オレの周りの女の子達がフルネームを教えてくれない   作:画面の向こうに行きたい

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暑いからって冷やしすぎて風邪をひいたのはどこのどいつだい?

画面だよ!

正直、喉の痛みと咳の中更新しております。

夏らしく夏祭り回です!



「ウチのことはスーさん。この娘は浜ちゃんと呼びんさい」

「お兄ちゃん。今度ウチでアルバイトしませんか?」

 

綾波に誘われたのは先週だった。

 

「前に父がささやかな事業をしてると言いましたね。そのイベント部門で会場の設営・運営・撤収を手伝って欲しいのです」

 

綾波はささやかな事業と言っているが、部門があるなんて、本当は大きな会社じゃないのか?

まあいい。綾波が困っているなら手伝ってあげようかな。

 

「いいよ」

 

「本当ですか?なら、日曜日の朝、お兄ちゃんの家に迎えに行きます。本当に一日中拘束してしまうと思うのでよろしくお願いしますね」

 

 

 

こうして日曜日、早起きして綾波の所の鈴木さんが運転するワンボックスカーに乗せられて、山奥の神社まで連れてこられた。

 

イベントって夏祭りで、イベント会場って屋台かよ!つまり・・・テキ屋じゃん。

 

しかし、今更帰るとも言えないので、みんなとテントを張る。

 

 

汗だくになりながら設営を終えると、休む間もなくクジ引き屋に連れてこられた。

 

「お兄ちゃんにはくじ引きをお願いします。何等の景品かわかるようにしてますから、クジを見てその景品を選んでもらってくださいね」

 

 

その後、しばらく子供達相手にくじ引きの店番をしていたら、急に自撮り棒で撮影する若い男が現れた!

 

「はーい!どうも。ケーチューバー、タロウです!今日は『祭りクジに一等はあるのか』を検証していきたいと思います!」

 

などと言いながらオレに近づく

 

「お兄さん。この中って当たりは入ってますかぁ?」

 

「ええ」

 

入ってないとは言えないよな。本当に入っているのか?

 

「ならこの金で中身を全部買い占めさせてください」

 

え?それアリなの?

 

トントン

 

「お兄さん?ちょっと」

 

「え?」

 

メガネをかけた美人が男の肩を叩く。

 

「ここでは他のお客様の迷惑になるので」

 

「いやでも」

 

「ご!め!い!わ!く!で!す!か!ら!」

 

「アダダ!」

 

その男はアイアンクローされながら引きずられていった。なんか遠くから『マイクチェックしてやろうか?あぁ?』って聞こえる気がする。

 

 

見なかったことにしてそのまま店番をしていると綾波が来て、

 

「お兄ちゃん、今から花火が終わるまで休憩してきていいですよ。花火が終わると混み合うのでそれまでには戻って来てください」

 

 

そう言われたオレは石段に座り込み、途中で鈴木さんからもらったタコ焼きを食べながら考える。

ここは近くに何もない山の中だ。だが、祭りを楽しむにはサイフの中身が心許ない。バイトのつもりだったので余分な金は持って来てないのだ。

仕方ない。ジュースでも飲みながらソシャゲでもするか。

 

「お兄さん、何してるん?」

 

顔をあげると青い髪を横でまとめている同じ色の浴衣を着た少女と銀髪をボブカットにした白い浴衣を着た少女がいた。

 

「お兄さん地元の人じゃないねぇ。遊びに来たんけぇ?」

 

「いや、屋台のバイトで来たんだ。今は休憩中」

 

「ほんなら、ウチらとおしゃべりしんさい」 

 

「ちょっと。お兄さんが迷惑でしょう?」

 

「まぁ、ヒマだしお金もないからいいよ。えーと名前は・・・」

 

 

「ウチのことはスーさん。この娘は浜ちゃんと呼びんさい」

 

「ちょっと!私の『浜ちゃん』はまだしもなんで『スーさん』なんですか?」

 

「『釣り○カ日誌』見たことないん?」

 

「いえ、ありませんけど・・・」

 

「『浜ちゃん』がイヤならマシュ・・・」

 

「浜ちゃんで!」

 

なんか目の前でコントを繰り広げている。

 

「えーと、浜ちゃんとスーさん?」

 

「なんねぇ」

 

「なんでしょう?」

 

「近すぎない?」

 

石段の同じ段に座るのはともかく、2人ともオレにくっついてきた。

 

「お兄さん、ぶちいい男じゃけん」

 

「何か問題でも?」

 

どうしたものかと考えていると、

 

ヒュー、ドン!

 

夜空に花火が上がった。

 

2人とも花火に夢中なのかオレを離してくれない。仕方ないので花火が終わってからでいいか。決して両腕の柔らかさをもっと堪能したいからではない。

 

 

花火が終わって余韻に浸っていると、

 

「ねぇお兄さん。もう少し人のいないところに行かん?」

 

「そうですね。もう少し人気のないところに」

 

より強く腕を抱きしめてくる2人。

幼さを残しつつも整った顔が花火の名残りか赤く染まっていた。

 

 

雰囲気をぶち壊すように電話が鳴った!

 

「もう、お兄ちゃん。どこにいるんですか?花火が終わるまでに戻ってきてくださいって言ったじゃないですか!」

 

綾波に怒られながら仕事に戻る。

 

「どうせ女の人を『なんぱ』してたんでしょう。響ちゃんに言い付けちゃいますからね」

 

綾波に謝って仕事に戻った。

 

 

仕事を終わらせて戻るとそこには2人はいなかった。

 

 

翌日、

 

「綾波から聞いたよ。バイトをサボって浴衣美人をナンパしたんだって?」

 

朝食の時に響ちゃんから言われた。

 

「はぁ?アンタまた女の人を口説いていたの?本当にクズなんだから!」

 

「酷い誤解だ」

 

しかし、響ちゃんも霞ちゃんも冷たい目をしてオレを信じてくれない。

オレがいつナンパしたんだ?

その後しばらく、響ちゃんや霞ちゃんだけでなく、綾波からも冷たい目で見られるのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




浦風・浜風

山奥の学校に通う女学生

なかなかのお餅をお持ち。

2人の浴衣グラ、いいですよね。

浦風の浴衣グラにちなんで、綾波と射撃勝負なんてのもいいかもしれません。
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