Кофейня」と書いてある。何語?
ガラガラ
教室の扉を開けると、
「「「おかえりなさいませ♪ご主人様♪」」」
安っぽいメイド服を着た女子中学生に出迎えられた。
「あ、お兄ちゃん。来てくれたんですね」
出迎えてくれた娘の中に綾波がいた。
「アヤナミンのお兄ちゃん?確かに似てるかも」
「綾波に似て優しそうな人ね」
「い、いえ。お兄ちゃんは私のお兄ちゃんじゃなくてですね」
女の子達の誤解を解こうとする綾波。
「騒がしいけど何かあったの?って兄さん。来てたの?」
響ちゃんが顔を出して「兄さん」と言った瞬間周りの女の子達が騒ぎ立てる。
「え?響ちゃんのお兄さん?アヤナミンじゃなくて?」
「うん。綾波ちゃんのお兄さんかと思った」
「響ちゃんのお兄さんって美人を取っ替え引っ換えする、ジゴロって聞いてたけど」
「特別イケメンってわけじゃないんだ」
「ってことは『アッチ』がすごいのかな?」
「『アッチ』は見た目じゃわかんないからなー」
「私、響ちゃんのお兄ちゃんってアイズ様似の銀髪イケメンだと思ってた」
「わかるー!」
みんながテキトーなことを言っていると、
「VIP席、空いてるよね?通しちゃうから」
響ちゃんがオレを教室の奥へと引っ張る。
「ロシアンティーとチーズケーキ。綾波お願い」
「うん。わかった」
VIP席とはいえ、教室の隅をカーテンで仕切ってどこからか持ってきたソファーとテーブルを置いているだけだった。もっとも普通の席は教室の机と椅子なので特別なのは間違いない。
響ちゃんはオレの隣に座って上目遣いで、
「今日はお仕事帰りですか?」
それじゃあメイド喫茶じゃなくてキャバクラだよ響ちゃん。
「あの、失礼します」
綾波がケーキと紅茶を持って入って来た。
「え?響ちゃん?」
「ほら、綾波も隣に座って」
「あ、うん」
両手に女子中学生。
「はい兄さん、じゃないご主人様。あーん」
響ちゃんがケーキをフォークに刺して差し出す。綾波も、
「お兄ちゃん。あーん」
天国かな?
ケーキを食べ終えると、ゲームをすることになった。
「ジャンケンポン。あっち向いてホイ」
オレの指と響ちゃんの顔が同時に上を向いた。
「負けちゃったね。じゃあ、勝ったご主人様にはご褒美があるよ」
何だろ?アメでもくれるのか?
「それじゃあ、失礼しますね」
響ちゃんがオレの膝に乗る。いつもは後ろ向きに乗ってアニメを見るのだが、今日はこっちを向いている。
「ご褒美はメイドさんからのキスだよ」
そう言いながら響ちゃんはオレの両頬を優しく掴まえた。
「はわわ!」
綾波は両手で顔を隠しているが!指の隙間から覗いているのがバレバレだ。昭和か!
両目を瞑り、ゆっくりと顔を近づける響ちゃん。逃げることも響ちゃんを突き飛ばすこともできないオレ。
しかしそこで、
「まったく、探したじゃないこのクズ、って何してるの!響!」
霞ちゃんがカーテンを開けて現れた。そのまま響ちゃんをオレから下ろした。
「なんだ。霞も来たの?じゃない、お帰りなさいませお嬢様」
「ほら、さっさと帰るわよ!このクズ!」
霞ちゃんに引っ張られてメイド喫茶を出る。
「いってらっしゃいませ。ご主人様。お嬢様」
その夜、
コンコン
オレの部屋のドアをノックする音。霞ちゃんも帰ったこの時間にはオレの他に響ちゃんしかいない
ガチャ
確かにドアを開けて入ってきたのは響ちゃんだった。しかし、その服装は昼間着ていたメイド服だった。
「メイド響だよ。なんでもご命令してね。ご主人様」
いつも通りクールな表情の中に少しだけ笑みが浮かんでるように見えたのはオレの気のせいか?
「ご注文は響ですか?」
響をお持ち帰りしてぇ!
それはさておき。銀髪イケメン=アイズ様を連想された方。作者と同世代なので、響が「Хорошо」と言ってくれます。
次回はなんとかクリスマスまでには更新したいな。