オレの周りの女の子達がフルネームを教えてくれない 作:画面の向こうに行きたい
今日は鈴谷回。鈴谷しか出てきません。
画面もこんな可愛い後輩が欲しいでござる。
正体を隠して社会に溶け込んだ艦娘。しかしながら、差別や偏見が無くなった訳ではなく、艦娘は今でも、自分が艦娘である事を明かすことはないという。
それは、用事で駅前を歩いている時のことだった。
「なぁ、いいじゃん。奢るよ?」
「あの、本当にいいです。待ち合わせしてるので」
「まぁまぁ。そんなこと言わないでさぁ」
うわぁ。テンプレなナンパだ。チャラい男が女子高生っぽい女の子を強引に誘ってる。あの手のナンパって成功しているの見たことないよな。
とか思っていたら、女の子と目が合った。慌てて目を逸らし、俯いて気付かなかったフリをしたのだが、時すでに遅し。
「あ、先輩」
緑髪の女子高生はオレの腕に抱きついて、
「もう、遅かったね。鈴谷、ちょー待ったんだからね」
「あ、いや。あの」
「さ、行こうか」
オレの二の腕に柔らかい感触を与えつつ、引っ張るJK。
「オイ!ゴルァ。ぁんだてめー?」
ですよね
「ってんじゃねーぞ。ゴルァ?」
しかし、
「あのー。どうかしましたか?」
自転車に乗った警察官が声をかけて来た。
「ッチ。んでもねーよ」
チャラ男は去っていった。
センキューポリスメン
警察官が去った後、
「おにーさん。ありがとう。助かったわ」
「いえいえ。ではこれで」
そのまま立ち去ろうとすると、
「そーだ。ねぇ鈴谷がコーヒー奢ってあげる」
腕に抱きつかれたまま連行されてしまった。
駅の中にある黄色いWの文字
「ワックかよ」
「仕方ないじゃん。鈴谷、こーこーせーでお金無いんだし」
「まあ、大学生が高校生にタカれないよな」
「あ、コーヒー二つ。このアプリで」
しかも、アプリで無料になるヤツ
「へぇ。お兄さん大学生なんだ。なら、本当に鈴谷の先輩だね。じゃあ、センパイって呼んでいい?」
「あ、うん」
「なら、鈴谷のことは鈴谷でいいよ」
「すずやさん?」
「鈴谷」
「鈴谷ちゃん?」
「す〜ず〜や!」
「・・・鈴谷」
「えへへ。よろしい」
満面の笑みを浮かべる鈴谷。
何なの?最近の女子高生はみんなこんなに気安いものなの?男の子は勘違いしちゃうよ?
「あ、そろそろ待ち合わせの時間だ。じゃあねセンパイ。今度はセンパイがスナバ奢ってね」
おい!ワックの100円コーヒー、しかも実質タダの代わりがスナバかよ。ワリに合わないだろ
「じゃあねセンパイー」
そのまま鈴谷は去っていった。
もう関わることもないだろうなぁ
・
・
・
と思ったら、
数日後、同じ駅前を歩いていたら、女子高生のグループが集まっていた。その中でも一際目を引く美しい緑髪。
目が合った途端に、他の子に何やら話しかけて、こっちに向かって大きく手を振る鈴谷。
「セ〜ンパ〜イ」
鈴谷がこっちにやってきた。
「おい、他の子はいいのか?」
「うん。また今度ゲーセンにいくよ。だから、スナバ行こ?」
まさか、本当に奢るハメになるとは。
鈴谷に腕を引っ張られ、連行される。
逆らえなかったのは、女の子にしてはチカラが強かったからで、決して腕の柔らかさを堪能したかった訳ではない。そう、決して。
鈴谷
艦娘でありながら戦争を知らず、ただのJKとして青春を楽しむが、満たされない何かがあった。主人公を見たときに初めて満たされない何かを見つけたので、これから積極的にアプローチすると思われる。