オレの周りの女の子達がフルネームを教えてくれない   作:画面の向こうに行きたい

42 / 64
今日も死にそうになりながら花粉と戦う戦士、画面です。

暖かくて気候はいいんですけど、花粉だけが春嫌いな理由です。

今回は鈴谷回です。


「え?最高だったけど?」

今日はセンパイとデート!

スナバデートやお勉強デートじゃなくってちゃんとしたデート!

 

きっかけはこの前、センパイとスナバでお茶していた時だった。

 

 

「この前霞ちゃんから『いつも同じ服ばかり着てないで、違う服着なさいよ』って言われちゃったんだよね」

 

それって霞センパイから『だから、一緒に服を買いに行こう?』っていう遠回しなデートのお誘いだったんじゃ・・・

 

「なら鈴谷がセンパイの服、選んであげる」

 

ゴメンね?霞センパイ。

 

「なら、お願いしようかな?」

 

「ホント?じゃあ今度の日曜日ね」

 

 

日曜日

 

昨日は一日中、どの服を着てデートしようか真剣に悩んじゃった。

 

今日も、待ち合わせの時間まで待ちきれなくってめっちゃ早く来ちゃったし。

・・・一応、1番カワイイ下着を着ているんだよね。も、勿論、センパイとナニかある訳じゃないんだけどね?

 

バッグから手鏡を出して前髪をチェックする。センパイの前では少しでも可愛い女の子でいたいし。

 

「鈴谷」

 

大好きなセンパイの声に振り返る。

 

「もう!センパイ、遅い?!」

 

センパイがいつもよりオシャレだ!

 

「センパイ、その格好・・・」

 

「あぁコレ?ゴトが買ってくれたんだよ」

 

むぅ!これからデートなのに、他の女の子の名前を出さなくてもいいじゃない!

 

「ならゴトセンパイに選んでもらったら?」

 

「無茶言うなよ。この服、いくらすると思っているんだ。なぁ頼むよ鈴谷」

 

センパイが鈴谷を頼ってくれてる!

 

「もう、仕方ないなぁセンパイは。鈴谷にお任せ」

 

こうして、2人でショッピングモールに出かけた。

 

 

午前中、色々とお店を回って、ジャケットを買った。春先とかはコレを羽織ると全体が締まって見えるんだよね。

お昼はフードコートじゃなくて、レストラン街のオシャレな喫茶店でランチプレートを食べた。

わざと違うメニューを頼んで『それ、美味しそう』って言ったら、センパイが『あーん』って食べさせてくれたの!

 

その後、ゲームコーナーを2人でブラブラしていた。一緒にプリを撮ってってお願いしたらセンパイ困るかな?

 

「あれ?鈴っちょじゃね?おーい鈴っちょー!」

 

聞き慣れた声に恐る恐る振り返ると、

 

「げ!エミエミ!アヤっぺ、ワカナちゃんにナオっちも!なんでココに?」

 

エミエミ達は今日、カラオケしてるハズじゃあ?

 

「いやー、カラオケが混んでて2時間で追い出されちった。そうそう鈴っちょこそ、あーしらとのカラオケ断って、センパイとデート?」

 

そうだけど!

 

「しっかし、前に見た時も思ったけど、『ウチの小田原城』とあだ名される難攻不落の鈴っちょをオトした男には見えないよね」

 

「もう!やめてよ!」

 

まだセンパイとお付き合いしてないし、センパイに失礼だよ!

 

「そりゃやっぱりアレ?センパイの28サンチ榴弾砲で鈴谷を陥落させたんじゃない?」

 

「えー。流石に28センチはないでしょ?」

 

「ちょっと!鈴谷本当に怒るよ!」

 

センパイの前で下ネタはやめて!!

 

「で、センパイ。ホントはどうなん?」

 

「もう!鈴谷は小田原城でも旅順要塞でもないったら!」

 

このまま喋り続けたら、センパイも気分悪いよね?後、多分ないと思うけど、エミエミ達がセンパイの事を好きになったらイヤだし。

 

「もう行こ?センパイ」

 

鈴谷はセンパイの手を掴んでエミエミ達から逃げ出した。

 

 

ショッピングモールから駅へと向かうバスがすごい混んでいて、立ったままでも乗れないかもしれなかった。

 

「駅まで遠くないから歩こっかセンパイ?」

 

「そうだね」

 

やっぱりセンパイは優しい。

 

 

センパイの左腕に抱きつきながらのおしゃべりはとっても楽しかった。

だからなのか道を間違えてしまったみたい。

居酒屋やバーが立ち並ぶ歓楽街に出てしまった。

 

「あれ?こっちじゃなかったか?」

 

「えーっとねー。ここの路地を抜けてから右に曲がると駅に続く道に出るみたい」

 

スマホの地図アプリで道を調べた。

 

 

通り抜けようと路地に入ると目に付く『ご休憩』の文字。

わかりにくい入り口から出てきたスーツ姿の男女。

ラブホじゃん。

 

「えっと、駅はこっちか?」

 

センパイはスルーして通り過ぎようとするが、

ギュッ!

 

「鈴谷?」

 

「ねぇセンパイ」

 

鈴谷はセンパイの左腕に抱きつきながら、

 

「入ってみよっか?」

 

気軽に言ったようにしたけど、内心はドキドキ。こういった所(ラブホ)とか鈴谷、初めてだし。センパイもだよね?

でも、

 

「こら」

 

ぺちんとセンパイからデコピンをくらった。

 

「冗談言ってないで、さっさと行くぞ」

 

むぅ!乙女の一世一代の告白を冗談なんて!

それでもやっぱり、

 

「今日はありがとうな。鈴谷」

 

なんて言われながら、頭を撫でられると嬉しくなっちゃう。

これ、他の女の子にもしてるんだよね。

 

 

翌日、

 

「チース!鈴っちょ。昨日デートどうだった?」

 

「え?最高だったけど?」

 

センパイとお買い物して、あーんしてもらって、最後に頭を撫でてもらったし!

また誘ってくれないかなセンパイ?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




書けば書くほど鈴谷が乙女になっていく。

難攻不落って落ちるから難攻不落って言われるんですよね。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。