オレの周りの女の子達がフルネームを教えてくれない 作:画面の向こうに行きたい
1日早いエイプリル・フールネタです。
花粉、辛いです。
気づいたら真っ暗な部屋で椅子に縛りつけられていた。
「気づいた?レージ?」
「ゴトか?助けてくれ!」
だが、振り返ったゴトランドはオレが見たことない表情で、
「ダメよ。レージをここに閉じ込めたのはゴトだもの」
ハイライトのない瞳でこっちを見ながら呟くゴト。
「レージが悪いのよ?ゴトがいるのに色んな女の子に優しくして」
「なぁ、ゴト。ここから出してくれないか?」
しかし、ゴトは笑顔のまま、
「レージはここでゴトとずっと一緒に暮らすの」
しかしその時、
ドドド!
豪快なエンジン音と共にハーレーみたいなバイクに乗った霞ちゃんが、ゴトを撥ね飛ばした!
「大丈夫?このクズ!」
「いや、オレは大丈夫だけど、ゴトが・・・」
しかし、霞ちゃんはゴトのことなど気にしないで、
「まったく!私がいないと本当にダメなんだから。このクズ」
「それよりもコレを解いてくれ。霞ちゃん」
「いやよ」
「え?」
「ここから出たらアンタはまた色んな女の子にちょっかいを出すでしょう?だから、ここでずっと私に養われるの」
そんな霞ちゃんの胸元が真っ赤に染まった!
「え?」
崩れ落ちる霞ちゃん。その後ろには血のついた包丁を手にした響ちゃんがいた。
「やれやれ。霞は隙あらば兄さんを独り占めしようとするんだから」
「さぁ、これから兄妹2人で暮らしていこうね」
パン!
乾いた破裂音と共に倒れる響ちゃん。
横にはトカレフだろうか?まだ銃口から煙を上げている黒い金属の塊を手にした綾波が。
「ダメですよ響ちゃん。2人のお兄ちゃんなのに響ちゃんは独り占めするんだからいつもいつもいつもいつも」
そんな綾波の白い首にロープが巻き付いた。
「グェ!」
綾波の顔が最初は赤くなり、だんだんと青くなって、そのまま動かなくなった。
「それじゃあ、帰ろっかセンパイ」
綾波ごとロープを手放した鈴谷。
ガン!
鈴谷の後頭部を殴った鉄パイプ。
それを持っているのは榛名だった!
「これで邪魔者はいなくなりました。榛名の勝利です」
鉄パイプを投げ捨てると、
「さぁ先輩。これで2人きりです」
パァン!
さっさと異なる破裂音!
その音源は倒れていたはずのゴトランドがその手に小さなデリンジャーらしきピストル。
「・・・レージは・・・誰にも・・・渡さないんだ・・・から・・・」
そのまま動かなくなったゴトランド。
崩れ落ちる榛名。
オレの知っている。仲の良かった女の子達がみんな死体となって倒れている。
「うわぁぁぁぁあああ!!!」
ガバッ!!
気づいたらそこは真っ暗な地下室ではなく、明るい見慣れた自分の部屋だった。
「・・・夢?」
ドタドタ!
「ちょっと、悲鳴が聞こえたけど、大丈夫なの?」
「兄さんどうしたの?」
響ちゃんも霞ちゃんも生きてる!
思わずオレは2人を抱きしめた。
「ちょっと。何よ」
「大胆だね。兄さん」
落ち着いたオレは見た夢の話を2人にした。
「兄さんを取り合って私たちが殺し合うの?」
「響。アンタがヘンな映画を持ってくるからでしょうが」
そう。昨日は響ちゃんがどこからか見つけてきたB級映画『監禁するほど愛してる』を2人で見たのだ。色んな女の子にコナをかけていた主人公がその女の子達に監禁されるのだが、口論から女の子達が殺し合い、最後は相打ちみたいに女の子達が全滅する。
「それにしても」
響ちゃんは悪びれることもなく、
「妹以外にこんなことしちゃダメよ?」
「なんでよ!幼馴染にもしなさいよ!」
こんなことってどんなことだよ?
このB級映画には元ネタはありませんが、場合によってはこんな未来が主人公に訪れるかもしれません。
タイトルの元ネタは某アニメに出てくるセリフ「お姉ちゃん以外にこんなことしちゃダメよ」です。